思っていたよりTS千早さんが人気でびっくりしました。「ごめんねえ、おさがわせして」 ヘリに乗り込むと謝りながら席につくなのは「いやあ、ええもん見せてもらったよ」「うぅ……」 はやてが茶化すように言うと苦笑いを浮かべる「しかし、あの娘はどうしようか?なんなら、教会に預けとくのもええけど」「平気、帰ったらあたしがもう少し話してなんとかするよ」「そうか」「今は周りに頼れる人がいなくって、不安なだけだと思うから」 静かにそう語るなのは「あー、ところでそろそろ拘束解いてもらえると助かるのだけれども?」「ん、後でな。今は真面目な話しとるから」「それで、いつ解いてもらえるのかしら?」「ああ、教会に到着したらかな?」「それ、完全に解く気無いわよね?」「まあ、遠回しに言えばそうやね」「酷いわね」「そうやな」「ま、まあまあ、とりあえず千早君も反省してるみたいだし?」「そうだよ、はやて。それにこのまま教会に連れて行ったら何事かと思われるよ?」 簀巻きにされている千早に苦笑しながら二人がはやてを宥める「まあ、私も少しやり過ぎかなとは思っとる」「少しなのね」「ああんっ!?」「いや、なんでもないわ……」 ちょっとキレ気味で睨まれると萎縮する千早の姿を見ては更に苦笑するのであった「……酷い目にあったわ。で?これからどこへ行くの?」「聞いてなかったんかいな、カリムのとこやで」「聞くも何も、いきなり簀巻きにされてヘリに押し込まれたのよ?どこのテロリストよ」「テロリストって……」「あ、あはは……」 拘束を解かれて、体を撫でながらため息混じりに言う千早「ねえ、千早君はどう思う?」「ん、どうって?」「ヴィヴィオの事」「んー」「そうね。あの子が望むなら私は母でも父でもなろうと思ってるわ。でも、多分あの子はそれを望まない」「なんで分かるの?」「なんとなくかしら?」「なんとなく?」「じゃあ、放っておくの?」「そんなわけないわよ?私を誰だと思ってるの?」「女装癖があるロリコンの変態やと」「酷いわね、まあ、そうなんだけど」「認めるの!?」「時には許容することも大事よ?」「開き直るとも言うけどな」「えーと、とりあえず話がそれてるよ。二人共」 まったく会話が進まない事に苦笑するフェイト「コホン、そうやね。真面目な話どう思うん?」「そうね、真面目に答えるなら、養子にするのは簡単よ?手続きさえ済ませれば良いのだから。けど、一人の人間を養うっていうのは簡単な事では無いの。それは経済面だけを言っている訳ではないわ。その子の全てを背負う覚悟が必要なの。だから、いくら私でも2つ返事はしない……それが責任と言うものだから」「……千早君」「うん、そうだよね。私もそう思う」「まあ、急がなくてもゆっくり話をしていけばいいわ」「そうやね。しかし、意外やわ」「ん?何が?」 笑みを浮かべながら言うはやてに首を傾げる千早「いやあ、ちゃんと考えてるんやなって思って」「あら?私を誰だと思っているの?ロリコンとは子供の為なら騎士にも悪魔になれるのよ?」「あはは、千早君らしいね」「そうだね、なのは。よく考えて決めよ?私も一緒に手伝うよ」「うん、ありがと。フェイトちゃん」 そう提案するフェイトに笑顔で礼を言うなのは「ところで、もし、なのはが母親の代わりを務めたとして」「うん」「多分そうなると後見人はフェイトかはやてになるじゃない?」「そうやね」「そうなると、私は父親の代わりを務……」「……何を言っているのかな?」 そこまで言おうとしたらフェイトにすごい顔で睨まれた。「いや、だから……母親はなのはが務めるじゃない?となると父親の代わりがいるわけで……」「だからなんで千早なの?それなら私がなるよ?」「いや、貴方女じゃ」「千早も女の子だよ?」「いや、私はおと……」「女・の・子・だよ?」「はい、今は女です……」 静かに迫るフェイトに頷くことしか出来ない千早、その様子を見た二人は「あかん、もう末期やな」「あ、あはは、もうなれたの……」 諦めたようにため息をつくのであった…… …… ……… ………… ――コンコンッ「どうぞ」 聖王教会に到着したはやて達はとある一室へと入る「失礼致します。