<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.35663の一覧
[0] 【チラ裏より:ゼロの使い魔ちょいリリカル】烈風:平賀カリーヌ(一話:全ての始まり)[ぽぎゃん](2013/05/15 15:57)
[1] 二話:出逢い[ぽぎゃん](2013/01/10 11:16)
[2] 三話:カリーヌの16年その一[ぽぎゃん](2013/01/10 11:17)
[3] 四話:カリーヌの16年その二[ぽぎゃん](2013/08/11 23:09)
[4] 五話:カリーヌの16年その三[ぽぎゃん](2013/01/11 02:15)
[5] 六話:カリーヌの16年その四[ぽぎゃん](2013/04/09 13:25)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[35663] 五話:カリーヌの16年その三
Name: ぽぎゃん◆12657f17 ID:8454da9e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/01/11 02:15
 平賀 ティアナが誕生して、四年後のAD:2001年7月の上旬のある夏の陽射しが強い日の午後の奥秩父にある霊園の平賀家代々の墓前に、平賀 海人、カリーヌ。その子供たちの才人と妹のティアナが、先頃亡くなった平賀 才助の四十九日にあたる今日…家族四人でお墓参りに来ていた。


「…まだ信じられないわ……あれほど元気でしたお義父さまが亡くなって、もう四十九日をむかえるなんて……」

カリーヌは義父の才助がこの世を去って既に四十九日になる日をむかえるなど、まだ信じられないといった表情をして夫の海人に静に語りかけていた。

「カリーヌが信じられないのも解るが…亡くなったことは事実だからな……」

そう、寂しげな顔でカリーヌに何処か元気のない声でちいさく呟く海人だった。

「…父ちゃん、母ちゃん……ほんとにこの中にじいちゃんがいるの? 」

まだあどけない顔をして才人は大好きだった祖父が目の前にある石の中にいるなど、到底信じられないという表情で父親の海人に訊ねていた。

「……う~ん…まだ才人には理解できないと思うけどな、このお墓の中にはお前の大好きだったじいちゃんだけじゃなく、お祖母ちゃんや代々の先祖たちが眠っているんだぞ」

海人は幼い息子の質問にあまり上手いとはいえない言葉を使ってなんとか祖父が亡くなったことを説明しようと悪戦苦闘していた。

「…お祖父ちゃんかわいそう…こんな冷たい石の中にいるなんて…うぅ…かわいそうだよ…うわぁぁぁん…」

生まれてから四年間、祖父の平賀 才助にすごく可愛がられて育った。ティアナからすれば冷たい石の中でいるのは寂しいはずだといって、整った顔にあるつぶらな瞳から大粒の涙をながして悲しむお祖父ちゃん大好きっ子のティアナだったが………。


「あのね才人、ティア…あなたたちが大好きだった才助お祖父ちゃんはけして寂しくは無いのよ、このお墓の中にはお祖母ちゃんを始め…多くの人たちが一緒に仲良く暮らしているから、寂しくないとお母さんはそう思うのだけど…」

まだまだ小さい子どもたちの目線に合わせるためにカリーヌはしゃがんで、優しく才人とティアナのふたりに語りかけていた。

「おかあさんのいう通りだぞ、才人、ティアナ…お前たち二人が悲しんでばかりだとお祖父ちゃんが心配して何時までも休めなくなるから、安心させるためにもあまり悲しんでばかりじゃダメなんだぞ…」

海人がなんとかもっともらしい理由をつけて子どもたちを諭すのだった。

「そうか…悲しんでばかりじゃ、じいちゃん休めないのか…じゃ、おれもう悲しまないぞ! 」

才人は子どもなりに真剣なまなざしで両親に力強く言いきった。

「…サイ兄だけずるい、ティアももう悲しまないもん…」

お兄ちゃん大好きっ子のティアナも才人に追随するように自分も悲しまないと言いきった。

「えらいぞ! 才人、ティアナ。流石は俺の子達だ! 」

少しうれしい表情で才人とティアナの頭を優しく撫でる親バカの海人だった。

「おとうさんのいう通りですよ、才人、ティア……これでお祖父ちゃんも安心して眠れるわ…良いことを言いましたね」

少し微笑みを浮かべながら、子どもたちを誉めるこれまた甘い母のカリーヌなのだった。


父親の平賀才助の遺品整理をするためにお墓参りのかえりに奥秩父にある屋敷を訪れた平賀一家だった。

広い裏庭では母カリーヌから剣術と護身術の鍛練を毎日、受けている才人と同じく護身術とカリーヌの血を受け継いでいたティアナは魔法の訓練も一年前から教えられていたので

才能が有ったのか既に各種コモン・マジックを全て覚えて今は系統魔法の風のドットに水のドット、さらに土のドットにもなっていたティアナは…

普段あまり人のこない河川じきや人気のない山裾などで目立たないように練習ばかりしていたので、そのことを思えば高い塀と広い場所の周囲を気にしなくていい此処で二人で思う存分剣術と魔法を使用して、訓練というよりどちらかと言えば遊びがてら楽しむ兄と妹だった。


