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No.365の一覧
[0] FF7:名無しのNANA-[M](2009/05/07 09:38)
[1] Re:FF7:名無しのNANA-パニック幼女こんにちは+初めてのFF7関係者こんにちは[M](2007/03/17 06:51)
[2] Re[2]:FF7:名無しのNANA-BCキャラたちこんにちは+優しい人との別れこんにちは[M](2007/03/17 07:13)
[3] FF7:名無しのNANA-知らないイノチこんにちは+急展開が続く日々よこんにちは[M](2007/03/18 07:12)
[4] FF7:名無しのNANA-濃厚な一日よこんにちは-1-[M](2007/03/19 09:05)
[5] FF7:名無しのNANA-濃厚な一日よこんにちは-2-[M](2007/03/19 09:16)
[6] FF7:名無しのNANA-マテリア四粒こんにちは[M](2007/04/01 04:47)
[7] FF7:名無しのNANA-ほーじょーせんせ、こんにちは[M](2007/04/01 05:12)
[8] FF7:名無しのNANA-マジジェノバさんこんにちは[M](2007/04/04 15:40)
[9] FF7:名無しのNANA-強い人こんにちは[M](2007/04/04 15:46)
[10] FF7:名無しのNANA-副社長こんにちは[M](2007/04/04 16:46)
[11] FF7:名無しのNANA-変わり往くモノへのプレゼント:J[M](2007/04/04 16:59)
[12] FF7:名無しのNANA-変わり往くモノへのプレゼント:H[M](2007/04/07 16:54)
[13] FF7:名無しのNANA-蜂蜜色のお友達[M](2007/04/07 17:08)
[14] FF7:名無しのNANA-はじまるまえの、おわり[M](2007/04/07 17:30)
[15] FF7:名無しのNANA-はじまり[M](2007/04/07 18:47)
[16] FF7:名無しのNANA-私の主人公は私。[M](2007/04/07 19:10)
[17] FF7:名無しのNANA-ロマンは男だけのものじゃない[M](2007/04/07 19:27)
[18] FF7:名無しのNANA-戦略的撤退という名の勝ち戦 そのいち[M](2007/05/18 18:21)
[19] FF7:名無しのNANA-戦略的撤退という名の勝ち戦 そのに[M](2007/05/19 08:29)
[20] FF7:名無しのNANA-戦略的撤退という名の勝ち戦 そのさん[M](2007/05/30 18:57)
[21] FF7:名無しのNANA-戦勝そのよん+(ぷらすっ!) 苦労人のばらっど[M](2008/03/01 22:59)
[22] FF7:名無しのNANA-スタートダッシュは二個目のランプ点灯直後で[M](2008/06/09 17:56)
[23] FF7:名無しのNANA-( )<オリキャラ最強話ですね、わかります[M](2009/03/10 21:19)
[24] FF7:名無しのNANA-「成れの果て」 ナレノハテ[M](2009/03/10 23:19)
[25] FF7:名無しのNANA- 南国少女p…ナナちゃん[M](2009/04/24 19:30)
[26] FF7:名無しのNANA- ゴールドソーサーの大株主[M](2009/05/07 09:38)
[27] FF7:名無しのNANA-ゴンガガ猿の里帰り[M](2009/05/08 16:51)
[28] FF7:名無しのNANA-PTメンバーは三人まで?何言ってるんすかwフルボッコっすよ?wwww[M](2010/02/04 22:21)
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[365] FF7:名無しのNANA-変わり往くモノへのプレゼント:H
Name: M 前を表示する / 次を表示する
Date: 2007/04/07 16:54






ゆめか?


なつかしいゆめだった


なつかしいなんて そんなことをおもうのは いつぶりだろうか


あいつにせなかをたたかれて こづかれて めのまえに おまえがいた


だきしめてわらった あのときのゆめ









昨晩久しぶりに深く飲んだ酒が残っているようで、私の体は深くベッドに沈んでいた。
半覚醒とでも言おうか、心地良くもわずらわしい二日酔いが脳を浸している。
寝るだけの部屋。ただ白い。
視線を巡らせば、アルミで出来たワイヤーラックが壁際にぽつんと立っていて、枯れ果てた花がひとたば、のせてある。

「…ドライフラワーとかいうやつだったか…」


そうだったな、お前は花が好きで、ああいうものを作るのが得意だったな。
花を贈ると約束した結婚記念日は訪れず、私はただ高い食事を二人でとることしかしなかった。
これは後悔という感情なのだろうか、グチャグチャに乱れた自意識がわずらわしくて、薄く開いていた目を閉じる。
デスクの上に散らばる書類と研究書を思い出すが、手をつける気にもならず子供のように毛布を頭まで被った。


