21世紀後半に人類は、宇宙へ進出していた。宇宙へ進出したといっても人類は、SFでよくあるように政治的に統合されたわけではない。
人口難や宇宙空間でのエネルギー資源の確保、その他諸々の理由から宇宙へそれぞれの国が進出していっただけだ。
宇宙条約といってかつては人類が宇宙空間での天体の領有を認めないといったことや、軍事転用の禁止を行う条約もあったが、それらも有名無実となり宇宙にアメリカやロシア、中国、日本をはじめ様々な国が進出しそれぞれの国の既得権益をかけた争いが始まるようになる。
史上初の宇宙戦争、月面上での資源を求めての争い、小惑星帯での資源小惑星の確保。宇宙に行っても結局人は変わらなかった。宇宙戦闘機や宇宙戦艦、宇宙戦車と名付けられた兵器群を使用して人は争いを繰り広げた。
とはいえその過程の中で人類の技術が進歩したのが事実だ。宇宙空間で住むためには、生命維持を行えるシステムを構築する必要があるが、ラグランジュ点に作り出されたスペースコロニーで完全な閉鎖環境内での食料の確保や酸素、水の発生システムや排泄物、地球軌道上に一つのエンジンで移動してしまえる単段式宇宙往還機や原子炉やイオンエンジンを経ながら核融合動力の宇宙船、それ以外にもテラフォーミングという技術が実用化された。
このように技術が進歩していく中で軍備は、放棄されなかったが戦争は終息していった。
宇宙空間で星間水素を集めることで核融合動力によって時間をかければ光速度に達することでの無限の航続距離とコールドスリープや世代間宇宙船の実用化によって外宇宙への進出の道が開けた今ではわざわざ大規模な戦争を行うことなく、広大な宇宙に資源や植民を求めて進出すればいいだけだからだ。
しかし、一部の陰謀論者と呼ばれる人々はその時代にもいたが、それらの人々は面白半分かでなければ本気に信じているのか、これら宇宙進出には裏がある。
どう考えても宇宙進出を行るような技術を得るまでの技術的スパンが短すぎる。何らかのエイリアン勢力が手を貸していたりするのだと。
彼らのことは大半は戯言だろいうだろう。しかし、たまたまその人たちは事実を言い当てていた。
宇宙進出を行うような高度技術は、世界的に拡散していったがそれを発生させたのはアメリカの巨大企業ウェイランド社だ。
これらウェイランド社とアメリカ政府の間にある機密が人類の宇宙進出を成功させたことを知らない。
そしてこの後に起きる宇宙船プロメテウス号の遭難事件と宇宙船ノストロモス号事件、そして2004年の同時期に起きたことを。