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No.32851の一覧
[0] IS Inside/Saddo[真下屋](2012/10/30 23:14)
[1] RED HOT[真下屋](2012/05/31 23:39)
[2] Adrenaline[真下屋](2013/05/05 00:27)
[3] 裏切りの夕焼け/コンプリケイション[真下屋](2016/01/25 20:55)
[4] BLOOD on FIRE[真下屋](2012/04/22 13:59)
[6] チェックメイト[真下屋](2012/05/02 02:17)
[8] ポリリズム[真下屋](2012/05/06 13:24)
[10] Hollow[真下屋](2012/05/06 13:24)
[13] (前)LOST AND FOUND[真下屋](2012/05/08 23:38)
[14] (後)アンサイズニア[真下屋](2015/05/31 21:16)
[15] Groovin’s Magic[真下屋](2012/05/15 01:31)
[16] Butterfly Swimmer[真下屋](2012/06/07 07:59)
[17] アダルトスーツ[真下屋](2013/05/05 00:28)
[18] スクールバス/瞳[真下屋](2012/06/21 00:41)
[19] 恋ノアイボウ心ノクピド[真下屋](2012/07/07 23:37)
[20] 遠雷[真下屋](2015/05/31 21:10)
[21] Re;make[真下屋](2012/08/23 20:55)
[22] Holidays of seventeen # Sanfrancisco Blues[真下屋](2016/04/13 00:43)
[24] Holidays of seventeen # Tell Me How You Feel[真下屋](2012/09/23 17:54)
[25] Holidays of seventeen # You & Me[真下屋](2015/05/31 21:12)
[26] OutLine:君の街まで[真下屋](2012/06/21 00:41)
[27] OutLine:believe me[真下屋](2012/08/13 23:29)
[28] OutLine:Cross Illusion[真下屋](2012/08/28 00:57)
[29] (前)存在証明[真下屋](2012/11/07 19:33)
[30] (中)Killer Likes Candy[真下屋](2013/10/25 01:29)
[31] (後)メアリーと遊園地[真下屋](2012/11/15 21:49)
[32] WINDOW開ける[真下屋](2012/11/15 21:47)
[33] 名前のない怪物[真下屋](2012/12/19 00:55)
[34] [筆休め、中書] [真下屋](2013/10/25 01:29)
[35] SideLine:(前) Paper-craft[真下屋](2013/01/19 13:13)
[36] SideLine:(中) とある竜の恋の歌[真下屋](2013/03/24 23:44)
[37] SideLine:(後) The Kids Aren't Alright[真下屋](2013/04/14 08:22)
[38] SideLine:(終) All I Want In This World[真下屋](2013/06/01 21:21)
[41] HofS:箱庭ロックショー[真下屋](2015/05/31 21:19)
[42] My Happy Ending[真下屋](2013/10/25 01:01)
[43] (前)100%[真下屋](2014/08/14 23:34)
[44] (中)The Hell Song[真下屋](2014/08/14 23:33)
[45] (後)Sick of it[真下屋](2014/08/15 00:33)
[46] Fight For Liberty[真下屋](2014/08/24 17:59)
[47] OutLine:Sheep[真下屋](2015/01/17 23:44)
[48] distance[真下屋](2015/05/31 21:30)
[49] OutLine:拝啓、ツラツストラ[真下屋](2015/11/30 23:35)
[50] House of Wolves[真下屋](2016/03/27 20:28)
[51] OutLine-SSBS:空っぽの空に潰される[真下屋](2016/04/13 00:18)
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[32851] [筆休め、中書]
Name: 真下屋◆8b7c8ad0 ID:981535a7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/10/25 01:29
【ちゃんと書く気のないバラのパーツを徒然と書き込むスペース】

・タイトル

1、RED HOT / ELLEGARDEN
明るい、始まりのイメージで。
元気良く、いきましょう、的な。

2、Adrenaline / coldrain
格好つけて、強気で、初戦闘。

3、裏切りの夕焼け/コンプリケイション : THEATRE BROOK/ROOKiEZ is PUNK'D
デュラララ。
どうしても最後の方だけイメージが合わず曲を変えようとしたらまたもやデュラララ。
そして曲名に間違えていた事に今気付く。

4、BLOOD on FIRE / AAA
始めはLove at First Sightだった。だった筈なのだが。
こっちのが書いててノリが良かった為。
なんか鈴の独白のイメージに食われた所為で変更。

