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No.32237の一覧
[0] 【完結】HEROES インフィニット・ストラトス【チラ裏より】[D1198](2014/08/20 08:37)
[1] 00 プロローグ[D1198](2012/03/21 22:13)
[2] 01-01 ショートホームルーム[D1198](2012/03/20 22:06)
[3] 01-02 出会いと再開[D1198](2012/03/20 22:11)
[4] 02-01 篠ノ之箒[D1198](2012/03/21 22:50)
[5] 02-02 セシリア・オルコット1[D1198](2012/03/24 07:13)
[6] 02-03 セシリア・オルコット2[D1198](2012/04/08 09:32)
[7] 02-04 セシリア・オルコット3[D1198](2012/04/08 09:40)
[8] 02-05 セシリア・オルコット4[D1198](2012/03/24 21:42)
[9] 02-06 セシリア・オルコット5[D1198](2012/03/24 21:59)
[10] 03-01 日常編1「お説教」+「IS実習」[D1198](2012/08/24 20:32)
[11] 03-02 日常編2「引っ越し」+外伝「Miya」[D1198](2012/08/24 20:33)
[12] 03-03 凰鈴音1[D1198](2012/04/22 16:51)
[13] 03-04 凰鈴音2[D1198](2012/04/29 22:37)
[14] 03-05 凰鈴音3[D1198](2012/12/04 16:00)
[15] 03-06 外伝「織斑千冬の憂鬱」+日常編3「2人の代表候補」[D1198](2012/08/24 20:13)
[16] 03-07 日常編4「模擬戦1,2」+「真と、」[D1198](2012/08/24 20:33)
[17] 03-08 日常編5「現状維持」+「模擬戦3,4」[D1198](2013/06/30 14:12)
[18] 03-09 クラス対抗戦[D1198](2012/07/06 21:23)
[19] 04-01 日常編6「しばしの休息」+「戦場に喇叭の音が鳴り響く」+AS01+02[D1198](2013/07/05 21:55)
[20] 04-02 日常編7「終わりの始まり」+「凰鈴音」[D1198](2012/07/09 00:08)
[21] 04-03 日常編8「五反田の家」+「古巣」[D1198](2013/06/30 14:33)
[22] 04-04 日常編9「貴公子来日」[D1198](2013/06/30 14:38)
[23] 04-05 日常編10「乙女心と梅雨の空」[D1198](2013/06/30 14:42)
[24] 04-06 分岐[D1198](2012/08/14 21:05)
[25] 04-07 日常編11「綻び」[D1198](2012/08/19 21:59)
[26] 04-08 日常編12「デュノアの私生児」[D1198](2012/08/28 12:14)
[27] 04-09 日常編13「胎動」[D1198](2012/08/30 21:16)
[28] 04-10 日常編14「襲撃」+「己の道」[D1198](2012/09/08 10:38)
[29] 04-11 日常編15「幕の間」[D1198](2013/07/05 21:40)
[30] 外伝2 とある真のズレた一日[D1198](2012/10/02 08:25)
[31] 05-01 シャルロット・デュノア1[D1198](2013/07/05 21:41)
[32] 05-02 シャルロット・デュノア2[D1198](2012/09/24 17:19)
[33] 05-03 シャルロット・デュノア3[D1198](2012/09/27 08:43)
[34] 05-04 シャルロット・デュノア4[D1198](2012/09/29 23:40)
[35] 外伝3 ほんねのきもち[D1198](2012/10/02 09:51)
[36] 05-05 日常編16「少女たちの誓い」+「帰国」[D1198](2012/10/10 22:44)
[37] 05-06 日常編17「予兆」【12/10/17大修正】[D1198](2012/10/17 22:42)
[39] 05-07 セシリア・オルコット6[D1198](2012/10/14 21:09)
[40] 05-08 新しい在り方[D1198](2012/10/17 00:42)
[41] 05-09 日常編18「朝」[D1198](2012/10/21 00:04)
[42] 05-10 日常編19「トーナメント前夜1」[D1198](2013/07/05 21:43)
[43] 05-11 日常編20「トーナメント前夜2」[D1198](2012/10/26 11:23)
[44] 05-12 学年別トーナメント1,2[D1198](2012/11/16 22:00)
[45] 05-13 学年別トーナメント3,4[D1198](2012/11/24 12:48)
[46] 05-14 学年別トーナメント5+日常編21「夏草や兵どもが夢の跡1」[D1198](2012/12/03 15:03)
[47] 05-15 日常編22「夏草や兵どもが夢の跡2」[D1198](2013/07/05 21:46)
[48] 05-16 Lost One’s Presence 1[D1198](2012/12/04 16:09)
[49] 05-17 Lost One’s Presence 2【注:アンチ期間開始】[D1198](2012/12/23 18:02)
[53] 05-18 日常編23「少女たち改1」[D1198](2012/12/24 23:50)
[54] 06-01 ラウラ・ボーデヴィッヒ改1[D1198](2012/12/24 20:47)
[55] 06-02 記憶[D1198](2012/12/24 20:47)
[56] 06-03 Broken Guardian 1[D1198](2013/01/04 10:05)
[57] 06-04 Broken Guardian 2[D1198](2013/01/07 17:07)
[58] 06-05 Broken Guardian 3[D1198](2013/01/12 00:08)
[59] 06-06 Cross Point[D1198](2013/01/15 20:20)
[60] 06-07 Broken Guardian 4[D1198](2013/01/21 14:58)
[61] 06-08 Broken Guardian 5[D1198](2013/03/22 13:27)
[62] 06-09 UnBroken Guardian[D1198](2013/02/17 07:09)
[63] 06-10 HEROES【アンチ期間終了】 改1[D1198](2013/03/21 12:17)