「なあカリーヌ…親父の四十九日が終った今日だから正直にいうけど…葬式のときに弔問に訪れた親父の顧問弁護士の坂野先生にあの日言われていたんだ…国に税金を納めても…驚くなよ。親父が残した遺産が二百二十億円もあったんだ……

しかも事前に福祉施設に五十億円も寄付してもそれくらい遺していたんだよ…まあ、俺はそんなに関心はないけど…本音を言うとこんなにいらない…お金なんてそこそこ有れば良いんだ、せっかく親父がのこしてくれたからもらうけど、管理が大変で面倒そう」

まるで他人事みたいな表情と態度で淡々と奥さんのカリーヌに父親から引き継ぐことに決まったと、普通の一般庶民からみたら莫大な財産をもらう事になったと簡単に語る海人だったが……。

「えっ!? 海人さん……大したことが無いみたいに話さないで下さい! なにが驚くなよですか! あなたのなんでもない言い方のほうがびっくりします! あなたの悪い癖ですわ…

自分に無関心なことには私や子どもたちにとって重要なことでも淡々と話すのだから困ります…いくらお金に拘らないといっても、限度がありますわ……」

カリーヌからすれば自分たち家族にとってすごく重要な、せっかく義父がこれから子どもたちがお金で苦労しないように莫大な財産をのこしてくれたというのに殆ど無関心みたいに語った夫、海人に対してかなりはらがたっていたカリーヌだった。

(あまりお金に拘らないのは海人さんの良い長所ですが、せっかくお義父さまが海人さんと私や子どもたちのために考えてのこしてくれた財産をまるで他人事みたいに無関心なんて、子供たちの将来のことなにも考えていないなんて…

のんきすぎるのも程度があるわ! 本心は欲がなくて何事に対してもまっすぐで熱い心をもったすごく良い人なんだけど……世の中それで渡っていけるほど甘くないわ……だから私がシッカリしないと、海人さんに財産の管理を任せておくと誰かに騙されるわ…)


カリーヌはお金にあまりにも無関心の夫に対して自分がシッカリしなければ海人はお人好しだから、義父の財産を悪者に騙し取られないようにと、心の中で決心していた。








平賀 才助が亡くなってから10年の月日が経った。AD2011年の4月上旬のある曜日。今日は平賀夫妻の長男、平賀 才人の某都立高校の入学式の日であった。

「父さん。まだなのかよ? 早くしないと入学式に遅れるんだけど…」

才人は腕時計で時間を確認しながら父親の海人に対して、早く入学式の日の記念に家の庭先で才人自身がまん中で、左右に今年14歳になったばかりの中学二年生の妹、平賀 ティアナと45歳? とはとても思えないシックな紺いろのやり手のキャリア・ウーマンふうの女性用のスーツを着こなしている若々しい外見をしている母親の平賀 カリーヌの三人が先ほどから

海人が手にもっている某メーカーの一眼レフのデジタルカメラで撮るのを今か今かと待っていたのだったが、ベストショットに拘るあまり中々シャッターボタンを押さないから、苛立った才人が父親に催促の言葉をかけていた。

「わるいわるい、今すぐ撮るからもうちょっと待ってくれ」
と一応、息子にかるい感じで海人は謝罪していたが……。

「…もうパパったら、さっきからもうちょっとって、そのセリフばかりじゃ無いの! ベストショットなんかどうでもいいから早く撮ってよ? アタシもママもついでにサイ兄も暇じゃ無いんだから!? 」

とうとう痺れをきらしたティアナが手厳しい言葉を父親に投げかけたその姿は150㎝の身長にツインテールにした見事な緋色の髪に母のカリーヌそっくりの整った綺麗な顔立ちに明るいグレーのブレザーにスカイブルーのネクタイに清楚な感じの白いブラウスに

グリーンの丈が少し短いかんじのスカートからみえるまぶしくてほそい白い脚に膝上まであるシックなソックス。そしてワインレッドのローファの女の子らしい靴を履いたものすごく可愛い美少女
が苛立ちながら佇んでいた。

「あなたが少しでも良い写真をわたしたちのために撮りたい気持ちも解りますが、ティアナも早く才人の晴れ姿が見れる入学式に行きたいのです…それに私も入学式の後に予約している病院に診察にいかなくてはならないのに

