その日、ルイズが召喚したのは、黒い巨人であった。
学院よりも遥かに大きいそれは手に金棒のようなものを持ち、悠然とルイズたちを見下ろしている。
「私と契約しなさい!」
たじろぐ周囲を余所に、ルイズは物怖じせずにそう叫んだ。
召喚に応じたからには、契約にも応じる筈だ。という根拠のない自信が彼女を突き動かしていた。
黒い巨人の彼女への返事は簡単であった。
ニヤリと笑った後、その巨人な足をゆっくりと上げると、ルイズと他の者たちの頭上へ躊躇なく落とす。
ルイズたちは臓物や体液をぶちまけ、一瞬で絶命する。
逃げる時間は僅かも無かった。
黒い巨人は足の裏を地面に擦り付け、付着した体液を落とすと、そのまま宙へ浮かんだ。
「へっへっへっ。下らねえことをしやがって。俺様を従わせるなど100億年早いわ」
黒い巨人はそう吐き捨てるように言うと、その場から飛び去り、大気圏を突破した。
そして宇宙へ出たところで、先程までいた惑星に改めて向き直る。
「これはついでだ。有り難く受け取れ!!」
黒い巨人は手にした金棒を惑星へ向けた。
すると、金棒の先から強力な光線が発射され、惑星へ一直線に伸びていく。
次の瞬間、惑星は大爆発を起こし、木っ端みじんとなった。
「ハッハッハッ!花火にしては少し小さいか?さあて……」
黒い巨人は遠い銀河の向こうへ視線を向け、呟くように言った。
「光の国を滅ぼしてやるとするか」
つづく?