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No.36803の一覧
[0] うらあり師【短編・意味がわかると怖い話・解答あり】[更波嗚咽](2013/02/28 21:57)
[1] 解答[更波嗚咽](2013/02/28 21:56)
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[36803] うらあり師【短編・意味がわかると怖い話・解答あり】
Name: 更波嗚咽◆e0675072 ID:9639a0c5 次を表示する
Date: 2013/02/28 21:57
もう随分前の話になるが、後味が悪くて未だに忘れられない。
確か入社して三年目頃だったか? 
仕事はそこそこ覚えた。社内の上司や同僚とも、まあ大概の相手とはうまくやれる。給料も大して不満ねーかな。
で、何が問題かっつーと、刺激の無さだな。不満はないが不安はあるんだ。どうもうまく言えんが……早くも年寄りの仲間入りをし始めたような? 
なんとなくはわかるだろ、嫌なもんだったよ。
そんな時はみんなどうしてるかっつーと、新しいことを始めるに限る。
スポーツでも学業でも、なんならテレビゲームでも構わんが、俺の持論を言わせてもらえば、恋愛ってのが最っ高だね。
精神的な若さを保つなら、これ以上のもんはないな。
まあ早い話、新しく彼女ができたわけだ。ちょっとばかしおっかない相手だったが、そこがまたスリルなんだよなぁ。
ホラーもののマニアの真髄って多分あんな感じだわ。
あと、丁度その頃面白い奴に会ったんだが、まあそれについてはおいおい話そう。この話の本筋だし。
そのときの会社の上司にJって人がいた。年はもう五十近かったんじゃないかな?
付き合いが悪いっつーか、仕事の仲間とは仕事の話しかしないって誓いでも立てたような御仁だった。
あの能面みてーな顔がどうにか表情を作れるって、今話そうとしてる件で初めて知ったよ。
五年十年の付き合いじゃない同僚とだって、家庭の話も趣味の話も経済の話も一切しない。いっそ清々しくなるほどの唐変木さ。
これはだいぶ長い間仲間内で冗談の種になったんだが、昔くだんのJさんにえらく熱を上げたお局さんがいて、色々とアプローチ仕掛けてたんだな。
するとJさんは例の仏頂面を妙に引きつらせて何か言おうとするんだが、その前にがーっと喋り倒されてなんにも言えねー。
俺はいい加減気の毒になって、Jさんもう奥さんいますよ、って助け舟を出した。
一瞬みんな固まってから、今度は爆笑の渦が巻き起こった。渦中のお二人、Jさんはむすっとしてお局さんは顔真っ赤。
マジで周りの誰も知らなかったらしい。さすがに呆れたぜ。
で、そのJさんと、いつもの商店街まで行く途中でばったり会ったんだ。
なんかえらく上機嫌そうな様子で、やあどうだい、今から一緒に遊びにいかないか? ときたもんだ。そういや、ご機嫌のわりに顔はやけに青白かったな。
おいおいあんた、社の飲み会でだってただ座ってちびちび酒飲んでるだけで全然楽しそうじゃないだろ。ああいう席に進んで来たことなんて皆無じゃん。
でもそのJさんが本当に誘ってきたんだな。どういう風の吹き回しなんだか。
なんか良いことでもありましたか、と訊いたら、うん、もっと言うとこれから起きるんだよ、だってさ。
ふーん子供さんの誕生日かなんか? いや、子供いないよな。
ちょっと疑問をぶつけてみた。
なぜ俺をお誘いに? たまたま会ったからですか? 
(記憶が正しければ、俺とJさんの間で交わされた会話の中で一番親しいものでも、内容は書類の記入方法の間違いについて。
 正直気まずいので、必要に迫られない限り傍には寄らないことにしていた)
今までこの辺でお会いしたことはありませんでしたけど、今日はなぜこちらにいらしたんですか?
Jさんは若干ばつが悪そうに笑って、D君から君の事を聞いたんだよ、と言った。げっ。
Dというのも俺の会社の同僚で、ぶっちゃけ思い込みが激しい女子。現在、職場で一番関わり合いたくないヤツ。
同期なんで一時期そこそこ親しかったんだが、どうやらそれがまずかったようだ。
そこまで思わせぶりに振る舞ったつもりはないんだが、向こうはとっくに俺の嫁さんになって寿退社するつもりだったらしい。
その頃はもう、今の彼女と付き合い始めていたんで、その旨はしっかり伝えたんだが、じゃあ誰よその相手!? と訊かれた俺が答えずにいるとかんしゃくを起こした。
もう軽くストーカーみたくなった。誰と付き合ってるのか、俺が言わないなら自分で確かめてやるって、後つけて来たりした。
さすがにそれは困るから、多少強引に言ってやめてもらった。だってこのままエスカレートしたら、どっかに隠しカメラでも仕込まれかねないと思ってさ。
そん時は納得してないみたいだったが、その後似たようなことはなかったからどうにか収まったんだろう。
……で、こういう少しばかり遠まわしな嫌がらせに出たわけか? うん、多分あいつが思ってるよりは効果的だな。
そんな事情だから、ろくな評判聞いてないでしょう? みたいな事言ったら、はは、まあね、だって。否定してくれってーの。
で、(飲み屋は)歩いていける場所なんですかって訊いたら、すぐそこに車停めてあるからそいつに乗っていくんだと。
遠目に見ただけだが良さそうな車だったなぁ、こら家にだって金かけられるわけだ、って妙に納得した。
悪路もスイスイいけそうなレジャー系の四駆で、タイヤに雪なんかも付いちゃってんのが味があったな。
雪国生まれで海を渡って本州に来たもんだから、少し懐かしかった。その年はまだ、雪なんて遠くの山に積もってるのしか見てなかったし。
上司が運転手ってのも気ぃ遣うんだけど、まあ多目に見ようと思った……いや、結果的には乗らなかったんだけどさ。
思えばあの時、ちょっと体調が悪そうですけど、運転なんて大変じゃないですか? とか言って止めときゃよかったんだ。
顔色は悪いし、手も震えてた。本人はただの筋肉痛だって言ってたけどさ。寒いところでの運動はこたえるなあ、とかなんとか。
手と言やあ絆創膏を甲に貼ってたっけ。どうしたんですかって訊いたら、たちの悪いのに引っ掻かれたって苦笑してた。
はは何、野良猫に餌やろうとでもしたの? って妙になごんだっけ。
で、Jさんの先導でじゃあ車乗ろうかってなった時、思いついた事があった。
すぐそばに面白い店あるんですけど、なんなら寄って行きません? テンション上がりますよ、あれは。
店って、どんな?