それに今日は車で行きますから(実はカリーヌは車の普通運転免許及び中型自動二輪免許もとっていた)早くでないと道が混みますから…あなたもそろそろ厚木基地に向かわないといけないのじゃなくて!? 」

記憶喪失になって、15年になるカリーヌはハルケギニアで『烈風のカリン』と呼ばれ鉄の規律をもって君臨していた。マンティコア隊の隊長をしていた頃の恐ろしい雰囲気は今はあまり(時々旦那の海人がアホな事をしたときは昔の片鱗が顔を出すことはあったが)なく割りと穏やかな感じの奥様としてこの地球世界で過ごしてきたのだった。

「……そうだった、俺も早く行かないと今日は救難任務につく日だったんだよなぁ~」

今ごろ重要な事を思い出していた。相変わらず抜け作な海人だった。

「いまから撮るぞ! 」
と大声で歳をとってもまだまだ瑞々しい肌と艶のある肩先までのピンク・ブロンドの髪の最愛のおくさんカリーヌに病気で亡くなった先妻との間の子である

自分によく似た抜けたかんじの16歳の息子才人。そしてカリーヌとの間にできた目のなかに入れても痛くないほど、溺愛している娘のティアナの三人に合図を告げた海人だった。

「もう時間がないから早く車に乗りなさい、才人。ティア」

庭の端にある車庫でエンジンを始動させていて今すぐにも発進しようとしていた鮮やかな赤色の車体を誇るBMWの運転席からカリーヌは子どもたちに急いで車に乗るように指示をしていた。

「母さん待ってくれ! おいていかれたら困る? これも父さんが中々シャッターを押さなかったせいだ! 」

車庫に向けて走りながらも才人はブツブツと文句を言っていた。

「サイ兄のいう通りパパったら、一々拘りすぎなのよ! 写真なんて時間をかければ良いってものじゃ無いんだから!? 」

才人の横で広い庭先を母の待つ車に向かって走るティアナも才人同様、父親の海人に対して文句を言うのだった。

「カリーヌ! 今日仕事早めに終るようにしているから、才人の入学祝にあるホテルのレストランに予約を入れているからみんなで食事に行こう。午後3時すぎに愛しいおくさんの携帯に電話するから、じゃあ仕事に行ってくる」

カリーヌに大声で夕方みんなで予約しているレストランへ食事しようと言って、大きい門扉のまえの路上にスタンバイしてあったトヨタハリアーの最新型に海人は急いで乗り込みエンジンをスタートして厚木基地めざし発進して自宅を後にするのだった。

まさかこの言葉が夫、平賀 海人から聴く最後の言葉になるとこのときカリーヌは夢にも思っていなかった。


「ひゅ~ひゅ~父さんにすごく愛されてるね、母さん」
と海人の何気なく言ったノロケ言葉に顔を朱に染めてまんざらでもない様子のカリーヌに囃し立てる。後先考えず口走ったアホな才人だったが……。

「サイ兄! それママに言ったらマズイのに…どうなっても知らないから! 」

妹、ティアナの言葉に才人は非常にまずいことを言ったのをようやく気づいたのですが、時すでに遅くカリーヌが座っている運転席からすごい禍々しい暗黒オーラが漂い始めていた。

「……才人…そんなにおかしい事かしら……夫が妻に好きだと言うことが……何処がいけないのか……彼女いない歴16年の…ヘタレ少年に、是非、お応えしてほしいわ……」

運転席からうしろの座席に向かって振り返り、寒気を伴うほどの低く静な声で時々間をおいたように話すカリーヌに対して才人は顔が真っ青になり更に両足がガクガク、ブルブルと震えだして止まらないでいた。

(あぁ、もうサイ兄ったら…相変わらずおバカなんだから…ママはパパとのオノロケを揶揄されると怒りのあまり声のトーンが静になって、表情から感情が消え去ってしまうのに…

それがキレる寸前の危ない暗黒モードに移行する状態になるから、あれほどパパ関係で茶々いれないでって言っていたのに!? まぁそれがサイ兄の生まれもった性格だから、しょうがないけど……

時間もないし、ママにとりなして助けてあげなくちゃねえ…)

カリーヌの冷たい表情と落ち着きすぎる言葉遣いに恐ろしくて失神寸前の才人だったが……。

「ねえママ、あまり時間も無さそうだし…サイ兄が口をすべらすのも何時もの事だし、もう赦してあげて…」
と隣の席に座っている妹のティアナが表面上は生意気な口ばかり言う態度を兄に示していたが、本心は兄大好きっ子で

