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No.34808の一覧
[0] 【チラシの裏から】【習作】魔法少女リリカルなのは~THE STORY OF REINCARNATER〜【オリ主 転生 転生者多数 微クロス】[のりにゃんこ](2012/12/13 22:24)
[1] EP00[のりにゃんこ](2012/12/02 23:32)
[2] EP01[のりにゃんこ](2012/09/18 23:26)
[3] EP02[のりにゃんこ](2012/11/01 18:05)
[4] EP03[のりにゃんこ](2012/12/09 09:31)
[5] EP04[のりにゃんこ](2012/11/01 19:46)
[6] EP05[のりにゃんこ](2012/11/01 18:28)
[7] EP06[のりにゃんこ](2012/11/03 00:38)
[8] EP07[のりにゃんこ](2012/11/05 22:07)
[9] 幕間[のりにゃんこ](2012/12/02 18:19)
[10] EP08[のりにゃんこ](2012/11/19 21:55)
[11] EP09[のりにゃんこ](2012/11/22 12:30)
[12] EP10[のりにゃんこ](2012/12/02 23:36)
[13] EP11[のりにゃんこ](2012/12/21 22:19)
[14] EP12[のりにゃんこ](2012/12/11 23:07)
[15] EP13[のりにゃんこ](2012/12/21 18:48)
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[34808] EP13
Name: のりにゃんこ◆3455d794 ID:4bc66f8a 前を表示する
Date: 2012/12/21 18:48
「あの子とその仲間の人が使っていたデバイスから鉄砲のあれ……「薬莢か?」
それ!
その薬莢が出て来て、その瞬間に魔力が急激に上がったの!」

どうも、現在デバイスルームでなのは達の報告を聞いている、ヴィンセント・リヒテンシュタインです。

カイトと桜花も異常を感じたらしく高町を助けに入っていたそうで、今はアースラに居る。

地味にカイトの隣にいるフェイトは何処となく嬉しそうである。

隣ではアリシアが溜息を吐いていた。
強く生きろ。

アリシアはプレシアさんと一緒にこの艦でメカニックとして働いている。できるだけ家族で一緒に居たいからだそうだ。

まあ、そんな理由の配属だった訳だが、迷惑になるとかそういった事はなく、むしろ凄く役に立っている。

才能が凄いのかプレシアさんの英才教育の賜物なのかはたまたその両方なのか、天才……いや、鬼才と言って良い程の技術力を持っていた為である。

俺も見させて貰ったが、確かに今の状態でA級デバイスマイスタークラスの腕前だった。

因みに、マリエルはAAクラスで俺はAAA……いや、もうSクラスなんだったっけ。

あと、プレシアさんは資格としては持っていないそうだが、AAAは妥当だろう。

「ベルカ式カートリッジシステム搭載型のデバイスと見て間違いなさそうだな……
ヴィンセント、交戦したんだろ?
相手に心当たりは?」

クロノの問いに、即座に答える。

「俺が交戦したのは蒼天の書の守護騎士であるヒンメルリッターだ。
最後に確認されたのが120年前……大戦乱時代突入前だな。
なのは達が戦ったのは映像から見るに夜天の書……現闇の書のヴォルケンリッターだろう」

俺がそう言うと、クロノがやや慌てたように聞く。

「闇の書、だと?本当かそれは」

その声にはいつもの冷静さは無い。

「なのは達の証言や、デバイスの映像からして間違いない。
闇の書を騙った何者かが変身してって可能性もあるにはあるが、実際に蒐集を受けている訳だからその線で間違いだろう」

「そう…………」

リンディ艦長もクロノも目を下に伏せた。
クライド・ハラオウン提督の事があるからだろう。

クライド提督は、ファミリーネームから解るようにリンディ艦長の夫でありクロノの父親だ。

十一年前の闇の書事件で殉職されたらしい。




結局、なのはも負傷しているから、と言う事で一旦解散となった。
俺はレイジングハート達の状態が気になったのでそのまま残る。



「レイジングハート、バルディッシュ。
調子はどうだ?」

【機体の損傷に関しては問題ない範囲まで修復が終わりました】

【ですが、私達の性能が原因でマスターが負けてしまった、と言うのが……】

バルディッシュもレイジングハートも悔しそうだ。
自身の不甲斐なさでマスターを危険に晒した、というのが余程辛いのだろう。
マスター思いの良いデバイスだこと。
俺は、二機を慰める為の言葉を発する。