―――「うらあり師」ってんです。変わってるでしょ?



「うらあり師」の看板を掲げた露店は、いつも通り人通りの少なくて道幅の狭い路地にあった。
多分女子大生かなんかであろう、お世辞にも頭が良さそうには見えない客が、けらけら笑いながら気前よく五千円札をくれてやって、席を立ったところだった。
客と机を挟んで座ってるそいつを見た時、Jさんは少々ぎょっとしたようだった。まあ無理もないわ。
頭からすっぽり覆面被って、服もやけにだぼついた魔法使いのローブみたいなやつで全身覆ってる。
それで手袋もしてるもんだから、肌は全く露出してないし、体格や背格好もさっぱりわからん。
あと、声はボイスチェンジャー。どんだけ匿名希望なんだよって感じ。
自称「うらあり師」のUは本当に面白い奴だった。
最初にこの店を見かけて立ち寄った時、まず俺の口から出た言葉は意外性も面白みもなく、うらありって何だよ? だった。
Uが言うには、客の実際の過去や未来についてぴたっと当てるのが「占い」、ここでやる「うらあり」はその逆なんだと。
ここは客について、即興で現実とおよそかけ離れたデタラメな話をでっちあげてみせて、その突拍子もない馬鹿馬鹿しさを楽しんでもらう店だという。
な、ちょっと面白そうだろ?
それにとにかく退屈だったもんで、料金を聞いてみて手頃そうなら頼もうと思った。
Uいわく料金は、「とりあえず話を聞いてみて、払いたいだけ払えば」でいいそうな。なかなかいかした奴だ。
んでもって頼んでみたら、もう本当に最高の出来だった。あんなに笑ったことは生まれてこの方なかったね。