ずきり、と痛む一瞬の疼きに。幸せな三人家族という映像が浮かぶ。愚かな自分が捨て去った「ありえたかもしれぬ」
その未来をただうらやんだ。


涙が少しばかりにじむ。これはきっと、酷い二日酔いのせいだ。


Song dedicated to you
FF7:名無しのNANA- 変わり往くモノへのプレゼント:H




「おい、ユージ。お前の論文通ったらしいぜ」
試験管を軽快に洗っていると、背後から同僚の声。
通ったのか?この間出したあの論文が通ったのだろうか?
慌てて振り返ろうとするも、洗い場に積み重なった試験管やビーカーを見て、手伝う気でも起こったのか。
隣に立ち、同じように試験管を磨き始めた。
あまりにも普通なその仕草に、一瞬呆けてしまい、しばしボーっとしてから、思わず叫ぶ。
「…え?本当…って ええええ!?マジか!」
「マジだマジ」
「ちょ、まって。ああああっ!」
ガシャッパリッガシャーン
ああ、せっかく洗ったビーカーが…。無残に床に叩きつけられ、割れたガラスを見下ろし手近なホウキとチリトリで
かき集める。ちくしょう、後ろから聞こえる笑い声がうらめしい。
「くっくっく…。落ち着けユージ、お前ほんとそそっかしいなぁ」
「言うなよ…。で、それ本当なのか?」
「あー?あれだろ、こないだお前が泣きながら仕上げてたヤツ。アレよアレ。アレが通ったの」
「泣いてたっていうな、終わらない論文に 男の~心の汗ぇ~♪ を流してただけだ」
「古いなオマエ!それ何年前の歌だよ!」
うひゃひゃ!と互いに笑う。


凄い昔だ…まだ大学を出たばかりで…ああそうだ、あいつと、あいつと…あいつ。よく四人でつるんで、教授の飲み会に
参加していた。楽しかった。


「オマエが、宝条…か」
「お前さんが、ヴィンセントねぇ…」
…随分と色男じゃないか。
みしり、と手に持ったファイルがゆがむ。ああ、気に入りのアルミファイルだったのだが、買いなおそう。
「ルクレツィア女史は…知っているな?」
「ああ、それが、何か?」
ぴしりと空気が固まる、後ろで美男子登場に沸いていた女性職員の声すら止まる。
「彼女から手を引け」
「悲しいことに、手を引いてもらうのは彼女のほうだと思うのだが…どうかね?」
いやー、この間植物園めぐりをさせられて疲れた疲れた~ァ。アーハーン?(興味ないね的仕草)
わざと片眉をクイッと上げ、せせら笑うように鼻息を漏らす。おお、すばらしい鬼形相にメタモルフォーゼだな色男。
「っ…こっのヒョロ男!研究一辺倒のオタクめ!」
「ハッ!ニヒルと根暗を履き違えた男が何を抜かす!」
わー、ぎゃー、ひー、しけんかんがー、けんきゅうしざいがー。
そんな叫び声を応援に、社会の底辺にまで陥った幼稚なケンカが始まった。口ゲンカからキャットファイトにシフト。
あちらは体力・腕力に部があるが…この分厚い研究資料のカドとアルミファイルの硬度は ダ テ じ ゃ な い。
幼稚なケンカは…ルクレツィアの「注入されたらヤバくなりそうな色の薬品が充填された注射器」の登場により、収束した。






くっくっくっ…と肩が揺れる。あのときの自分たちの顔は見事に恐怖で真っ青で。お互い体中に引っかき傷と打撲傷が残り
あいつにいたっては鼻血まで出していた。互いに面白い顔になっていたのは、…覚えている。ああ、彼女の笑顔の下、
数時間に渡る正座はつらかった。
ああ、笑ったせいで頭が揺れて、また二日酔いがぶり返してきた。


羨望と嫉妬の対象だったあの人。ガスト博士。


彼の元で働けることの幸福と、彼の元で働くことの不快感。そしていつか追い越してやるという、青臭い夢。
あの人は良くも悪くも日和見だった。
あの人が出来ない実験は、私が率先して行った。…あの研究チームに所属してから、自分のマッド振りに
磨きがかっていったように思う。元々少々マッド気味であるという自覚はあったのだ。
そしてあの日。


「じゃあ、実験対象になる人がいないなら。私がやりましょう」
「宝条君!?」
「ユージ!?貴方、自分が何を言っているのか分かってるの!?」


「分かっているさ、だから私がやるんだ」
仕方ないだろう?と、シャーレに切り分けられた肉片をピンセットでつまみあげる。


そして



古代種と呼ばれた「もの」の肉片を自らの身のうちに沈めたあの日から、変わっていった。
数ヶ月はまだマシだったように思う、しかしそれを過ぎてからというもの、自分が代わっていったようだった。


ルクレツィアに、彼女に。私との間に子が出来た。
あの報告を聞いたときは、きっと二メートルはジャンプできていたんじゃないかと思う。
あのアホ色男(と書いてヴィンセントと読む)は血の涙をながさんばかりに睨んでいたが黙殺した。
後日ブスくれたあいつが「おめでとう」と不本意そうに「はじめてのちちおや」という雑誌を押し付けていったのには、
なんというか、正直照れくさくて笑ってしまった。
笑顔の記憶はそこまでだった。



「本気なのか、貴様…!」
「本気も本気だ、彼女も承諾している。それにガスト博士も止めはしなかったしな。大丈夫だろう」
「だがしかし…っ」
「ヴィンセント…私は見たいんだよ。私たち二人の間から生まれ、そして人を導く水先案内人となる子を」


<うふふ。私(ジェノバ)を導く水先案内人を、愚かな毒虫たちを破滅へ導く水先案内人を。>



まだ、未来を思う心をもっていたのはそこまでで、それからは…それからは…ど うな  っ  た?



