早朝―機動六課隊舎 ティアナとスバルの部屋 PiPiPiPi…… 機械音が部屋に鳴り響く、その音に気づき起床するスバル。彼女は目を覚ますと下の方でまだ寝ているティアナに声をかける「ティア~?朝だよ~?時間だよ~?」「う、うん……」「ティア起きて~今日は練習場のセット当番なんだから起きて~」 肩を揺さぶるも中々目が覚めないティアナに業を煮やしたスバルは もにゅ。 もにゅもにゅ。「ぅ……うん……」「ティア~はや~く~」 彼女の胸を揉みながら、起きるように声をかける。「ん……うぅん……はぁ……」 妙に艶かしい声なのは気のせいだろう……「ティア起きた?」「う……うん……はぁ……はぁはぁ……」 静かに目を開けるティアナ、何故かその瞳はトロンとしているが、多分寝起きだからだろう……何故かはぁはぁと上気した表情で見ているがこれも寝起きだからだろう……「て、ティア?」 何故か危険と感じながらも胸を揉みながら声をかけるスバル「スバル……朝から大胆ね……」「え?え?ティア?え?きゃあ!?」 スバルの後頭部へと手をやるとそのまま自分の方へと引きこむティアナ「ティア?冗談だよ?ちょっとしたスキンシップだよ?」「そうね……スキンシップよね?」「う、うん。そうだから……え?なんで上着脱がされてるの?」「気のせいよ?」「いや、めっちゃ脱がしてるし?ちょっと目が怖いよ?ティア?」「ん、うっさいわね……あんたが悪いのよ。朝から人を欲情させるから」「ええ!?ティア?嘘だよね?あたし達パートナーだよね?」「ええ、パートナーよ。だからあたしの本気見せてあげるわスバル」「本気とか訓練の時に見せたらいいから!?ほら!訓練に遅れるとなのはさんが……」「大丈夫よスバル、すぐ終わらせてあげるから……」「何を終わらせる気!?」「問答無用!」「いや~~~!!」 そのままスバルを抱きしめると、布団の中へと誘うティアナ。そうして覚醒したティアナの本気の妙技にあっというまに落とされるハメになるスバルであった……詳しい描写はしない「はい、お疲れ様」 笑顔でねぎらいの言葉を投げかけるなのは、目の前には疲れきって肩で息をしながら屈みこむティアナ達の姿がいた「うん、朝の訓練と模擬戦も無事終了」 そんな彼女らを見回しながら説明する「実は……今日の模擬戦が第二段階の試験だったんだけど……どう?フェイト隊長、ヴィータ副隊長」 そう言いながら二人の方へと視線を送るなのは、その視線に答えるように笑みを送ると「……合格」「「「「即答!?」」」 完結に答えるフェイトに突っ込むメンバー、そんな彼女らを苦笑しながら「ま、あんだけ厳しくやってんだ。これで合格じゃ無い方が危ういぞ?」 腕を組み片目をつぶりながらため息混じりに言うヴィータ「まあまあ、ヴィータ副隊長。じゃあ、そういうことだから、後でシャーリーのところにデバイスを持って行ってね」「そうだな。明日からは第二段階メインで訓練するからな」「「「明日ですか?」」」「そうだよ。みんな今日まで頑張ったから。この後の訓練はお休みにして、午後からは街に出て遊んで来るといいよ」 なのはがそう言うと、皆一様に喜びの声をあげる。皆が嬉しそうなのを確認した後解散を告げるのであった『以上が芸能ニュースでした……続いて政治経済……」 隊舎内食堂にて隊長達が朝食を摂っている中、室内に置かれたモニターには朝のニュース番組が流れていた。その音声を聞きながら各々が食事を楽しんでいる。そんな中『――首都防衛隊の代表のレジアス・ゲイズ中将による、管理局の防衛思想に関しての表明も行われました』 全員がモニターへ視線をうつす。画面に演説を行なうレジアス中将の姿が映し出されていた「……このおっさんはまーだこんなこと言ってんのか?」 つまらなそうな表情で呟くヴィータ。彼の主張は簡単に言えば魔法犯罪が増えているんだから、武装増やして強化しようといったものである「しかし、ゲイズ中将のおかげで地上が安定しているのも事実だ。それに彼は古くからの武闘派だからな。いたし方あるまい」「確かに、少ない魔導師より、誰にでも使える兵器を用いてその分の人員を首都防衛へってのは理に適っているとは思う」『こんな事』と言ったヴィータに対してシグナムが感想を言うと、同じく千早も同意する「うーん、言いたい事はわかるけど私は極端かなって思う」「あたしはあんま好きじゃねーな」 二人の意見に対して否定がちに答えるなのはと、単純に拒否するするヴィータ「好きか嫌いかと言えば、俺も嫌いだぞ。