【ネタ】SD恋姫
アニメのエンディングの映像を見ていて思いつきました。
この話は北郷一刀が鏡に吸い込まれてしまったところから始まる。
北郷一刀は大地にひっくり返っていた。
その周りを怪しげな3人組の男が囲んでいる。
「何か、金目のもんがないか調べてみろ」
「うん、でもこいつ変なんだなぁ」
「うー、妙に図体もでかいし……」
男達はそんなことを言いながら槍で一刀をつんつんとつっついていた。
「いててて……」
その刺激に一刀は目を覚ます。
「お、起きたぞ……」
一刀はぱっと目を開け、周りの様子を見回してみると、荒涼とした原野にぽつりと自分が転がっていて、その回りを3人の男が取り囲んでいる。
「あー、君達。ここがどこだかわかるかなあ?
住所は?一番近い家はどこにある?
連絡とりたいんだけど」
男達は、一刀が起き上がるのを見ると、ぱっと一刀から距離をとる。
「お、お前、体が大きいからって、いばるんじゃねえぞ!!」
「あのね、君達。俺は質問しているだけなんだが。
子供だからってあんまり言い訳の悪いこと言ってると怒るぞ」
そう、一刀を取り囲んでいた男達は、見た目はどうみても子供達。
身長は1mあるかないか、子供特有の頭の割合が大きな体形をしている。
通常の子供より、さらに頭が大きいかもしれない。
SD(スーパーデフォルメ)、というほどでもないが、それに近い世界のキャラクターである。
というわけで、普通の頭身数を持っている一刀から見ると、どうみても子供がいきがっているようにしか見えない。
「かまわねえ!やっちまえ!!」
結局、盗賊風の子供達は一刀に襲い掛かる。
困ったガキどもだ、と思いながら一刀は相手をしているが、槍の刃が一刀の腕に傷をつける。
「っ、このガキ、本物の刃物を使ってやがる!
ざけんな!ガキがこんなもん使うんじゃねえ!!」
一刀が一喝すると、盗賊風の子供達はひ~~っと悲鳴を上げて逃げていってしまった。
ったく、なんなんだ、あのガキは。
まあ、元気なのはいいが、本物の刃物はだめだよな。
で、どうでもいいが、誰もいなくなっちまった。
困ったな。
人を探さないと。
でも、どっちに行ったらいいんだ?
と、あたりをきょろきょろ見てみると、遠くの方に土煙が見える。
きっと、何かがいるのだろうと、一刀はその方向に歩き出す。
動物だと困るが、と思いながら。
それから、10分ほど歩いたろうか?
一刀の目の前にいるのは、ポニーに乗った女の子達。
体形は先ほどの盗賊同様SD体形。
彼女達は一刀を見て、目をまんまるにしている。
「ど、どうして、あなたはそんなに体が大きいのよ?」
最初の会話がそれというのも、どうかと思うのだが、少女たちにとっては一刀の身長は余程驚愕に値するものだったのだろう。
「どうしてって、俺が大人だからだ」
「大人?」
「大体、俺くらいの背格好の人間ならいくらでもいるだろうに」
「いないわ」
「……じゃあ、日頃の生活はどうしているんだ?料理作ったり、家を建てたり、服を作ったり」
「私達が自分でしているに決まっているじゃない」
もしかして、ここは子供達が捨てられているエリアなのか?と、どう少女たちに応対したものか思案している一刀に、その少女は質問をしてくる。
「ところで、あなた誰?この辺に盗賊はいなかった?」
普通、それが最初の質問だろう。
「ああ、紹介が遅れたな。俺は北郷一刀、学生だ。
盗賊って……槍持って遊んでいる奴ならいたぞ。
俺が大声出したらどっか行っちまったが。
そういうお前……お嬢さんはどなたですか?」
流石に少女、というより幼女相手にお前はまずかろうと言葉を急に丁寧にした一刀である。
「私?聞いて驚きなさい。曹孟徳とは私のことよ!」
(ぺったんこの)胸を張る少女、いや幼女。
「………」
可哀想な女の子を見る眼差しに変わる一刀。
「ちょっと、跪くとか恐れおののくとかもうちょっと反応はないの?」
「いやーー、ねえ、君みたいな小さい子が曹孟徳と名乗るのはいいけどさ、どうにも小さな女の子に尊敬するとかいう気分もてないじゃん」
それを聞いた曹孟徳を名乗る幼女(面倒なので、以下曹操)は、隣にいるフードを被った幼女に涙まじりに、
「桂花」
「はい、華琳様」
「侮辱よ!こんな図体ばかりがでかい人間に、尊敬するに値しないと言い切られたわ!!」
と、不満をぶつけるのである。
やっぱり、行動は子供だ。
そして、それを聞いた桂花と呼ばれた少女(面倒なので、以下荀彧)は、一刀に怒りの視線をぶつけ、こう言い放つのであった。
「そこの男!すぐに華琳様に謝罪なさい!
