それ故に……悔いの残らぬよう、やり遂げなさい。 我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。 これ、後悔とともに死すこと無し…… わかっていたはずだった……私達は、自由を見られるかしら? 大丈夫……何時かきっと、分かり合える日が来る。 そして、遠い未来へ……命は受け継がれるから。――――――テスト投稿二次創作SS 魔動少女ラジカルかがり SHOOTINGテスト内容:新規投稿のテスト、行間の見栄えのテスト原作世界:魔法少女リリカルなのはアニメシリーズ原作設定:日本製シューティングゲーム各種ジャンル:ゲテモノ(オリ主オリ設定オリ展開多重クロス)―――――― 踏み固められた細道をエアスクーターでゆっくりと進んでいく。 幼い私でも乗りこなすことのできる、幼児向けの訓練用乗用車。排熱ファンの音が静かに響き渡る。 目の前に広がる草原を見渡す。 文明の感じられない自然に満ち溢れた風景。隔離された自治区の一角。 草と木と川と鳥と獣の美しい土地。 ――ここは私たちの故郷ではない。 生まれてからいろんな人達から繰り返し言われてきたことだ。 ここは住む場所を失った私たち一族に与えられた、ただの借り物。 いつの日かこの土地は自分達の物ではなくなる。移り住んでから六十年間、土地の開発は最低限に抑えられているらしい。 走る道は土と草と砂利。タイヤでは道を思うように進めないので乗り物は皆宙を浮く。 エアスクーターのアクセルを絞り、スピードを上げる。 目指すのは喪失文明復興局。私の住む学習局からは住居区画をはさんで反対側にある。 誰も通っていないこんな町外れの細道を走っているのは、単に遠回りをしているからだ。 復興局の開局時間は午前九時。 学習局を出たのは朝の八時なので、狭い住居区画の短い道のりをこうして遠回りして朝の散歩として楽しんでいる。 時間があるからといって歩いていくようなことはしない。私はまだ五歳。体力など欠片も無い。 ついでにいうと遊びと仕事に関係ない運動は嫌いだ。幼児だから。 その点、このエアスクーターは良いものだ。 体内の魔力炉をぐるぐる回してハンドルをひとひねりすれば勝手に前に進んでくれる。 文明復興の草創期に復元された、魔力で動く魔動機械の一つだ。「すばらしい。たいだせんかがりごうと名づけましょう」 周囲に人が誰もいないことを独り言。 別に独り言が癖のキモい人間というわけではなくて、まだおぼつかない発音を発声練習することで克服しようとしているだけ。 言葉を話せるようになってからも最近まではあまり喋らないでいたせいだ。 失った文明の復興を担うべく生まれた私は、直後から学習用の機械を使って脳に直接知識を焼きこんでいた。 私たちは約六十年前に滅びた、ここではないある管理外世界の生き残りだ。 幾千年も続いた一つの文明は、管理世界で言うところのロストロギアの暴走によって滅んだ。 文明の加護を失った私たちは、多次元の監視、警邏を行っている時空管理局に保護された。 このような事態は広大な次元世界においてまれに起きることであるらしい。 ロストロギアの崩壊と共に億の単位で生きていた本星の人類種は全滅。 わずかに残ったのは人工移民衛星グラディウスの市民六二七五人。 生命維持の機能が半壊した衛星から救出された人々は、治療の際に管理世界の人類種とは異なる存在と判明。 管理法の保護・監視の条項に基づいて、第6管理世界の外れの一区画に隔離された。 これが学習装置から学んだ私たちの最期の歴史の大雑把なあらすじ。 遺失技術の産物を指すロストロギアという単語の意味から考えると、遺伝子改良の施された種族である私たちは存在自体がロストロギアになってしまっている。 あ、申し遅れました。私、カガリと申します。 第二種監視指定共通人類種とかいう、改造人間などをやっています。 まあ、人類から比べたら、ヒト種のはずなのに肉体強度から魔法資質までいろいろ異なるので改造人間に該当するというだけ。 一応何百年も前に気合と科学と魔法で進化した普通のヒト型魔法生命体だったりします。 カガリという名前は、そんな遺伝子改造の草創期に世界を救った英雄から名づけられています。 文明は消え去っても、残り物で何とか今日も必死に生きている。それが私たち。 この小さな大地の上には世界を失っても生きるわずかな人達がいて。 いろんな人が同じ願いや想いを抱いて暮らしていて。 その想いは、はるか昔に失われたものを取り戻そうと止まっている……。 だけど、その想いは、きっと遠い未来へ受け継いでいける、伝え合っていける。 これから始まるのは、そんな、小さな小さな一族が生きるお話。 魔動少女ラジカルかがり、はじまります!