ああいう輩は極端に走って自滅するか、暗殺されるかのどっちかだろうし」「お前は何を物騒な事を言っているのだ?」「ん?なんとなく思っただけだ」「なんとなくって……頼むから冗談でも本局でそないな事言わんといてや。唯でさえよう思われてへんねんから」「ん、わかった」 理解したのかしてないのか適当に返事を返す千早に苦笑する「まあ、俺程度が何を言おうがああいったお歴々の方々には届かないだろ?精々、街の幼女と遊ぶことくらいしかできんよ」 ジト目で睨まれて苦笑しながらモニターに視線を移すと、レジアスの後ろに座っている老人を指さしながら言う千早「あ、ミゼット提督……」「ミゼットばーちゃんか?」「キール元帥とフィルス相談役も……」「伝説の三提督、揃い踏みやね……後、さらっと流したけど誰と遊ぶって?てか、あんたは隊舎内で待機な。それから今日一日監視つけるから」 ため息をつきながら千早の方へと視線を移しながら言うはやて、「む……しかしだ、あの娘が待っている……いや、なんでもない」 更に睨まれたので仕方なく了承する「ふむ、仕方あるまい。断りの連絡を入れるとするか……しかし、親御さんに申し訳ない事をした」「はあっ!?親御さんって、ご両親にも会っとるんかい!」「当たり前だ、年端もいかない娘をお預かりするのだぞ?ご両親にご挨拶するのは常識だ」「いや、あんたに常識語られても困るから。せやけどこんなんよう信用するなんて考えられへんわ」 頭を抱えながら塞ぎこむはやてに苦笑しながら、見つめ合い苦笑するフェイトとなのは「はやて……知らないんだ」「そうみたいだねフェイトちゃん」「ん?なんのことや?」「千早君ってね、ご近所で大人気なんだよ?」「は!?なんで?こんな変態が?」「街の清掃活動、防犯活動、交通安全集会、各施設への奉仕活動……」「何、それは?」「千早君がこれまで参加したボランティア活動だよ」「はあっ!?なんで?あたし知らんよ」「それはそうだよ。だって、千早くんが休みの時にしてるから」「私も一度参加したけど、もう子供たちがよってきて大人気だったよ?」「嘘や……ありえへん……こないな変態が……奉仕活動やなんて……」「ふむ、ロリコンとして当然だ」 信じられないといった感じのはやてに対してドヤ顔で答える千早。「これでロリコンじゃなかったらよかったのにね。シグナム?」「いや、そこで何故私なんだ?シャマル」「?いいんじゃねか?とりあえず世間様に迷惑かけてねえなら」「それもそうだな……」「とにかく、今日一日おとなしゅうしとくこと。監視にはフェイトちゃ……じゃあ、あかんから……ここはシグ……冗談やってフェイトちゃん、だからデバイスしもうてな?さて、シャマ……なんで目伏せるん?ザフィー……は何処行った?ヴィータちゃんは確か本局に用事があるから……よし!なのはちゃん、君に決めた!」「ええっ!?」「そうだな。高町なら適任だ」「なのはなら大丈夫じゃねえか?」「そうですね」「ええ!?無理だよ、はやてちゃん……」「大丈夫や、なのはちゃんならいける」「そうだね。なのはなら大丈夫だよ。信じてるから……」「その根拠はどこにあるのかな?二人共、それからフェイトちゃん?なんで私にフォーク向けるの?友達だよね?信じてるって言ったよね?」「いやーなんかあったらズドン?」「うん、全力全開。だけど『墜とす』じゃなくて『落とす』だったら私が全力全開だよ?」「いや!?おかしいって、それじゃ私が千早君を墜とす事前提じゃない!?それからフェイトちゃん意味分かんないよ!?」「違うの?」「ちゃうの?」「違うのか?」「どうなんだ?」「私に聞かれてもな」「……」「まあ、元気出せ。いい機会だから『ズドン』以外のコミュニュケーションの取り方を覚えろ」 全員から否定されて落ち込むなのはに、肩に手を置き慰める千早「だ、だ、だ……誰のせいだぁあっ!!!!」「ボゲラッ!」 おもいっきりふっ飛ばされる千早、周りもいつもの光景なので気にする様子などは無い。そうして、平和な時間が過ぎていくのであった …… ………「ハンカチ持った?忘れ物とか無いよね?」「は、はい大丈夫です」 玄関ロビーにて二人外出の準備をするフェイトとエリオ。外出するのはエリオであるが何故かフェイトの方が張り切っていた「財布は大丈夫?ああ、お小遣い足りないといけないから……」「だ、大丈夫ですフェイトさん。