第32話 魔法
そこは空に近い場所で、立ち入り禁止区域として封鎖された塔。
不思議な魔力に覆われた謎多き塔として一般の立ち入りを禁止されたそこ、本棚と巨大な球体が置いてある最上階、空をひとっ飛びしてやってきたルビィとティオはそこにいた。
「では! これよりルビィ先生の魔法授業を始めま〜〜す」
「・・・・・・は〜い、先生」
軽い口調で宣言するルビィに、イラっとしながらテンションがダダ下がりなティオ。
声のトーンが激しく平坦でジト目な様子から、信頼したのは間違いだったかなぁという気持ちが見え見えだ。
それ以前に、立ち入り禁止区域に堂々と入り込んでいる現状に2人は全く悪びれてないので、それはそれでどうかという話なのだが、残念ながら突っ込みを入れる事ができる人はこの場には文字通りいなかった。
「憧れてたのよね〜、こうやって誰かに教えるの」
「は?」
「おっほん! ではまず、魔法というのはどういうものだと認識してるか答えなさい!」
「どういうものって・・・・・・超常現象を起こす、アーツとは別種の技法かと。ただし、それは空想の産物であり、絵本や小説に登場するものです」
「ふむふむ。まあ、予想通りの回答ね。まあ学術的説明を行うとバカみたいに時間かかるし、的外れじゃないからそこは飛ばして。次は魔法を行使する上で必要な魔力についてね」
「魔力・・・・・・それは精神力の事でしょうか?」
「間違いじゃないけど正解でもないわ。そうねぇ・・・・・・魔法を使いすぎたらどうなると思う?」
ティオは腕を組んで考え込み、
「やはり魔法を使えなくなるか、もしくは気絶するかどちらかでは?」
「そう。そしてそれ以上に無理して魔法を使用した場合は・・・・・・死ぬ」
ルビィの真剣な声に思わずゴクリと唾を飲み込むティオ。
さっきまでのふざけた空気が一瞬にして吹き飛び緊張感が漂う。
「つまり魔法を唱えると、精神も減るけど体力も減るって事。ほら、魔法を使いすぎるとなぜか息切れする描写の物語ってあるでしょ? あれって実は本当なのよね」
「なるほど・・・・・・確かに魔力が精神力だけだとすると、息切れを起こすのはおかしな話ですね」
「でしょ。それにその日のコンディションや精神状態でも魔法を行使する上で諸々に影響するの」
「・・・・・・奥が深いですね」
「ま、精神状態ってのは魔道士に関わらず、武人や文官すべてに影響すると思うけど」
それもそうだ、と納得したように頷くティオ。
ただ魔道士ほど精神状態に左右されるものはないかもしれないと考える。
魔道士の道はなかなかに困難な道だと、ティオは思った。
「それで〜〜〜はい、これ」
いきなりティオの前にドン、と大量の本を置くルビィ。
10や20では済まない莫大な量。
あまりの膨大な量に凍りつくティオ。実に反応が顕著である。
「・・・・・・一応、聞きますが・・・・・・これは?」
「ぜんぶ暗記して学習する用」
本当に、困難な道だ。
思わずティオはそう呟いたのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
彼女は5歳の時にD∴G教団に拉致され、3年間人体実験の検体にされた。
この際、薬物投与などの人体実験によって驚異的な五感と高い感応力を得た。