5、チェックメイト / ゆちゃP
てきとーに音源探していたら、もうまんま俺の中の蘭のイメージにフィット。
これは譲れん。五反田蘭のテーマソングこれ。俺の中で決定。

6、ポリリズム / Perfume
ぶっちゃけなんでも良かった。
今では反省している。

7、Hollow / coldrain
The Enemy Inside
嫌なもんは嫌だし、嫌いなもんは嫌いだ。
黙ってないで、叫べ。
不満があふれ出したイメージだったり。

8、LOST AND FOUND / ONE OK ROCK
9への前菜。

9、アンサイズニア / ONE OK ROCK
正直この話が書きたくてこのSSが書かれたといっても過言ではない。
ずっとこの曲聴きながら、ラウラとの対話シーンを妄想してた。

10、Groovin’s Magic / ROUND TABLE
はじめはオムニバス的な感じにしようと思ったらセシリアに全部喰われたでござる。
鼓動みたいなバスドラの躍動感とか恋する女の子っぽくていいよね。
ちなみにトップ2は見たことねぇ。

11、Butterfly Swimmer / School food punishment
特になにも考えずに。Transition periodでも良かったかなと思いつつ。
平和な休日、いつもの日常。
そんな感じで。

12、アダルトスーツ / ONE OK ROCK
はじめSaosinだったんだけど、なんかイメージのらなくて変更。
そしてワンオクばっかりになっている/今後もなりそうな予感。
一夏のテーマソングがワンオクだし、仕方ないね。

13、スクールバス / UR@N
  瞳      / aiko
馬鹿みたいに夏っぽい曲探して、イメージに合わなかったので
「じゃあ夏っぽい。恋っぽい曲」とリストを漁っていたらあった。
こんな爽やかじゃなかったけどな!
瞳。まんま歌詞載せてしまいそうだった件。曲が良すぎる。
相手を大事に思う気持ちしか感じねーよあの曲。ラブ&ラブだよ。

14、恋ノアイボウ心ノクピド / ONE OK ROCK
もどかしさ、ジレンマ、そういった曲調が欲しかったので。
わざわざワンオクから持ってこなくても良かったろうに、俺。

15、遠雷 ~遠くにある明かり~ / HIGH and MIGHTY COLOR
俺は断然シン・アスカ派です。デスティニー、俺に力を貸せ。
箒の内面やら、心情やら、迷いとの決別、をこの曲でイメージしてたにも
関わらず、それらのシーンはまるっと描写していないことに気がついた。
気がついてしまったのだった。
モッピー知ってるよ。よくあることだって。

16、Re;make / ONE OK ROCK
存在証明だったんだ、始めは……。
でもRemake聞いてたらRemakeのが合ってんだもん。
I can't Believe you(me).

17、Sanfrancisco Blues / Holidays of seventeen
実は夏休みということで、そんな感じのアーティストをセレクト。
楽しい雰囲気、アッパーなテンションを感じていただけたら。


・OUTLINE  君の街まで / アジカン
久しぶりというか数年ぶりにアルバム聴いたら涙でてきた。
なんか鈴音ちんのことが頭に浮かんで、勢いでやっちゃったぜ

・OUTLINE  believe me / melody.
俺はとらどらよりも、田村くん派です。
MADで曲を知って、じゃあなんか書いてみよう。
と軽くのぞんだ筈だったのだ。
プロモーションビデオにちょっとびびってるのは秘密。

・OUTLINE  Cross Illusion / 美郷あき
アニメ版の俺翼はジャクソン原案の話だけは見る価値あった。
ちなみに真下屋は隼人君派。ぶっころすぞこの野郎。
別に曲とマッチしてないけど、雰囲気だけで書いた。反省はしてない。


18、存在証明 / ONE OK ROCK
なんかOPに使えそうな気がするので、OP的な場面に持ってきました。
むしろプロローグ。
これまたあんましイメージと合ってなかったり。
正直この辺から四話ぐらい寝ながら書いてたのか言いたくなるほど
微妙な部分が多い。見直すとまとめて書き直したくなる。

19、Killer Likes Candy / I Am Ghost
負け戦。

20、メアリーと美術館 / くるりんご
負け戦の裏話。
主人公よりヒーローらしい、元主人公のおはなし。
負け犬ヒーローが女の子を守る曲だったので、そのまんまだったり。
ちなみに赤面なしでは見直せない、寝不足テンション恥曝し。