僕ももうお給料貰ってますし」「ああ、そうだったね。じゃあ大丈夫だ。エリオの方が年上なんだからちゃんとキャロをエスコートしなきゃだめだよ?」「は、はい」 優しく襟元を直すと笑顔で頭を撫でながら言うフェイトに対してどこか照れたように返事をするエリオ。 一方その頃キャロの方はというと……「ふむ、よく似合っている、最高に可愛いぞ」「はい、ありがとうございます。でもいいんですか?」「うむ、私が持っていても仕方が無いのでな。」 鏡の前でくるりと一回転しながらうれしそうにお礼を言うキャロに対して満面な笑顔で答える千早。「本当にありがとうございます。ピッタリです!」「それは何より、さてそんなことよりエリオ君が待っているのだろう?早く行きたまえ」「えっと……はい」 もう一度お辞儀するとそのまま駆け出すキャロ、その後姿を満足そうに眺め、やりきった感じで「うむ、いい笑顔だった。さて、今日は良い天気だ」 そうして歩き去っていく。最上千早、彼は幼女の為なら細やかな気配りをする男である…… …… ……… キャロ達を見送ってからフェイトと別れて六課の隊舎内を歩いているなのは「ん?あれは」 しばらく歩いていると視線の先にぐうすかと眠る銀髪のロリコンがいた「今日一日大人しくしててって言ったけど……」 そう苦笑しながら呟くと、近づくなのは。彼女が近づいてもまったく気づくこと無く寝息をたてる千早「よく寝てる」 静かに顔を覗きこむ。「周りには誰もいない……」 そう呟くと初めて彼と出会った時の事を思い出す。はやてちゃんから面白い子がいるんで会って見いひん?って言われ会いに行ったんだっけ?「最初は礼儀正しい、真面目な人かと思ったんだけなあ」 銀色に光る髪に中性的な顔立ちの青年が礼儀正しく挨拶をすれば好印象であるが……「ものの見事に裏切られたの……」 初対面ということも有り、最初はお互い敬語で他所他所しい感じで話をしていたのであるが、彼がロリコンだと気づくまでそう時間はかからなかった。「そう考えると酷いよね。なんでフェイトちゃんはこんなのがいいんだろ?」 今更ながら親友の好みを疑うなのは、容姿はまあいいとして……性格から性癖は質が悪い「ひとの事コミュ障って、冥王って……なんだか腹がたってきた……そうだ……誰も見ていないし、いっその事ここで……」 ブツブツ言いながら段々目のハイライトが消えていくなのは。 …… ………… ……………「……それで?レイハさん構えてどうする気だ?」 レイハさん構える彼女に対して片目だけ開けて声をかける千早、冷静に見えるが内心冷々である「ん?何かな?」「何かな?って聞きたいのは俺のほうだ。目を開けたら撃たれそうになるとかどんなシチュエーションだ?」「なんで起きちゃうかな?もう少し寝てたらよかったのに……」 心底残念そうにため息をつくなのは「そりゃ、あんだけ殺気を感じたら起きるだろ?というか、なんか目が怖いんだけど?」「殺気って、そんなことないよ?ただ、私『コミュ障』だから……」 自重の笑みを浮かべながらレイハさんを抱きしめるなのは「お前は寝ている人間を起こす為に砲撃するのか?コミュ障にも程があるだろう?」「うん、千早君だけ特別だよ?」 凍りつくような満面な笑みで言うと、レイハさんを眼前に突き付けられる「そんな特別はいらん。というかもう起きたんだからいいだろ?なんで、未だ先っぽが輝いている?」「なんかね、もういいかなって?なんで私がこんな変態の為に頭を悩ましているのかなって?フェイトちゃんは帰ってこないし、シグナムさんも既に……挙句の果てにキャロやティアナまで……私から皆を奪っていく。そう考えると疲れちゃった……だから、もう楽になっていいよね?撃ってもいいよね?」「いや待て……おかしい。というか、既にもう起こすとかじゃなくて、俺を消すことになっているんだが?」「え?違うよ?私はただ一度きっちりお話しようと思っただけだよ?」「えーと、御慈悲は無いのか?」「御慈悲?無いよ?だって私『冥王』だから」 もう一度笑みを浮かべるなのは、これは色々とやばい……「……すみませんでした」 だから千早は一瞬で土下座しました。その様子を見ていた局員からは『あそこまで清々しい土下座は見たことが無い』と絶賛されるくらい綺麗な土下座だったそうな……機動六課は今日も平和である 久しぶりの投稿、いやあ若いからって無理したら駄目ですねえ……二十日間も入院しちゃったよ……