「気にするな。
相手は古代ベルカ随一の騎士達だ。
お前達のマスターがそんな奴らと少しでも渡り合えた事を誇りに思え」

【ですが、私達にもカートリッジシステムが搭載されていればマスターを危険に晒す事も無かったかと思うと……】

レイジングハートが其処まで言った時、何時の間にか俺の隣に立っていたプレシアさんが口を開いた。

「ヴィンセント君?
あなた、ベルカ式カートリッジシステム搭載型のデバイスは作れたわよね?」

「ええ……プレシアさん?
まさか……」

俺が何か言おうとするより早くプレシアさんが言う。

「そのまさか、よ。
恐らく次も戦闘はあるでしょう?
その時にカートリッジシステムが無いのは危険だわ。
熟練した魔導師なら違うのでしょうけど、フェイト達はまだまだ未熟な子供。
ただでさえ技量で負けているのだから、デバイスの性能無くして古代ベルカの一流騎士に勝てるとは思えないわ」

「まあ、確かになのは達は未熟ですよ。
訓練校を出た直後か、それ位の子供程度の実力しかありません。
……ですが、カートリッジシステムの副作用、知らない訳では無いでしょう?
今の時代、カイトみたく使う事前提の訓練を受けているならまだしも肉体的にも技術的にも未発達な彼女らが使うには危険すぎます。
それに、デバイスにも問題だ。
繊細なインテリジェントデバイスにカートリッジシステムなんて積んだら、下手したら負荷に耐えられなくなってぶっ壊れますよ?」

ぶっ壊れる、の辺りでレイジングハート達が恐れるようにチカチカと光った。
しかし、プレシアさんはニヤリと笑って言った。

「もちろん知っているわ。
でも、あなたなら……私達なら出来るでしょう?
副作用も、デバイスへの負荷も殆どないカートリッジシステム。
私はカートリッジシステムの事を知らないから現時点では何とも言えないけれど、其処については貴方が教えてくれればいいわ。
私と、貴方とアリシアとマリエル。
三人揃えば文殊の知恵、なんて諺がこの世界にはあったかしら?
なら四人揃えば不可能なんてなくなりそうじゃない?」

「プレシアさん……」

俺は感嘆の声を上げた。
プレシアさんは手を叩きつつ言う。

「早速始めましょうか。
アリシア、来なさい。
今からミーティングを始めるわ」

「はーい!」

アリシアが元気良く返事し、その隣に居たマリエルも此方に来た。

因みに、カイトのデバイスにはカートリッジシステムは組み込まれているので、シローさん達に許可とってから制限を解除すれば良いし、桜花の月夜は古代ベルカのロストロギアなのでカートリッジが無くともデバイスの性能としては最高クラスであり、積む必要は無い。
月夜の書はデルタ曰く封印されている回路がある、との事なので其処の解除は後日する事になるだろうが。


マリエルも呼び、一つの机を四人で囲む。

「さて、まずカートリッジシステムについて説明しておこうと思う」

「「よろしくお願いします」」「頼むわ」

俺はマリエル達の前に出てホワイトボードにカートリッジシステム、と書き込む。

「カートリッジシステムの事を知ってもらう前に、このシステムの開発理念から説明する。
マリーはAAクラスの筆記試験は満点だったから知らない筈はないな。
プレシアさんはどの辺りまで知っていますか?」

「ごめんなさい、その辺りの学問には疎いの。
全く知らないと思ってくれて結構よ」

プレシアさんはバツが悪そうな顔をした。
アリシアも知らない、と首を横に振った。

まあ、ベルカ式カートリッジシステムはミッドでは此処十年の間に盛んに研究されているものだし、39年当時はカートリッジシステムなんて教会所属の一部の騎士しか知らないような物だった筈なのでなんら可笑しい事では無い。
俺は、改めて20年という歳月の重みを感じつつ、一度頷いてから説明を始める。