メインは俺の恋物語だったな。
導入は俺の両親が、いつまでたっても孫の顔が見られそうにないことに業を煮やし、見合いを強く勧めてくる……だったか。
兄貴二人がどちらも独身貴族のせいで、俺にお鉢が回ってくるんだよな。
しかし俺には心に決めた人がいるのであった。中学時代の同級生で生まれつき病弱な子。もっともチキンの俺は告白できず、卒業後は音沙汰なし。
でもって、既に結婚してたりすれば諦めもつくかな? という結構な負け犬思想で、例の彼女に連絡をとってみる俺。
だが会えたのは病の床、彼女は生来の難病が悪化し、余命いくばくもないのであった。ありがちな展開とか言うなよな。
なしくずし的に闘病生活に付き合うことになる俺。そしてその中でかつての恋心は再燃、昔よりも格段に激しく炎上。
女性に対し誠実で一途な男である俺は不義をはたらく事など出来ず、見合いは破談にしてもらう。
てな感じの展開の末、奇跡的というかご都合的に病を完治させた彼女と俺がめでたくゴールイン。
俺の両親は大喜び、のどかな南の島でゴーヤと豚足食いながら仲睦まじく暮らし、曾孫の成人式が見られるほどに長生きしましたとさ、ってとこでおしまい。



本当語り口調が上手くて、こんな荒唐無稽な話でも思わず引き込まれちまった。
あの時三千円しか出せなかったのは本当に悪かった、と今でも思う。でも当時は、それで精一杯だったんだよ。
Jさんにそういう説明をしてみたんだが、正直あまり気乗りはしてないようだった。
でも、これが終わったら一緒に来てくれるね、という問いに頷くと、Jさんは客用の椅子に座った。
その時Uが一瞬、Jさんを凝視したように思えたのは気のせいかな? っていうか目、出てないし。
そういや、あの頃はあいつの素顔を見たことすらなかったっけ。いやー懐かしい。
途中までは、別にいつも通りの応対をしてた。
Jさんは貞淑な妻を裏切り不貞を繰り返すとんでもない浮気男で、仕事でも部下にミス押し付けたりは当たり前、最近は会社の金の横領まで始めた、とかいつもの与太話さ。
自分の浮気が十六股くらいになって思わず苦笑した辺りから、Jさんも目に見えて緊張がほぐれた。なかなか気に入って頂けたようだ。
横領がバレて吊るし上げを食らいそうになるも、間一髪のところでうまくかわし、金を持って国外へ高飛び成功。
以後、たっぷり長生きして老衰で死ぬまで高飛び先でも女作りまくり、最終的には子供がサッカーのチームを二つ作れる数になった、ってとこでおしまい。
流石の堅物も声を立てて笑ってたよ。
で、Jさんが財布を取り出したときにUが妙なお世辞を言ったんだよ。お客さんのような方にこんなデタラメばかり言うのもなんですし、とか言って。
確かこうだったかな?



