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No.35488の一覧
[0] 【ワンピース・TS転生】鴉は海に夢を馳せる【東方project】[きな粉餅](2012/10/13 22:52)
[1] 第一話 テンプレじゃなくって王道って言った方がなんかカッコイイ[きな粉餅](2012/11/23 15:25)
[2] 第二話 海上ぶらり二人旅~序盤は緊張感ないね~[きな粉餅](2012/11/23 17:13)
[3] 第三話 二人の夢、一人の生き様[きな粉餅](2012/11/23 23:40)
[4] 第四話 三人揃えば文殊の知恵って言うけど馬鹿三人集まってもうるさいだけ[きな粉餅](2012/10/14 15:08)
[5] 第五話 別れと新たな島、あと本気で航海の心配[きな粉餅](2012/10/17 07:34)
[6] 第六話 自由なのと常識にとらわれないことは紙一重[きな粉餅](2012/10/28 15:02)
[7] 第七話 暴走(意味深)と航海士、まぁまだ重要じゃないけどね[きな粉餅](2012/10/17 07:36)
[8] 第八話 さくせん>気楽に行こうぜ[きな粉餅](2012/10/24 06:42)
[9] 第九話 ちょっと目覚めてきたかもしれない[きな粉餅](2012/10/24 06:41)
[10] 第十話 誇りと夢と自由と、いるかもしれない神様と[きな粉餅](2012/10/24 06:40)
[11] 第十一話 活躍が欲しい…俺今メインキャラなのに表舞台に立てないって…[きな粉餅](2012/10/27 00:07)
[12] 第十二話 本当に眠いと首って持ち上がらないよね[きな粉餅](2012/10/31 15:54)
[13] 第十三話 海の半分を渡る船と『三人目』の仲間[きな粉餅](2012/10/28 13:19)
[14] 第十四話 やりたかっただけなんだ、すまない。仏の(ry[きな粉餅](2012/10/31 15:49)
[15] 第十五話 カラスって近くで見ると可愛いんだね、初めて知った[きな粉餅](2012/10/31 16:44)
[16] 番外part1 刃九郎と我が仲間[きな粉餅](2012/11/04 10:24)
[17] 第十六話 自分の思考がジブンのしこうがじぶ んが[きな粉餅](2012/11/04 11:00)
[18] 第十七話 一匹鴉[きな粉餅](2012/11/04 15:25)
[19] 第十八話 世界はさ…厳しいよな、俺に[きな粉餅](2012/11/05 22:39)
[20] 第十九話 私怨と名上げと召喚…いやなんでもない[きな粉餅](2012/11/13 20:33)
[21] 第二十話 俺TUEEは無いと言ったな、アレは嘘だ[きな粉餅](2012/11/24 15:19)
[22] 第二十一話 その男の名はニック[きな粉餅](2012/11/22 18:20)
[23] 第二十二話 念願の船奪還大作戦![きな粉餅](2012/11/23 20:28)
[24] 第二十三話 道に迷うとなんか一周回って楽しくなってくる[きな粉餅](2012/11/24 15:59)
[26] 第二十四話 さぁ真の海賊団の結成だ[きな粉餅](2012/11/30 05:40)
[27] 第二十五話 幼女と少女の違いとアウトとセーフの境界を誰か教えてください[きな粉餅](2012/12/15 14:45)
[28] 第二十六話 『気に入らない』[きな粉餅](2012/12/30 10:28)
[29] 第二十七話 男子三日会わざれば刮目して一ヶ月くらい会わないと「お前だれ?」ってなる[きな粉餅](2013/01/20 17:34)
[30] 第二十八話 遠くを目指す前に中継地点を決めとかないと大体やる気が無くなる[きな粉餅](2013/03/26 22:25)
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[35488] 第二十四話 さぁ真の海賊団の結成だ
Name: きな粉餅◆264e7e68 ID:533829ea 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/11/30 05:40
今夕方の……この船時計無いから時間わかんないや、とにかくそろそろ夕日も沈んできた時間帯。
現在俺は甲板の縁に腰掛けながらニックと刃九郎の模擬戦闘(刃九郎は攻撃禁止)をボケーっと眺めている。
いやー刃九郎こうして見るとやっぱり速いね、ニック相手だから力を超セーブさせてるけど全然追いつけてないわ。
まー妖怪相手に普通の人間が敵うはずないんだけどね、でも追いつく位はしてもらわないとこの先生きのこれないから頑張ってくれニック。
ていうかグランドライン……いやこの世界生き残りたければまず人間止めないとお話にもなりゃしないからなー。
とか考えてたら早速刃九郎に振り回されてふらふらになったニックが俺の足元に倒れこむ。
おおニックよ、このくらいでへばってしまうとはなさけない。