「そもそものベルカ式カートリッジシステムが開発された理由は基本的には一つだ。
古代ベルカの民族というのは一部の王族かその血を引く者を除き魔力量が少なかったんだ。
平均魔力量が、王族を除いてだが、今で言うD+〜Cって所だった。
因みに今のリンカーコア持ち達の平均魔力量がB-〜B+だ。
そんな民族が自身らの弱点を克服しようと作り出したのがカートリッジシステムだ。
此処まではいいな?」

一応切って反応を確認する。
反応を見る限りでは全員しっかり理解しているようだ。
此処で一部の王族の魔力量やレアスキルといった雑談に飛んでしまいそうになったが、今は時間が無いので鋼の意思でそれを抑え付け、続ける。

「それから……あー、カートリッジシステムにも初期型とか中期型とかいろいろあったりするが、今のところ関係ないから省略する。
まあ、そんな経緯で開発されたカートリッジシステムだが、爆発的な魔力を得られる、という事から新たな可能性……というか使い方が生み出された」

「それが、元から魔力を持っている人の戦力の増強ね?」

プレシアさんが言った。
その通りなので一度頷き、続ける。

「その通りです。
それで出来たのが現在も使われている CVK-792カートリッジシステムだ。
ただ、集束型の砲撃と同じで本来リンカーコアに入り切らない量の魔力を強引に制御する訳だから、その分身体への負担は決して軽い物ではなかった。
ミッド式の魔導師にカートリッジシステムを使わせる、というのは既に一度試されている。
プレシアさんはアテナ・サザン氏をご存知ですか?」

俺は一度切ってプレシアさんに問う。
39年代の人物なら、彼女が被験者の中では一番有名だからだ。

「アテナ・サザン……確か、弱冠八歳にしてエースオブエースなんて呼ばれてた魔導師よね。
それはいつの話なの?」

「今から丁度十年前です。
肉体のポテンシャルからしても問題無い筈の彼女すら扱いきれなかった、といえばどれ程扱いが難しいか解りますね?
それが今のカートリッジシステムの欠陥です」

俺は実際の報告書を空中に表示しつつ告げる。
このアテナ・サザン氏は未だ目を覚ます事なくミッドの病院で横たわっているのだ。
要するに、魔導師とカートリッジシステムは凄く相性が悪い。

まあ、カートリッジを使用する事前提の銃型デバイスなんかには圧縮魔力をデバイスの中で加工してそのまま撃ち出すタイプの物も存在するが、その特性上小まめにメンテナンスをしていても数週間で壊れてしまう。
レイジングハートもバルディッシュもワンオフのカスタム品のような物なのでそういった使い捨て方式は採れない。

「成る程ね……
騎士達はそれを上手く扱う為の訓練をやっているのね」

「はい。問題なく扱えるようになるのに平均してかかるのは、ある程度訓練を終えた騎士で二~三年と言われています」

「成る程、確かにそれをフェイトやなのはにやれって言っても一朝一夕ではできないもんね……」

アリシアが呟く。
マリエルも何事か真剣に考えているようだ。

「で、この負担を軽減させる為の策だが……
実は二つ程考えている物がある。
一つは、その身体の管理をデバイスにやらせる事。
もう一つはデバイスに魔力をチャージする仕組みを作ってデバイス内で操作できるようにする事。
前者はデバイスの計算容量を取りすぎる上にデータに少しでも齟齬が出たら直ぐに機能しなくなるが、魔力による身体能力のブーストが円滑にできる。
後者は魔力を使った身体能力のブーストが出来なくなるがより強大な魔法を使える……」

俺は、ゼロの中に保存しておいた改良案の設計図を紙に書き込んだ物を取り出す。
全員無言で暫く設計図を眺めていたが、プレシアさんが口を開く。

「成る程ね。
でも、両方できるに越した事は無い……
ここをこうして見ればどうかしら?」

プレシアさんが設計図に何か書き込む。
そして、それを見たアリシアがペンを取り、更に書き込む。

「お母さん、それなら此処もこうした方が」
「あ、成る程。そういう事ですか。
あ、此処なんかもこう弄ればいけそうですね」
「ああ、その手があったか!
だったら、ここもこうすればこう出来て……」

俺の設計図をベースに様々な場所を改良していく。
かれこれ六時間以上話し込んでいただろうか。
取り敢えず納得できる設計図が漸く完成した。
アリシアがそろそろ眠そうなので、一旦休憩を入れる事になった。
アリシアを休ませて大人だけで続けようとも思ったのだが、もう少し参加する、との事だからだ。




