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No.3520の一覧
[0] 異世界からの介入者 (現実>ネギま)[ぷー](2008/07/16 21:43)
[1] いきなりですか・・・[ぷ](2008/07/18 20:24)
[2] 微妙な日常[ぷー](2008/07/27 16:30)
[3] テストを終えて[ぷー](2008/08/28 21:46)
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[3520] 異世界からの介入者 (現実>ネギま)
Name: ぷー◆bb4324f0 ID:b141c8ee 次を表示する
Date: 2008/07/16 21:43
※本作は独自解釈及び設定を含むオリ主物です。また一部キャラへの不当な扱いと感じられる表現も予想されます。そういったものに嫌悪感をお持ちの方は御覧にならないことをお薦めします。







「ここはどこだ?」それが最初に頭に浮かんできた言葉だった。

目を開けているはずなのに何も見えず、黒い空間があるだけなのだ。

暗闇の中にもかかわらず包み込まれるような心地良さを感じパニックになることはなかった。
まず、落ち着いて何が起こったのかできる限り思い出してみよう。


昨日は大学院に先日発表した論文について是非学会で発表してほしいと連絡があって、わかる人は判ってくれるんだ!とそのお祝いに友人とと一緒に飲みにいって、1次会はいつもの居酒屋、2次会でカラオケを終え、一人暮らしのアパートに向かって・・・それっきり記憶が無い・・・・

そうそう、俺は鍛冶 理(かじ おさむ)京都大学大学院博士課程で金属組成法を専攻してて昔は作れたのに今では失伝してしまった金属組成方法を研究している。その研究成果を論文に纏め発表したところ、教授陣の受けは最低であったが何故かロンドンで開かれる学会で発表することができることとなったのだ(誰に説明してるんだ?)

今まで記憶を無くすほど酔った事は4回生まで定期的に高校の頃の友人と深酒していたがそのころも無かっただけにそれは考えにくい流石に院に進学してから飲む量は減ってはいたが・・・しばらく考えていると猛烈な睡魔に襲われ眠ってしまった。

目が覚めても相変わらず真っ暗なままであった。どう考えても以前の途切れた記憶が戻る気配はなさそうなので視覚情報以外に意識を集中させてみた。

暑くも寒くも無く何の匂いもしない。それで終わってしまうと何も変わらないところであったが
聴覚は在るようだ・・・高速道路の下のような、貝殻に耳を当てた時のようなゴーという低い音が聞こえる。前回もそうだったのか?自然に受け入れてしまっていたのか意識しないと音として認識していなかったようだ。

何の音だろう。。何か変化が無いかしばらく集中して聞いていると最初あまり変化が無いように感じていた音も微妙に強弱が事はわかった結局何の音かはわからなかった。


 そうして何度目が覚めても何の変化も感じられ無かったため進めている研究に関して考えることにした。

俺が研究していたのはダマスカス鋼のようにメジャーな遺失技術でいが、所在地に関係なく古代遺跡でごくまれに発見される金属だった。
組成物質自体は普通の古い鍛鉄と変わりが無いのだが、なぜか錆びていないのだ。
色々な角度から分析してみると何かエネルギー波のようなものにが酸化を防いでいるのではないかと言う推論をした研究者はいたが誰もそれが何なのか解明した者は居なかった・・・

 俺は組成成分を細かく調べるアプローチを取ることとしたのだ。貴重な金属片のその更に小さな破片であったがそれがコネの無い俺が手に入れることが出来た全てであったから。その破片には誤差のような微量ではあるがミネラル分が含まれていた。その成分が決め手になるのではないかと思い悩んでいたところダメもとで医学部の友人に尋ねたら「血液っぽいなぁ」とあっさり答えられてしまった。
その後、貧血になりそうな勢いで色々な段階で自分の血液を添加して試作したところ最終段階で添加したものが元の金属片と同じさびない特性が現れたのだ。

 大発見だ!と喜び勇んではみたが科学的検証には追試が必要なため、研究室のメンバーに無理やりお願いして血液を提供してもらい追試したところ、殆どの人の物が通常の鉄となんら代わりの無いものしか出来上がらなかったのである。たった一人だけ少し錆びにくい鉄ができた人はいたが所詮誤差の範囲でしかなかった。

その結果から錆びない金属を精製できる血液を持った人間がいる可能性について論文をまとめ他の研究者の追試を期待することとした。担当教授は血液などのミネラル分にそのような効果が無いことは周知の事実であり、俺が研究に行き詰まりノイローゼ気味であったと妄想扱いしたのだ。


 遺失技術等の研究ではなく教授に進められたとおり研究室のテーマである新精製法についての研究にしておけばよかったのだろうか?


