ー あ~!! こんなとこにいたんだ~、探したんだからねっ もおっ!! ー
そう息を切らせながら走ってくる君
ー 目をはなしたらすぐにいなくなるんだから…でも、なにもなくてよかった ーニコッ
そう言った君の笑顔はまるで一輪の花が咲いたように綺麗だった
走ってきたせいなのか、頬はやや紅く染まり呼吸はやや早くなっている
こんなに必死に探してくれたことに嬉しく思いながら、心配をかけたことにあやまる
ーもおっ!! ほんとだよぉ 心配させて!! ー
頬を紅くしながら怒る彼女
何とかご機嫌をとろうとする僕
ー 何をすれば許してくれるか? ですって、んーそうね、それじゃあこれをあげる ー
そう言って彼女から手渡されたもの
これは…指輪?
ー そうよ、この指輪はねすごいのよ!!持っている人同士はテレパシーでお互いの場所を感じることができるの ー
そう嬉しそうに語る君
そして、少しの静寂
そっと目をふせて頬を染め
ー だから…だから私はあなたがどこにいようと見つけられるし、ずっとあなたの側にいてあげるんだから…感謝しなさいよねっ!! ー
目の前の景色が歪み出す、僕は目の前の世界があまりにも綺麗で信じられなくて、両の目からなにか熱いものが溢れ出す
ー なっ泣かないでよっ!! あ~もう、…それで何か言うことはないの?それとも女の子にこれ以上言わせる気? ー
首を横にふる
思いを言葉に紡ぐ
僕もずっと側で君を守る、君を生涯かけて幸せにする…大好きだ
だから将来大人になったら僕達 … ー
最後の言葉が風に流れる
目の前の花はますます綺麗にその表情を変え…そして咲き誇る
ー うんっ!! ーニコッ
幼い日小さな、でもとても大きな約束
そしてその証の指輪
とてもとても大切で幸せな記憶