利己的なまでに偽善的。
しない善より、する偽善。
人は何でも自分が良ければそれでいい。
私が人に優しくするのも、優しい自分が好きだから。
私が人のために動いたりするのも、そんな自分が好きだから。
人が悲しい顔をしてるのを見るのは、私が嫌な気分になるから。
人が喜んだ顔をしてるのを見るのは、私が良い気分になるから。
だから、気にしなくて良いのよ。だって私は自己中だもの。あなたにかけられる迷惑よりも、あなたの嫌な顔を見てるより、
あなたの笑顔を見てる方が、私の気分が良いんだもの。
だから、私の好きなようにやらせてもらうね!
【…それを人は「思いやり」って言うんだぜ?】
Song dedicated to you
FF7:名無しのNANA- ( <●><●>)<オリキャラ最強話ですね、わかります
「uzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!」
ゴワン、と巨大な炎が、これまた巨大な蛇にまとわりつく。
「うぜえ、が詠唱かよ…」
「ハハハ流石ボス」
「ヴィンスの旦那、棒読みになってんぞ」
「クエー」
『ピギィイイイイイイイイイイイイイイイイ!!』
喉を鳴らしてのたうち回るミドガルズオルムに、さらに氷の槍が突き刺さっていく。朝焼けと炎に照らされた少女の瞳は、ひどく静かに凪いでいて、炎で
引き攣れた皮を、黒髪の青年が斬りつけ、さらに弱くなった皮を見定めて氷の刃を打ち込んでいった。
ぐらりと巨大な蛇の目玉が揺れたその瞬間、黒いスーツ姿の男の手に収められた銃が、見事にモンスターの眉間を穿ち貫き。最後の力を振り絞って
振り回さんとした太い尾を、黒髪の青年が巨大な剣で叩き斬る。
泥を含んだ水飛沫を上げて倒れ伏すモンスターに、少女はサンダーを唱え、その体を細胞単位で死滅させる。
夜明けになり、西空に残る闇の濃さを増した草原を赤い炎光が照らし、その光景に銃を見事に掌で回転させた黒服の男は嘆息してホルスターに銃を納め、少々長めの黒髪
を持った青年は、蛇の体液をまぶされたバスターソードをぼろ布でぬぐい上げる。
「用心深いことだな」
黒服の男性が、蛇を見つめ続けている少女に声をかける。
「そう?ヴィンス。…んー、まあそうかも。私はもともと臆病者だしね。命のやりとりするなら最後まで、ってね」
「…臆病者だったら、プレートの欄干までいかないんじゃn なんでもないです」
「判ればヨロシイ、ゴンガガ猿」
「ちょ、おま!!猿って!」
少女は「土に還るエコティッシュ」と印刷されたティッシュを取り出し、顔に付いた泥をなで擦る。背後から「猿っていうな!」と叫ばれても気にしない。
見据えた先には、ミスリルマインが雄々しくもどこか寂しげにそそり立っていた。
沼の中にミドガルズオルムの死体を押し込み、順調に三人と一匹は鉱山へと進んでいく。
本来ならばクラウド達を待ち伏せるべく、配置されているはずのタークスも、まだ到着はしていないようだった。
「おおおお、コンドルフォート。俺任務でこっちの近くくるときはまだあんなにデッカくなかったぜ。鳥」
上下の動きが厳しかったミスリルマインをそれなりの苦労で抜け出した先には、平原と道。そして斜め前方向にコンドルフォートが姿を見せた。
巨大な卵と、巨大な鳥が、巨大な岩に乗っているのは、かなりシュールだった。
「卵おっきーねー」
「あれだけでかいと随分大味だろうな」
「え」
「味って」
「…なあ、ヴィンスの旦那って狙ってるのかな」
「いや、あン人のは天然っしょ」
思わず肩を寄せ合って囁きあう二人に、まったく気にもとめないヴィンセントが声を掛ける。
「何をしている、さっさとジュノンまで急ぐぞ」
「天然だなぁ」
「天然だねぇ」
「クエー」
天然、と揶揄された黒服の彼は、その天然さを発揮して、まったく二人と一匹に意識を向けずにジュノンへと視線を飛ばしている。
その姿に肩をすくめ、二人と一匹もジュノンへの道を辿り始めた。
はてさて、なかなかラクな行軍でございました。途中の森でユフィと出会うというハプニング、そしてコンドルフォート付近で私とハニー以外のマテリア全部
カっさらわれていくということもございましたが、本気で追いかけて黄金水ちょちょぎらせたので今後関わってこないとおもいます。ニコッ☆
「静岡ってラクチンだよネー」
精神的に疲れ果てた男二人(一人、兎過敏症を発症)をホテルへとたたき込み、ナナはハニーを連れて消耗品の補充のため、ジュノンの歩道を歩いていた。
「たーんたららったったったったっ! たーんたららったったったった!