[64] ネタバレかもしれない作者のぼやき特装版![D1198](2013/02/17 07:12)
[65] 織斑の家[D1198](2013/02/18 07:20)
[66] 外伝 ぼくのおとうさん[D1198](2013/02/18 07:18)
[67] 友達の友達 ~五反田兄妹~[D1198](2013/02/18 07:22)
[68] Everyday Everything[D1198](2013/02/18 07:19)
[69] 外伝 邂逅[D1198](2013/02/18 07:22)
[70] 夏休みの2人[D1198](2013/02/28 16:33)
[71] 過去編 布仏虚1[D1198](2013/03/26 21:55)
[72] 過去編 布仏虚2[D1198](2013/03/29 20:30)
[73] 過去編 布仏虚3[D1198](2013/04/03 21:38)
[74] 過去編 布仏虚4[D1198](2013/04/07 19:44)
[75] 01-01 平穏なり我が日常その壱[D1198](2013/04/17 21:48)
[76] 01-02 平穏なり我が日常その弐[D1198](2013/04/17 21:49)
[77] 01-03 更識楯無[D1198](2013/04/21 17:10)
[78] 01-04 平穏なり我が日常その参[D1198](2013/05/27 19:23)
[79] 02-01 学園祭1[D1198](2013/04/29 22:26)
[80] 02-02 学園祭2[D1198](2013/05/07 20:36)
[81] 02-03 学園祭3[D1198](2013/05/16 21:21)
[82] 02-04 学園祭4[D1198](2013/05/29 20:59)
[83] 02-05 学園祭5[D1198](2013/07/05 21:48)
[84] 03-01 更識簪1[D1198](2013/06/23 22:39)
[85] 03-02 更識簪2[D1198](2013/07/05 21:49)
[86] 03-03 更識簪3[D1198](2013/07/07 21:06)
[87] 03-04 更識簪4[D1198](2013/07/11 20:40)
[88] 03-05 更識簪5[D1198](2013/07/20 01:07)
[89] 03-06 更識簪6[D1198](2013/08/22 14:53)
[90] 03-07 更識簪7[D1198](2013/08/28 11:51)
[91] 03-08 更識簪8[D1198](2013/09/08 17:27)
[92] 04-01 平穏なり我が日常その四[D1198](2013/10/13 22:53)
[93] 04-02改 紅椿(ブービー・トラップ)[D1198](2014/06/07 21:12)
[94] 04-03改 遺跡(ゲートストーン)[D1198](2014/06/07 21:13)
[95] 04-04改 楽園(異能者たちが願った世界)[D1198](2014/06/07 21:14)
[96] 04-05改 亡国企業(ファントムタスク)[D1198](2014/06/07 21:14)
[97] 04-06 別れ(シャルロット・デュノア)[D1198](2014/06/07 21:15)
[98] 04-07 開幕(篠ノ之束)[D1198](2014/06/07 21:15)
[100] 04-08 誕生日(マイル・ストーン)[D1198](2014/06/07 21:16)
[101] 04-09 更識楯無(新しい仲間)[D1198](2014/06/07 21:17)
[102] 04-10 別れ(セシリア・オルコット)[D1198](2014/06/07 21:17)
[103] 外伝 定番イベント[D1198](2014/06/02 20:52)
[104] 外伝 贔屓とやきもち[D1198](2014/06/05 22:11)
[105] 外伝 とある一夏の日常(ダイアリー)[D1198](2014/06/07 08:32)
[106] 04-11 少女たちの挽歌(レクイエム)[D1198](2014/06/09 11:53)
[107] 04-12 出発(Determination)[D1198](2014/06/11 23:07)
[108] 05-01 ファントム・タスク編 復活(赤騎士)[D1198](2014/06/21 21:38)
[109] 05-02 ファントム・タスク編 真1(産軍共同体)[D1198](2014/06/26 23:56)
[110] 05-03 ファントム・タスク編 一夏1(総天然色ナチュラルボーン)[D1198](2014/07/03 19:30)
[111] 05-04 ファントム・タスク編 真2(不死者の悲嘆)[D1198](2014/07/11 23:33)
[112] 05-05 ファントム・タスク編 一夏2(クロス・ワールド)[D1198](2014/07/15 18:21)
[113] 05-06 ファントム・タスク編 一夏3(理想と現実と)[D1198](2014/07/21 18:51)
[114] 05-07 ファントム・タスク編 真3(スコール・ミューゼル)[D1198](2014/07/25 20:08)
[115] 05-08 ファントム・タスク編 帰還(セシリア・オルコット)[D1198](2014/07/31 14:43)
[116] 06-01 IS学園攻防戦 前編[D1198](2014/08/05 21:20)
[117] 06-02 IS学園攻防戦 中編[D1198](2014/08/08 19:26)
[118] 06-03 IS学園攻防戦 後編[D1198](2014/08/10 21:50)
[119] 06-04 赤騎士編(邂逅)[D1198](2014/08/13 22:00)
[120] 06-05 赤騎士編(赤騎士討伐隊)[D1198](2014/08/15 22:47)
[121] 06-06 赤騎士編(篠ノ之束)[D1198](2014/08/17 14:11)
[122] 06-07 赤騎士編(最後の戦い)[D1198](2014/08/18 20:38)
[123] 最終話 新しい家族(On Your Mark)[D1198](2014/08/20 08:37)
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[32237] 05-17 Lost One’s Presence 2【注:アンチ期間開始】
Name: D1198◆2e0ee516 ID:bb4b1fdc 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/12/23 18:02
Lost One’s Presence 2
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 俺がここに居なければ、それを聞いた箒は組んだ両手を胸に置き、不安を隠す事無く真の後ろ姿を目で追った。