「暖かく開放感のあるご家庭で、奥さんに重圧感や息の詰まるような胸苦しい思いなんて絶対にさせないでしょう? 寂しくて寒々しい思いも。
 職場でも部下の面倒見が良く、妬み混じりの告げ口を真に受けたり、失敗を殊更に責め立てることもありませんね? 特に、仕事と直接は関係のないことでは。
 そして何より、同じ過ちは決して繰り返さないタイプでしょう? そうですよね?」



一瞬おいてからJさんの顔が一気に真っ青になって、全身がたがた震え出した。
でもって、札入れからごそっと中身抜き出したもんだから何かと思ったね。気前良すぎだろ。
Uは何かメモ用紙に走り書きして二つ折りにし、Jさんに渡した。
一人になったら開けてください。大丈夫ですよ、私は味方ですから、とか耳元で囁いて、Jさんはどう見てもぎこちない頷き方をした。
……明らかに何かおかしいと思った。
けどまずはJさんを家に返す必要があった。この様子じゃ自分で車を運転するのは無理だろうし。
仕方がないのでタクシーを呼んだ。Jさんは何を言っても耳に入らないようだったので、やむをえず俺が運ちゃんに行き先を指示することに。
病院に連れてった方が良かったかな? まあ帰り着けば奥さんがいるし大丈夫だろ、とか思いながら見送った。
アパートに戻ると自室の鍵が開いていたので、もしや泥棒か!? とビビりながら入ったが、どうやらただの閉め忘れだったようだ。
なんせ物色した様子がまるでなく、特に隠したわけでもないのに印鑑も通帳も全くの無傷。
ほっと一息ついてラジオ番組なんか聞いてみると、むしろいつもより音が良いような気さえした。最近、ノイズが酷いような気がしてたんだよな。



Jさんのその後の顛末については会社で聞いた。
翌日の朝、Jさん宅に来た新聞配達が玄関が開けっ放しなのを不審に思い、中を覗いてみた結果、倒れているJさんを発見。
すぐに救急車を呼んだが、素人目にも冷たくなってるのが明らかだったそうだ。検死によると、昨日のうちに死んでいたらしい。
ん? ああ、勘違いするなよ、殺人事件ってわけじゃない。
外傷も毒の痕跡もなし、「おそらく強度のストレスによる、内因性の突然死」、まあ要は脳卒中かなんかだとか。
早くに手当てすれば助かったかもしれないが、当人は助けを呼べる状態じゃなく、朝まで見つかりもしなかったのが実についていなかった。
ああ、見つからなかったってのは、奥さんがいなかったからな。いや、出かけてたとかじゃなく、まあぶっちゃけ、逃げられちゃったみたいだな。
気持ちはわからんでもないよ、旦那さんが二十も年上であんな堅物じゃあ、そうそううまくいくもんでもないだろうし。だが正直、薄情って印象は拭えんね。
それが原因でJさんは酷いショックを受け、倒れる事になったんだろう、って事で大体話は落ち着いた。
あと、新聞配達の少年によると、Jさんを外に担ぎ出した時、手の中からぽろっと紙が落ちて、風で飛んでったらしい。
一瞬、ひょっとして遺書とかダイイングメッセージとか? と思った少年は文面を覚えてたが、あまりにくだらないメモで呆れたといっていた。
何が書いてあったか? 本当に何のこたぁないよ、「使ったネクタイを処分すること」だって。
それきり奥さんは見つからなかった。携帯にかけても出ない。残念。
そういえば、あの直後Dを会社で見かけなくなった。今は俺もフリーだし、よりを戻してもいいかと思ったんだけど。
いや、Jさんの件の直後一度会ってはいるんだけど、俺を見るなり矢も楯もなく逃げ出してしまった。
なんだよ、死人でも見たような顔しやがって。あ、そういや結局鍵返してもらってたっけ?
その後しばらくしてから噂で聞いただけだが、相当精神を病んでおり会社は退職、今は相応の施設にいるらしい。
かなり錯乱して妄想に取り付かれ、ぶつぶつ独り言ばかり口にしているとか。
見舞いに行こうかとも思ったが、「あいつのせいだ、元はといえばあいつが……」とか、始終俺の悪口を言っているとも聞いたのでやめにした。むしろ悪化するだけだろう。
まあ俺は、良く言えば「去る者は追わない」主義なのでそこまで気にもしなかった(悪く言えば薄情)。
……そして、例の「うらあり師」もほどなくして、あの路地では見られなくなった。