 一体、何が違っていたのだろう。血液検査をしても普通のRh+Aという日本人に一番多い血液型で医学部の友人いわく白血球型など他の血液型も珍しくもなんとも無い普通との事だった。

 いくら考えても出口が見えないので、もしやあのサーヴァントや聖杯の出てくるゲームみたいに血液に魔力が秘められていてそれに関連する発表をしてしまった俺は神秘を秘匿する為に拉致されてしまったのだろうか?学会があるというのもロンドンだったし・・・と最近巡回している2次小説サイトにありそうな思考に脱線したりしていた。


 そうして思考の海に沈んで過ごしていると何か変化があったようだ。
思考の海から上がってみると真っ暗であった世界がボンヤリと明るく、ゴーと言う音は大きくなりその強弱もはっきりと聞き分けられるようになった。

 この世界から脱出するチャンスだと光が強い方向へ必死に向かっていくと突然光に包まれ、人の声らしきものも混じった色々な音がはっきりと聞こえる世界に飛び出した!が・・・・苦しい・・・呼吸が・・・ともがいていると背中に衝撃を感じ呼吸が出来るようになるとともに聞こえてきた「オギャー!オギャー!」どう考えても自分から出ている泣き声だった。




「おぎゃー、おぎゃー(えーと、これはいわゆる転生物ですか?)」と現実逃避した発言も泣き声にしか聞こえなかった。






 それからしばらく定期的に襲ってくる強烈な眠気の合間の覚醒時間で観察を続け判ってきたことは、ここは日本ではないこと
訪れる人の多くが白人系ではあるが普通の会話レベルであれば英語でも問題なく理解できるのに全く理解できない言葉で会話をしているが、印刷物には英語と未知の言語が併記されていることからスコットランド、アイルランド、ウェールズのいわゆるイギリスのイングランド以外のどこかと推測。

 母親らしき人は、きれいな金髪にエメラルドグリーンの中々の美人、父親らしき人は赤毛でライトブラウンの目をした贔屓目に見ても普通の顔をした背の高い人だった。


 動けないためオムツ生活という羞恥プレイを強要されながら英語でない何かを学びながら観察をしつつ一日も早くオムツ脱却のために筋トレをベビーベットで行う日々を過ごすのであった。



 その後は順調であった、理解力や判断力は元のままに関わらず記憶力は肉体年齢相当らしく言葉を覚えるのは予想以上にスムーズに行うことが出来た。現住所は推測の通りウェールズの田舎町で話している言葉はウェールズ語であった。予想外?といっていいことはどうも前の人生?の時間軸から考えると過去に来ているようなのである。最後にある記憶では2008年であったのに今の体で生まれたのは1986年なのだ。前が83年生まれだったのでこの世界に3歳の鍛冶 理は既に存在するのであろうか?

 そんな事を考えても田舎の町に日本の細かな情報を取得する手段もインターネットが普及していない時代のため無く、酒屋を経営している父親と共に配達の車で英国の田園風景を眺める以外は小さな町でのんびりとした、異常に手のかからない聞き分けのよい子供生活をするのであった。






そんな生活に転機が訪れたのは3歳の夏であった。





 いつもの様に近隣の村への配達に付いて行き普段は車の中で待っているのだが気まぐれで降りたある村での出会いがそのきっかけだった。
それまで前の記憶を持ってはいるがそれ以外は普通の世界に暮らしていると信じていた考えに大きな疑惑が投げかけられたのであった。

 その村は少し変わった格好をした人が多く老若男女関わらず何故か杖のようなものを持っている人が多いにも関わらずそれを使っている人が殆どいないのである。もっともその時は少し変だなと思っただけではあるが・・・
 
 そして、父親について入っていった酒場で昼間から飲んでいる老人が大きな声で店員と話しており、その会話が耳に飛び込んできた時すべてが変わり始めたのであった。


「英雄などと言われているがワシはナギの馬鹿がハナタレ小僧のころからみておるんじゃから間違いない」

「スタン爺さん昼から飲みすぎだよ、今日だけでその話もう3回目だよ」


 そちらを見るとローブを纏った老人がカウンターで店員からたしなめられているところであった。
そして、その老人はこちらをチラッと見ると何か呟いてまたグラスを傾け始めた。