『D∴G教団殲滅作戦」の際にガイ・バニングスによって救出され、聖ウルスラ医科大学に数ヶ月入院した。退院後、故郷のレミフェリア公国の家族のもとへ戻るが、その能力故に家族の戸惑い・・・・・・いや、心を感じ取ってしまい傷つき出奔。その際、人体実験期間にとある少年の言葉を思い出し、ガイ・バニングスと共にリベール王国を訪れ、遊撃士協会でカシウス・ブライトに事情を説明。養女としてブライト家に娘として入った。そこでの一家の家族として触れ合いは、人間不信に陥りかけた彼女の心にストップをかけ、義母と義父の惜しみない愛情と温もりに救われたのだ。
その後、己に齎された驚異的な五感と感応力以外に、己の知能の高さが異常な程に上昇していることに気がついたティオだったが、それを隠していた筈にも関わらず養父は自然な流れでツァイス中央工房に入れてくれた。
義妹と共に学ぶ日々は楽しかったが・・・・・・原因となる能力に対する後ろめたさとある種の憎悪は拭えなかった。
だが、ここに来てティオ・P・ブライトはその忌まわしき知能に感謝することになる。
勉強を初めて数日。
数十冊に及ぶ魔法書の全てを読破し学び終えたティオは、必要な情報を端末に纏め終わっていた。
たった数十時間。
その時間で彼女は魔法都市ヴェーンの生徒達が数年かけて学ぶ学業を全て終えた。
もちろん『実践に必要な知識』と『その他の知識』を選別して、実践のみに絞ったのはルビィのお陰であったが、それでも彼女の頭脳の高さは、皮肉にもここで彼女の役に立った訳だ。
もちろんここまで急ぐのにも理由がある。
一刻も早くルシアを助けに行くという理由もある。だが、それと同時にルビィの話から学んだ教訓のようなものもあった。
それは・・・・・・『百の訓練より、一の実戦』という、過去の英雄たちが辿った道を歩むことである。
「じゃあ〜今から、実際に魔法を使ってもらおっかなぁ」
「分かりました・・・・・・では被害が出にくい魔法で」
「うんうん」
本を片付け、着ていた洋服を洗って干し終わったティオは、ルビィの前でコクンと頷いた。
・・・・・・寂れた塔には当然洗濯機や炊事場もないので、服を洗うのも大変なのである。
ティオは大きく息を吸い込み、何度も深呼吸をする。
かなり緊張しているようで、白い肌には汗が浮かんでいる。
しつこい程何度も深呼吸を繰り返し、クワっと目を見開いた。
始まるのか、と身体を乗り出してワクワクするルビィ。
「・・・・・・魔力ってどうやって感じるのか分からないんですが?」
ドガっと、顔面を地面にめり込ませた。
「そういえば、そこがまだだった〜〜〜〜!」
「ええ」
「あ〜、忘れてた。ヴェーンの学生も魔力を感じ取って扱えるようになるにも、ものすごく時間が掛かってたっけ」
「・・・・・・なんだか一番大事なことを忘れていたんでは?」
「だ、だいじょうぶよ! た、たぶん!」
ダラダラと汗を流すルビィに口元をヒクつかせるティオ。
それも当然だ。この結果如何によっては勉強した数日が無駄になるのだ。
何とか魔力を感じ取ろうと、学んだ知識の中にある方法で魔力を探るティオと、腕を組んでうんうん唸りながら頭を悩ますルビィ。
早くも座礁に乗り上げたかと思われた瞬間、2人の間に突如何かが現れた。
「よう。待たせたな」
「ナル! おっそ〜い」
(何もない空間にいきなり現れた!? こ、これは物質転送・・・・・・いえ、空間転移!?)