 みやの多方向加速推進翼が小刻みな光を放ち、薄暗い第2ピットを青白く照らす。ピットを離れ、高度50mで彼が一望するのは第3アリーナ。ブラウンのフィールドにワインレッドのシートに白い構造体、空の陽は赤みを帯び始めている。先日までトーナメントが催されていた此処には、歓声と、笑顔と、演奏で満たされていた此処には、未だ少女たちの熱気が、残照の様に立ちこめている。

 時刻は4時丁度。まるでラウラ戦と置き換わったみたいだと、真はライフルの握り手に力を込める。まだトリガーに指は掛けず高度を維持、ゆっくり近づいた。地上に立つ白式もふわりと垂直上昇。真は接近を停止、その距離約100m。

 真の持つアサルトライフル(12.7mmx99)の初速は887.1m/s。一夏が視覚情報から行動に移す、反応速度は0.1秒。つまり88.71m以上と言うのは、一夏に弾丸を見る余裕が生じ始める、一夏への命中率が変化し始める距離だ。

 真は表情を僅かに変えた。過ぎ去った何かを見ていた。

「やり合うのは対抗戦直前の模擬戦以来か。あっという間だな」

 笑みを隠さず一夏が言った。だがその目は眼前の相手だけを鋭く捕えていた。

「一ヶ月半、随分前だぜ?」
「そうか、まだそれだけか」

 白式は汚れ一部装甲が破損しているものの戦闘行動に支障は無さそうだ、真はそう確認したあと視線を脇へ下ろした。白式は実刀状態で右手に持った剣をだらりと下ろしている。物音一つしないアリーナには、風の音すら無く、天蓋の、不可視の屋根越しにはオオタカが、やはり翼音一つ鳴き声一つ無く飛んでいた。音の無い音が聞こえていた。