その時俺は、会話の内容とチラリと見た老人の顔の事で頭がいっぱいであった。ナギ?スタン爺さん??・・・・・

 視線をはずすことが出来なくなって先ほどの会話を頭の中でリフレインさせつつ老人の方を見ていると、確かに店員に何か話しかけて店員も対応しているのにも関わらずその声が聞こえないのである。・・・


えーもう数年たつので記憶があいまいになっているが・・・もしかしてもしかしますか?・・・





そのまま固まっていると父親に呼ばれ車に乗るとずっと黙ったままであったため家に帰って心配されてしまった。



 心配する両親に大丈夫だと告げ、部屋に戻ると思い当たる事を全て書き出すこととした。
もっともあの漫画の世界だったとしても単行本を持っていたとかではなく昼食によく行っていた喫茶店に置いてある雑誌に連載されていたものを読んだのと趣味の2次創作を読む程度の知識しかなかった。
雑誌も学園祭編?が終わるころまでは秘密だといいながら主人公のネギや学園長って魔法を隠蔽する気が全くないよなぁと思いつつもヒロインが可愛かったので毎週欠かさず読んだ。

でも超が帰って以降はどんどん強さのインフレが進んでいくなぁとの印象しか残っていない。最近は論文が忙しくてその喫茶店に行くことも無く研究室で食事を済ませていたから曖昧だがたぶん最後に読んだのも夏休み中の話だと思う。。
まぁ、同じ魔法の世界でもサーヴァント系の話だったら今日みたいにあちら側に気が付いてしまおうものならバレたら人生が終わる展開になっていたな・・・

そんなことを考えながらも覚えているイベントを書き出した後に時間軸で近そうなものを抜き出した
(思いのほか記憶していた自分の記憶力に感謝した)


もしあの世界だとすると

15年ほど前?に大戦があった?
ネギという子供が10歳のころに日本に行った。
その子供が3-4歳ごろに村が襲われた。その時スタン爺さんが石になった。


年代的に既に大戦は終わっている
スタン爺さんが動いていたのでまだ村は襲われていない。
また、登場している学生が揃って携帯電話を持っていたことからあの話はたぶん2000以降
学部にいたころに連載されていたから遅くとも4年頃のスタート

以上のことを考えると

 今、90年の時点でネギという子供は生まれたばかりかまだ生まれていないと考えてよいだろう
遅くてあと5年たってもネギが生まれなければ外れだが・・・

 既にロリ吸血鬼はもう括られているのか。。。ヒロイン達と同年代になりそうだな、あの中ではエヴァとアスナがお気に入りだったなぁ。

 よし、あの村へ配達に行くときには必ず付いていって確認をしよう。ネカネさんがいれば間違いないと思っていいな。
でもって、当たってしまった時の事を考えると原作に出てくる場所のそばに居るって事だから巻き込まれた場合を考えて、逃げ切れるくらいの体力はつけておこう。



少なくともあと3年、最大8年は猶予があるはずだ





 その日から毎朝山の中をひたすら走って逃げるためのトレーニングをしつつ、あわよくば魔法も身近になるかもと夜は図書館で借りてきたラテン語の本と格闘を開始した。


 父親の配達に付いて行きネカネらしき女の子(可愛かった)を発見してからますますトレーニングに熱中していった。最初の頃は転びまくって泥に塗れ怪我だらけで家に帰って母親にえらく心配されてしまったが父親は男はそれくらいでないと笑っていた。
中身が20代後半なので仕方が無いが大人びた子供のため両親に甘えることも無くわがままを言うことも無く子供としては失格だったが両親からするとはじめて見る子供らしい行動だったのだろう。

 この体がそうなのかこの世界だからそうなのかわからないが、鍛えれば鍛えるほど際限なく体力は上昇し小学校入学前には以前とは比べ物にならない運動能力を手に入れた。そのことに気をよくして大切なことを忘れている事に気が付くことは無かったのであった。

 当面の目標であった時間で2つ向こうの山まで行って帰ってくることが出来るようになると今度は隠れて移動することに集中した。速度的には前の常識からすると考えられない速度を手には入れたが、化け物の速さが判らないため隠れてやり過ごすことも出来るようにと思ったからだ。山の動物たちに気が付かれることなく触れるようになった頃には2年の時がたっていた。