21、Window開ける / UNISON SQUARE GARDEN
凹みっぱなしのイッピーと五反田ブラザーズ。
真心ブラザーズに優しくされる感じ。

22、名前のない怪物 / egoist
凹んだ後、胸中の感情を自覚する。
これまたイメージはOPだったり。


・書こうと思っているネタ


①「その機体、蒼く塗りませんか?」
②「おい弟、たまには姉とデートしろ」
③「彼女がモッピーになったわけ」
④「やまやちゃんの休日」
⑤「進撃の五反田蘭」
⑥「いっぴー誕生秘話」



・初代前書き
 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、
  | |  (・)。(・)|  
  | |@_,.--、_,>  デリヘル呼んだら隣の部屋の鈴木さん(仮名)宅にいっちゃって
  ヽヽ___ノ  奥さんが息子連れて実家に帰っちゃったでござる、
                             の巻


・二代目


     ____
    /∵∴∵∴\
   /∵∴∵∴∵∴\
   /∵∴∴,(・)(・)∴|
  |∵∵/   ○ \|
  |∵ /  三 | 三 |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   |∵ |   __|__  | < 心折ります。
   \|   \_/ /  \_____
    \____/



・三代目


     ____
    /∵∴∵∴\
   /∵∴∵∴∵∴\
   /∵∴∴,(・)(・)∴|
  |∵∵/   ○ \|
  |∵ /  三 | 三 |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   |∵ |   __|__  | < それは残像だ……
   \|   \_/ /  \_____
    \____/




・ボツネタ(デート)


若干憂鬱です。ですがあまり悪感情を出さぬように。
例え朝から箒さんにぼこられようと、レディとお出かけ中なのですから。


「あのさ、一夏。どうしてぼくだけ誘ってくれたの?」

「だからお礼だって。タッグマッチの時はシャルロのお陰で俺の望んだ結果が出せたんだから、そのお礼」

「…デートじゃないんだ?」

「バカ、素直に誘えない男心を汲んでやれよ」

んふふ、と楽しそうなシャルロット・デュノア。
白いブラウスにチェックのスカート。
チョットごつめのベルトがアクセント。
なにこのお洒落さん。

素材が良いとなんでも似合っちゃうんだろうけど。
その足でそのスカートは反則です。
実に素晴らしい。

その点イッピーの地味なこと地味なこと。
カッターシャツに黒の細いネクタイ通してライダースのジャケット羽織って、地味に地味に。
帽子かぶりたいけど、キャップ似合わないんだよな俺。
ハンチングも駄目だし。ハットがギリ。

「にしたってぼくなんか誘わなくても。お礼だけならわざわざ街まで出なくていいのに」

シャルロはずるい。
そうやって「シャルロがいい、シャルロじゃないとダメだ」って言わせようとする。
普段だったら付き合ってやるけど、俺だって今日は朝から不幸だったのだ。
なのでちょっと意地悪してやる。





「シャルロット、たしか女性用の水着持ってないって話してたよな?」

「うん、そうだけど」

「じゃあお礼はそれで。俺が買ってやるから『とびきり可愛い水着姿』を、最初に俺に、魅せてくれ」

なはは、ははあははははは。
シャルが変な壊れ方をしたのは、きっと俺の所為ではない。



・ボツネタ(デート2)

私は苛立っている。
私は大変苛立っている。

私は隣の顔へ投げかける。

「なあ、一夏」

「なんだい、姉?」

「何故私達は、こんなに遠いのだろう」

私達は見詰め合える距離にいるというのに、触れられない程遠い。
私と一夏の間には、壁がある。
それは私達の関係だったり、社会的立場だったり、物理的なモノだったりする。
今は壁。
しかも物理壁。

この壁を乗り越えれば、私は一夏の隣に立てるのか。
壊すか? 壊れるか? 壊ずんば? 壊れば?
高いレベルで物理で殴るか。
しかし、それは叶わない。

「えへ、えへへ、えへへへ♪」

私と一夏の間に収まるモノ―――ラウラ・ボーデヴィッヒが私達それぞれと手を繋ぎながらトリップしている。
なんでこんなことになったのだろうと空を仰ぐが、知った事かとばかりに澄み渡る青空には、なんの答えも映りはしなかった。