「む、無理だって船長……全然捕まらないよあのカラス……」

「だーかーらー、相手の一手も二手も先を読むんですって」

「い、いやいや! そんなレベルじゃねェってあのカラス! 絶対無理だ!」

「無理じゃありません、とりあえず今日は刃九郎を捕まえられるまではご飯は抜きです」

「そんな!? あんまりにも酷すぎるぜ船長ぉー!」

あーもーうっさいな、戦闘に憧れて海賊になったんならその位の事はお茶の子さいさいでクリアしてほしいな。
俺たちが目指してるのはあの海賊王の船以外誰もたどり着いたことのないラフテルだぜ?
ここらの雑魚共相手ならまだしもそこまで行くとなると四皇に七武海に得体の知れないレベルの奴等と競い合うようになるんだからこの位の修行で音を上げられても困るな。
多才で器用貧乏ですじゃ確実に後半ら辺で役に立たなくなってくる、となるとゾロみたいに人間止めて強さをMAXまで上げるしかないじゃん。
全てお前のためなんだよ、お前のキャラのためなんだよって事でロッカーアイランドを出て数日間ニックを(刃九郎が)しごいてるがいやーひどいね。
刃九郎の完全なるワンサイドゲーム、ニックも紐で網を作ったり布みたいな壁作ったり紐を張り巡らせたりしてるんだけど一回も掠りすらしてないからね。
それどころか刃九郎よく見ると時々止まってちらちら様子見てるし、ニックお前気使われてるじゃねーか。

「第一速すぎるわあのカラス! 怪物!?」

「速いだけじゃなくて貴方の紐の強度なら余裕で突き破れますよ、第一まだ一割も力出させてませんし」

「嘘だァ!?」

まぁ一割どころか1%も出させてないけどね、こうしてみるとやっぱ刃九郎って妖怪なんだな……妖怪にしたの俺だけど。
こりゃあ初期ヤムチャとナメック星ベジータくらい差があるね、刃九郎の攻撃禁止命令解除したらニックもう三桁単位で乙ってるからね。
いやしかしグランドライン後半に入りゃ俺や刃九郎でも相手になるかどうかの化け物共がいるやもしれんしさ。
そう考えると強くならなきゃいけないのはニックだけじゃなさそうだね、といっても刃九郎や俺がどうやって強くなるかだよな……。
戦闘の経験はここらの奴等じゃ積めないし、肉体のレベルは人間のレベル基準じゃとっくに天元突破してるし。
となると技を覚えるしかないね、豊富な技で空中から敵をハメ殺す、反撃は許可しないィ――ッ!
いいねいいねェ! 風を操るってかなり応用のきく技術だからかなりいろんな事ができそうだね、夢が広がりんぐwwww
うはwwwwやばいテンション上がってきた! どんな技がいいかなどんな技してみようかな!
……ハッ! いかんいかん、落ち着け俺、最近テンションが一人歩きするな。
いやでもやっぱいろんな事できるってワクワクするよ、ただ試すのが当分先になりそうだけど。