 その頃にはもう化け物に遭遇しても大丈夫だと慢心していた。その事を心の底から後悔する日が近づいている事にも気が付かず。







 その日は朝からとても天気がよく絶好の行楽日和だった。店の休みの日で両親と共にあの村のそばにある湖へピクニックに来ていた。普段は山の中でトレーニングをするために出かけてしまうため一緒に行動することはあまり無かったがたまには親孝行代わりにと母親の誘いを断らず行くことにしたのだ。

 それは昼食を食べているときに起こった。嬉しそうにしている両親を目の前にし、こんなに喜んでくれるなら偶には一緒に出かけるようにしようと考えていると突然、背中に悪寒が走った。
まるで今までの穏やかな空気がうその様に感じられる、ニゲロニゲロニゲロ本能がそう大声で警告してくる。こういうときの為にトレーニングしていたのだが目の前の笑っている両親をここにおいて一人逃げることは出来なかった。

 急いで立ち上がり、両親の手を握り「お願いだから一緒に来て」と多分初めてであろうお願いをした。すると怪訝な顔をしながらも真剣な顔を見た両親は手を引かれるまま付いてきてくれた。その速度は絶望的なまでに遅かったが・・・

そして、息を切らせながら走る両親をよそにその「何か」はどんどん近づいてくる。そして、血まみれのそれは目の前に現れた。


「気が付かれるとは思わなかったぜ、奴らにやられた傷を治すためにもおとなしく喰われとけ!」

 そう言い放つとその血まみれのナニカは腕を横に振るった。俺は反射的にしゃがんで避けてしまった後、暖かいナニカが上から降ってきたことに気が付いた。あわてて振り返ると体を引き裂かれた両親の姿が目に入った。



ああああああああああああ!




思考が悲鳴を上げる。その場に蹲りそうになった俺の耳に両親の声が聞こえた。

「俺たちはもうだめだ逃げろ」「あなただけでも逃げて」


「その餓鬼が一番うまそうなんだ、逃がすわけねーだろ」

両親の言葉を聞いた化け物がこう言ったのをきっかけに弾かれたように俺は逃げ出した。


 どれくらい逃げたのだろう、1分なのか1時間なのか時間の感覚は無くただひたすら走った。すぐ後ろに奴がいることが判るため立ち止まることは出来ない。不思議と怖いといういう気持ちは無く、ただ「逃げて」という両親の言葉に応えなければという気持ちしかなかった。

 そうして走っていると、誰かが前方から近づいて来る気配が感じられたので、慌てて逃げる方向を変えるがその気配も同じように変えてくる。もう、引き返す以外には奴にはばれてしまうだろう。巻き込んでしまう、そう思った瞬間、「 ~薙ぎ払え。『雷の斧』」という声と共に雷のようなものが奴を襲った。


 その後、その声の主であったスタン爺さんとともに両親の所へ向かうも既に手遅れで亡くなっていた。まるで映画でも見ているような現実感のないまま、村人と共に両親の遺体を運び日が暮れたためそのまま村に泊まることとなった。


その夜、何故こうなってしまったのか?、何故自分だけ逃げれれば良いと思考停止してしまったのか?と自問自答しているとスタン爺さんと村長らしき人が部屋に訪れてきた。


暫く黙って人の顔を見た後、スタン爺さんはこう告げた。
「今回のことはワシらのミスだ、手負いのまま結界から抜けて逃げられるとは思っていなかった。本当に申し訳ない」

そういうとそっと近づいて俺の頭に向かってそっと手を伸ばしてきた。


その時、俺は何をされるのか気がつき慌てて飛びのいた。
そして、2人から目を逸らさないよう慎重に窓を開けながら叫んだ。


「俺から両親だけでなく、その最後の記憶まで奪うつもりか!」


 自分でもその発言には驚いた。自分は子供らしいとは子供では無かったがあの2人は俺の両親であり、最後の瞬間まで俺のことを心配してくれていたのだ。前の世界の大人であった頃の記憶があったため、同年代の子供と遊ぶことも無く甘えるということも無かったため一番かわいい子供の時代を味合わせてあげることは出来なかったが。