「ああ、そういえばフェイトとアリシアは聖祥に通わせるんでしたっけ?」

ちょっとした時間が空いたのでプレシアさんに話しかける。

「ええ、そのつもりよ。
地球に今回の事件の臨時捜査拠点を作るって事だから、リンディ達のいる所から通わせようと思ってるの。
この世界のこの国では子供は学校に行かせなければならないでしょう?
それなら友達のいるそこに、と思ってそうしたの。
一応私達の家としてその隣も借りるようだけど、私は暫くデバイスルームに篭る事になりそうだし、面倒を見てあげられそうにないもの。
リンディに頼んだら快諾してくれたわ。
まあ、アリシアも暫くは此処に缶詰になるでしょうけど」

「学校行かせて夜は缶詰って……
鬼ですかあんた」

「アリシアがやりたいって言ったのよ。
……まあ、来週学校が始まれば流石に地球時刻の九時には寝かせるわ。
それに、草案さえ纏まれば後は私達の仕事になるだろうし。
あの子は経験が足りないから」

娘馬鹿のプレシアさんも、アリシアがデバイスを直接弄るのには反対のようだ。
確かに弄らせるには経験が足りないだろう。
せめて実戦に使えるデバイスを一つ組み上げてからでないと。

俺も六歳の頃から始めて一年半程でマスターしたけど、それはマルチタスクを全力で行使し続けデバイスを組み続けた結果だ。
マスターするのに掛かった時間は、マルチタスクで分業していなければその五倍は軽く超えていただろう。
俺の場合特典もあってかなり物覚えは良かったのだが、傭兵を兼業しながらの作業だったので時間が掛かった。
まあ、現代のデバイスだけ覚えれば良かったのに最初期型から見て行ったのが拙かったのだろう。
お陰でデバイスがどのような進化を辿って今の形になったのかを完全に把握出来たので良いが。


「それにしても、闇の書とはまた凄い物が出てきたわね」

「ですね。プレシアさんは闇の書についてご存知なので?」

俺が聞くと、プレシアさんは一瞬暗い表情をした後、言った。

「まあ、ね。全ページを埋めたら願いが叶う、なんて記述もあったから一通り調べたわ。
闇の書……いえ、夜天の魔導書。
其処には森羅万象ありとあらゆる術式が記録されている……
アルハザード以上に胡散臭い話よね」

「それもあながち嘘とは言い切れない辺りがまた、何とも……」

嘗て騎士王の臣下であった夜天の主を思い出し、苦笑する。
何故か関西弁のような訛りの男だったが、今思うと転生者だったんだろうなぁ、アイツ。

「あら、まるで知って居るかのような言い方ね?」
「はは……」

流石に知っていますとは言えない。
記憶の片隅にある、中々にカオスだった記録内容を思い出しながら言う。

「まあ、正常な夜天の魔導書には結構な数の術式が記録されていたようですよ。
あり得なさそうな物を例に挙げると……
時間遡行とか、場に残った残留思念を再生するとかですかね」

「どちらも非科学的ね。
残留思念なんて物はそもそも存在が立証できないわ」
「ですよねー……」

いや、アルハザードもよく似た物だと思いますよ、とは流石に言えない。

「それでも、死者の蘇生は無いのね……」

「ん?プレシアさん、何か言いました?」

「いいえ、何でも無いわ。
さて、無駄話は此処まで。
早く仕上げてしまわないと、いつまたあの人達が来るか解らないもの」

「ですね。俺は、取り敢えず不眠の魔法と疲労回復だけ掛けてから行きますから先に行っていて下さい」

俺がゼロを立ち上げ魔法を発動しようとすると、プレシアさんに肩を掴まれた。

「ちょっと待ちなさい。
疲労回復とか不眠の魔法とか聞こえたのだけど?」

「はいぃ?!」


その後、俺は疲労回復と不眠の魔法を、デバイスルームに集まった全員に、デバイスの基礎設計図が完成するまでの一週間近く掛け続ける事になった。
こと疲労回復に関しては設計中常時発動する羽目になってしまい、余計に疲労が溜まってしまったのはまた別の話である。


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