「丁度あそこだ。ほら第1ピット下」真はゆっくりゆびさした。

 見た目はリヴァイヴIIと大差ねぇが、と一夏は油断無くみやを見る。肩と背中、全体的にボリュームは増しているけど、黒色でその印象はどこかこぢんまりしてる。あの性格だ、ハッタリで見た目を作る筈がねぇ。両肩のドームにも何かあるはず。そう言えば、黒色は小さく見えると誰かが言っていた。さっきの軍人と違って随分静かだから余計にそう感じる。それで距離感が少しばかり取り難い、け、ど。一夏は雪片弐型を肩に乗せおどけて見せた。

「何時になく歯切れが悪いな。緊張してんのか?」
「そういう一夏もらしくない。随分静かじゃ無いか」
「そうだなー ほら、これが終わったら俺らの関係が変わる?」
「どういう風に変わる?」
「きまってんだろ」

 その刹那。白式は爆発的な機動音を放った。みやは音も無くライフルを構えた。光で生じた影のように。


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 刀身の反射光と銃口の音がアリーナの空を塗りつぶす。最初は弾丸を躱す音、次は弾丸を弾く音。その直後、分厚い衝撃音が鳴り響く。黒の機体がフィールドに向け高速落下。背中に光が灯り、姿勢制御、フィールド極で制止。空を見上げる黒に、白は“鋼”の切っ先を向けてこう言い放った。

「もうおめぇにでかい面はさせないって事だ」
「成る程……こうして見ると確かに速い。皆が太刀打ちできなかったのも頷ける」
「アームガードで防御したのは流石だって褒めてやる。でも今のが本気ならお前はやられてたぜ?」

 みやの左腕には一筋の傷が刻まれていた。素手では触れないほど熱を帯びていた。

「お前が手を抜くなんてな。あの人が弱気になる訳だ」
「何言ってやがる?」

 真は左手でライフルを支えると、右親指で左頬の傷をゆっくりとなぞった。

「頭を冷やせと言っている。俺に手加減なんて10年早い。このバカイチカ」

 一夏の形相に火が灯る。黒は突撃銃を構え直すとスラスターを吹かせ空を切り裂いた。白は刀身を右上に― 右八相に構え、迎え撃つ様に加速した。



 戦闘の基本は非常にシンプルだ。感知される事無く殲滅する。反撃される事無く殲滅する。それが出来ない場合に、初めて、損害を最小限に抑えるため回避、防御をしなくてはならない。つまりは速力と打撃力が大前提である。

 常識的な範疇において、通常の人間同士ではそれが非常に難しい。それ故にその状況を作ろうとあらゆる戦術を考える。位置取りであり、地形効果であり、意外性であり、武器特性であり、防御特性である。

 これらを踏まえて、一夏と真の戦い方はどうなるだろうか。

 一夏は白式の機動力に加え、そのGに絶えうる彼自身の肉体と、それを御する異常な反応速度が武器だ。銃口を確認する余裕、ブルー・ティアーズの光弾を目視判断し、その光弾、つまりエネルギーを零落白夜で対消滅させたのはその反応速度を物語る一つであろう。だから。ISにとって致命的な零落白夜と、反応すら許さない爆発的な機動力を有する一夏の戦い方は、速力と打撃力、理想と言っても良い。

 これに対し、肉体的な意味で優れてはいるもの常人の域を出ない真であるが、一夏以上に特殊な二つの武器を持っている。

 一つはISの全機能を有機的に操作出来る、機械との異常なまでの親和性。もう一つが銃器の扱いを含めた局地的戦術的な掌握力。これは銃器などの軍用品の扱い、効果的な利用、敵対勢力との駆け引き(殺意を読む)に長けている、と言う事だ。特殊な兵士であるラウラ・ボーデヴィッヒの襲撃を凌ぐには銃を正確に撃てるだけでは不足する。

 一件タイプの異なる2人であるが、戦闘スタイルは同じスピード型。一夏は分かりやすく単純な力と速度の暴力。真は射撃の最大効果を得るのが抜群に速いと言い換えられるだろう。


 ここで一夏に銃を向けた少女たちの状況を考えてみる。

 IS戦での射撃シーケンスは構える(姿勢制御)、狙う(自動照準)、トリガーを引く(発砲)の同様の3工程をふむ。高速射撃の為には、如何にISに狙い(自動照準)を阻害しないように構え(姿勢制御)を行うか、迅速に発砲の判断を行うか、この2が高速射撃の要因となる。自動照準は補正という性質上、近似ゼロ秒なので残りの二つをどれだけ少なくするか、重要だ。