「はい休憩終了ー、さっさと試合に戻った戻った」

「げふっ!」

ニックの腹を下駄の下の長い部分の先で蹴飛ばして刃九郎の止まっている甲板中央まで転がし、俺はそのまま部屋の中へ。
うーん考えれば考えるほどやらなきゃいけないことが多くて困る、とりあえず当面の目標(後半に入る前にやっておくこと)を挙げるとすると

1.ニックを強くする(戦闘の経験を積ませる事も含む)
2.仲間を増やす(そしてその仲間を1と同じようにする)
3.技開発(主に俺、なるべくこの世界じゃ珍しいという飛行能力を活かしたものが望ましい)
4.カラス集め&刃九郎強化(刃九郎強化方法を探すこと)

こんな感じかな?
1はとりあえずどうにでもなりそう、2は……どうだろ、そこらの島でなんとか勧誘活動でもしてみようかな。
3は広範囲技でもない限り船の上で試せそうだ、マストの上か何かで秘密の特訓でもしようかね。
4は、んーどうしよう? カラス集めは見つけ次第で、刃九郎強化は―本人に聞いてみようか。
それとももっとあややの血をこれでもかってくらいにぶち込めば更に強化されたりするかな?
……もはやカラスとは言えないようなおぞましい妖怪Xができそうだからとりあえずそれは保留にしよう。
まー当面の目標は決まったし、とりあえず二人ががんばってる間メシでも作ってようかな。
あーコック欲しい、でもコック仲間にするのって結構大変そうだよな。
既に『コック』という職についているやつを『海賊のコック』にするんだからそれはもうジョブチェンジと同じだよね。
んー、アラバスタにつくまでには航海士とか医者とかも仲間にしておきたいな。
アラバスタって結構近かった覚えがあるな、えーと……イガラムのおっさんの所、巨人古代島、チョッパーの所、たぶんそれだけかな?
ていうことは二つか三つで到着か、それだけの島で仲間集めろっていうのはいささか俺にはきついかもしれんね。
ルフィみたいにいい仲間を引き寄せる幸運が欲しい、あれはなんなんだろうかいい船長にはいい仲間が出来るって引力なのか。
いい船長かー、名は十分知れ渡ってるし力もあるし、カリスマ……カリスマってなんだ?
うーん……、あーなんか最近同じことで悩みまくってるけど全然答えが出ないじゃんどうしよう。
難しいな、もう深く考えずになるようになれでいいか。
Let it be.どうにでもなーれと、よし吹っ切れたさぁメシ作ろう。
ていうかこの船食料庫の中五割魚で四割乳製品ってどうよ? タンパク質豊富すぎじゃね?
残りの一割は小麦とかそこら辺だし、野菜食えよ野菜、あの紐ん中にはタンパク質しか詰まってないのか? なるほどだから脆いのか。
まぁ砲弾が凹む刃九郎の攻撃力じゃ脆い以前の問題だね、さて今日は魚のグラタンでも作ろうかな。
あー野菜食べたいな菜食主義者にでもなろうかな、今なったらこの船で食べれるもん無くなっちゃうからなんないけど。
栄養大事超大事、まぁ野菜ないしどうせならガッツリ体力付くよう大盛りチーズ増し増しだな。
いやー仲間を気遣うなんて俺も船長らしくなってきたかねぇ、これで俺の海賊団も……。
俺の……あ、そういえばまだ名前付けてないじゃん。
まぁいいか明日で、どうせ今日はメシ皆で食べた後ニックが倒れるまで扱くし。