たららたーんたーたたったっ たーんたーたたったっ たーんたたたーん たたたーん」
「キュールルッ クェック キュキュキュルルー クルルルーキュルルークェークェー」
愛らしい少女のスキャットと、それに続くチョコボの鳴き声。見事な音程を奏でるその鳴き声に、何人もの通行人が振り返る。その中に「ルーファウス社長
歓迎式典」のパレード音楽担当係が居たのは余談であった。
まだクラウドたちは来ない、ルーファウスとかも来ない!これで勝つる!等々気楽ムードで歩いていた二人。しかし、その二人の目をかするように“黒い外套
を着た銀髪の男”という影が現れる。
まるで最初から何も居なかったかのように、路傍の石のような気配で建物の隙間へと消えていったその影。思わず走り、二人がその建物の隙間を
のぞき込んでしまうほどにそれは“例の相手”だった。
銀髪をなびかせ、路地の空気を切り裂いていくその姿。セフィロス。ナナとハニーはその後ろ姿を認めた後、互いに頷き合うと同時に、片方はしゃがみ、片方
はその背中に乗った。道行く人々のキャッという叫び声も気にせず、背にナナを乗せたハニーはその脚力で、建物の窓枠を蹴り上げながら垂直に登っていく。
建物と建物の屋上を飛び交い、その銀色の影を追い続ける二人の目の前に、恐ろしくも醜い行為が繰り広げられようとしていた。
-ずるり-
セフィロスコピーであったものの左頬が、ゼリーのように崩れ落ちた。とろけた皮下脂肪と筋肉、そして歯茎が覗く。だがそれに気づいていないのか、
歩みを止めることはない。
三本ほど細い路地を通り抜けたあたりで、セフィロスコピーの目の前に黒マントが現れた。微かなうめきとともに、薄汚れた指先をセフィロスコピーへと
伸ばす。
「クックックック…」
狂気じみた笑い声を漏らし、セフィロスコピーがその手に触れる。まるでナメクジが這うような動きで、セフィロスコピーの皮下から「なにか」が指先へと移動していき、黒マントと触れ合った指先から「なにか」がズルズルと黒マントへと流れ込んでいく。
「うげあっ! あっ! がぁっ! あっ! あは! はぁぁぁぁーー…!! おぶっ ぐぶっ…! ごっ…」
「クックックックック…クックック… ブグッ グッグッグッグッグ…ゴブッ」
「なにか」がセフィロスコピーから黒マントへ移動していくたびに、低く不快な叫びが黒マントから漏れ、その体が膨れあがっていく。そして、
対照的にセフィロスコピーはその身をどんどん細らせ、頬の崩れが広がっていった。響きの良い声も、喉が熔けているのか嗚咽混じりになっている。
「うわぁ…これはひどい」
【蓮コラが大丈夫な俺には遠目でクリック余裕でした】
「すごいなハニー…。だけど私は耳掻き動画が平気だよ」
【あ、俺逆にそっちダメだわ】
どうしても緊張感というものが完全にしみこまぬ二人、しかしひそひそと会話を交わしつつも、ナナはポケットからメモ帳を取り出し、現在のセフィロスコピーと
黒マントの行動を逐一メモに記していた。
そして、「なにか」が完全に黒マントへと溶けてゆくその最中、ナナの脳裏に声が響く。
【ナナ…!たす け】
「小母様っ!?」
【ばかっ!ナナ!気づかれる!】
脳みそに直接響くような、かすかに残るジェノバの声。酷く怯え、酷く苦しそうにその声はナナへと助けを求めていた。
その声に、ナナが思わず声を上げ、声の大きさにハニーが羽で口を押さえる。
「クックックッグッグッグ…おやおや、ドちらざま、がな?」
二人しかいなかったビルの屋上に、銀髪の頭皮をとろかせ、その美麗な顔立ちを崩した「ナレノハテ」がたたずんでいた。
逞しい胸板も見るも無惨に熔け、肋骨の向こうに臓腑が覗く、中央から左よりのそこには、人とは違う「薄桃紫色」の心臓を納めて。
【たすけて…】
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あとがき:
ものすごい勢いでお久しぶりです。Mです。無職になりましたウフ。
日本のみんな!オラに職を分けてくれ!
あと、トリップ忘れた。あってるといいなぁ