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No.37100の一覧
[0] Callofduty とある魔術の女テロリスト[クラララ](2013/03/26 16:52)
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[37100] Callofduty とある魔術の女テロリスト
Name: クラララ◆94f6194f ID:409a627f
Date: 2013/03/26 16:52
ひとは、いつの時代も殺し合いをしてきた。戦争がない時代など、原始時代ぐらいのもので、それさえも最近は覆されてきている。それどころか何万年も前の遺跡からは、人肉食いわゆるカニバリズムの証拠が見つかっており、敵対していた相手を殺して食ったとも言われている。

宗教で、民族で、領土で、石油を初めとする資源で、人は同じ人間という種同士で相争ってきた。理由をつけて正当化さえできれば、人は他者を殺せるのだろうか。

戦争には国民を戦争を行うのに納得のいく大義が必要だが、正義という名目で殺し合いを行っていいのだろうか。

人は、殺し合いという輪廻の輪から抜け出せない愚かしい知恵を持った獣に過ぎないのだろうか。

答えは、分からない。未だ闇の中だ。もしその答えが見つかれば、人が真にすぐれた存在なのかそうでないのかが分かるのだろうが、見つかりしはしないだろう。

ただ一つ言えるのは、世界を揺るがす新たな戦いの火種が生まれてしまったということだ。

西暦20XXねん、ロシアウラル山脈。急峻な山脈にわざわざ居つこうと思うものは
、まずいない。登山家や学者といった平和なものやテロリストやゲリラといった武装犯罪者という物騒極まりないものを除いて。
そしてその物騒極まりない集団は、現実にそこに居ついているのだった。

急峻な山間の一角には、堂々たる軍事施設が出来上がっていた。彼らテロリスト―最も彼らかすれば正義の革命戦士というわけだが―は、司令部兼宿舎を兼ねるベースキャンプに堅固な防備を築き上げていた。

一部の通路を除いて、ほとんどのスペースが盛り上げられた土塁とともに重機関銃の防御陣地となっていた。それだけではなくソ連の解体と忌々しい第三次世界大戦の影響でロシアから流出したSAM(地対空ミサイル)装備の対空車両による対空陣地までもが築き上げられている。
小型戦車とでもいうべきBMP-3歩兵戦闘車さえある。

そして歩哨としてアサルトライフルのロシアの誇る名シリーズAKを携えたテロリストらしく服装がばらばらの男たちが、警戒態勢をとっていた。中には、ロシア陸軍のぼろぼろになるまですり減らした軍服を着ているものもおり、それが痛ましい雰囲気だった。

ここは、世界を騒がすテロリスト超国家主義派の本拠地。憎悪に骨の髄まで取りつかれた者たちの吹き溜まりにして、世界への復讐を誓ったものたちの集いし場所。

超国家主義者の誕生は、第三次世界大戦が発端だった。第三次世界大戦、日本の学園都市とロシアで巻き上がった大戦争。圧倒的な国力を持つロシアの圧勝という大方の予想に反して、学園都市の勝利に終わった戦い。

もっとも、戦争に学園都市が勝利したといっても実際はロシアの軍隊の内打撃を受けたものはいるが、まだまだ作戦継続可能な状態の兵力を残したうえでの敗戦であり、長期持久戦に持ち込めば学園都市にロシアが勝利したといわれている。総合的な兵力と国力を見れば、絶対的にロシアが数の上では有利だ。

ロシア全土を学園都市製のマッハ8という迎撃することが困難な超音速爆撃機(速度がマッハ8であろうと必要に応じて速度は低下させるため)で爆撃し壊滅的打撃を与えるか、でなければ輸送機でもあるそれを用いてロシアの首都制圧でもしない限りは学園都市の勝利はできないはずだ。

ロシアという世界トップクラスの広大な国土の全土あるいは広範囲を制圧し、かつロシアの民間人に対して反抗などを起こさず占領政策を行うことは学園都市の兵力数ではできはしない。
勿論、実際はどうかはわからないが戦争で勝ち目はなかったわけではない。


ただし、ヒットラーとスターリンが火花を散らしスターリングラード攻防戦の時期のような時代でなければだが。戦争を行っていく中、西側諸国に比べれば劣るといわれようが、億単位もするような戦闘機や戦車が失われていくのだ。
そのうえ、戦争となれば国内の経済体制も消費と供給の二つがうまくいかなくなり、下回ることになる。だからこそ、長期戦の態勢をとらず、国内経済の打撃を少なくするため早期解決を図ったといわれている。

実際は、傍迷惑にも自分の目的達成のためにロシアを利用したフィアンマという男の陰謀が阻止されたからなのだが。

学園都市との戦争が終わった後ロシアに残されたのは、BRICsと呼ばれ今後経済発展が著しいだろうといわれた国の一つではなく、戦争によって経済的打撃を受けたかつての大国の残滓でしかなかった。大半の人間は、それを甘んじて受け入れた。