・師匠


「一夏君、君はどうも躰に気を纏わす才能がないな」

「師匠、かれこれの僕の人生の14年間、『躰に気を纏わす才能』が必要だった場面などありません」

「しかし、刃物―――とりわけ小刀の様な物に対する親和性は高い。喜ぶといい、君は『使う者』だ」

「師匠、お願いですから会話をしてください」

「ああ、すまない。だが君の姉であれば『躰に気を纏わす才能』位は持っていても不思議じゃないんじゃないか?」

「そういった規格外と一緒にされても困るのですが……」

とある山中。
俺は俺が知りえる最強の存在に師事していた。
濃い霧が満たすこの空間で、俺は延延と体から沸き立つ『ナニカ』を感じ取るべく座禅を組んでいた。

「けれど、君が求めている『階層』はその深さなのだろう? だったら同じ尺度で考えるべきだ。
 一夏君。人間なんてものは、目があり、四肢があり、脳があると云った認識は捨てたまえ」

目以外で視て、皮膚以外で感じ、脳以外で思う。
そんな事ですら人は可能であると、師は教えてくれた。

「とは云いましても、これまで育ててきた常識と云う名の偏見は、早々捨てることが出来ません」

「それは君が、人という存在の可能性を信じられていないからだ。自分の可能性すらも」

仙人を目指す男はやっぱり違うね。普段は相手を俺のスケールに当てはめて、どの程度の人物であると診断するのだが。
この男は違う。それすらさせない。存在が違うと俺の精神が認めてしまっている。

「君の兄弟子はその辺、理解が早かった。アレは天性の才能に加えて、いつでも死地に立っていたからね」

師をも唸らす男、俺の兄弟子。一度もお会いしたことはない。
この師に奥の手を使わせてノーサイドゲームに持っていったと云うのだから、そりゃもう人間じゃねえだろ。

「眼で見た情報に何の価値があるのか、とまではいかないが。眼で見た以上の情報を得る術は、人であれば備わっている。
 君にはそろそろ、それを理解して貰おう」

刹那、師の姿は掻き消えた。
姿は見えない。

「ぐううぅぅ……!」

歯を食い縛って耐える。
殺気に。恐怖に。
今にも殺されそうな威圧。
精神を苛む重圧。
師は俺を殺す気はない。
そう頭では理解している。
けれど、体がビビっちまってる。
全身の毛穴が開き、汗に濡れる。
その圧力は万の針を突き刺されたようで。

「君の体は素直だ。確りと私の気に反応している。だから君は、その体を信じてやるだけで良い。
 己が発する声を聞き、君の世界を広げたまえ」

耳は場所を特定できず、全身を差す悪寒は増すばかり。
簡単に云ってくれる。
頭じゃ分かってる。理屈は分かるのだ。
体も分かってる。体感しているのだ。
なら単純。
頭と体を繋いでやるだけだ。
ナイフを取り出し、刃に写る俺と目を合わせる。
俺なら出来る。俺なら出来る。俺なら出来る。―――自己暗示、完了。

「是ッ!」

怯えてる体に鞭を打ち立ち上がる。
俺の脳が捕らわれている視覚の情報と、俺の体が捕らわれている気配の情報。
必要なのは第六感ではない。
五感から得られる情報を統合的に判断する直感だ。
体はもう充分に働/rb>ビビっている
なら働け、俺の脳味噌!
目を、閉じた。

「心は風、魂は炎、動きは水」

そして俺は、大地を踏みしめる。

汗に濡れた衣服を投げ捨てる。大気を皮膚で感じ取る。
散漫に、漠然とした各感覚を脳にインプットし、解を出す。
先入観も固定観念も常識もいらない。
ただただシンプルに、受け取った情報を多角的に投影し、結合していく。
イメージするな。
俺という心にイメージをさせるな。
俺という存在にイメージをさせろ。
縛られるな。
眼を開け。
心眼なんて陳腐なもんじゃねえ。
確固たる俺の、『織斑一夏』の眼を開け。
世界を映せ。

向けられた殺気は、無数の針から一本の刃に収束する。
想像上の刃は、俺の背後、10cm。
だから、きっと、それは正しい。

「疾ッ!」

振り向きざまに、ナイフを振るう。
それは何かにかすりもせず、通り過ぎた。
それでも、俺のすぐ真後ろに立っていた師の姿を認識することは、できた。

あれ、今なんで当たらなかったの?

