「そんな……」「Sクラスの砲撃が、直撃……」 突然現れたエネルギー反応、それは砲撃のチャージであり、推定Sクラスクラスはあろう砲撃がヘリを直撃した。その光景を確認したシャーリー達は驚愕した。「まだわからないわ!通信!急いで!」 声を荒げながら復旧作業を急ぐ、現場が緊張感に包まれる。しかし、彼女らは未だ気づいていない。そこにロリコンがいることに、そしてロリコンとは幼女を守る騎士だという事実に…… そうロリコンとは幼女がいれば最強、小さきか弱いものためには命を惜しまない。故に彼はこう呼ばれ、周りから非難と嘲笑と共に恐れられている…… そう…… 彼は『ロリコン・オブ・ロリコン』 彼の前にロリコンはいない、彼の後ろにロリコンはいない。最強の幼女好き、彼は狂おしいほどロリコンであった……「うっふふのふ~♪どう?この完璧な計画」「黙って、今命中確認中」 健やかな笑顔で満足そうなクアットロに対して冷静に状況確認するディエチ「あれ?まだ飛んでる?」 しかし、爆煙からヘリの先端を確認すると疑問の声をあげる。確かに直撃したはず、そう思いながらさらに視線を合わせる「嘘……」 煙が晴れて、人影がはっきりと現れると驚き呟くディエチ、なぜなら、そこには無傷でヘリの前に立つ青年が無言で俯いていたからである。「こっちも本気じゃないって言っても……マジで?」「なんなの?あれは?」 驚いた様子で見つめる二人に対して、目の前の青年がゆっくりと頭をあげる。「ひっ!?」「なっ!?」 それを見た二人は恐怖に、動きを止める。銀色にたなびく髪と白い肌、そして三日月のようにつり上がった口、目は爛々と光っており、凡そこの世の者とは思えないくらい異様な雰囲気で二人を睨んでいた「コォーホォー……コォーホォー……」<Gurururururu> 目の前の人間?の口からは呼吸をする度に蒸気が出ており、デバイスからは唸り声が漏れて悍ましい雰囲気に包まれていた。「あちゃ~まずいわね?」「うん、なんかあいつ怖い」 二人顔を合わせ頷きあうとその場から離れようと腰を浮かすが……「フフ……」<Uuuuuu……GYAOUhhhhhhhhhh!!!> 静かに笑みを浮かべるとそのまま腰を落とし勢いをつけて何もない空間を獣のように蹴り突進してくる「ディエチちゃん!!逃げましょう!!今すぐに!!」「うん、完全にまずっ!?」 クアットロの言葉に返事を返した瞬間、人型の塊がそのまま彼女らがいる屋上へと突き刺さる。その瞬間土煙が巻き起こり一瞬視界が見えなくなる「ディエチちゃん!?」「大丈夫……」 ディエチの近くに飛来したので、心配そうに声をかけるクアットロ、煙に包まれ完全に視界は遮られていた「大丈夫なの?」「うん、だけど、一体何が?」「ククク……」<Munnnnnn……>「幼女を傷つけようとした事許すまじ、貴様らの命をもって償うがいい……」<大人しく投降しなさい。そして冥府へと落ちなさい>「なんか物騒なこと言ってる!?」「てか、本当に管理局の人間か?」「ああ、そしてどうでもいいが市街地での危険魔法使用及び殺人未遂の現行犯で逮捕する。武装解除して大人しく投降するようにって一応言ってみただけで、投降しなくてもいいから、寧ろ抵抗してもらった方が助かる」<大人しく投降しなくていいので、素直に殺されてください>「謹んで遠慮しますわ」「ああ、逃げるのか?その方がこちらにとって都合がいい……フフフ」<Yes,DEAD OR DIE>「それどっちにしても死ねって言ってますわ!?」「だからほんとに管理局の人間なの!?」「貴様らに選択の余地は無い、生殺与奪は私にある。幼女を傷つけた罪は死すらぬるい。なあ、ガングニールよ」<DEATH,DEATH,DEATH,DEATH,DEATH,DEATH,DEATH,DEATH,DEATH>「こわっ!?」「うっとしいですわね……IS発動、シルバーカーテン!」 途端に二人の姿が消えた「その程度で逃げられるとでも?なあ、はやて?」