 その時間を考えるには空走距離が参考となろう。これは自動車の運転などでドライバーが急ブレーキの必要性を判断し(0.4~0.5秒)、ペダルをアクセルからブレーキへ乗せ替え(0.2秒)、ブレーキがきき始める(0.1~0.3秒)までの3工程に掛る時間を言う。

 ブレーキがきき始める時間というのは、路面状況や車両性能に依存するため除外する。残った二つは人間の判断~行動に関係する為、これらを発砲判断に相応させれば、理論最低でも0.6秒以上掛ると言う事だ。これに姿勢制御や射撃特性、回避判断、思考戦闘など様々な要素が必要となる。更にこれらの要素はブレーキの様な単純動作でない。

 白式の第3アリーナでの最大速度は音速の80%に及んだ。ここから算定するとその加速度は6G(約60m/s2)、つまり1秒間に約30m動く。先程の0.6秒であればその間に約10m彼は移動する事になる。(※戦闘機に於ける機動では、パイロット保護のためにマイナス側、つまり頭に血が上る方向は3G程度に抑えるそうです)

 ハイパーセンサーから得た情報を元にFCSが軌道予測し、ターゲットに照準を合わせるISとはいえ、最終的に判断しトリガーを引く判断及び実行は搭乗者に委ねられる。理論最低時間のみでも10mも移動する白式に当てるのは至難の業だ。更に軌道予測もあくまで予測であり、白式が機動力を活かせばその確率は下がる。

 ラウラ戦を経た一夏は、視覚情報を得たあとの袈裟切りや一文字切りと言った攻撃箇所とその体勢の決定、踏み込み加速にいたる“その直前まで”およそ0.1秒。これは一般人の6倍にも相当する。

 一方、ライフル弾12.7mmx99の速度は1秒間に887m、0.1秒では88.7m進む。この距離は一夏に命中させ易くなる難しくなるの境だが、6Gで機動する彼がこの距離を詰める時間は1.7秒程度しかない。つまり、1.1秒以内に位置取りや姿勢制御などの射撃シーケンスを終える必要があるが、状況が複雑で尚且つ変化する戦場においては非常に難易度が高く、1年の少女らが太刀打ち出来なかったのも無理は無い。

 話は逸れるが、この理由から大半の者はいずれかに目を瞑り、他の特性を特化させ補っていた。例えばティナはサブマシンガン特性である連射と範囲攻撃を利用し、姿勢制御を主に補っていた。



 では、学年別トーナメントにおいて圧倒的であった一夏が真に相対した場合どうなるだろうか。

 ハイパーセンサーに加え、新たに追加された攻撃専用センサーと情報処理の高速化、真が有する殺意の読み取り、これらの相互運用。ISの全機能を有機に操作する事から生じる精密な機体制御。

 如何に目標が速くとも、その位置と時間が分かり正確に撃てるのであれば、あとは銃の機械精度とカオス理論による射軸の誤差のみだ。光学ディスク上の信号ピット(長さ150ナノメートル)を読み取るブルーレイのレーザーの機構の如く、衛星軌道上の人工衛星とレーザー通信する機構の如く※

(※レーザー通信衛星“きらり”の実験では衛星軌道上高度600km、秒速7kmの速度を飛ぶ状態でレーザー通信を行ったそうです。光学センサーサイズは写真からの推測ですが衛星が径50cm程、地上施設が径1.5mの光学望遠鏡と言う条件)

 その必要時間0.6秒+アルファ。つまり1秒もあれば十分と言う事だ。


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 後退射撃を続ける真に一夏は最初に右舷から弧を描くように加速した。鼻先を弾丸が掠め、急遽弧を大きく膨らませ再び距離を取る。次ぎに白式の加速力を利用し、一度上昇。重力を併用した最大加速、左舷からの逆袈裟。ゆっくりと流れていた弾丸が、徐々に見えなくなる。目の前に迫る。彼は苦々しく舌を打つと、そのまま離れながら大地に向い、フィールド際で反転、再び舞い上がった。

 一夏は88.7mを境に中々近づけないでいた。直撃こそ許していなかったが、少しずつ確実に白式のエネルギーを失っていた。残エネルギー240。

(流石にやり辛い……!)