その発言に驚いた様子で村長が尋ねてきた
「何故、記憶を奪うつもりだとおもったのかね?」

「さっき化け物を倒した不思議な力を見た、だけどそんな力のことは毎週この村に配達で来ているが見たことも聞いたことも無い、ということはその力は隠されたものだ。それを見た以上何らかの隠蔽を行うと考えるのが自然だ」


「ふむ、聞いていた以上に優秀だな」

スタン爺さんの呟きに思わず尋ねてしまった

「聞いていた?」

「お前の親父から配達で会うたびにラルフは俺に似ずとんでもなく頭のいい子だ、難しい本もすらすら読んでいる将来はこの国を代表する学者にだって成れるときかされておったからの」


「で、どうするんだい?まだ俺の記憶を奪うつもりならあがかせてもらうぞ?」とたずねながら窓の外にいつでも飛び出せるように身構えた。


「お前の両親は2人とも早くに親を無くして身寄りはおらんはずじゃ、町に帰ればそのままどこかの施設へ行くこととなるだろう。記憶をそのままにしたいのであれば当面この村で暮らしてもらうしかない」


村長が何か言いたそうなそぶりでは在ったがスタン爺さんがそうつげた。



そうして俺はその日から非日常の世界で暮らすこととなったのである。



 結局、公式には山で事故にあったことにされた両親の葬式を済ませると身寄りの無い俺は事故の発見者であることとなっているスタン爺さんに引き取られるという理由で村に引っ越した。






 そして、今後の進路に付いて村長を交えて相談をし本格的に魔法を学ぶこととなった。俺の魔力は平均より多いが2次小説でありがちな超絶というわけには行かずいいところ上の下というところらしい。考えるところがあったので同じウェールズにあるという多分ネギが通った魔法学校ではなく、最高峰の教育を受けれるところということで魔法世界(ムンドゥス・マギクス)という所にあるアリアドネーという都市にある全寮制の学校へ行くこととなった。


 魔法世界はこちらとは通貨単位が違うらしいが、村長が両替を代行してくれその費用は両親の残した遺産と事故ということでおりた保険金とで(これって詐欺になるのか?)で通常通りいけば卒業できる12歳までの費用は何とか用意をすることが出来そうとのことであった。こちらの世界の最低限の常識だけ教わると直ぐにその学校へ向かったのであった。





 学校へ入ってからはきっと原作のネギがそうであったであろうように必死で魔法を学んだ、ただしネギと違うのは攻撃魔法だけでなく結界、解呪を徹底的に学んだ。朝起きると体力をつけるためのトレーニングと我流で昆を用いた体術、授業が終わると深夜まで勉強、たまの休日は町の外に広がる森に居る魔獣相手に戦闘訓練と何かにとりつかれた様に自分を鍛え上げた。

 山を走り回ってトレーニングしたことは無駄ではなく、既に気を身につけていて無意識のうちに使うことによって常識外の体力と勘違いしていたようだ。卒業のころには攻撃魔法だけでなく戦いの歌や瞬動が普通に使うことが出来るようになっていた。


 そんな生活を過ごしている時、寮で決定的な噂を聞いた。「ウェールズで悪魔に村が襲われ多くの魔法使いが石にされたらしい」と俺に残された猶予は16歳になるまでだ。



こちらの世界で新たに生まれた以上、本当であれば好きに暮らせばいいのだが両親があんなことになってしまって自分の中で思ったことがある。以前の記憶があり、裏の世界を知ってしまった以上、あちらの世界(日常)の人がこちらの世界の都合で引き込まれてしまう事を見逃すことが出来ない。という思いだ。

あの漫画で一番気になったのが一般人を巻き込みすぎだってところだ、一般人を巻き込むなら覚悟を決めて巻き込め、危ないからついてくるなとか好き勝手に言って自分が不注意でばらした事を棚に上げ、困ったときだけ相手の良心に期待するっていい加減なことをするな。
大体、あんな神木があるところに学校なんて作るからそういうことになるんだよ


 何が起きるか知ってしまっている以上、自分の知っている一般人キャラが巻き込まれないようにして、関係者にならざるを得ないキャラはあんな誤魔化しでは無くちゃんと一人前になれるように出来るだけ手助けしたい。そして出来ればエヴァの呪いを解いてやりたい。
あの子達が中学を卒業したらその後は興味のあるオリジナルの魔法具作成を行いつつ自然豊かな地域に行ってのんびり暮らせればいいや