今なら心の広い華琳様のことですから、許してくださることでしょう!」
「いや~だからね?」
「謝罪しないというのですか?謝罪しないというのですか!
そうですか。それなら、お前はこの荒野で野垂れ死にするがいいわ!!」
「うん、どこかに街もあるだろうから、そこ行くわ」
「ふん、甘いわ!ここから歩いて行ける範囲には華琳様の治める街以外はないわ。
お前、見たところ水も食料も持っていないようですから、明日には動けなくなり、それからじわじわと死んでいくでしょうね!」
「……まじ?」
「ええ。華琳様、こんな男放っておいてさっさと城に戻りましょう!」
「ちょ、ちょっと待ったぁぁ!!」
「なによ?華琳様に謝りたいとでもいうの?」
「はい!曹孟徳様!私が悪うございました!
しがない学生で礼儀を知らず、曹孟徳に失礼を働いてしまいました。
曹孟徳様のような偉大な方に尊敬を払わず、誠に申し訳ありませんでした!
見ての通り、俺は何も持っておりません。
曹孟徳様の広いお心で、是非、私を養ってください!!」
一刀は、荀彧の言葉を聞いて、曹操に土下座をして謝るのであった。
他に街がないと言われると、冗談抜きでに生死に関わってしまう。
嘘か誠かは分からないが、周りの風景をみるにあながち冗談とも思えないので、何とか保護してもらおうと必死になる。
それを聞いた曹操は満足そうに、
「そう、そこまでいうのなら私の部下になるといいでしょう」
と、言うのであった。
こうして曹操の部下になった一刀が曹操らに連れられてやってきたところは……
「巨大な幼稚園…………」
という表現がぴったりの城であった。
「どう?これが華琳様の城よ。立派でしょ!」
誇らしげに一刀に話しかける荀彧に、一刀は
「う、うん、そうだな。立派(な幼稚園)だな」
と、言葉を濁すことしか出来ないのであった。
SD恋姫世界での一刀の生活が始まる。
さて、曹操の城というか幼稚園の生活の風景(一刀視点)。
本当に幼児が畑を耕している。
本当に幼児が商売をしている。
本当に幼児が土建をしている。
本当に幼児が……以下省略。
が、危なっかしくて見てられない。
「あーーー!!包丁はそうじゃなくてな……いや、あーーーー!!!貸してみろ!!」
「一刀、あなた案外料理が上手なのね」
「ああ、少しは自炊してたからな」
「そう。それではこれからは一刀に料理をお願いすることにするわ」
ということで、一刀の仕事が次第に増えていって……
「昔々あるところにシンデレラというそれはそれは美しい少女がいました」
「ちょっと、その女は私よりも美しいというの?」
「あのな、ただの話だ。黙って聞いてろ、華琳!」
「お前、華琳様のことを呼び捨てにしたわね!謝罪なさい!」
「はいはい、申し訳ありませんでした、華琳様、桂花様。
続き読むぞ!」
みんなが寝るときの本読み。
「いいか?使った武器は元の場所に戻すんだぞ!」
掃除、洗濯の指示。
ほとんど、幼稚園の保父さんである。
そんなある日のこと。
「一刀。私達はこれから他の州の討伐に向かうことにするわ!
留守を預かって」
「ああ、分かった。気をつけてな~」
子供達が遠足に向かうのを心配そうに見つめる保父の気持ちで見送る一刀であった。
そして数週間後……
「一刀、喜ぶがいいわ。
圧倒的戦力で敵を捕虜にしてきたわ」
「ああ、華琳、お帰り。元気でなにより。
で、後ろにいるのが捕虜か?」
「ええ、そう」「お主が大人と言うものか。確かに大きいのう」
曹操が話しているのを遮って話しはじめる、やっぱりこちらも幼女。
「誰?君」
「うむ、普段そなたのような下賎な物には口を聞くこともないのであるが、今日の妾は寛大である。特別に答えて進ぜよう。袁術とは妾のことである」
「なあ、華琳。こいつ、捕虜の癖に随分生意気な口聞いてるけど、本当に捕虜なのか?」
「あ、当たり前でしょ!私に投降したのだから」
「そのとおりじゃ。妾はそこの曹操に投降したのじゃ。投降すれば体の大きい大人と言うものが、力強い体で炊事、洗濯、農業、建築、読書、寝かしつけをしてくれるというので、嬉々として投降したのじゃ」
幼女の集団がきらきらした目で一刀を眺めている。曹操を見る一刀、目を逸らす曹操。
「………華琳、ちょっと」
「な、何よ?」
曹操を抱えて誰もいない部屋に向かう一刀。そこで何が行われたのかは誰も知らない。そして、その後曹操は………真っ赤になって部屋から出てきた。
おしまい
あとがき
その後の展開は各自ご自由にご想像ください。
考えていた案を2つほど紹介。
何かが行われた結果、曹操は涙目になって部屋からでてきた。お尻が真っ赤だった。
何かが行われた結果、曹操が大人の女になった。顔が真っ赤だった。