「第一回海賊団の名前と海賊旗を決めましょう船内会議ー」

「いえーい……、人数少ないから悲しいだけだな」

『……』

「うっさいですニック、こういうのはノリが一番大事なの」

という訳で朝っぱらだが関係なくすっかり忘れられてた我が海賊団の名前を(実質二人で)決めたいと思いまーす。
あとオーバークルーズ号にさっきまで掲げてあった海賊旗はニックの前で海に捨てましたー、ちょっとだけ反省してまーす。
はい反省終了、さてさて早速だがまずは簡単に決められそうな海賊旗から決めていこうかね。
まずは部屋に備え付けてあった紙とペンで軽く下書きチックの骸骨の頭を描きます。
背後にペンと扇子を描いて、次にあややの頭の茶碗帽を実際に紙の横に置いて眺めながら適当に骸骨の頭の上に書き足します。
カラスの羽はどうしようかな……あ、そうだ。

「刃九郎」

『なんでしょうか?』

「翼広げてちょうだい」

『?分かりました』

んーナイスベリーナイスよ刃九郎、そのままちょっちこっち向いて待っててくれ。
えーとそこが骨で羽根がこういう感じに付いてて、後はこの羽にちょっとボリュームをつけて……。
うんok、えーと次は……下にカメラでもぶら下げておけばいいかな? えーとカメラカメラ。
んー他になんか無いかなーあややであややで…………! いやでもそれは……でも俺描けるし……。
いや考えてしまった以上実行に移さねば男が廃る、こういう所でも常識に囚われないのが俺流。
とりあえずいったん書き直し、えーと大きさはこの位で髪の毛は――。
うんこんな感じかな! 最後は配色だが俺は何故か毎度毎度色を塗ると残念になるのでニックにしてもらおう。

「はいニック、これが我が海賊団の海賊旗です」

「お、できた? どれどれ……なにこれ」

「斬新でしょう?」

俺が書いたのはきめえ丸、先ほどの海賊旗の骨をまんまきめえ丸に変えただけだ。
もちろん羽も生えてるぜ可愛いぜ……いやーこの見てるとイラッとする顔がたまんないね。
いやいいでしょこのくらいフリーダムでもいやむしろ文句は言わせねぇ、海賊旗の文句は俺に言え!

「いやだってこれ骸骨じゃないし……」

「海賊旗が骸骨と誰が決めたんですか? 世の中には新しい風が必要なのです」

「なにこの……船長に似てるような似てないような奴は」

「き……いえ射命丸です、可愛い可愛い射命丸ちゃんであってそれ以上でもそれ以下でもありません」

「いや何シャメイマルって!? こいつ見てるとなんかイライラするんだけど!」

「うっさい、私が決めたんだからそれは宇宙の真理より絶対です描きなさい」

しぶしぶといった風にニックがペンキで海賊旗をデザインしはじめる、うわそんな風にペンキ使うのかすごいな。
俺がやったら絶対乾いてないペンキとペンキが混じって汚い色ができたりムラができたり円がいがんだりするわ。
うーんこれはもしやニックのアピールポイントが増えたんじゃなかろうか、いやないな今後役に立たなさそうだし。
さてニックが旗を製作してる間に海賊団名考えちゃいますかな、ニック呼んだ意味? 色塗り係。
んー海賊団の名前……黒ひげ白ひげ麦わらに、道化黒猫魚人ってなんか適当な名前多くね?
それだったら天狗海賊団でいいじゃん、あーでもこの世界だと天狗っているのかどうか分からんな。

「ニック、天狗って知ってます?」

「? いやごめん聞いたこと無いな」

「そうですか……んー」

だったら白ひげとかみたいに黒翼、いや麦わらみたいに団扇? 団扇海賊団ってダサいな。
カラス……烏、鴉、駄目だなこの中のものを使ってつけると何故かどうしても厨二になる。
他にあややに関係ある物からなら猿田彦、人間禁制、竜巻…………!!!
来た……来た! 俺の心にビビッと来たぜ! これはいい格好いい最高の名前だ!
厨二臭いのはもはや置いといてあややにぴったり二文字ぴったり!