まるで瞬間移動したように突如そこに現れた、今まで別行動をしていたナルがついに合流したのだ。
ティオはぎょっと驚いていたが、ルビィは全く驚いていないのでどうやったかは知っているらしい。
「へぇ。もう基礎は終わったのか。早いな」
「でしょでしょ〜! 彼女、予想以上に優良物件だったわ」
「だけど魔力操作に手こずってるって訳か」
「そうなのよね〜」
事情を知ったナルはなるほどなと言った後、彼女へと向き直る。
ナルは何かを思いついたように口元を釣り上げ、ティオをジッと見つめる。
その眼光に思わずたじろぐ。
「な、なんです?」
「・・・・・・いいぜ。俺が協力してやるよ」
「ナル、いいの?」
「ああ。ついでに会わせてやるよ」
「!」
「ちょうどいいだろ?」
ナルの変な物言いにティオは眉を顰めるが、ルビィはハッとした表情を浮かべてすぐに頷いた。
「あ、あの?」
「ああ余り心配すんな。俺の目を見ているだけでいいから。痛い事もないしな」
「?」
意味が分からない彼らの話にただ困惑するティオへ、ナルは説明もせずにソレを実行した。
「しっかり見て、しっかり感じろ——————」
「あっ・・・・・・意識が・・・・・・」
ティオの意識がいきなり遠くなっていく。
視界がどんどんホワイトアウトしていき、ティオは立っていられなくなる。
「これからお前が体験し、出会うのは———————」
ナルの言葉もどこか遠く、変にエコーがかかっていて、ティオはそれを認識できない。
「昔であり——————英雄たちだ」
言葉は碌に認識できず、意識が途切れた。
◆ ◇ ◆ ◇
リベール王国の代表的な都市の一つに、ルーアンという土地がある。
街の中央に大きな河が流れており、それが街を二つに分断している。
海に面した都市はやはり海水産業が盛んで賑わっているのだが、それと同時に倉庫街には『レイヴン』というならず者集団が集まる物騒な場所もあり、それ相応に大都市特有の問題を抱えた街だ。
そのルーアンを出て西にアゼリア湾に沿って行くと、マノリア村という村がある。風車があるのが特徴的な田舎の村で、マノリア村とルーアンのちょうど中間地点辺りには、マーシア孤児院というものがあり、また別の道からは『ジェニス王立学院』という、リベール国外にも響く名門の学校があるのだ。
さて、そんなマノリア村の唯一の名物、風車のベンチに座って海が一望できる所で、ティオと別れたエステルとヨシュアは座って昼食を摂っていた。
「海ね〜」
「海だね〜」
「綺麗ですね〜」
と、日向にあてられたようにボーっとしてたエステル・ヨシュアが目の前の絶景を前に思わず感嘆の声を上げると、それに追随するように、もう一人からも同意の声が。
そう。
今、エステルたちは2人ではなく、3人で行動をしている。
このマノリアで知り合った一人の女の子、クローゼ・リンツという少女と共にいた。
細やかな青紫の髪はとても綺麗で、ジェニス王立学院に通っているという彼女は、制服姿も相成ってとても清楚で可憐である。可愛いという単語よりも美しいという表現が先にくるのがクローゼという女の子だった。
彼女との出会いは平凡なものだ。
エステル達がマーシア孤児院を訪れた際に、孤児院の手伝いによく来ているというクローゼと知り合い、そこの院長であるテレサ院長にも会い、いくつかの手伝いをすることになった。手伝いといってもお金がない孤児院の為に、無償で手伝うことにしたのだ。
だがそれは悪いと感じたクローゼが自分も手伝う事にし、エステル達と同行して食材の買出しや畑を荒らす魔獣の退治など、いくつかのお願いをこなした。
一仕事を終えたエステルたちは軽い昼食をと、ヨシュアが提案したので休憩をとったという訳だ。
「はっ!? あまりの陽気な天気についつい・・・・・・にしても、美味しい〜」
「はは、そうだねエステル」
「天気や景色もいいですから、食欲も唆られますね」
「そうね〜」
う〜ん、と大きく伸びをして空気を吸い込むと、なんだかずっと溜まってたモヤモヤが消えていく感じがして、とても楽になる。
だがそれも一時的なものですぐに溜息がこぼれた。
「どうかしましたか? エステルさん」
「うん、ちょっとね・・・・・・」
「・・・・・・ティオのこと?」
「・・・・・・・・・・・・」
「ティオさん・・・・・・確か、お二人の妹さんでしたか?」
