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No.35901の一覧
[0] とある旅人、仲間物語[アギト](2012/11/25 02:59)
[1] とある旅の二人組、女物語[アギト](2012/11/25 03:06)
[2] とある三人組、捨て子物語[アギト](2012/11/24 22:02)
[3] とある一行、金無し物語[アギト](2012/11/25 01:37)
[4] とある一行、王国物語[アギト](2012/11/25 02:42)
[5] とある一行、道中物語[アギト](2012/11/25 03:35)
[6] とある一行、岩山物語[アギト](2012/11/25 03:59)
[7] とある一行、断崖絶壁物語[アギト](2012/11/25 04:15)
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[35901] とある旅人、仲間物語
Name: アギト◆5efa64da ID:d48e7c4a 次を表示する
Date: 2012/11/25 02:59
俺はアギト、歳は二十二、職業は賞金稼ぎだ、とは言っても旅費の金を稼ぐためだが


今俺は旅をしている、それで、俺が今いる場所は修道院だ


何で修道院にいるかって? たまにはこういうのも悪くないと思ってな、どっかの神を信仰するつもりじゃないが、来てみたくなった


さて、あそこにいる修道院生に話を聞いてみるか


「なぁ、ここって何の神を信仰してるんだ?」


俺が修道院生にそう聞くと、修道院生は笑顔で答えた


「サファーン様ですよ」


「サファーン?」


「えぇ、我らが母です」


なにやらそのサファーンと言う神を、ここでは母と思っているようだ


「修道院に何か用でしょうか?」


修道院生が首をかしげながら俺にそう聞いてくる


「別に用はないんだが、たまにはこういうのもいいと思ってな」


「なるほど」


「あ、用はそれだけだ」


「はぁ…」


それだけ会話を交わしてから、俺は修道院を出た


「さて、次はどこに行くかな」


俺が次の行先を考えながら歩いていると、とある少年が倒れているのを見た


背丈は俺より低く、かなり痩せている、身に着けているものは布一枚、年は十五くらいか


俺がその少年を見ていると、何かしゃべり出した


「お兄さん…、何か食べ物を下さい…」


声はこもってよく聞き取れないが、確かにそう聞こえた


「何だ、物乞いか」


俺がそう聞くとその少年は答えた


「いえ…、食べ物だけでいいんです、パンの一かけらだけでも…」


どうやら腹が減っているらしいな、腹の音がちょくちょく聞こえてくる


「あぁ、パンの一かけらくらいじゃない、もっと食わせてやる」


俺はそう言ってその少年を食堂に連れて行った


だが少年は何か気まずそうにしていたが、俺はその事を気にせず、店主に話しかけた


「おっさん、パンを五つほどくれ」


少々多いかと思ったが、これだけ痩せているんだ、食べられるだろう


「あいよ」


勘定を済ませた俺は、椅子に腰かけた


「ほら、お前も食え」


そう言って俺は買ったパンを四つ少年に差し出した


だが少年は


「いえ…こんなにもらうわけには…」


こう言っていた


「そんなに何も食べてないのにまだ遠慮するのか」


俺は少年が手を付けないのを見ていると、だんだん腹が立ってきた


「ほら、食え!」


俺は少年の口に無理やりパンをねじ込むと、少年は口に入れられたパンを食べていた


何だ、食うんじゃないか


「おいしいです…」


涙声だが、そう言っている


「じゃあもっと食っていいぞ」


俺は自分用にとっておいたパンをその少年にあげることにした


少年がパンを食べ終わると、顔もすっきりしていた


「お、満足したみたいだな」


「ありがとうございます…」


そう言って少年は俺に土下座をした、何だ、一体どうした


「この御恩は忘れません、何かお礼をさせてください」


少年はそう言っている


「お礼と言ってもな…」


俺はこういう事に慣れていないので、少し困っていた、だがひとついいことを思いついたのだ


「そうだな、お前、旅は好きか」


俺はそう聞いたが、少年はこう答えた


「いえ…、生まれてこの方一度もそのような事は…」


「何だお前、旅を知らないのか」


「はい…」


少年はそう言うとうつむいてしまった


「じゃあこうしよう、お礼は俺と一緒に旅をする、だ」


俺はそう提案した、我ながらなかなかいい案を思いついたものだ


俺がそう言うのを聞いた少年は、いきなり俺の事を「マスター」と呼び出した


「分かりました…、マスター」


そう言って少年は、また深く土下座をした


「やめてくれ、お前は旅の仲間なんだから」


俺は思い出したかのようにこう言った


「そういえばお前の名前、まだ聞いてないな」


「え?… 私の名前でしょうか?…」


少年は俺がなぜそれを聞いたのが少し不思議に思っているようだ


「私の名前はルアです…」


少年はルア、と名乗った、俺も名乗らないとな


「そうか、俺はアギトだ、これからよろしくな」



そうして俺とルアの旅が始まった




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