高町なのは一等空尉であります」 管理局員らしく、キレのある動作で敬礼をするなのは「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官です」 同じく、凛々しく敬礼するフェイト「最上千早二等陸尉……ロリコンです」 無駄の無い動作で敬礼する千早「……ちょっとまて」「何よ?」「いや、まあええわ。聞き間違いや」「少し疲れているのではないのかしら?」「ああ、そうかも知れへん。誰かさんのせいで」「大変ね」「いらっしゃい。聖王教会教会騎士団騎士カリム・グラシアと申します。ところでロリコンとは?」「やっぱ誤魔化されへんかったか」「当たり前じゃない。その程度で誤魔化されると思っているの?」「誰のせいっやと!思ってんねんっ!」「えーと……とりあえずどうぞこちらへ」 二人のやり取りに苦笑しつつ案内するカリム。罰の悪そうな表情で会釈するフェイトとなのは、早速連れてきた事に後悔し始める「どうぞ、おかけになって」 そう言うと席につくカリム、順番にはやてが座り「失礼します」「クロノ提督、少しお久しぶりです」「ああ、フェイト執務官」「失礼するわね」「ふふふ……お二人ともそんなに固くならないで、私達は個人的にも友人だから、いつも通りで平気ですよ?」「あら?そうさせてもらうわ」「あんたは最初からそうやろうがっ!てか、カリムとは初対面やろ?」「ふふ、構いませんよ」「まあ、騎士カリムがそう仰せだ。いつも通りで平気だぞ」「それじゃあ、クロノ君ひさしぶり」「お兄ちゃん、元気だった?」「なっ、それはよせって言ってるだろう?お互いもういい年なんだし」「そうね、その年でお兄ちゃんは痛……なんでもないわ……」 思いっきり恐ろしい瞳で睨まれた……「年齢は関係ないよ、お・に・い・ちゃ・ん?」「そ、そうだな」「千早?あんたはちょっと黙っとき。話が前に進まへん」「あ、あはは、その方がいいかも?」「まあまあ、皆さんその辺りで……本題にいってもよろしいでしょうか?」 カリムが苦笑いを浮かべながらなだめるように言うと静かになる。ふざけていたはやても姿勢を但し皆を見つめながら「で、今回の話は昨日の動きについてのまとめと、改めて機動六課設立の裏表について、それから今後の話や」 そう言うと、周りをカーテンが包み込む。陽の光が遮られ、少しテーブルの周りが暗くなる。そんな重苦しい雰囲気の中、まずはクロノが話を始める「まずは機動六課設立の表向きの理由は、ロストロギア、レリックの対策と独立性の高い少数部隊の実験例。知っての通り六課の後見人は僕と騎士カリム。それから僕とフェイトの母親であり上官のリンディ・ハラオウンだ。それに加えて非公式ではあるが、かの三提督も設立を認め、協力の約束もしてくれている」 知らされていない事実に少し驚くフェイトとなのは、ちなみに千早は少し眠くなっていた「その理由は、私の能力と関係があります」 そんな二人に、カリムがある物を見せる「私の能力『プロフェーティン・シュリフテン』これは最短で半年、最長で数年先の未来それを詩文形式で書き出した預言書の作成を行なうことができます。2つの月の魔力が揃わないと発動できませんから、ページの作成は年に一度しかできません」 そう言うと三人にページを見せる「予言の中身も、古代ベルカ語で解釈によっては意味が変わる難解な文章。世界に起こる事件をランダムに書き出すだけで、解釈ミスも含めれば的中率や実用性は、割りとよく当たる占い程度。つまりは余り便利な能力では無いんですが……」「聖王教会はもちろん、次元航行部隊のトップもこの予言には目を通す。信用するかどうかは別にして有識者による予想情報の一つとしてな」「ちなみに地上部隊はこの予言がお嫌いや。実質のトップがこの手のレアスキルとかお嫌いやからなぁ」「レジアス・ゲイズ中将、だね」「まあ、確かにそんな信憑性にかける予測情報じゃあ、実働部隊の命を預かる将としては判断材料にしたくないでしょうね」「また、あんたは……もう少しオブラートに包むとかできへんの?」 ポツリと呟いた千早にはやてが窘める「別に?ただ……」「ただ?」