 一夏は口を歪め、眉を寄せ、目尻を忌々しげに吊り上げた。

「相変わらず根暗な野郎だぜ! チクチクとよ!」
「HVAP(高速徹甲弾)は初めてか? 当たると結構痛いぞ、気をつけろ」

 あくまでペースを乱さない、澄まし顔の真に一夏の感情が爆発する。鳴り響く起動音は2人の間に吹きすさぶ暴風を押しのけ乱さんばかりである。濁流に大岩が投げ込まれた。


 みやを上回る機動力を活かし、上下左右ある時は正面から迫り、アリーナの隅へ追いやる。一夏は弾丸の横雨の中、シールドと機動力、全神経を集中し、真との位置を死守。ある時は躱し、ある時は弾丸を鋼の刀身で弾いた。そしてこの時はシールド展開、防御。白式の“エネルギーが減少する”

 真、弾倉の量子交換開始、マガジンが光となって霞む。一夏の牙が打鳴り、2人の視線が交わった。白式、イグニッションブースト。シールド防御と同時に、エネルギーをスラスターから散布、その準備を行っていた。

 一夏が見るみやに時間の遅れが生じる。一夏が咆吼を挙げた。一夏のイグニッションブーストは18G、この時の移動距離は1秒間で約88m。真の目の前に雪片弐型がソウ銀の光を放つ。

 白い鎧は黒い鎧にその刃を脳天から打ち下ろした。2人に纏わり付く砂塵を吹き飛ばさないばかりの衝撃音が打鳴った。ソウ銀の刃がみやのアームガードを捕えていた。両者ともスラスターを最大噴射。僅かな拮抗のあと徐々に白式が押し始め、アームガードが悲鳴を上げ歪んだ。

 真はライフルを放棄。アームガードの左腕に右手を添えていた。歯を食いしばりながら言う。

「本当に相性最悪だな!」

 一夏は剣を両手で掴み、更に押す。

「俺はとうに気づいてたけどよ! この機は逃がさねぇ!」

 零落白夜の輝きが増す。白式は一瞬剣圧を緩め、真の左肩から右脇腹へ一閃、袈裟切り。0.4秒。刃はアームガードを再び叩いた。

「何時まで捌ける!」

 一夏、連撃。逆袈裟、右から左への一閃― 右薙ぎ、真はアームガードで捌き続け、一夏の目に疑念の色が沸く。左薙ぎ、右切り上げ、唐竹、股下から脳天― 逆風……

「雄々々々!!!」

 刺突! 一夏の攻撃は超高速で動くアームガードに全て防がれた。突進の効果でわずかに距離が開く。その距離10m。両肩で息をする一夏に、真はいう。

「一夏。お前、自分の身体が遅く感じているだろ? 打ち込む隙は幾らでもあるのに、身体が追いつかない。それはな、お前の持っている速さとはあくまで反応速度だ。お前がトーナメントを勝ち上がった速さとは、それに白式の速さを加えた物だ。これだけ近ければ加速距離は無い。更に一夏は動きが読みやすいんだよ。人間の身体ってな、身体構造以上の動きは出来ない。肩とか腰とか、な。だから効かない」

 一夏は剣の基礎は積んでいたが後は自己流。武術とは見切られない為の、身体捌きや構え、心理的な駆け引きを必要とする。彼はそれの鍛錬を一切行っていなかった。否、今まで行う必要が無かった。それはこの至近距離において、今の一夏が今の真に対し有効であった筈の唯一の手段であった。

「なんで零落白夜をこれだけ受けて平然としてやがる……」一夏は苦々しく言うと、真は「忘れたか?」と打ち込みで傷が幾重にも付いた左腕を掲げて見せた。

「てめぇ、エネルギーシールドを全部……」
「ご名答」

 零落白夜はエネルギー対消滅が最大の特徴であり、唯一の特徴である。真には左腕が無い。それ故に絶対防御が発動する事も無く、弾く為の力場、衝撃を吸収する為の力場、それらの肉体を守る為のエネルギーシールドを全てカットすれば、

「一夏、お前の零落白夜はこの左腕にとってただの鋼の剣。これだけじゃ無い。初手の打ち込みで動きの癖は見せて貰ったし、この腕は肉体の制限を受けないから高速に動く。相性が悪いって言ったのは、それはお前にとって俺が相性悪いって事」
「ぬかせ!!! これだけ距離があるなら十分だ!」

