コナンは耐えられなかった。
探偵とはいったい何が面白いのか、
悪い奴らを捕まえるなんて警察に任せておけばいいじゃん。
というか俺は小学生だぞ?
第二の人生だぞ?
楽しむしかないじゃないか、
あゆみちゃんかわいいじゃないか、
蘭とかショタじゃない限り付き合えないじゃないか。
危ない橋を渡る必要はない。黒の組織にもばれてはいまい。
俺は優雅に暮らす、くっそ簡単な小1の問題を解きながら。
その時、俺の頭の中を不意に埋めていくものがあった。
「何!?3+4……だと…、第一問からこれかよ」
俺は舌打ちをしながら即座に掌を顔に前に持っていく。
そして問題通りに指を折っていく、
1,2,3と4,5,6,7…
「わかったぞ!答えは7だな!!」
いや、待てよ。こんな簡単なはずがない。
…もし指を0から折り始めると答えは8だ。
くそ、意味が分からない。
事実、”真実が二つある”という現実。
どうすればいいんだ。こんなとき、キッドならどうする?
あいつは、あいつなら……、人の答えを見て自分の合否を確かめるだろう。
それはやっちゃいけない。
なんせ悪いことだからだ!
いや、待てよ…、それは犯罪か?
これによって捕まる人がいるのか?否、断じていない!!
ましてやこれは、たかが一小学校の算数の小テスト、捕まるはずがない!!
そうなると、誰のものを見ようか。
まず元太はない。見るからにバカそうだ。
光彦か?いや、男なんて所詮バカの集まりだ。
あいつはどうせ名前の欄にどれだけ自分の字がきれいに書けるかを試しているにちがいない。
そうなると、あゆみちゃんか?いやかわいすぎる。かわいい奴はたいていバカだ。努力しなくても成功できるからな。
となると灰原か。そうだな灰原が安心だ。あいつ研究者気取りだし、
なんかちっちゃくなったとか、その薬つくったとかよくわかんないこと言ってるしな。
よし、しょうがない、見てやるか。
キンコンカーンコーン 「テストをやめてください」