インデックスがもし上条家のベランダに引っかからなかったらどうなっていたか。と言う感じにしたいと思います
滅茶苦茶ですが、書いていきます。
カップリングはあります。
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7月28日。
いつもの様に、不幸だと呟いた。
目の前に居るのはビリビリ事、御坂美琴。学園都市の七人しか居ないレベル5の第三位だ。普通の中学生……、というワケではない。
常盤台中学と言う超お嬢様学校に通っている時点で普通の中学生とは言い難いからだ。対して上条は名もあまり知られていない、有りふれたただの高校だ。そのひと握りと言ってもいいだろう。
「勝負よ!」
「またか、ビリビリ中学生」
「ビリビリ言うな! 私には御坂美琴って名前があるんだから!」
何度目かわからない様な会話をする。
上条は目の前の御坂に絡まれた時点で不幸だ、と思っている。あながち間違ってはいない筈だ。
レベル5の御坂に勝負を仕掛けられる上条は一体何者なのか、と言うのは当然の疑問だが、『特殊な体質』を持っているだけの高校一年生だ。
「あっ、逃げんな!」
「またな! 御坂ぁ!」
遠くなっていく上条の背中を見ながら、御坂は上条なら『ヤツ』を倒せるのではないか?と思ったが、一般人である上条を巻き込むことは出来ないと暗い表情を浮かべながら、帰路についた。
当然、学園都市の生徒である以上、親元を離れていると言うワケで大概寮などに住んでいる。
御坂の同居人は1年生で、風紀委員で正義感が強いと言うヤツだ。しかし多少変態で、同居人としてはその行動に苦労させられていた。
(黒子、今日は遅くなるとか言ってたわね)
チラッと左を見ると、余り人の入っていないこじんまりとしたコンビニを見つけ、時計を確認しながらもコンビニに入っていった。
本が置いてあるコーナーに向かい、山積みにされている少年誌を手にとった。最近流行っている海賊漫画の続きが気になったからだ。常盤台の生徒とは思えないが、比較的マイペースな事もあり世間の冷たい目などは余り気にしないでいる。
(今週は合併号だったのか……、しまったな。寮に帰っても暇だし支部でも行こうかな?)
ふと目についたバナナオレンジと言う、学園都市ならではのゲテモノジュースを手に取る。
普通のオレンジジュースとバナナオレでも混ぜているのか、と御坂は気になってレジまで持っていった。
「ありがとうございましたー」
午後5時21分。
夏のこの頃ではそれ程暗い時間では無く、門限までまた一時間半くらいあった。御坂はレジ袋からバナナオレンジを取り出してストローをさした。そして一口飲んだ。
「意外とイケるわね」
そんな事をつぶやきながら少し遠い第177支部へ向かって行った。
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「ただいまなのですよー」
上条当麻は自分の担任風の口調で家に帰ってきた。
誰も居ない部屋に声が吸収されて虚しく感じたが、今日からは孤独な一人暮らしは終わりだ、と制服の中から一匹の三毛猫を出した。
帰ってくる途中に拾ったのだ。
「名前を決めてなかったな」
そんな時、机の上に山積みになっていた土御門、青髪セレクションの漫画が目に付いた。タイトルは『超絶恋愛戦争』というモテない主人公があるときを期にモテ始めると言う内容だ。そして女達は姑息で卑怯な手を使って他の女を蹴落としていくというモテない男の妄想と願望が篭った作品だ。その作品に出てくる外国人お姉さんの名前を浮かべた。
「スフィンクス……、猫に付ける名前じゃないよな」
そう呟くと、猫が喜びだした。
気に入ったのか、と上条が聞くと急に跳ねたのだ。よくわからないが気に入ったって事でいいかと上条はバッグから買っておいた首輪に『スフィンクス』と汚い文字で書いた。
「今日からお前は『上条スフィンクス』だ」
「にゃ~ん」
そうして7月28日が終わった。