<Search And Destroy> その様子に焦ることも無く、静かに笑みを浮かべると呟く「位置確認、詠唱完了……とりあえずその物騒なデバイス黙らせてな」 眼前には詠唱を終了し、デバイスを天高く掲げるはやてが苦笑していた「ふむ、安心しろ私はただ、お仕置きをだな……」 にこやかに返事をしつつ手で首をコキっと捻る動作をする「それ、完全にSATUGAIしてるから。まあ、ええわ。とにかく後4秒やから」「む、了解」 もう慣れてしまったのか、彼の発言に動じる事なく流し、告げるはやて。それに答えると千早は追跡を中断し、後方へと下がっていく「離れて?なんで!?」「まさかっ!?」 千早が離れた事に動揺し、姿を表すと周りを見回す。二人、そうして空を見上げると巨大な魔力の塊が彼女らの頭上に現れる「広域空間攻撃っ!」「うっそ~ん!?」 何が起こるのか理解した二人は、絶望の声をあげる「デアボリック・エミッション!」 その瞬間黒い光球が爆発し、一気に周りを包み込む「うわあああ!!」 叫びながら魔力光から必死に逃げるクアットロ、ギリギリの所で回避に成功するが「トライデント……スマッシャーっ!」「エクセリオン……バスタァ!」 ガシャコンとカートリッジが排莢される音が響き轟音と共に魔力光が迫ってくる。彼女達が逃げた場所に先回りしていたフェイトとなのはである。彼女らに挟まれて絶対絶命に陥る二人「IS発動!ライドインパルス!」 彼女らに直撃する寸前にトーレが二人を救出、そのまま腋に抱え離脱していく「ケツでかBBA自重しろ……」「!?」 直前で救援に入られ驚きながら、司令室に追跡を依頼するなのは。間に何か不快な言葉が聞こえた気がしたが、今はそれどころではない。しかし、残念ながら相手の速度が早すぎて結局ロストしてしまったのであった …… ……… …………「はあ……トーレ姉様助かりましたぁ」「感謝……」 腋から離され地面に浸りこむとトーレに礼を言う二人、そんな二人を見てため息をつきながら「ボーとするな、さっさと立て、馬鹿者共目。監視目的だったが来ていてよかった。お嬢はもう……痛ぅ……」 そこまで言うと、少し辛そうに腕をさするトーレ「?どうされましたのですか?」「いや、少し掠ったみたいだ」「完全に避けきった思っていたのですけれど」「違う、あいつらじゃない。誰かが逃走中に一撃を加えていった」「誰かわからないですの?」「それどころではなかったからな。ただとても不愉快な言葉だけは聞こえた」 苦々しい顔をしながら腕をさするトーレ「私はばばあじゃない……確かに他のナンバーズより老けて見られるけど、それに誰がケツ……ブツブツ」「あ、あの……トーレ姉さま?」 俯きながら若干キレ気味に呟く彼女に恐る恐る声をかけるクアットロ「……なんでもない。合流して戻るぞ」 鋭い目つきで答えると、そのまま立ち去るのであった…… …… ……… …………「あちゃあ、逃げられたか……」 上空で悔しそうに呟くはやて『ああ、こっちも召喚士に逃げられた。けど新人達のおかげでレリックは無事だ。ああ……』 悔しそうに報告するヴィータ『そうか、わかった。皆無事なんやったら問題無いし、ようやってくれたよ』 ティアナ達の機転のおかげでレリックの確保と、少女の保護を無事完了し、皆帰還するのであった レリックと共に保護した少女は聖王医療院に入院させることになっていた。夕刻、検査を済ませた彼女の様子を見になのはが病室まで移動している『検査も問題なかったし、これからそっちへ戻るね』『ん、了解』『フォワードの子達は?』『元気だよ?エリオとキャロの怪我も割りと軽かったし、報告書書き終えて今は部屋じゃないかな?』『そう』 夕焼けに照らされる廊下を歩きながら、先に戻ったフェイトと念話で会話するなのは『私も戻って報告書書かなきゃ、今回は枚数多そう……』『大丈夫、資料とデータは揃えてあるから』『にゃはは、ありがとう』『それから、そっちに千早が行ってると思うから』『え”なんで?確か一緒に戻ってたよね?』『うん、あの後ものすごい勢いで報告書書き上げてそっち走って行ったから』『そ、そう』『それでね、はやてがその報告書について聞きたいことがあるって言ってたって』『ん、解ったよ』 そう返事を返すと、目の前に売店があり、陳列棚のウサギのぬいぐるみへと視線を移すなのは「すみません~」 それを手に取るとカウンターへ声をかける。