「船長、船の色塗り終わったよ……本当にこれにするの?」

「ええ、早速掲げなさい……今私も海賊団の名前を決めました」

「へぇ、どんな名前?」

名のモチーフはあややのテーマソング、さぁもう勘のいい皆さんはお分かりかな?
そう我が海賊団の名は―――

















「風神海賊団……今日からこの船は風神海賊団です!」





























鴉は海に夢を馳せる
第二十四話 さぁ真の海賊団の結成だ





























さて海賊団名が決まって旗も掲げられた日の真昼間、海の向こうに見えるはロッカーアイランドより幾分か小さい島。
俺達が真に海賊団になって始めて上陸する記念の島だよ、胸が熱くなるな……。
取り舵いっぱい追い風順風、いやー清清しい気分だ! この眠気を睡眠薬かなんかでどうにかできればなお完璧だな!
そういや睡眠薬も買ってないんだった……手帳なんか買う前に睡眠薬買おうぜ過去の俺よ。
あー頭痛い、今さっきまでの俺の清清しい気分返せ畜生……ふぁぁ。
んー島の特徴はと、特に無いけど森がたくさんで真ん中にでっかい山があるよって位かな。
いやまぁどっちかというと島に山があるんじゃなくて造山活動でついでに島が出来ましたって奴だろうね。
あんま地理に詳しくないからよくワカンネ、まぁそこそこ自然豊かで麓には小さな村が見えるな。
島の向こうは飛ばないと見えないけど、今マストに全体重任せてるから飛び上がれない。
なんかもうテンション下がってきた、このままマストにこべり付いてチーズ蒸しパンになりたい。
とか思ったけどマストの下の甲板から俺を呼ぶ声がする、まぁニックしかいないけど。

「船長ー、島が見えたけどどうするー?」

「……とりあえず上陸用意ー」

「りょーかーい」

うう、でもこのまま素通りって訳にも行かないし……なにより俺は睡眠薬と野菜が欲しい。
あー俺はこのまま惰眠をむさぼってニックにパシらせてもいいかも……いやしかし船長としての威厳が……。
うーん仲間が増えるかも……やったねアヤちゃんむにゃむにゃ……。

『……まもなく島に到着します、起きてくださいアヤ様』

「うううー、睡眠薬と野菜買ってきて……」

『私の声はアヤ様以外に聞こえません』

ちくせう、あーもーわかったよ起きるよー。
いかんさっきテンション上げた反動で更に眠気がリバウンドしたぁ。
腕動くー足動くー羽動くー体動くっ! ふぅ、やっぱ眠い時は勢い付けないと起きられないわ。
さてさて島の冒険だー、わーい……ハッ! いかんいかん顔洗ってこよう。
マストの上からスカイハーイ、これ結構気持ちいいんだよね。
飛行機が飛び立つ瞬間浮遊感に包まれるじゃん? あれの短いバージョンみたいなさ。
えーとキッチンキッチン……。


うん幾分か目が覚めたよ、さて見知らぬ大地に降り立とうかね。
まぁ見たところ小さい村が一つあるだけだし危険そうなもんは何一つ無いね。
上陸できそうな所は……あの森の所の海岸でいいかな。

「ニックー、船あそこに止めてー」

「あいよー」

舵取り場にいるらしきニックから返事の声が聞こえるー……いかんぼやけて聞こえてきた。
どんだけ眠いんだ俺……だってルフィの所にいた時だって睡眠薬飲んでないのにこれほどは眠くなかったはず……。
あれか、お昼寝タイムがニックの訓練の時間に呑まれたからこんなに眠いのか。
おのれニック、まぁ冗談はさておいて……ん?
森の陰に人影、しかも一人や二人じゃない……うわ軽く二十人チョイいるじゃん。
んー格好を見るに海賊じゃないね、あの村の村人さんかな? なんか皆さん武器持ってらっしゃるけど。
銃は……無くて全員サーベルか、こりゃちょうどいいや。