カリーヌの監視の目がなければすぐにも逆夜這いをかけて危ない関係を結び最終的には才人の子を身籠りたいと考えているほどの病んだ思考の持ち主から助け船をだしてきた。

「……そうですねえ…ティアのいう通り時間も有りませんし、ここは妹に免じて特別に赦します…これからは母親に揶揄する言葉は慎みなさい。解りましたか、才人」

才人からしたら何故か解らないが、昔から妹のティアナに対してすごく甘いカリーヌが自分を赦すという言葉を述べてくれたのだった(たぶん、記憶喪失となっていてもヴァリエール公爵夫人としての最後まで気にかけていたルイズに対しての思いの強さが深層の底に息づいていて、それがルイズそっくりの顔立ちをしているティアナに甘く作用しているのではないかと思われるのだった)。

「うん、うん。二度と言わないよ…ごめん。母さん」
と顔を何度も縦に振ってカリーヌに対して才人は謝罪していた。

「ママにとりなしてあげたんだから、あたしにもお礼を言って欲しいの…サイ兄! 」

すぐにお礼の言葉を述べなかった最愛の兄、才人に対して少し怒った口調で語っていた。ツンデレ妹のティアナだった。

「もち、ティアにはすごい感謝してるんだ! ありがとうなぁ~」

才人は笑顔でティアナに感謝の言葉を述べていたが…それはティアナにとって、至上の喜びだった。

「…では出発しますからね」

カリーヌは静にBMWを動かして才人の入学式が行われる高校に向けて発進していくのだった。


「ふう~ようやく退屈な入学式が終ったわ。サイ兄はこの後、自分の教室に行って色々やる事が有るみたいだし、ママと一緒に病院に行こうかな…それとも夕方まで時間あるし、どこかに遊びにいこうかなぁ~」

兄才人の退屈な入学式が終って、家族団らんの夕食まで暇だからと言って自由に遊びにいこうと呟いていたティアナだったが……。

「もちろん私について病院に行くわねえ…ティア」
と極上の微笑みをうかべながら静に囁くカリーヌの言葉に対してティアナは……。

「も、もちろん…ママと一緒に病院に行くに決まっているじゃないのよ…」

そう話すティアナの言葉は少し震えているようだった。

(危なかったわ…あのママが極上の微笑みをみせるときは絶対ダメって事なのよね…無理にいこうとしてもママ相手に勝つ自信なんて無いしね…あれであたしと同じスクウェアとは絶対に思えないもん…

こっちも風風風水の風のスクウェアメイジだけど、風風風風の風のスクウェアメイジのママに到底かなわいし…実はママは人間じゃなくて魔界の女王様じゃないかなぁ~)

心の中でティアナは自分の母親カリーヌに対して不遜なことを考えていた。

「…ねえティア…あなた今、私に対してすごく失礼な事を考えていなかったかしら…」

ニコニコとした表情でティアナに語りかけるカリーヌだった。

「……え~と、なんの事? ティアなんにも解らないわ…」

「…そうですか、そういうことにしておきましょう…」

なんの事か解らないと言って、少し不思議ちゃんを装って何とかカリーヌの追撃を振り切ったティアナだった。

入学式を終えて才人の高校をあとにして、近くの24間営業の駐車場に向かって歩いていくカリーヌとティアナの美女と美少女の母子だったが……。

「ねえねえ、その髪の毛もしかして地毛? すごい美人のママさんにこれまたすごい美少女のお嬢さんだねえ」

「俺達、いま暇だから遊びに何処かに行かないか? モチロン美人のママさんも大歓迎だよなぁ…お前たち」

そう言って、あたまのオツムが弱そうな二十前後の若者たち四人に声をかけて同意を促す男は歳は二十代半くらいで派手な格好をしていかにも何処にでも一人は必ずいる街の嫌われ者そのもののチンピラが、カリーヌとティアナの母子に声をかけていた(所謂ナンパ)。

「はぁ~ママと一緒に歩いているとこれだから困るのよねえ? 」

ティアナは露骨に嫌そうな顔をしてため息をつきながら、小さな声で母親のカリーヌに呟いていた。

「…早く病院に行かないと予約の時間に間に合わなくなるわね…どうしたら良いのかしらねえ…ティア」

言葉では困ったと娘に向かって話すカリーヌだったが……その鳶色の瞳は笑ってはいなかった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

あとがきの様なモノ。

あまり話が進まなくて申し訳ありません。
今回話が短いので、後から書きたすかも? 

誤字脱字およびおかしな文章がありましたら、遠慮なく厳しいご指摘おまちしております。

ご意見ご感想おまちしておりますね。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.02307391166687