奥からご年配の女性の係員が顔を出す「はい、いらっしゃいませ」「すみません。これを」「はい、ありがとうございます」 支払いを済ませ、病室へと移動しようとするなのはに向かって「ああ、その制服、お嬢ちゃん管理局の人?」 不意に声をかけられる「え?ええ、そうですけど」「あら、やっぱり」 ものすごく納得したような、驚いたような表情をされる「あ、あの?」 その様子を不審に思い質問すると「ああ、ごめんなさいね。いや、先ほど、貴方と同じ制服を着た男性が同じぬいぐるみを購入していったから」 怪訝な表情をしていたのか申し訳なさそうに、説明する売店の係員「同じ制服……」 その言葉に嫌な予感がひしひしと背中を駆け抜けていく「まあ、どこにでもあるぬいぐるみなんだけどね。あるだけ在庫をくれって言ってたんで、ちょっと覚えてたんだよ」「あ、あはは……」 あるだけくれって……一体どれだけ買っていったんだろう?「一応お断りを入れたんだけど、あの人はそれでも全部買っていったんだけど……よかったのかしらね?」「そ、そうですか……それは申し訳ありません」「いや、お嬢ちゃんが謝ることじゃないよ。寧ろこっちがお礼を言わなくちゃいけないしね。それにしてもあんなたくさんどうするつもりなのかしら?」「さ、さあ?どうするんでしょう」 苦笑いを浮かべながらお礼を言うと、そのまま病室へと移動するなのは。何故かこの先に何が待っているか想像できるだけに嫌な汗が流れてくる。そうして目的の病室の前まで到着すると覚悟を決め入室する「……」 無言で室内を見回すなのは、夕闇に照らされた室内に静かな寝息で寝ている少女。その周りには彼女をまるで見守るかのように大量のぬいぐるみが並んでいた「これ、目が覚めたら怖がらないかな?」 少し不安に思いながらも、少女の方へと近づくなのは「……ママ」 寝言だろうか、悲しそうに呟く少女を見つめる。ふと彼女のすぐ傍にある同じウサギのぬいぐるみに一枚の紙が貼ってある事に気づくなのは、そこにはこう書かれていた『特等席に置く権利は君に譲ろう』 それを見たなのはは、少し苦笑する。見ればそのぬいぐるみだけは少女を見下ろしていた。まるで守るかのように、そして不自然な空きスペース「何を考えてるのか……本当不思議な人」 そう呟くとぬいぐるみを置き少女の頬を優しく撫でる「大丈夫だよ?傍にいるからね……」 そうして優しく語りかける。悲しそうな表情が夕日に照らされていた…… …… ………<よかったのですか?マスター>「何がだ?」<あれほど楽しみにしていたのでしょう?>「ふふふ……あれで良いのだ」<かっこつけているだけでは?>「何を言うか、いいか。私はロリコンだ。彼女を守ることはできても彼女の母親には慣れん」<父親になればいいのでは?>「そうだな、そういう選択肢もあるかも知れん。しかし、彼女は母親を求めている。だから……」<だから?>「私は明日から女になる」<は!?>「簡単なこと、幸いなことに変身魔法のコツは覚えた。後は継続時間、否、デフォルトの状態を女性にもっていく」<いやいやいやいや!?おかしいですって!?>「何がおかしい?私は幼女の為なら性別すら超越する存在になれる。何故なら私はロリコンだからだ!」<ロリコン関係無い!?> 覚悟を決めた表情で宣言する彼に突っ込むガングニール、久しぶりに暴走した主になすすべもない<マスターが!マスターが!ご乱心!!!>「はっはっはっ!私はやるぞ!ガングニールよ!茨の道へと!」<ああ……夢なら覚めて……> 高らかな笑い声とともに優雅に去っていく……後日、彼の計画は六課のメンバーによって阻止されることとなるのだが、約一名だけ……「ああ、千早が女の子になるんだ。じゃあ、色々準備が必要だね」 と大量に衣服を揃えた上、嬉しそうに引越しの準備をする金色の死神がいたが、桃色の魔王に正気に戻されたそうだ…… お久しぶりです。今回は全部シリアスに挑戦。思ったより痒くなったので、次はギャグ成分を……ネタを探さなければ……ではまた。