「ニック、なんか島の人達が臨戦態勢に入ってるから貴方一人で何とかしなさい」

「あいよー……え? 俺一人?」

「話し合うも良し、実力行使で黙らせるも貴方に任せます」

ジャストタイミングで舵取り場から甲板に上がってきたニックに船長命令、戦闘経験にはちょうどいいでしょ。
まぁ話し合いも有りって言ったけど海賊相手に大人しく話し合って仲良くしましょうなんてのは有り得ないからね。
我が風神海賊団初戦闘はニックVS島人多数か、盛り上がりはしないけどまぁオープニングのイベント戦だと思って妥協しよう。

「……不安だけどちょっと行ってくる」

シュルルっと紐を伸ばして海沿いの木の一本に絡ませると、そのまま全身を紐にして最初の紐に纏わり付くように島へ渡っていくニック。
その姿はなんとなく地面を這って蠢く芋虫っぽくてキモかった……っと、後でこの日記ニックに見せてみよっと。
いやでもなんかカラフルで虹みたいに見えないことも無いことも無いな、うん無いわ。
さーてとりあえずニックが村人をどうにかするまでゆっくりゆっくり船を進ませておこうかね。
よし、甲板の縁に座って観戦しようかな……おっとニック選手ここで手を上げて丸腰アピールだ!
しかしさっきの行動で悪魔の実の能力者だということがばれている為意味が無い! 馬鹿かアイツは。
おーっと島人達がこぞってニックに刀を振り上げて襲い掛かる! ニック選手絶体絶命!
ニック選手ここで紐を全方向に撃ち始めました、これは刃九郎にやっていた技……島人には効果は絶大だぁ!
一本紐に当たればそれが島人に纏わり付いて動けなくなる、更に紐に纏わり付かれてバランスを崩した島人が隣のバランスを崩して更にその島人が紐に――。
いやこれは狭い所に大人数で集まりすぎた事が災いしたな、うんニックもただの島人相手じゃこんなもんか。
追い風いっぱーい、島に上陸用意ー……ふぁぁ。



碇を降ろしてマストを縛って、と……よし準備完了。
あやや大地に立つ、おお島人がごろごろ転がってるね。

「ニック、お疲れ様でした」

「お疲れさん……いやなんか戦いって感じがしなかったな」

「命をかけた戦闘なんですから立派な戦いです、まぁ貴方は殺しはしなかったようですけど」

「殺す必要が無いなら殺さなくてもいいだろ?」

「まぁ必要が無ければ、ですがね」

俺も無駄な殺生はしたくないし、それでいいんじゃないかな。
それはそうとこの島人さん達一体どうしましょうかね、とりあえず話だけでも聞いてみようかね。
まぁ一番先頭に転がっているこの白髪気味の屈強そうなおっさんでいいかな。

「さて、質問よろしいでしょうか?」

「……だれが海賊なんぞに」

ほーう?海賊なんぞ……ですか、これは寛大な心を持つ俺も怒らざるを得ないね。
怖い恐い海賊を怒らせたらどうなるか教えてあげようかなぁ?
付近にいたまだうら若い二十歳程の女性の胴に縛られたニックの紐を引っ張り、女性を無理矢理stand upさせる。
ちょっと乱暴だったか女性が少し苦しげな呻き声と短い悲鳴を上げるけど、ひとまずは我慢して無視。
転がってるおっさんにも見えるようにしっかりおっさんの目の前に女性を転がしてやると、おっさんの顔がいきなり緊張し始めた。

「な、なにを!」

「いいですか?今から貴方にいくつか質問をしていきます」

おっとその前に、まずは俺がどれだけの力を持ってるか分からせないといかんね。
とりあえず皆さんこちらを向いてるので、隣にあった木を片手で水平チョップして叩き折る。
うわ我ながらすげぇ、人間一人じゃ抱え込めない位の太さの木だったけど一発で折れた。
いかんいかん俺が驚いてどうする、話続行。