「お前、来月からミッドチルダ行きな」 復興局についていきなり衝撃的な一言。 ミッドチルダとは時空管理局のある次元世界の中心世界で、自治区にある養護施設とかではない。「はあ、それはまた」「全然驚いてないな。まあ、ミッドチルダ式の魔法学校で魔法を覚えるのがお前さんの新しい仕事だ」 頭の上で無茶振りな人事発令を行っているのは復興局の課長さん。ちょっと角ばった顔をした威圧感のある外見をしている。内面は見た目どおりではないが。 私は彼の膝の上に乗って、デスクの茶菓子を食べさせてもらっている。餌付けではない。子供はお菓子を食べるのが仕事です。 ちなみに課長さんの正式な役職は喪失文明復興局生活文化部多次元調査課課長兼多次元交流プロジェクトミッドチルダ方面主任。長いよ。 私は課長さんとか課長ちゃんとか主任さんとかそのときの気分で適当に呼んでいる。「なんでまたまほうがっこうなんでしょう。ミッド式はきそきょうほんのないようが脳にきろくずみですけど。つかえませんが」 ミッド式の魔法は体内にあるリンカーコアを使って魔力を集めて魔法プログラムを起動するというもの。 私たちの一族は体内にある魔力炉で生成した魔力を魔動機械に流して機械を動かすというもの。根本的に違う。 魔力炉にとってかわられたためか、体内にリンカーコアは存在しない。いや、そもそも過去にリンカーコアを持っていたのかも解っていない。 なので、ミッド式の魔法を使うことはできないのだ。 ただし、日銭のために管理局へ魔動機会の技術提供をするというのもあって、ミッド式の魔法技術との兼ね合いは必要だ。 ミッド式でも魔法科学技術や魔法理論自体は生活や復興の役に立つというのもあるだろう。 なので、文明復興の仕事に就く予定の私がミッド式の魔法を学ぶこと自体は十分に理解できる。 ただ、監視指定生物だからと隔離された自治区から、わざわざこんな若い身空で出るだけの理由が解らない。「ことわざで言うだろう“Vasteel-Technologyは身を滅ぼす”ってな」 理解できない借り物の知識は思いもかけないところで災厄になりますよという意味だ。 これは教材を頭に焼きこむだけの学習装置に頼ってないで、しっかり本場の魔法技術を肌で覚えて来い……という解釈でいいんだろうか。 まあこれも解らないでもない。「しかし、まほうがっこうといえども、いっぱんかもくも習うのでしょう? がくしゅうずみのただのきょうようをまなぶのは時間のむだでは」「むしろ復習してこい。学習局の学習装置漬けなんざちゃんと身につくか怪しいもんだからな」 学習局長が聞いたらなんと言うものか。 まあ私は新規復興分野を一人で担当する予定なので相当無茶な学習が行われたのは事実だけれど。「カガリには情操教育ってもんが足りないからな。友達でも作ってくるといい。多分上級学年に編入だけどな」「いろいろむちゃをいわれている気がしますがはんろんは受けつけていない気もするのでむていこうしゅぎをつらぬいておきます」 一族の決定に逆らえるわけでもなし。 ここは課長さんの筋肉質な膝の上で仰向けになってだらーんと降参のポーズをとっておく。 五歳児らしい情操教育の徹底された無邪気なボディランゲージの試みだ。だらーん。 あ、苦笑された。むきゃー。「詳しいことはこっちの書類に書いてあるから早めに準備しとけよ」 なんということでしょう。いきなり一族から放逐されました。 放逐なんです。見たことも無い管理世界の人類なんて、私にとっては宇宙人とか謎の知的怪獣とかバイド生命体とかそんな感じなんです。むしろ情操教育に悪影響が。 せっかくこの第6管理外世界で頑張っていこうと決めた矢先にこれですか。 ……魔動少女ラジカルかがり第一部~自治区編~、開始早々終わってしまいました。続くかも解りません。――――――あとがき:※ハーメルンにもマルチ投稿はじめましたSHOOTING TIPS■グラディウス横シューティングの古き名作グラディウスは、惑星グラディウスの新鋭機ビックバイパーが宇宙生命バクテリアンと戦うとかそんなシリーズです。人工衛星だったりはしません。■カガリ名作パズルゲーム斑鳩の2Pキャラ。飛鉄塊(戦闘機みたいなの)を乗りこなすために遺伝子的な身体強化を受けています。斑鳩の世界観は未来なのか過去なのか良くわかりません。■Vasteel-Technologyは身を滅ぼす宇宙探査で発見した謎の超技術Vasteel-Technologyを良くわからないまま利用していたら、暴走して人類に牙を剥きました。以上サンダーフォース5のストーリーの導入。でもこんなことわざは実在しません。■バイド生命体未来の人類の侵食性産業廃棄物。過去に流れ着いて人類てんやわんや。STGはバッドエンドが多いですけどR-TYPEは初代以外常時バッドエンド。