雑談程度で聞いていたティオの名をしっかり覚えていたクローゼは、確認するように聞き返した。エステルたちの正遊撃士になる為の旅に途中まで同行していて、リベールでも人気の旅の宿、川蝉亭で別れたという所までは聞いていた。
エステルは声を出さずにクローゼに頷くことで返事して沈黙する。
「うん。川蝉亭でいろいろあって、エステルもティオもちょっとね」
「まあ・・・・・・」
「喧嘩はしてなかったんだけど———————」
「・・・・・・ティオは」
ヨシュアの言葉を遮るように、エステルがポツリと呟いた。
「ティオは、どうしてあの人たちに付いていったんだろ。どうして、ルシアを助けれるのがティオだけなんだろ・・・・・・どうして、あたしは違うって言われちゃったんだろう」
「エステル・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
新しく出てきた名前にクローゼは首を傾げる。なんだかどこかで聞いたことがある名前だが思い出せないので、とりあえずまだ聞く事に徹しようと決めた。
「ルビィさんやナルさん達も・・・・・・ルシアの事知ってたし・・・・・・あの人達って何者なんだろう」
「うん、そうだね」
「ティオは鍛えてもらうって言ってたけど、何をどう鍛えるんだろう?」
「うん・・・・・・」
「あたしは駄目って、何がいけなかったのかぁ」
ズーンと暗くなるエステル。
そう、これはエステルにとって初めての屈辱と言っていい。
遊撃士になろうと心掛けてから今までずっと努力してきた目標をいきなり折られた気にもなり、一層落ち込みに拍車をかけた。
だが、ここで簡単に折れないのも、エステル・ブライトたる所以でもあった。
「エステルさん、元気だし—————」
「あまり落ち込まないで——————」
「ん〜〜〜よ〜〜〜〜〜〜し! あたしはあたしでやってやろうじゃないの!」
負けないわよ!と大きな声で叫ぶ彼女に、思わず呆気にとられる。
それが空元気なのか、彼女の底力なのか。
クローゼにも、そしてヨシュアですら判断はつかなかった。
「さあ! ご飯ご飯! あ、そうだ、ヨシュア、ハイあ〜ん」
散々振り回した挙句に、唐突に思いついたようにサンドウィッチをヨシュアの口元へ向ける。次はあたしが食べさせてもらおうかなぁと言うエステルに、クローゼは少し顔を赤くしてその様子を見ていた。
ただ。
この瞬間のヨシュアは、思いもよらぬ方向からの攻撃により慌てふためき頬を染めていたが、その直後に暗く辛そうな笑みを浮かべていたのだ。
その意味を、エステルは訳がわからず不思議そうにしている。
「ヨシュアさん・・・・・・・・・」
クローゼだけは彼の表情に気がつき、その意味を察した。
チクリと、彼女の胸が傷んだ。
◆ ◇ ◆ ◇
「ここは・・・・・・」
気が付けば真っ白な世界にいた。
足元すらどこからどこまでが境界なのかすら分からない、何もない世界。
周囲を見渡しても真っ白で気が狂いそうになるはずだが、不思議とそれがない。
海の中に微睡んでいるような、そんな不思議な感じ。
すると、徐々に視界が開けてくる。
少なくても自分が知らない場所だと、冷静に頭がそう囁いている。しかしそれにも関わらず自分はソレを深く考えずにありのままを受け入れている。
視界の先は空であった。
いや、正確には空の上であり、自分は今何かに乗っているのだ。
真っ白な毛が綺麗に靡く上に自分は乗っている。
前には真っ赤な兜を被り、どこか神聖すら感じさせる鎧に身を纏った、自分と年齢がそうは変わらない少年がいた。横顔は顔が整っていて瞳が緑色なのが特徴的。
後ろを振り返れば、筋肉質な青年とどこか勝気な感じの金髪のシスターらしき女性と。
なんだかインテリっぽい印象と軽薄そうなという相反する印象を持つ、どこかチグハグな少年と、長い黒髪が美しく大人しく気品を感じさせる女の子がいた。
この人たちは知らない、そうティオは思うはずなのに、知らないのに知っている事が前提のように思考が誘導される。
混乱する頭を左右に振り、しっかりしようと頭を叩いていると、目の前の少年が声をかけてきた。
「ティオ、どうかした?」
その少年の声は、なんだか人を落ち着かせる、そんな不思議な声だった。
ティオは自然と、知らない少年の名前を口にした。
「いえ、アレス。大丈夫です」
アレス?