「質問に答えないと貴方の目の前でこの女性を殺します、はぁ?って聞き返しても殺します、くしゃみをしても殺します
 誰かが余計な動きをしても余計なお喋りをしても殺しますし、殺した後は違う人を貴方の前に転がして再び質問します」

「ちょ、船長!?」

「貴方は黙っていなさいニック、どうしても海賊には話すつもりが無いのなら別に構いませんが……答えていただけますか?」

「……」

緊張した顔のまま無言で頷くおっさん、いいね素直なのは美徳だよ。
いやもちろん殺したりはしないよ? でも恐ろしさを武器に交渉や取引をするのも手段の一つだからね。
まぁ台詞が言いたかったってのも理由に含むけどね、しょうがないじゃんこんな台詞言うシチュエーションめったに無いんだもん!

「まず、貴方達はむこうの村の村人ですか?」

「……そうだ」

「何故この人数でここに集まっていたのですか?」

「島の近くに海賊船が見えた、それだけでは不満か」

「不満ではありませんが、次から質問に関係の無い発言は慎んだほうがよろしいかと忠告します」

スッと右手を上げるとおっさんも周りの島人も揃って体を強張らせる、人質にされてる女性はもう半泣きだ。
……なんか、ゾクゾクしてきた。
いかんいかん、なんか本当に目覚めてはいけない方向に目覚めそうだな。
俺はノーマル俺はノーマル……オーケー大丈夫俺はノーマルだ。
しっかし近海に海賊が出たとて二十人前後が武器用意して二キロ近い村からここまで待ち伏せできる位に速く来れるもんかね?
監視塔でもあるのか? いやそんなもんは見当たらなかったけどなぁ。
まぁそこら辺はどうでもいいか、とにかくこの村での目的は睡眠薬と野菜だけだ。
別に島の村の監視事情はそこらに落ちてる小石の数の次くらいどうでもいい。
何より既に眠くてはっちゃけるテンションすら残ってないんだよこっちは……。
さてどうしようかな、このまま人質とって村まで案内してもらうとしましょうかね。
流石にここから友好的に行くってのも虫がいいからどうせなら悪役スタイル継続で。

「ではとりあえず村まで案内してもらいましょうか」

「……村の皆には手を出さないと誓えるのなら」

「それは貴方達の態度しだい、ってことになりますね」

あーこれはやっちゃったかもしれんな、今のが引き返せるチャンスだったかも。
まぁもう決めちゃった以上どこまでも突っ走るしかないか、ニックには……後でなんか弁明しとこう。
超不満そうな顔してるし、仕方ないじゃん……海賊になるってこういうことよ。
刃九郎は……あいっけね船の上だわ、呼んどかないと。





























後書きコーナー

アヤ「はいこんにちわ万年寝不足気味のアヤです」

アヤ「えー今回海賊旗の設計等の回でしたが、海賊旗のモデルはbokusyouさんの感想からいただきましたー」

アヤ「……いやすごいっスね、説明かっこいいよ説明まるで私がかっこいいキャラみたいじゃないですか」

アヤ「いやー感動しました、割とガチで……あ、風神海賊団は作者の無い頭から搾り出しました」

アヤ「あとボリュームも上げてみましたが……なんか三人称視点っぽい分になってしまいますね」

アヤ「さてはて本格的に海賊になった訳ですけども……いやールフィ達から距離が開いちゃって原作に絡ませ辛いこと」

アヤ「まーフラフラしてればそのうち何とかなるんじゃないかと思ってるんで適当にやっていきますけどね」

アヤ「あと生存率0%の紙の試練(試験)が迫ってきてるんでちょっと更新が遅くなってます……申し訳ない」

アヤ「あとクリスマスも近いですね、予定なんて無いのでただの平日ですけど」


アヤ「あれ半分以上雑談になってる? まぁグダグダになるのもアレなのでここらで〆ます」

アヤ「ご愛読ありがとうございました! 次回の更新にご期待ください!」


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