「才能がないと思いきや、呆れる程あっさりと本質を捥ぎ取る。君は見ていて飽きないな。
 君はどこまでも煩雑だ。あべこべ、ちぐはぐと言い換えても良い。
 君の躯は剣を欲しているのに、君の心は剣を疎んでいる。
 君のやる気は皆無なのに、君の熱意は業火のようだ。
 君は織斑一夏を嫌いながら、愛情を注いでいる」

「師匠、それが『俺』です。一貫してなかろうが、相反していようが。
 今、この場に立っているのが俺です。
 疲れたから今すぐ帰りたいのも、この感覚をもっと試してみたいのも、夢を追うのも、遊びに耽るのも、
 性欲に溺れるのも、情動を自制するのも、人を殺したいのも、人を愛したいのも、全て俺です。
 それが人間です。仙人見習い風情には分からんでしょうけど、そういった矛盾したひたむきさこそが、
 人生の醍醐味です。無我の境地なんてクソ喰らえだ」

「これは、手厳しい」

師は薄く微笑む。
生意気を云っているガキをほほえましく見守るように。

「それに、人は誰しも自分に対しコンプレックスを持っている。それは容姿だったり、性格だったりしますけど。
 だからといって、自分が嫌いだからといって自分を愛してやらないと、自分も愛せない人間を誰が愛してくれるんですか?
 自分も愛せない人間が誰を愛せるんですか? 人は愛に生き、愛を謳い、愛を歌い、愛に逝くんです」

私は自己愛に薄い人間だから、仙人なぞ目指すのかも知れないね、と師が仰る。
中華系の男性には珍しい長髪で線の細い美形。年齢を感じさせない顔と、年齢を測らせない表情。
一体誰が、この人を見てこの人の本質を覗けるだろう。
人としての極地に立たんとする、仙人に最も近い男であると。

「全く、君は本当に、人間らしい」

「そりゃあ、人間ですもん」

「そういった意味ではないのだが、まあいい。
 そんな愉快な君に免じて、私が君の姉を討っても良いが?」

きっと、この人は勝つ。
勝つ所か完封する。
だけど、それはちょっと。

「お断りします。もしこれが『俺のやらなければならない事』だったら、喜んで譲るんですが、
 これは『俺のやりたい事』なんです。だから、譲れません」
















・モンドグロッソ1回目

始まりの記憶は、そう、アレだよ。

第壱回モンドグロッソ大会。
世界で最強のIS乗りを決める大会の決勝戦。
その栄えある大会に、自分の姉が出るのだ。
そりゃあ見に行くだろうさ。散々ダダこねて連れて行ってもらったよ。

そんでさ、我が尊敬すべき姉はあっけなく優勝しちゃった。
こうなるだろうな、とは思っていたけど全くその通り、微塵もズレなく、試合展開すらも想定の範囲内で。
俺みたいな少年の憧れ、理想の塊みたいなもので。

世界からそういう役割を押し付けれらたんだと、思ったんだ。

彼女は、英雄(ヒーロー)だ。
英雄に、なってしまった。

この先、どんな困難が待ち受けようとも、彼女は闘うこと、勝利することを義務付けられてしまった。
それは、とても誇らしい。
けれど、とても悲しい。
そんなの、普通の人間の生き方じゃない。

だから、だからさ。

「千冬姉さん」

「どうした、一夏?」

優勝し、控え室に戻った姉はこれからすぐに始まる表彰式に出席する。
世界最強の称号を手にしたというのに、微塵も喜悦を感じさせない姉に、宣誓する。

「アンタは頑張った。頑張ったよ。そして俺は、頑張った奴が報われないのがこの世の中で最も嫌いだ。
 だから、ご褒美をくれてやる」

「アンタを普通の女(ヒロイン)に陥としてやる」




「織斑選手、式が始まりますので急いでくださーい」

何か言いたげな、言いたそうな彼女は係員に急かされ部屋を出た。

一人残された控え室にて、拳を握り見つめる。

「ちょっくら壁が高いけど、誰かがやらなきゃいけないんだ。
 なんてったってあの姉の弟なんだ。
 出来るだろ、そんぐらい」

自分の成すべきことを成せ。自分の成すべきと思ったことを、だっけ?



























・Infinite Moppy

「だからさ、人の悪口は言っちゃいけない訳よ。分かったかお前ら? 分からない馬鹿は分からなくていいぞ」

小学生低学年に道理を説くのは難しい。
自分のした発言が何年も、ともすると一生相手を苦しめる可能性って方向性で進めているが、はてさて何人が理解できているのやら。

「分からないからって許されはしない。ぶん殴るから覚悟しろ」





「って話をしたよなテメェ等っ!」

放課後に篠ノ之箒を苛めていた馬鹿共を怒鳴りつける。

「女の味方すんのかよ織斑よぉ」
「おいそこのデブ! 眼鏡デッパ! 加齢臭!」

三人に対してストレートに外見で非難する。
傷付ける。わざと気にしてることをハッキリ言ってやる。

「こんな可愛い箒ちゃんになんてこと言いやがるぶっ殺すぞ!
 『女の味方をするのか』だって? するに決まってんだろうが負け組みーズ!
 箒ちゃんの名前は「良くない物を掃える、強い人になって欲しい」っつーすげえ母親の想いが篭った名前なんだ!
 それを馬鹿にしやがって!」