アレスとは誰のことだ。
ティオの混乱を他所に、背後からも声がかかった。
「おいおいティオすけ。大事な決戦前なんだ、しっかりしてくれよ! お前がしっかりしてくれないと、このじゃじゃ馬ジェシカの手綱を誰が握るんだ!」
「だ、だ、誰がじゃじゃ馬よ、この馬鹿キリー!!」
「よさないか君たち! この大事な戦いの前に喧嘩するなんて」
「大丈夫よナッシュ。キリーもジェシカもとても仲良しさんなんだから」
「そ、そうだよね、ミア! ミアの言うとおりだ!」
「こ、こらミア! 誰が仲良しなのよ!?」
「まったくだぜ!」
自然と笑みが溢れた。
知らない人たちに囲まれているのに、なぜかそこが自分の居場所だと感じている。
このメンバーでいることが心地よく感じている自分を、当たり前のようにそれが自然だと思っている。
「ふふ・・・・・・大丈夫です。少し考え事してました」
「そう。まあ、あんたの事だから無駄に考え込み過ぎてたんでしょ。ダメよ〜? もっと楽にいかなきゃ」
「そうですね。ティオの調子が悪いとあたし達の魔法攻撃の威力は落ちるし、やっぱりチームの頭脳が欠けるのは痛いわ」
「全くだ。だが本当に調子が悪いならボクに言いたまえ。良い薬を持ってきている」
「いえ、本当に大丈夫なんで」
「よし、じゃあみんな。ティオも大丈夫みたいだし、そろそろ突入するよ!」
「「「「「おう!」」」」」
乗っていた動物・・・・・・ドラゴンはアレスの言葉により速度を上げ、目の前の空中に浮かぶ巨大な都市へ突っ込んでいく。
「突入するぞ!」
アレスの声に皆がそれぞれ武器を構える。
アレスの剣には幾重の風が集まり、剣を中心に竜巻が発生したかのように風が収束していく。
キリーは大きな大剣を振りかぶり、剣先に白い巨大な気が集まっていく。
ジェシカの手にはいつの間にか馬鹿でかい金槌が出現し、10メートルを超えるそれを軽々と肩に乗せていつでも飛び出せる体勢に。
ナッシュの指先にはバチバチと雷が発光し、振りかぶる。
ミア両手の手のひらの間には灼熱の業火が集まり、一つの玉になっている。
そして。
ソレを自分は知らず知らず、しかし勝手に動いて行なっていた。
「冷気よ—————」
頭上へと魔力を練り上げ—————。
仲間たちが声を揃えて振り下ろそうとした瞬間に、ティオも続いた——————!
「フリーズアロ—————!!」
ド———————ン、と。
狙い場所ではなく『その場で』大爆発を起こした。
◆ ◇ ◆ ◇
視界が開けたら、目の前には『黒焦げナル』が半眼でティオを見ていた。
彼女は視線を横に向けると『ぷち焦げルビィ』はお腹を抱えて地面をのたうち回っている。
「・・・・・・・・・・・・失敗しました」
「なんでそこで失敗するんだよ!」
「アハハハハハ! ヒ〜〜〜〜! おかしい!」
良いじゃないですか被害が少ないんだから、と思わず暴言。
ティオは真っ黒焦げになりながら、ぷはっと黒煙を口から吐いた。
まだまだ、先は長そうだ。
「でも・・・・・・」
「あん?」
「ん?」
「思い出しました、夢で見た内容を」
自分は彼らに会ったことがあったのだと、ティオはようやく思い出した。
そう。
少し、前とは変わっている気がする。
ちょっとずつだけど、自分を好きになれる気がした。
彼らが自分を呼んでくれたから。
この『ティオ・プラトー・ブライト』を。
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GW中は更新できず申し訳ない。海外旅行に行ってました(笑)
場所はシンガポール!
疲れた・・・・・・orz
とりあえず2話更新します。
感想返信は、これからすぐに仕事に行かねばならないので、帰宅したら返信します。
申し訳ないです(泣)