 これがあの日から考えた当面の目標だ。元からこちらの世界の人間であれば何が起ころうが仕方が無いと思っている。だから村が襲われることを知っていても黙っていたのだ。そういう世界に生きているのだし、自分独りで全てを救えると思うほどうぬぼれている訳でもない。実際、両親を救うことさえ出来なかったからな。


 予期せぬ形でこちらの世界に足を踏み入れてしまったが俺というイレギラーが居る以上、一般人生徒が原作みたいに直ぐに直る程度の石化で済まないことも考えられる。
通常の勉強は憶えている為する必要が無く、子供らしく生活するには精神年齢が年をとり過ぎていたためこうして目標を立ててそれに打ち込むしか生きる指針のようなものが見出せなかったのだ。


それが歪で偏った考え方だって事は分かってはいる。けどどうしろって言うんだよ・・・



(書類上の)出身の村が襲われ村人が石にされたとしった多くの魔法使いから解呪に関する魔導書を彼らの別荘で見せてもらうことができ思っていた以上に情報が集まった。学生ではあるものの結界や解呪のスペシャリストとして認知されるまでになっていた。


 在学中に前世で研究していた錆びない金属は魔力を通しながら血を使って精製すれば作れるって事があっさりと判明し、向こうの世界でも少なくとも魔法が存在していた時期が確かにあったことは間違いないらしい。それが原因でこちらに飛ばされたのかも知れないが、今の俺にはどうでもいいことだ。


 結果、ネギは2年飛び級したらしいが結界、解呪に時間をとられたため1年飛び級し11歳で卒業することとなった。卒業後研究者の道に進むためにもと研究機関への進学を打診されたがそれを断って元の世界へ戻り、ネギとネカネが避難した村へ向うのであった。







「ふぅ、初めてきたけど前の村と同じくらい田舎だな・・・」予定通り午前中のうちに村へ着いたときの第一声がそれだった。
この時間ならネギも授業中だろうし会うことは無いだろうと早速、向こうから手紙を送っておいた魔法学校の校長の元へと向かった。


「失礼します。アリアドネーから来ましたラルフ スパークルと申します。校長先生と面談の約束をさせていただいているのですが」
事務所でそのように伝えて取り次いでもらう。そういえば、もう以前の名前と違うことに違和感はなくなったなぁ

 そうして前世?のことを考えながら待っていると綺麗な金髪の女性に案内され校長室へ通された。考え事をしていたので顔を見るのわすれた。。。綺麗なお姉さんだったら損したな、少なくとも後姿は文句無く美しい


「はじめまして、書面にて何度かご連絡させていただきましたラルフ スパークルです。」

「そんな堅苦しい話し方をせんでもいいぞ」校長は苦笑しながらそう答えた。

「では、失礼して、単刀直入に。まずは連絡しましたようにあの村のその後のことをお願いします。」

「それは、ワシからより「はい、私がお話させていただきます」」


「お久しぶりです、でいいのかしら?ネカネです。」


「あ。。2,3回お会いしてますね。すみません綺麗になられてしまったので気が付きませんでした」

 以前、何度か見かけたときは可愛い女の子だったが、今では美少女って感じに育っていた。うん、確かに漫画で見たアスナに似ているな。といっても最近では昔の記憶も曖昧になってきたので最初のころに書き出したイベント一覧を見直す作業を定期的に行うことで何とか記憶をたもっているんだけどな。


「あ、ありがとうございます」
真っ赤になってかわいいな~


「わずか数日とはいえお世話になった村ですのでどうなったかだけは知っておきたいと思いまして」


「私とネギ、アーニャを除いて殆どの人が石になってしまいました。・・・石になった皆はこの村に安置されています」そういうと涙ぐんでしまった。

「辛い事を思い出させてしまって申し訳ありません。ネギとアーニャというのはお会いしたことが無いような気がしますが無事な方がいて良かったです。」

 そう謝りつつもやはり原作どおり進んでいるんだなと再度確認が取れたことに安堵する。
これで今まで目標としてきたことが無駄にならずに済みそうだ。正直、あの村の人には留学先を紹介してもらったとはいえ両親の事もあり石になったのかぁ~程度の感想しかない。

