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No.35040の一覧
[0] 虚無を継ぐもの【別作品】[未禿](2012/09/09 20:32)
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[35040] 05
Name: 未禿◆9ec629f4 ID:254975be 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/09/22 16:31
「これはカレンダーね」
 自信たっぷりに言い放つ、推定年齢28歳の赤毛娘、リン・ガーランド。
 コールドウェルを訪ねて、ナヴコムの高層ビルの最上階まで来たハントとグレイだったが、残念ながら彼はワシントンだった。
 ワインが飲めないのは残念だが、手ぶらで帰るのもつまらない。と言う訳で、ハントとグレイは留守番をしていたガーランドに例の表を見せたのである。
「やけに自信たっぷりじゃないか」
 グレイが彼女をからかうが、ハントは違った。
「笑い事じゃないぞ!」
 彼はガーランドの手からプリントアウトを奪い取ると、目を皿のようにしてそれを眺め、それから彼女を振り返って言った。
「まさしく君の言う通りかもしれない! これはカレンダーだ!」
 先進国で使われているグレゴリオ暦の他に、地球上には多数のカレンダー・システムがある。太陰暦もその一つだ。
 ルイズは6千年前の人間なので、当然グレゴリオ暦は存在しないし、現代と全く異なるカレンダーを使っていても不思議ではない。
 ハントはこの表が、ルイズの国の未知のカレンダーだと思ったのだ。
 だがグレイは納得しなかった。
「さあ、どうですかねえ。
 それぞれの表が1ヶ月を表すとすると、1年が12ヶ月。それはいいでしょう。
 しかし1カ月が32日ってのは月の満ち欠けに一致していません。しかも1年が384日ってことになりますよ? ちょっと無理がありませんか?」
「いいじゃないか。
 我々のグレゴリオ暦だって月の満ち欠けには一致していないし、1年の長さがおかしい点は太陰暦の閏月見たいな物だと考えれば辻褄は合うだろう?
 つまり、このカレンダーのこの年は12ヶ月だけれども、普段は11ヶ月しか無いのかもしれない」
「盛り上がっているところ申し訳ありませんが英国人(ライミー)さんたち」
 口をはさんだのはガーランドだった。
「第1発見者は哀れな植民地の小娘ですからね」
「ああすまん」
 ガーランドそっちのけで議論しそうになっていたハントとグレイは、ちょっと照れ気味に彼女を振り返った。
「それにしても、何でこれがカレンダーだと思ったんだい?」
 ハントが尋ねると、彼女は肩をすくめて答えた。
「だって、ルイズは女の子なんでしょう?
 女の子が後生大事に持つ手帳なら、中身は日記に決まってるわ。
 日記ならカレンダーが付いてて当然じゃない?」
「科学技術も形無しだな」
 思わず顔を見合わせるハントとグレイ。女の直感は恐ろしい物だ。
 だがガーランドの直感はそれだけではなかった。
「もし私が思っている通りなら、このカレンダーには毎月一回、ほぼ同じ日に、特定の印がついているはずよ」
「それは?」
 意味が分からずグレイが訪ねると、彼女は「やっぱり分からないのね」とでも言いたげに、得意げに両手を腰に当てて答えた。
「ルイズの生理日よ」
「君を手帳分析班のリーダーに推薦するよ」
 ハントは両手を上げて降参した。


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