「むっ…、ここは?」
五郎が目を醒ますと、そこは見知らぬ光景だった。
「あんた誰?」
そう五郎に問いかけたのはちんまりとした女子。
だが、五郎にとって女子、しかもちんまりとした女子は興味の対象外だった。
なので、自然と態度も悪くなる。
「我は五郎。…貴様こそ誰だ?」
「貴様って…貴族に向かって随分な口の利き方ね。まあ、いいわ。私はルイズ(以下略)よ」
やたらと長い名前。
外国人だろうか。
だが、外国人だろうとちんまい女子にはやはり興味がない。
「何?ルイズ(以下略)?」
「そうルイズ(以下略)よ。そう言ってるじゃない」
「で、ルイズ(以下略)よ。ここは何処だ?我は憧れの団吉殿とのデートへ向かう途中だったのだが…」
「だん…?コホン、ここはトリステイン魔法学院よ」
「とり…?」
聞いたことのない地名だ。
地理に疎い五郎ではあったが、主要外国の都市にそんな名前の地名は無かったと記憶していた。
「ミス・ヴァリエール。そろそろ契約を」
その時、ハゲた中年がルイズ(以下略)へと声を掛けてきた。
「はい、コルベール先生」
どうやら、ハゲた中年の名前はコルベールというらしい。
若干、ニ●ラス・ケ●ジ風のその男は、五郎にとってどストライクであった。
「ウホッ、好みの中年ハゲじゃないか」
「!?な、何だね?」
五郎はコルベールへと詰め寄った。
「コルベール先生、と言ったかね?」
「あ、ああ」
「…失礼だが、ご結婚は?」
「…い、いや、していないが」
五郎はさらに詰め寄り、盛り上がった股関をコルベールに押し当てる。
「では、恋人などは?」
「あ、生憎だが縁がなくてね…」
五郎は歓喜した。
「ならば、何も問題は無いではないか!ささ、熱いヴェーゼを交わそうぞ!」
「え、ええ!?」
返事も聞かずに、五郎はその逞しい腕でコルベールをしっかりと掴むと、熱い口づけを交わした。
そして魂さえも取り入れようとしているかのように吸い上げた。
ダイ●ンも真っ青な吸引力であった。
あまりの情熱的な二人の口づけに周囲から悲鳴が飛び交う。
「〜〜〜〜!!」
コルベールは自身の唇に五郎の唇が押し当てられたまま、言葉にならない叫びを上げ、すぐに失神した。
だが、五郎は構わずコルベールの口をこじ開け、舌を入れる。
「ん〜(訳:幸せ過ぎる!こんなチャンスは滅多にねえ!味わい尽くしてやるぞ!)」
「な、何なの、これ?」
一連のやり取りを目の前で見ていたルイズ(以下略)は、ただ呆然とその様子を見ていた。
そして、召喚した五郎と契約しなければならないことにうっすら恐怖を感じ、ガクガクと震えていた。
暫くして、ようやく五郎はコルベールから唇をすっと離した。
コルベールは青ざめた顔で白目を向くと、いつの間にか失禁して、地面にアンモニア臭の強い水たまりを作っていた。
「うむ、勿体無い」
五郎はまるでラーメンのスープを啜るが如く、地面に口をつけるとそれを全部喉の奥へと流し込んだ。
「ふう、ごちそうさまでした」
五郎はとても満足した顔で両の手を合わし、丁寧に頭を下げた。
そして、目線だけすっと周囲に向けると、獲物を狙う猛禽類が如く物色を開始する。
「おや、よく見ると可愛い男の子がいっぱいじゃないか。我は可愛い系もいける口でなあ…」
周囲に聞こえるようにそう言うと、その瞬間に悲鳴が飛び交い始めた。
「待ちなさい!痛くしないから!」
五郎はにやけ顔でそう言うと、ルイズ(以下略)を放って、逃げる男の子たちを追い掛けた。
五郎は足が速い。
学生時代にレコードを叩き出した程であった。
そして、暫くして五郎は一人の小太りの少年を捕まえた。
「次は君かい?子豚ちゃん」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!!」
小太りの少年はこの世のものとは思えないものを見たような表情で悲痛な叫びを上げた。
次回予告
五郎に捕まった小太りの少年・マリコルヌ。
彼は五郎のテクニックで徐々に調教されてしまう。
果たして五郎は彼の貞操を奪えるのか?
そしてまだ見ぬ五郎のライバルが魅惑の妖精亭で動き出す!
ホモの使い魔
第2話 異世界は天国じゃないかあ
へ続くッ!
次回も
サービスサービスゥ!