曲がりなりにもこちら側で生活しておりナギを慕った人たちなのだからその程度の覚悟が無いほうがおかしいと思う。石になったって解呪できれば元に戻るのだし死んでいないのだから・・・

もう少し情報がほしいと思っていると向こうから都合よく提供してくれた。

「ネギもアーニャもラルフさんが引っ越されてから生まれましたから、ネギは私の従兄弟で来期から、アーニャは今年からここの魔法学校に通っているんですよ。」

その後それとなく年齢を確かめてみたが予想通り2002年度3学期から始まるで間違いないらしい。

「そうなんですか、小さな子が無事でよかったですね」

聞きたい情報は手に入れたのでこれで十分だ。

「ランス君、進学の誘いも断ったと聞いているがこれからどうするのかね?」

「アメリカで表の大学に通います」

あまり言いたくはなかったが嘘をつくのもなんだしな

「魔法学校では非常に優秀な成績だったらしいがこちらのではなく一般の大学となると厳しくないかね?大学卒業の資格が必要なら必要な書類は関係者に依頼すればなんとかなりそうなものだが?」

「校長先生、教育者とは思えない発言ですね。魔法だけでなく表の世界の技術を理解し、同じ志の者と切磋琢磨することに意義があるのではないですか」

魔法使い特有の魔法を使って表の人間ををごまかすことに何の罪悪感も無い発言につい言うつもりでは無かった事まで言ってしまった。

「たしかに、今の発言は教育者としてする発言ではなかったようだ、訂正させていただく」



大学に行くのは魔法技術と科学の融合、そう原作で超がやっていたことをやってみたいのと、表の世界での実績をネギが麻帆良に行く前に積んでおきたいとの思いからであった。全部魔法使いお得意の偽造書類で生きていきたくない。
魔法学校で魔法を学び、一人の魔法使いとなっても魔法使いの論理は受け入れられないままだった。

 最大で4年、出来れば3年で卒業してネギより先に麻帆良へ行っておきたい。博士課程まで前世では進んでいたのだから学部レベルであれば何とかなるだろう





 そうして大学に入るまではかなり忙しかったが、金属工学専攻なので入ってしまえばレポートなどは以前書いたものを思い出しながら書くことで大幅な時間短縮が可能となり、空いた時間で魔法具の作成を行い、裏世界魔法と表世界の科学技術の融合を着々と進めていった。


 向こうに居たころには週末は魔獣を相手にしていたことを考えれば文化的な生活にはなったが如何せん実戦から遠ざかってしまうため、長期休暇にはムンドゥス・マギクスの治安の宜しくない地域へ行って実戦をこなすことで補うこととした。

その際戦った相手に小物ではあったが賞金首も結構な数含まれていたため学費や生活費を心配する必要は全くなくなると共に、思いがけない魔法具をいくつか入手できたのがうれしい誤算だった。

といっても良いことばかりではなくその実戦での怪我が原因で入院してしまい、結局卒業はネギと同じタイミングとなってしまった。


ただ、ネギは卒業してから赴任するまでに半年近く間が開いていたので先回りして、麻帆良で表向きはアクセサリー工房、実態は魔法具工房として住居を構えることができた。これには大学で金属加工の技術を使ったアクセサリーのオーダー通販が好評でその関係から知り合った表の麻帆良出身の人間のコネを使わせてもらった。
裏の仕事を直接請け負うつもりは全く無い為、もちろん書類上は完全に表の人間だ。魔法具は商売道具としては使うが一般販売を行うつもりは無い

計画当初は学生で済ませようともしたのだが、止めたのはあのヌラリヒョンに学生の身分を口実にして干渉されることを避ける為だ。それに立派な魔法使い様目指している連中とは出来れば関わりたくない。

立派な魔法使いっていうのは魔法使いの価値観では立派かもしれないが、人の記憶を自分達の都合よく操作することの何処が立派なのだろう?

それに良くある副担任なんていう都合の良い展開に期待して結局は戦闘経験のある警備員として駒扱いされたら身動きが取れなくなる。

住んでしまい、既成事実を作ってしまえば後は交渉しだいだ。原作に干渉する為、隠蔽したところで結局はばれるだろうから下手に隠さないほうが揉めないで済む。表向きの書類をそのまま出すだけだから何か言われたところで何処の魔法協会にも所属していないので裏の書類を出す必要は無いと突っぱねればいいだろう。





さぁ、原作の世界を改変してやろう

















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