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No.34994の一覧
[0] オタクなんてよばせないっ![なる](2012/09/05 23:50)
[1] オタクなんてよばせないっ!②[なる](2012/09/06 21:51)
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[34994] オタクなんてよばせないっ!
Name: なる◆06c2c792 ID:c3f4c386 次を表示する
Date: 2012/09/05 23:50
「なんで、こうオタクの漫画しかないのよ!こんな廃れた世界、地球にはあのメ●ィラス星人だってもう狙いにこないわ!」
この吊目少女一言は、この二人がいるには大きすぎる部屋に甲高く響いた。
「お嬢様、そんな言動は慎んでください。いちおう女の子なんですから。もうちょっと女の子らしく・・。」
そんな指摘の真っ最中
「ちっ・・・違うのよっ・・・もっとこの世の中にはほんとうに漫画らしい、ほんとうにいい漫画があるはずなの!」
(もう手に負えないな・・・。)
「では、この辺でこの熱く語っている少女、我が主、姫神アスカについて説明しましょう。
生粋の大和撫子を想わせるような黒髪に包まれるような、小さな子顔に、ぱっちりとした茶味がかった吊り上った瞳が収まり、まだ幼さが残る17歳の美少女である。
よく十人すれ違えば○人振り返るという例が美少女の可愛さに使われるが、この少女は十人すれ違えば十人が振り返るといったほうが適切である・・・かもしれない。」
「あ~もう口に出てるわよ! 恥ずかしい。 でも・・・その・・・ちょっと嬉しいけど。」
訂正     ツンデレ美少女である。
「誰がツンデレだぁ~!」
私の頭にまるでファ●ズのクリムゾン○マッシュが炸裂したような衝撃が走った。
「なにするんですか! お嬢様あやうく灰になって消えちゃうところでしたよぉ。」
「あんたなんかもう知らない! 出て行って!」
お嬢様は頬をふくらませそっぽをむいてしまった。たまにチラチラとこっちを見るだけである。
(もうこうなると手の施しようがない。しばらく外にでも行ってようかな。)
「では、お嬢様、私は外の畑の手入れをしてきますので。御用がございましたらお呼びください。」
「ちょっと・・・まっ・・・。」
バタンとドアは音を立て閉まった。残るのは広い部屋にアスカただ一人。
「一人でも平気なんだからっ・・・ユリのばかぁ・・・。」
そう、ユリという名前からお察しのとおり

アスカに仕えていたのは女の子、そしてメイドだったのである。
        (どこぞやの執事マンガとは別物である。)


そのころ、アスカに本当にキラわれていると思っているユリは家の玄関を出たあたりにいた。
 
時は2012年夏の強い日差しが照りつける昼下がりの午後である。
このようなメイド服を脱ぎ、楽な格好で過ごしたいと思うような天気は2週間も続いている。

ユリはアスカお嬢様の機嫌が直るまで外の菜園の手入れをしようという作戦である。
菜園といっても規模はもはや畑と呼んだほうが適切である。
なぜならここは市街地の外れ、家の周りには田園地帯の広がるド田舎とまではいかない、いわゆる普通の田舎である。だが市街地に用事があれば小30分あれば自転車でいける距離であるので不便だと感じたことはない。

ユリは連日の夏の日差しで今にも渇きそうな植物たちに水をあげようと、ホースを引き出し、ズルズルと運んでいきその年不相応な低い背をめいいっぱい伸ばし、高々に放水し始めた。
「天からのお恵みですよぉ~。いっぱい大きくなってくださいね。」
実は水やりはユリの毎日の仕事の中でも一番の楽しみなのである。

「お~い、ユリちゃ~ん! 今日もかわいいね。ちなみに下着の色は何色なの? あはは.
近くに住んでいる少年からのいきなりの変態発言にももう馴れたものである。

「やめてください。昼間からそういう発言は!」
「じゃぁ夜だったらいいの? フフ。」
いつものベタな返しである。
「違いますよぉ~。 いつ聞かれようとぜったいに教えまちぇんからねっ!・・・。」
勢いのあまり舌を噛んでしまった。
「あざとい!」
実際に言葉には出していないが少年は心の中でそう叫んだ。
しかも頬を紅潮させながら噛んだ舌をちょっと出して涙目でいるユリを見ると理性を保つことが精一杯だった。

ユリも主人であるアスカに負けず劣らずの美少女である。
14歳でありながら背丈は150センチほどの小柄であり、髪はショートカットで明るい茶色、スタイルはその成長途中の小柄ば胸を除けば悪くないほうである。(ちなみにアスカも胸がコンプレックスである。)つまり、一部の特殊な性癖をもつ大人や、同年代の男たちからは守ってあげたいと思われるような容姿をしているのである。

少年は、ユリに見とれているわけにもいけないので一応
「大丈夫か? なんならオレに噛んだ舌見せてみろ。」
「変態! 近づかないで!」
即答だった。そう言って少女は家の中に走って入ってしまった。
それはまだ思春期真っ只中の少年の心には堪えるものがあった。


「ただいま戻りました。」
そういってユリはアスカのもとへと帰ってきた。
「遅かった・・・わね。お茶を飲もうと思って。」
部屋はぐちゃぐちゃ、まるでル●ズの虚無魔法を使ったのではないかというぐらいの酷いありさまである。

「もう、わたしがいないとやっぱりダメじゃないでしゅかっ!」

いつもの姫神家の日常である。




続く・・・



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