＊注意
・本作は戯言シリーズの二次創作です
・オリ主物です
・オリ主はそれなりに強いです
・中二病です
・ご都合主義です

















　俺は死んだ。
　そんでもって生まれ変わった。
　俺の前世は、まあどうでもいい。
　２０代後半の独身貴族が死んだ。それだけだ。
　問題は前世の来世にあたる今世だ。
　俺が生まれ変わった世界は以前の世界と大きな違いはないように感じる。
　でも、俺を取り巻く環境は前世と違いすぎるくらいに違っていた。


「博士（はくし）。
お前は正義の為に生き、正義の為に死ぬのだ」


　これが父親のセリフである。
　正義？
　そんな曖昧なものの為に戦うの？
　というか今までの地獄のような特訓はもしかしてそのためなの？
　……とか思いながらも、俺は大人しく頷いた。
　父親が熊のような３０代で、俺がガラスの５歳児だったからだ。


「正義の定義は自分で決めろ。
自分の定めた正義に従え。自分の定めた正義に殉じろ。
傲慢で絶対で頑なであれ。
それが俺たち武隊の掟だ」


　ちなみのこのセリフを吐いた１か月後に父親は死んだ。
　正義の味方の一生はかくも儚いものだった。
　さみしいと感じたが、それ以上にざまあみろと思った。
　それくらい今まで受けた訓練が鬼畜だったからだ。

　しかし、そんなもろもろの感情が吹っ飛ぶほどの衝撃を受けることになる。
　それは、俺を引き取ることになった親戚の会話だった。


「あいつを殺ったのは奇野師団らしい」

「……やはりか。
異常に死体が綺麗だと思ったんだ。
そいつはどうなった？」

「死んだそうだ。
あいつを殺ったのは奇野未知という男の毒らしいが、
そいつは偶然居合わせた零崎一賊に殺されたとさ」

「零崎か……、
誰だ？」

「零崎常識だ」

「零崎常識……。
爆熱の殺人鬼。
『寸鉄殺人』」

「そうだ、
あの『寸鉄殺人』だ。
俺達殺し名の中でもトップクラスのプレイヤー。
今の薄野じゃあ太刀打ちできる奴は……」

「……やめろ。
分かっている」


　……えー。
　色々言いたいことあるけど、取りあえず一つだけ。
　この世界ってもしかして戯言の世界？
　だって、奇野師団とか零崎一賊とか殺し名とか聞き覚えがありすぎる。
　よしんば小説の話だとしても、親戚が死んだ夜にする話ではないだろう。
　つまりここは……戯言シリーズの世界か！
　うわー、マジかー。
　五年も生きたのに気付かなかったよ。
　結構衝撃。
　俺あれ大好きだったなー。
　思春期の中二病は大体戯言シリーズのせいだしな。
　いや、マジで懐かしい……。


「ん？」


　あれ？
　『俺達殺し名』？
　殺し名ってあれだよな。
　匂宮と闇口と零崎と……あと石凪？
　あー、やばい覚えてない。
　薄野なんて殺し名にあったか？
　でも奇野の対極の対極の対極が薄野なんだろうな、名前的に。
　ってことは俺も殺し名ってことになるのか。
　どうりで死ぬほど辛い特訓を科せられるわけだ。


「とりあえずあいつが死んだ以上、その息子は俺達に欠かせない戦力。
早く一人前になってもらわないとな……」

「ああ。
気の毒だが、今までの５倍厳しい特訓を受けてもらう必要があるだろう」


　……おいおいおいおい、冗談じゃないぞ！
　今までの特訓でも死ぬ思いをしたのに、その５倍！？


「……逃げよう」


　俺はノータイムで決意して逃亡を開始する。
　緊急避難である。
　誰だって死にたくはない。
　死にそうな目にあったら逃げる。誰だってそーする。俺だってそーする。


「俺は自由に生きるんだ！」


　せっかくだし戯言の世界を楽しもう！
　崩子ちゃんと萌太くんみたいに流離の元殺し名になろう！
　予知能力があるとか適当なこと言って鴉の濡れ羽に行ってニートになろう！
　そう決心し、俺は自由の為に旅立ったのだった。
















果たして殺し名を全部覚えてる人が何人居るだろうか……
ちなみに私は覚えてませんでした