それから結構経って現在、なんだかんだ色々あって俺も所帯持ちだ。
独身時代は結構羨んでた部分もあったんだが、これはこれで大変なもんだな。特に今は、家庭の問題の相談相手に困ってる。
上の妹なんか、ちょっと愚痴をこぼすとすぐに説教モードに入るから参るぜ。えーえー、結婚生活に関しちゃお前の方が先輩ですよ。
下の妹はむしろこっちが相談を受ける側だ。最近離婚したもんだから。ろくな男じゃなかったんだな、こっちはまだ会社入りたてのとこ、無理に式を見に行ったのに。
親と話せればいいんだけど、あいにく仏壇は聞き役しかしてくれない。
いや、死んだから(一方通行とはいえ)話せるのか。生まれてこの方二十年弱も付き合ったが、あの二人が相手の事を良く言ってるところなんて見たことがない。
互いに相手の事を最悪な詐欺師だと思っていたようだ。まあ、実際その通りだしな。
おかげで俺も、不義と嘘についてはかなり詳しくなった。
いや、俺のは正確には嘘じゃなく、「聞かれなくても当然言うべき事を言わない」という技術だが。
皮肉なことにこの両親、死ぬ時は一緒だった。なんてことはない、ただの交通事故であっけなく。
確か、師走のことだったか。来年頭の式用の晴れ着に使う予定だった、金の行方について口論してた頃だな。
結局家庭というものの正しいあり方については、何一つ教わらないまま……いや、この話はやめだ。俺のキャラじゃない。もっと軽薄にいこう。
ああそう、この間同窓会に行ったんだが、結構ショック受けたね。死人が出てたんだよ。
女子テニス部の部長やってた奴。なんか病気をこじらせたとかとかで、ごく最近、同窓会のほんの数ヶ月前にぽっくり。
あいつ無茶苦茶長生きしそうなタイプに見えたのになー、って皆言ってたよ。あいつが病気したとこなんて見たことない、とか。
確かに。ファーストフード店に行ったりすると、こんなの食べてたら成人病がどうだとかコレステロールがどうだとか、ばーちゃんみたいな事ばっか言ってたわ。
中学生の懐事情で他にどうしろっての。そういつもいつも映画見に行くほど余裕はねーんだぞ。
そんな事情で昔に思いを馳せていると、ふとJさんの件が思い出されたので、Uにあれって結局なんだったんだ? って訊いてみたが、どうも要領を得ない。



「ああ、あれか。あの時は、私も色々考えさせられたな。
 自分では最善を尽くしたと思ったんだけど、結局あれで良かったのかどうか、確信できなかったんだよ。
 何もかもなるようにした方が、とも思えたし。因果応報ってやつで。
 それで悩んだ結果、あの仕事はもう辞めてこうしてるんだけどさ。
 確かめて最悪、自分で帳尻を合わすことに決めたら結構すっきりしたよ。
 まあ、今のところはそこまで悪くないようで安心してるけど。
 ……ないといいけどさ、そんな事。でも、先のことはそこまでわからないし。
 他人のこともそうだけど、自分のことは本当に全然」
 


とかなんとか、遠い目で浮かない顔をしてた。人の質問に答えろよ。
まったく、なんで女ってのは揃いも揃って、人を煙に巻くのが好きなんだか。
そんな考えが顔に出ていたのか、Uは呆れたように呟いた。



「最初に会ったときから思ってたけど、羨ましいくらいの視野狭窄だなあ。
 いや、これは正確じゃないかな? 目は開いていて全部見えているのに、見ているものの意味を気付かないだけだから。
 いくらなんでも調子に乗って『言い外れ』過ぎたかと思ったのに、全然感づかなかったっけ。
 それだから私とは、『足して二で割れば丁度いい』式に相性がいいのかもしれないけど。
 ……最悪の場合も、その方が色々都合がいいしね。
 


 ―――でも本当に幸せだなぁ、殺されかかったのにも気付かないんだから」



……はあ?



***



一応答え合わせもあった方がいいですかね?


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