ウィンターカップ、準決勝。
『キセキの世代』緑間真太郎を擁する秀徳高校対、
同じく、『キセキの世代』赤司征十郎を擁する洛山高校。
試合は、第2Q。
コートでは、高校男子バスケベスト4の強豪校同士が、激しく試合を進めている。
「ふぁ~」
キセキの世代の圧倒的ポテンシャルを前にヒートアップする観客の中、試合に全く興味がない様子で、大きなあくびをする少年が一人。
「つか、帰っていい、西岡」
あくびをした少年は、手に持ったジャンプをペラペラとめくりながら、その隣に座った少年に尋ねる。
西岡と呼ばれた少年は、膝に置いたパソコンを操作しながら、
「そう、言うな、北乃。せっかくの先輩方の試合だWATCHしておけ」
と言う。
「つか、そういいながら、自分は全然試合、観てねーし」
「俺は、データをIN PUT中だ」
「データね。取る程も、ねーんじゃね?」
「agree しかし、監督命令だ」
「監督って・・・俺等まだ入学してねーし」
「入学はしていなくとも・・・」
眼鏡を掛けた西岡少年は、眼鏡の位置を人指し指で直し、顔を上げる。
「入学はしていなくとも、与えられたJOBはPERFECTにこなす。それが、俺のポリシーだ」
西岡の眼鏡が、きらりと輝く。
西岡の横顔を見ながら、北乃は、「はぁ」とため息を吐く。
10年に一度の天才が、5人集まった、キセキの世代。
全中三連覇を果たした帝光中学。
キセキの世代の影に隠れた天才。彼等の一学年上の、「無冠の五将」
そして、
キセキの世代の一学年下の、
「NEXT GENERATION」
キセキの世代と、次世代の天才達の戦いが、
始まる。