ジェノバが古代種でないと知り、逃げ出した日和見を手にかけ。
(幸せな家庭だと?ならばお前が放り出しておしつけた我々の不幸はどこにゆく?ああそうだった、貴方はそういう人だった)


我らに似つつも似ない子供を遠ざけ。
(我々は既に狂気に満たされていて、彼女すらあの子を抱く勇気をもたず)


ただ本能の感じるままに、興味ゆくままに。彼女すら忘れはて。
(心のそこで呼ぶ なにか の声に誘われるままに)


ああ、今に至っている。







アルコールの取りすぎによる脱水症状でもない、体の震え。
目を見開き、ここではないどこかを見る。
骨と皮ばかりになった自分を抱きしめながら、ただガチガチと震えていた。


私は何をした?(人をじっけんだいにした)私は何をした?(疲れ果てた彼女すらじっけんだいにした)
私は何をした?(友人と呼べるまでになった彼をじっけんだいにした)
私は な に      を  s   た?



まるで二十数年前の自分の思考が戻ってきたようだった。
自らの行いを「思い出し」恐怖した。


酷く泣いた、ないた。ルクレツィアと呼んだ、ヴィンセントと呼んだ。セフィロスと呼んだ。
彼女が褒めてくれた髪をかき乱し、ベッドへと沈んだ。
「愛していたんだ、そうだ。愛していたんだ」
恥ずかしそうに笑う彼女を抱き上げて研究所を走り回り、いいふらし。(そして恥ずかしい!と殴られ)
ムスくれた友人を引きずりまわし酒を飲み(ガスト博士も引きずりまわしてたような気もする)
世界のすべてに感謝した。
「すべて愛せていたのに」
罪は消えない。







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
こんにちは、ナナです。信じられないものを見ています。
宝条の小父様がモリモリと分厚いサンドイッチと野菜ジュースを食べ飲んでいます。
私が見ている間でも固形栄養食と栄養飲料しか取ってないあの小父様が!


「…な、何があったんだろう」
近くにいた研究員さんたちも、頷いている。
ふと、脳裏に声が響く。わーい小母様~。
【彼の支配を解いてみたの…夕べ】
「それでか…」
【見る…?彼を】
「野次馬根性でお願いします」




唐突に、がつんと脳みそに叩き込まれるように小母様から送られ、再生される彼の記憶と思念。正直嘔吐しそうになった。(解剖とかキツイ)
なみだ目をこすりながら小父様を見上げると、ほんのりと色味がよくなった顔がゆがんだ。
すこしぎこちない“笑顔”だった。



「…思うところがあってね、少し、がんばってみようと思ったのだよ」
ズズ、と決して小さくはない野菜ジュースのパックをすすり、ゴミを潰してゴミ箱へ放り投げた。
その仕草が少し子供っぽくて、笑ってしまって少し睨まれたのはまあ、ご愛嬌ということで。



【ナナ、私は貴方が今の状況を見てどう思っているのか、私にはわからないけれど。
 貴方が来てくれて、そして貴方が知る「先」が、こういうふうに変わっていくのは。…私はイイコトだと思うの】
「そうかな…」
【きっとそう】
「そうなの?」
【絶対そう】
「そっか!」
【ええ】





「じゃあナナ、おじちゃまをおうえんするね!」


あの子の声が聞こえる。応援してくれると手を握ってくれたあの子の声が聞こえる
「恐怖に押しつぶされても、君の声が支えになっているよ」
けれど君はまだ幼いし、そんなことをルクレツィアに知られたらフライパンあたりで叩かれそうだ。(アレは痛い、しかも二刀流だ)
彼女を呼びにいこう、そして、ずっといってやれなかった言葉を言いにいこう。…殺されないといいが。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず、だな」
ありがとう、小さな子よ。君が訪れたときから私は「戻り・変わり」はじめた。
ありがとう、小さな子よ。君は私たちの、小さな水先案内人。



…だが、あのヤバい色の注射で襲い掛かられたら、…泣く自身があるな。うん。
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後書き: どうも、Mです。(今回も短い挨拶)
宝条をかんっぺきに変えました。むしろパーティメンバーに宝条が入りそうな勢いです(そんな小説見たことないよ)
ついでに宝条のフルネームを勝手に捏造して「宝条祐治(ホウジョウユウジ)」とさせていただきました。

そして、これによってナナが入り込んだこの世界がFF7に似つつもまた違う世界だということが決定しました。
けれども、ナナが介入しなかったらきっとこの世界はあのストーリーとまったく似た展開になっていたでしょうね~。
さてさて、次回の「あるもの」が完結すれば序章は終了となります。そしてまた長ったらしい私の駄文が
さらに続いていくわけなのですが…これからも懲りずにSDUをヨロシクお願いいたします。!



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