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No.36091の一覧
[0] 【ゆるゆり】(初投稿)[おひなさま](2012/12/09 16:51)
[1] 【けいおん】(二作品目)[おひなさま](2012/12/10 11:41)
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[36091] 【ゆるゆり】(初投稿)
Name: おひなさま◆b0d49b74 ID:4a8e502a 次を表示する
Date: 2012/12/09 16:51
夏休み初日のことだった。
「危ないっ!」
私が叫んだのと同時に、
周囲には鈍い音が響き渡った。
この時私には罪悪感しかなかった。

*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
結衣が事故に遭ってから一週間が経った。
結衣は未だに目を覚まさない。
「結衣…」
結衣の右手を強く握り、
私は囁いた。
去年みたいに海に行ったりスイカ割をしたりしよう、
今年はちなつちゃんや生徒会のみんなも誘って夏休みを過ごそうよ…。
ねぇ…結衣。
眠っている結衣に今の自分の想いを伝えた。
私が今結衣に言える言葉はこれくらいしかない。
自分はなんて惨めなのだろう、
無力な自分に嫌気がさした。
いくらテストが学年一位で勉強ができたとしても、
大切な友達を助けることはできない。

*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
自分の無力さを知ったあの日から一ヶ月が過ぎた。
結衣はまだ一度も目を覚まさない。
医者はもう二度と目を覚まさないかもしれないと言っていた。
もし目を覚ましても二度歩くことはできないらしい。
夏休み前の結衣は二度と帰って来ないと、
その時実感した。
そしてもう一つ実感したことがあった。
私は結衣のことが好きだったんだと思う。
結衣がいない一ヶ月を過ごして私は物足りなかった。
あかりやちなつちゃん、
生徒会のメンバーやクラスメイトのみんなが私のことを励ましてくれた。
けど寂しさは埋まらなかった。
それほどまでに私は結衣のことを必要としていた、
側にいて欲しいと想っている。
この気持ちはきっと、
恋なのだろう。
そのことを私は実感した。

*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
その半年後、
結衣は目を覚ました。
あかり達に何度も誘われたけど病院には行かなかった。
退院の日もずっと家にいた。
結衣から電話がかかってきたけど全部無視した。
結衣が関係することは全部関わらないようにした。

*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
そんな日々を送っているうちに、
中学最後の夏休みを迎えた。
私はメールで、
「あの場所で待ってる」と送った。
私はその場所で結衣のことを待った。
結衣は必ず来る。
根拠なんてなかった、
けど来るような気がした。
数分後、
案の定結衣は来た。
「はぁ…はぁ…」
結衣は車椅子に乗りながら息を切らしていた。
まさか結衣、
車椅子で全力疾走したの?と私は笑いながら言った。
「っ…ああ!そうだよ!!!誰かさんが時間と場所を教えてくれなかったせいでな!」
結衣は顔を少し赤くしながら怒った口調で喋った。
すまんすまん、
そう言って結衣の顔を見つめた。
「な、何だよ?」
笑顔で私は言った。
おかえり、
その瞬間私は結衣を抱きしめた。
あの日結衣が事故に遭ったこの場所で、
思いっきり抱きしめた。
そして言った、
結衣…愛してる。

END












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