「その上箒ちゃんは可愛い。マジで可愛い。将来目茶苦茶美人さんになること間違いなし。
 切れ長の釣り眼に細く整った眉、すっと通った鼻梁、桜の花びらの様な唇。
 ポニーテイルも彼女にマッチしていて、すこぶる良い」

貴重な純正日本美人、楽しみである。

「一夏・・・・・・」

「そりゃどっちの味方するかなんて明白だろう、なあモッピー?」

「…・・・モッピー?」

「あ、」

「一夏の・・・一夏の・・・一夏の馬鹿っ!」

モッピー、怒りの椅子フルスイング。
ちなみに箒さんは筋力的に現在の俺より優れており、剣道鍛錬の成果かそのスイングは破格の威力を以って俺をぶっ飛ばした。
骨が折れるかと思った。むしろ折れたと思った。頑丈補正に救われたらしい。

その後、篠ノ之箒をからかう馬鹿はいなくなったんだとさ。
イッピー知ってるよ、結局馬鹿をみたのは俺だけだったってこと。







・Tiger on the Hand

「初めまして、俺は織斑一夏。三日間の欠場を経て戻ってまいりましたクラス委員長です。名前、教えてくれないかな?」

「・・・凰、鈴音」

「オッケー、鈴ちゃんね? 覚えた。これから宜しく」

リンリンとの挨拶を済ませ自分の席へ戻ると、即座に弾(五反田家長男)が跳んできた。
「オイ一夏、あの子ちょっと浮いてっからあんま相手すんなよ。そんなことしてたらお前がハブッッ」

俺は、弾の親友だ。ですので、全力で殴りました。
激しい音を立てて、周囲の机を巻き込み倒れる弾。

「お前さ、蘭ちゃんが転校してさ、転校先で上手く馴染めなかった時にさ、今のお前と同じ台詞吐いた奴がいたらどうする?」
「ソイツん家燃やす」

俺の親友だけあって頑丈補正の非常に高い弾だった。もう立ち上がって平然としてやがる。
巻き込まれた平田くんのがダメージ負ってるんじゃないか心配です。
と言うか、このシスコン気がクルットル。

「なら解かるな。俺は正しいから謝らんぞ」
「ああ、俺が間違っていたから謝る。けど謝る相手はお前じゃねぇ」

ヅカヅカと音を立て力強く歩く弾。
真っ直ぐ鈴ちゃんの机に向かって正面に立ち頭を下げた。

「ごめんりんりんちゃん! 保身に走って君のことを詳しく知らず距離を取ってた。
 五反田弾、もし良ければ仲良くしてくださィエアッ!」

「アタシはりんりんじゃない、鈴音だ! パンダみたいに呼ぶな!
 あとアタシを完璧に置いてきぼりで話をすすめんなーっ!」

鈴ちゃんの渾身のストレートによって、再度床を滑っていく弾。
ダメだねぇ、女の子の名前間違えるのはだめだねぇ。
そんなんだからお前顔はいいのにモテないんだよ。



おわ、背後に虎が見えるぜ鈴ちゃん。
手乗りタイガー、実在していたのか・・・・・・ッ!!





・やまだまや先生をいじめてみるテスト

「というわけで山田教諭、説明してください」

「はい?」

すっとぼける山田先生を尻目に部屋に入室。

「男女7歳にしてなんとやら。思春期の異性を同じ部屋に押し込むなんて教育者のやることですか。
 何かあったらどう責任取るんですか。それが大人のやることですか」

「でも織斑先生が、部屋が用意できるまで篠ノ之さんと同じ部屋にしとけって。幼馴染だからって」

「言われたからやったんですか。自分では何も考えず従えばいいと、そう言うんですが。
 人に物を教える立場の人間が、判断を他人に預けてどうするんですか。それが大人のやることですか」

「うう、だって」

「だってじゃありません。子供ですか貴方はしっかりしてください。
 それで、どう責任を取るんですか?」

「そんな事言われても、わたし困りますぅ」

「『今』困っているのは先生ですか? それとも俺ですか? 貴方は、子供に自分の都合を押し付けるんですか。
 それが大人のやることですか」



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