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No.33140の一覧
[0] 【試作】背教者の兄(歴史物・ローマ帝国)[カルロ・ゼン](2012/05/15 20:08)
[1] 第一話 ガルス、大地に立つ![カルロ・ゼン](2012/06/24 00:30)
[2] 第二話 巨星落つ![カルロ・ゼン](2012/11/03 13:07)
[3] 第三話 帝都、血に染まる![カルロ・ゼン](2013/01/19 06:33)
[4] 第四話 皇帝陛下の仕送り[カルロ・ゼン](2013/06/09 15:20)
[5] 第五話 ガルス、ニコメディア離宮に立つ![カルロ・ゼン](2013/06/23 22:54)
[6] 第六話 ガルス、犯罪を裁く!(冤罪)[カルロ・ゼン](2013/06/23 22:57)
[7] 第七話 イリニとガルス[カルロ・ゼン](2013/06/23 23:00)
[8] 第八話 ガルス、悩める若者になる![カルロ・ゼン](2013/08/01 17:49)
[9] 第九話 ガルス、バレル![カルロ・ゼン](2013/11/01 21:56)
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[33140] 【試作】背教者の兄(歴史物・ローマ帝国)
Name: カルロ・ゼン◆ae1c9415 ID:ed47b356 次を表示する
Date: 2012/05/15 20:08
政は頼りになる官が見つかるまでが苦しい

500年近く統治したある王が至った結論。
その結論は、圧倒的な経験から導き出された真理だ。
だから、ゆっくり行こうと彼が言えるのは長命の性だろう。

では、短命極まりなく、彼らからすれば一時に過ぎない50年で

『人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり』

と謳わねばならない人は如何にすべきだろうか?

崩壊していく帝国。

絶え間なく侵入してくる蛮族。
辺境諸候らは、相争い時に蛮族を招き入れさえする。
市民らは土地を捨て、或いは都市を捨て辺境は蚕食されてしまう。

帝都で蠢く宦官と貴族らの政争は、辺境を省みる余地なし。
そこに聖職者が割って入り、止めるどころか宗教上の闘争すら喚起し始める始末。
神官らは生贄を捧げるどころか、賭博と洒脱に走り神殿は荒廃に任されて久しい。

麗しい花々とオリーブに囲まれた静かな離宮。
そこにあってなお、帝国の歪みと軋む音は耳を塞ぎえないほど。
蛮族の侵入や、辺境部での騒乱、或いは大都市での暴動が誰ともなしに囁かれ続ける。

帝国の末端に至るまで整えられた官僚機構は錆びつき、世界に冠たる『帝国』は崩壊の兆しに塗れている。
有能かつ、帝国に真に忠勇なる行政官・軍事官僚の大半は疎まれ、石もて追われてしまう。
単純明快な正義の原理原則は風化し、そこにあるのは曲学阿世の腐臭に満ちた耳触りのよい言葉。

それでいて、帝国の崩壊が緩やかであり喰い留まりえるほどに帝国は世界そのものであった。
否、帝国が世界そのものであり、崩壊は誰にとっても理解し得ない事象である。
彼らが生まれいずる遥か前より帝国は存在し続けてきた。
帝国は、帝国に住まう臣民全てに取ってかつてより存在し、明日もまた確実に存在するものなのだ。

故に、帝国の緩やかな崩壊は常態化してしまえた。
危機にあると認識し得るほどに、火急ではなく、さりとて問題が無いと言えるほどに良好でもなく。
ただ、帝国になにがしかの問題があると人々が酒場で談笑する程度まで矮小化された形で認識されてしまう。

一度定着した問題は大したことが無いと思いこみたい願望。
だが、拭いがたいその願望に覆われることで有能な行政担当者ですら危機にあって本質を解することは叶わなくなる。
世界が崩壊しつつあるという危機感は、帝国が行き詰まっているという誤った認識に矯正されてしまっているのだ。

もしも。

もしも仮に歴史を俯瞰し得るものがこの場にいれば叫んでいただろう。

終わりの始まりだ、と。

暗黒の始まりだと。



その破局の時代。
終わりゆく『世界』と『帝国』において二人の兄弟が生を受ける。
ガルスとユリアヌス。

世界は慟哭を耳にするに違いない。

何故、ガルスより天はユリアヌスを召し上げたのか、と。
何故、天はかくまでも粗暴な輩を解き放たれたのか、と。
何故、一神教の輩共はどこまでも愚かに相争うのか、と。

歴史は敗北者として、ガルスを位置付けている。
彼は、世界を救うべく剣を取り、遂に剣を置くことなく果てた。
彼が救わんと欲した世界と帝国は留めようのない奔流に包まれ草葉の陰に消えている。

彼こそが、彼だけが最後の『ローマ皇帝』であった。
ガルスこそが、ローマ世界を暗黒の中世より救わんと足掻いた『ローマの守護者』であった。
世界史の短い叙述は、わずかにガルスの足掻きを『非キリスト教ローマ帝国のわずかな再興期』と位置付け足早に立ち去る。

たった、たった100年に満たないガルスの成果。
それは、悠久のごとき帝国の歴史を思えば取るに足らない偉業なのかもしれない。
だが、その時代に生きるあらゆる帝国の人間にとっては希望であり、憎悪の対象であったのだ。



(´・ω・`)こんな感じで、『背教者の兄』に転生モノを次回やろうかなぁと考えています。
ばっちゃとか、辻邦生とか、大好きなのでローマ万歳!やりたいだけなんですが。

いい加減、読みにくい文章だとか、癖のある書き方もどげんかせんと。

一応、他にも末期戦絡みでMuv-luvで『ルナティック・ルナリアンのBETA大戦。』
後、愉快なジョゼフ君の『オトラント公爵一代記』

とかも考えてます。

取りあえずは、今書いてる幼女戦記終えてからですが。
ぼちぼち資料やら読んで考えてはいるのですが、まあ、実のところ迷ってます。

お前ならば、これだ!とかいうご意見があればぜひ参考にさせてください。


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