 真、ハンドガンを量子展開。激高し、冷静さを欠いた一夏は足先を狙撃され、姿勢を崩し、フィールドに落下した。墜ちる音と煙が立ち上る。その煙が晴れた頃、光を失った剣をフィールドに突き立て、怨嗟を上げる一夏を真は静かに見下ろした。

「もういいだろ。今は、負けを認めろ。機会なんか今後幾らでもある」
「ふ、ざ、け、ん、なっ!!!」

 右から下へ、下から斜め上へ、彼は剣を出鱈目に振り始めた。そこに太刀筋は無く残った。彼を動かしているのは身内を守るという、一時とは言え忘れてしまった己への憤り、そしてそれをさせた彼への妬みだけだった。

「それは悪あがきというんだ。見苦しい真似は寄せ、織斑先生の銘を汚すな」
「お前が千冬ねぇを語るな!」

 真は後退もせずに、ある時は上肢を揺すり、ある時は左腕で、その剣戯を捌く。

「俺はその冷めたような、スカした面が! お前の存在が気に入らなかったんだ!」

 真は何も言わず、ただ一夏を捌いていた。


「千冬ねぇはお前を頼る!」そえれは責任感の強い千冬が当時生徒の真をフランスに行かせたこと見送ったこと。

「俺の知らない顔をお前に向ける!」それは真が新たな自分を見付けた時の屋上で千冬が送った微笑。

「千冬ねぇはお前を大切にしてる! 俺よりもだ!」それは真が生徒で無くなると生徒に通知した時のセシリアとのやりとり“学園を離れる事は無い”

「お前が! 千冬ねぇを語るんじゃねぇ! お前は! 一体千冬ねぇに何をした!!」


 真は必死の白式の腕を掴むと、足を掛け転倒させた。

「……俺より大切にしている? 馬鹿も休み休み言え。あの人に弱音を吐かせやがって。俺ははらわた煮えくり返りそうだ」

 淡々と語る真に一夏は絶叫を挙げた。2人の少年を見守っていた箒は、勝負は付いたかと安堵の息を吐き、地を這う幼なじみの姿に悲しみを湛えて目を逸らし、そして。足下のシュヴァルツェア・レーゲンを見下ろした。右腕を枕に俯せ、大地に伏せていた。丁度“才”の字の様である。今度は深い溜息をついた。

 その銀髪の少女は真を襲撃したのだ。助けようと伸ばした手が重い。今後の為にも胃薬を用意しなくてはならないな、と打鉄を纏った彼女がそう呟いた時、それが起った。

“実験開始”

 それは肉声では無かった。勿論通信でも無く、思念ですらない。だが確実に箒には、箒だけには聞こえた弾むような声だった。目を見開き、はっと声を呑む。彼女は振り向き天を仰いだ。

 もぞり。彼女の背後でそれは眼を覚ました。

-警告!:カテゴリー3のナノマシン反応を検出! 即時撤収を進言します!-


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 ナノマシンはその力に応じて三つの区分に分けられる。

 カテゴリー1、材料的に短期間で崩壊する弱性の型。相応の資格は必要だが主に医療目的で民間でも使用出来る。カテゴリー2、同じく材料的に崩壊するが、ある程度寿命が長くある程度強力な型。身体能力強化など軍事用途や特殊施設の維持管理に用いられる。これら2つに共通する事は目的を与え制御する事が出来る、つまりは道具。

 そして、カテゴリー3。自己保存本能を持ち、自己複製能力に制限の無い、最も強力な型。人間の制御を受け付けない、人類が生み出した金属生命体。かってヨーロッパの三国を跨ぐ町で眼を覚ましたそれは、24時間以内に地球上の全生命体を駆逐しようと首をもたげた。時の政府は被害拡大を防ぐためプラズマ弾頭を使用した。人類は1万人以上の犠牲者と数万人の後遺症に苦しむ人達を代償に、一切の研究及び所持を国際法で禁止。発覚した場合、裁判無しに極刑に処される。

 それはそれだった。

 それは人の形をしていた。

 二本の腕と二本の足と、胴体と頭。

 それは鎧を纏っていた。

 両肩に浮く短い靴べら形状のショルダーガードと戦車を思わせる分厚いレッグガード。

 それは、人間の女の様なシルエットだった。

 髪では無い何かで形作るそれは長く靡き、一本の剣を右手に握っていた。それは赤い雷を羽衣のように全身に纏い、まき散らし。周囲の物質を焼き、真っ黒い雲を吹き上げていた。その雷は数十メートル、時には数百メートルにも及んだ。その雲は2つ3つの瞬きの後、早々に闘技場の天蓋に達していた。さながら地獄の蓋を切り裂き、地上に解き放たれた、赤と黒の業火を纏う、巨人だった。