だが、それを受け入れることを良しとしなかったのが超国家主義派だ。ロシアが大国であったかつての姿にすがり、もう社会主義では経済として成り立たないと証明されているのに、スターリンの思想の元旧社会主義体制への回帰をもくろむテロリスト。
それが、超国家主義派だ。大国として世界の盟主たりべきという思想ゆえ、戦争で敗戦に至ったロシア政府のみならずそのテロの被害は世界各地に及ぶ。

学園都市にロシアが敗北したという現実を受け入れられないものたちの、最後の抵抗。国のためを思ってと言えば聞こえはいいが、実際はただの現実逃避や過剰なまでの愛国心の暴走にしかすぎやしない。

そんな超国家主義派を束ねているリーダーは、組織の人間であってもごくごく一部の上層部しか知らず、一般では一切顔を露出していない。
正体不明の謎の人物として世間では知られているが、それも当然。テロ組織にとっても自分たちの組織が恐れられることが大事であり、自分たちに権威や威厳といったものをもたせるために露出していないのだ。
何故なら、まだ10代の少女がテロ組織のリーダーなのだから。

「それでセルゲイちゃん。例のものは手に入ったかなあ。」

テロ組織のリーダー、サローニャ・A・イリヴィカの口調は朗らかに聞こえるが、実際は冷たい。10代であったとしても、ロシア至上主義といっても過言ではない自身の主義主張のためにそれを実行するテロ組織を束ね、残虐なテロを繰り返してきた人物だ。
見た目に騙されてはいけない、目的のためなら大量殺人さえ容認するよう女だ。

その前身は、ロシア正教という世界的宗教十字教のロシア版にある。宗教組織といっても舐めてはいけない。
一般には出ていないだけで、この世界の裏面には魔術という特殊能力が存在している。

それらは世界中様々な体系の元、種別に分かれておりそれに対する十字教の態度は反魔術だ。十字教の扱う力も魔術でありながら、魔術とは違う意味で神力と魔力を呼ばせ教えにない魔術に対する弾圧や超自然的存在を倒す、それが十字教の裏だ。

ロシア正教は、超自然現象そのなかでも幽霊を初めとする心霊現象は世界トップクラスと言われているが、当然のごとくその魔術を介した対人戦闘用能力も低くはない。
が、学園都市との戦いには魔術は役に立たなかった。役に立たなかったというのではなく、高高度上空からの爆撃という魔術師にとっても限界があり、空戦相手に有効な魔術がなかったというだけだが、学園都市が有利にロシアで戦えたというのは厳然たる事実だ。

科学技術の脅威の痛感と敗北したロシア正教では、自分の考えを押し通せない思いからこの組織を作り上げることに成功した。ロシア正教時代に培った技術が、役に立ったのだ。

「ええ、お望みのものを手に入れてますよ。今のロシアは、核の天国ですから。
お見せしますか。」

ロシア国内に根深く根を張る超国家主義派による現政府との激しい攻防と、武器の監視体制がずさんなロシアは史上最大最強の兵器たる核でさえも流出を各国から危ぶまれている。
その危惧は、実現した。

「超小型の冷戦期に開発された小型の戦術核爆弾です、その気になったら半径数100キロをこのサイズで破壊することも可能な代物ですよ。」

セルゲイ、超国家主義派の幹部の男は水筒ほどの大きさの物体をアタッシュケースから取り出して見せた。いかにも硬いと連想される金属でできていることを除けば、本当に水筒に似ていた。

「数はどの程度あるのかな。3発手に入れろって言ったよね。」

「ここにはありませんが、お望みどおりのものを手に入れてますよ。全く、あなたのご注文はいつも難しいボス。」

「そう。なら、アサドちゃんに核を送ってあげて。石油の産油地の中東某国のクーデターに、鎮圧されたとしても核による攻撃じゃ石油が一気におじゃんになって経済テロだったら相当の規模だよね。後は、東京の学園都市ちゃんとヤンキーなんて古い侮称だけどアメリカちゃんの首都ワシントンに目に物言わせるのに使おっか。」

ふざけた口調で彼女は、そういってのけた。ふざけてはいるが、彼女は有言実行の女だ。
信じていた祖国の敗北、それに対する憤りは彼女をたやすく獣へ変えた。

自国に被った被害、それだというのにぬくぬくと今まで変わらぬ生活をしている他国。

自国をこんな目へと合わせた学園都市。

学園都市へと敗北した政府。

それらに対する憎悪から、彼女は祖国のためならばといい平然と人を殺せる人物へと変貌していた。
そこに、他の国だって同様に彼女と同じように自国を汚された苦しみや大切な家族や友人、知り合いを失い悲しむ人がいるなど想像はつかない。

暴力に対して暴力で、人は返す。それがいかに馬鹿げていて愚かであろうとも。
言葉によるコミュニケートを放棄し、頑迷に信念の元に行動しようという人物ほどたちの悪いものはない。

核による被害。それを近い将来人は阻止できるのか、それとも阻止できないのか。


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