「彼は決して嫉妬や妬みで敵対するような無能ではないということ」「……」 少しトーンを落とすと説明をする千早、その様子を静かに見つめる「例えば強い正義感にカリスマ性、そして優れた統率能力。そんな堅物を絵に書いたような人物が、よく当たるとはいえ占いに身を委ねたりするわけはないわよね」「そうやね」「まあ、もっとも多少は私情もありそうだけれども、例えば地上を軽視する本局と仲の良い聖王教会の言う事は聞きたくないとか、その教会と本局の強力なバックアップを受けている機動六課は嫌いとか、ね」 不敵に笑いながらそう語る千早を全員が驚いた表情で見つめる「えっと、中々ユニークな意見ですね。そういう風に表現されるとどう答えたらよいか判断に困りますね」「そうだな。皮肉とも評価ともとれるが、結局陥れている感じが……」「あ、あはは……」「流石千早だね。的確だったよ」「こいつは、時々確信めいた事を言うよるから……」「私もたまには真面目な事言うわよ?」 そう言うと頬杖突きながら、クロノの方へと視線を向けさっさと次話を進めるよう示唆する「ま、まあ、彼女の話は置いておいて、数年前から少しづつある事件が書きだされている」「古い結晶と無限の欲望が集い交わる地、死せる王の元、聖地より彼翼が蘇る。死者達が踊り中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ち、それを先駆けに数多の海を守る方の舟も砕け落ちる」「それって……」「まさか……」「ロストロギアをきっかけに始まる、管理局地上本部の壊滅と……そして、管理局システムの、崩壊」 …… ……… ………… 夜、カリムの所から六課へと帰ってきた4人「そんなら、ここで解散や」「うん」「情報は揃ったし、大丈夫だよ」「そうね、久しぶりのシリアスモードに疲れたわ」「ところであんたはいつまでその状態でいるつもりや?」「そうね……まあ、しばらくはこのままでいるわ」「やった」「フェイトちゃん喜びすぎや」「あ、あはは……ま、まあ害は無いんだしいいじゃないかな?」 いつも通りの会話にほっとする。そんな中、居を決したように「あ、あのな!私にとって二人は命の恩人で、大切な友達や。六課がどんな展開と結末になるかは、まだわからへんけど……」「その話なら出向決める時にちゃんと聞いたよ」「私もなのはもちゃんと納得してここにいる。大丈夫」「それに、私の教導隊入りとか、フェイトちゃんの試験とかはやてちゃんや八神家の皆すごくフォローしてくれたじゃない」「だから今度は、はやての夢をフォローしないと……って」「……あかんなぁ、それやと恩返しとフォローの永久機関や」 嬉しそうな顔でそう言うと「……で?私の存在は無かった事になるのかしら?」 不敵な笑みで声をかける千早「あ、あはは、忘れてた……」「酷いわね?まあ、いいんじゃないかしら?そういう関係」「そうだね、友達ってそういうものだと思うよ」「うん……」「そう、私の幼女への愛も永久機関……奉仕と献身、そして守護。それと同じ」「そうだね、ロリコンってそういうものだと思うよ」「それは違うよ?フェイトちゃん」「「「あはは」」」 またいつもの調子に笑顔になるはやて達、ひとしきり笑った後「八神部隊長、今のところ部隊長は何も間違っていないであります」 なのはが、敬礼をしながら発言すると「だから、大丈夫。いつものように、堂々と命令してください。胸を張ってえへっと」 同じく続けてフェイトが続ける「無い胸を張っても仕方無いと思うのだけれども、突っ込みがないのは面白く無いわね」 最後に千早が落とし、思いっきり鳩尾へと拳を入れられる。その様子を見てまた笑うのであった…… 今期の春アニメ録画貯めていた分を見まくってます。「働く魔王様」と「俺の青春ラブコメは間違っている」と、「ゆゆ式」がおすすめw。後は「俺妹」またラストはウェブかよOTL。一期の時も忘れてて最後見れなかった思い出がw超電磁砲やばい、何がやばいって上条さん登場。6話辺りからどれだけ待っていたか、やっぱなんだかんだいってああいう王道主人公が大好きです。ではまた~ 誤字修正しました