近年、警察業界で問題となっているものがある。それは、池袋界隈を走り回っているという首なしライダーだ。
首なしというのは、事実無根の噂であるにせよ警察を煙に巻く暴走ライダーを取り逃がすというのはまずく、警視庁は池袋警察に全力で逮捕を命じている。
その首なしライダーを狙わんとするものたちがいた。
「ええ、先輩。あの池袋の首なしライダーを逮捕するっていうんですかぁ。無理ですよぉ、交通機動隊がルパン三世並の態勢で取り逃がしたっていうんですから。」
「大丈夫だ、本田。お前のバイクテクニックならできる、なんたってビルの外壁を上ったことさえあるんだからな。やれよ、やったら報酬としてお前の好きなアニメのフィギュアをくれてやる。
タイプムーンのキャラのフィギュアほしかったろ。」
「やらせてもらいます、先輩。」
どこかの下町管轄警察たちの首なしライダー捕獲計画。それが首なしライダーもとい、セルティを襲うことになる。
『また警察の追跡か。しつこいと女性に嫌われるってのを知らないのか。悪いけど、捕まるわけにはいかないからあきらめてくれ。』
「おら、おら、おら両津の旦那に頼まれたんだ。フィギュアのためにも大人しく捕まってもらうぜ。」
『この運転についてこれるだって。テクニックは、あいつと同じかそれ以上か。』
本田対セルティ。宿命の対決が切って落とされた。
『ええい、ビルを上ることは人間にはできないだろ。』
「ビルを上ったぐらいで、俺から逃れられると思うんじゃねえ。」
『何、やつは化け物か。』
「よ~し、いいぞ。本田、そのまま誘い出せ。」
両津の計画通りに進む闘争劇。その計画とは。
ズダダズダダ!!
『あれは、米軍のアパッチ!ふつう、犯人逮捕に攻撃ヘリ出すなんてどこのばかだ!映画と現実は、違うんだぞ。』
「両津、奴をミサイルも含めて完全にとらえている。いつでも射撃できるぞ。」
「悪いな、爆竜大佐。これで奴を捕まえれば、わしと本田の昇進間違いなしだ。」
米軍さえも巻き込む両津勘吉の人脈。
「わしは、葛飾区亀有公園前の両津巡査長だ。本田と爆竜大佐で、ひどい目にあいたくないなら大人しく捕まるんだ。」
『悪いな、確かに大したドライビングテクニックと攻撃ヘリだけど反則技使わせてもらうよ。』
「な、分身しただと。F91ガンダムかよ。大佐、どれが本物だ。」
「両津、IRセンサー(赤外線センサー)にはどれも反応がないし、レーダー反応はどれも本物だ。分身とは別の何かだ。」
「そんな馬鹿な、バイクは熱を発生するだろ。まさか、閻魔や神と同じオカルト関連。ええい手あたり次第、撃ちまくれ。」
「うぉ、両津のだんなぁ、こっちまで巻き込まないでくれよ。」
「くそぉ、逃がしたかぁぁ!」
セルティの影戦法。それによって今回の事態は、幕を引き下ろした。
「この馬鹿者、お前らは池袋警察管内で勝手に暴れまわった挙句に犯人を逃がしたのか。罰として、ビルの屋上を壊した費用を本田と両津の給料から引いておく。」
「あれは、爆竜大佐が・・・・」
「お前が指図したんだろう、問答無用だ。」
最後は、いつも恒例。大原大二郎巡査部長の御叱りである。
「はぁ、結局のところ彼女の捕獲は無理だったか。矢霧製薬が保有していた、単体の首でありながら腐敗することもなく全く未知の生物化学的素材で合成された首。
その本体を拘束できれば、中川バイオコーポレーションの技術が飛躍するというのに。」
「圭ちゃん、がっかりしないで。まだまだチャンスはあるわよ、ダラーズとかいう凶悪なチンピラチームと関わり合いがあるっていうし下手に捕まえないほうがいいんじゃない。」
「麗子さん、ダラーズとかいうのは全くの架空だよ。ネット社会が生み出した虚構、それが現実となっただけでダラーズというチームは今でこそ現実にあるがネット掲示板で嘘が信じられて本当になった。
構成人員は結構多いけど、実銃を使える非合法チームを用意できればたやすくけちらせるさ、リーダーもIPアドレスを特定して検討はついてるしね。」
「世界は、我々財閥が支配している傀儡にすぎやしないということね。特に我々マリィ・ローランと秋元貿易と・・・・・」
「そしてわが中川、この二極が世界を支配を支配し平和に導く資格があるのさ。まあ、彼女の捕獲は別の機会とするか。」
そして物語の裏で暗躍している謎の二人組。その正体とは、一体。