Fate/Zeroのアニメを見直し、改めてそのクオリティの高さに感銘すると共に原作を読み返し、アルトリアやランスロットの記述を読むに、当時のブリテンはどんな様子だったのかと思考を重ね、少しくらいはアルトリアに優しい世界であったらいいなあと思った結果なSSです。

主人公視点は一応、アルトリアの兄であるケイ卿。hollowの“しすたーくらいしす”にて僅かに登場しており、アルトリアの幼い頃から寝食を共にした毒舌お兄さんです。
ただ、あくまで“視点”であって、彼が物語を持つ主人公ではありません。Fateにおけるブリテンの物語を想像した時、登場人物であると同時に全体像を見渡せる人物を探すと彼になった次第でして、中盤からはガヴェイン視点、ランスロット視点、モードレッド視点を交えた群像劇になるかと。（アルトリア視点だけはありません。というより、皆様の“セイバー像”に照らして彼女がどう思っていたかを想像していただきたいところです）

アーサー王伝説については、何時頃の話かについて諸説ありますが、西ローマ崩壊後の500～550年くらいまでの約半世紀を、アルトリアを含む三代で治めた時代の総称を、【伝説のアーサー王の時代】としています。15歳で剣を抜き、不老となった少年王なのに、髭面のおっさんが騎士達を従える絵があるアーサー王なので、その辺りはFateに準じつつも出来る限り矛盾が少なくなるようにしようと努力はしていくつもりです。（成果が出ているとは言い難いですが……）

キャラはFate、Fate/Zero本編やアニメにも登場する、アルトリア、ケイ、ランスロット、マーリン、モードレッド、ガヴェインなどを筆頭に、アーサー王伝説に登場する人物や、幾人かのオリキャラが混ざります。

※加筆部分

ただ、ガヴェイン卿はextraにおいて登場していますが、公式側でもムーンセルの聖杯戦争はSNとは異なる世界観の英雄達である（Fate本編と地続きの未来ではなく、分岐した並行世界の未来）と述べられています。よって、ガヴェインについてはウェールズの伝記などを中心として、人柄や役割を再構成しており、extraのガヴェインとは180度別キャラとなっています。

その他の円卓の騎士についても、伝承や俗説を交えつつ、出来る限り型月世界と背反しないようにキャラ設定を行いつつも、聖杯戦争登場人物に似た、もしくは関係した部分を持たせたい予定です。

例を挙げると、聖杯の騎士ギャラハットは伝説において、“非の打ち所のない完璧な騎士”とされていますが、外見では“非の打ち所のない聖職者”である言峰綺礼と類似した、『己の騎士道に何一つ誇りを見出せないままに、騎士の義務だけは完璧にこなす』という人となりで、そんな彼がブリテン時代に存在した何番目かの聖杯を掴み、その冒険が円卓崩壊の引き金となる。といった因果を第726聖杯の冬木と絡めると行った感じで進めたいです。

FateのSSを書くのは久しぶりですが、短めに綺麗にまとまるよう頑張っていきたいです。


8/3　　感想板での意見を受け、キャラ設定などについて加筆。
この作品の基本は、型月作品の世界で語られていない部分を想像して補完したもので、史実や伝説とのすり合わせも行っていますが、あくまで、奈須きのこ氏の世界観とキャラの上に成り立つ二次創作です。なので、ケイ卿を主人公とした一次創作を書きたいわけではなく、アルトリアが王となった過程を兄の立場から見たという、Fateの二次作品となります。
なので、史実や伝説と矛盾しないことよりも、Fate,hollow,zeroの登場キャラと矛盾しないことを第一に考えており、あくまで型月世界観とキャラありきのSSですので、原作を尊重したいと考えています。（といっても、キャラとして確立できるほど原作で出番があるのはアルトリアとランスロットくらいで、大半が設定とのすり合わせになりますが）
なので、ランスロットらの仕えたアーサー王は女でなければなりません。でないと聖杯戦争が崩壊してしまいますので。