 それは打鉄の少女をゆっくり見下ろすと、剣を振り上げた。白い鎧の少年は呆然と姉の名前を呼んだ。

『篠ノ之!』その声で少女の瞳に意識が戻る。少女は巨人の刀身に当たりを付け、足と腰と肩の位置を読んだ。それが人と同じであってくれと願いつつ、踏み込んだ。分厚く黒い剣が瘴気を切り裂き迫る。少女は振りかざした刃でその剣戟を辛うじて受け流す。鈍い音と火花が散った。スラスターを最大出力で吹かし巨人の右脇へ駆け抜けた。

 巨人はISの3倍以上もある巨躯に見合わぬ身体捌きで切り返し、まだ足下に居た少女を捕えた。真はいつも以上に口煩いみやを黙らせると、急速上昇と同時にアンチマテリアル・ライフル“チェイタックM200i”量子展開。30mmx173 HVAP(高速徹甲弾)装填。引き金を引いた。

 銃口から閃光と雷鳴が響く。その反動は吸収され、超音速の弾丸は周囲に衝撃波を撃ち広げ、砂塵を巻き上げた。振り下ろされた巨人の切っ先を弾き、砕き、太刀筋を乱す。逸れた剣圧がフィールドを断つと、その余波で少女ははじき飛ばされた。転がり闘技場の衝撃吸収壁に衝突する。

 少年は叫ぶと光を失った剣を振りかざし、加速、切り込んだ。

『なんなんだよ! これは!』
『一夏よせ!』
『邪魔するんじゃねぇ! これは千冬ねぇの技だ!』

 彼は少年が正気を失っていると判断。左手のアンカーを撃ちだした。高速に振動するそれは速さの余り、黒い影を纏っているように見えた。ワイヤーは弧を描き、回り込むと少年を絡め取り、大地に打ち付けた。引き上げ投げ飛ばす。その後ワイヤーをリリース。

 黒い雲で満たされつつあるその戦場で、両肩の新しい2つの目が唸りを上げる。右肩のLANTIRN-B(夜間低高度赤外線航法および目標指示システム)は命を持たない雲越しの巨人を正確に捉えた。左肩のスナイパーXR(センサーポッド:iAN/AAQ-33)は高速機動下においてでも、意識を持たない巨人に照準補正した。飛び来る巨人の剣圧を左に避け、2発目を撃ち、右肩を砕き吹き飛ばす。巨人は一歩分退いたが、即座に体勢を立て直す。破壊した肩は急速に修復されていった。彼は一つ舌を打つ。

-警告!:敵兵力に有効な装備がありません!-
-警告!:カテゴリー3反応が外部に漏れた場合プラズマ弾頭による殲滅が予想されます!-
-警告!:即座撤退を進言します!-

(何処に逃げるって言うんだ。俺は学園の俺だぞ、みや)

 彼は自身の右手をちらと見ると打鉄の少女にこう言った。

『篠ノ之は白式を回収、撤退しろ』
『どうするつもりだ!』
『策がある』

 少女が見る彼の姿が、対抗戦のとき制御室で見たそれと重なった。傷が付き、濁る刃を右下段に構え加速する。

『嫌だ! お前は戦うのだろう!? ならば私も共に行く!』
『……箒、一夏を見捨てるな。多分きっとそれが本来の在り方』
『真、私は―』
『足手まといだ。下がれ』

 少女は立ち止まり躊躇いの後、少年に向かった。彼はそれを確認すると銃を投棄、飛翔した。それを見た少年が叫ぶ。

『やめろ! 真! それは! それだけは俺がやらなくちゃいけないんだ!』

 少年の中に記憶が流れ込む。それはエネルギーが尽き鎧を失いつつも、少年だけの少女たちが協力し打ち倒す記憶。それはこの今の少年が知らない、本来知るはずだった記憶。

 彼はエネルギーが尽き、地べたに這いずる少年を見流すと迫る巨人に向かう。少女は少年を左肩に担ぐとスラスターを吹かし離脱した。

「放せ! 箒!」
「黙れ!」
「お前は俺の味方じゃ無かったのかよ! 俺よりあいつを取るのかよ!?」
「黙れと言っている! これ以上私の信頼を損なうな!」

 少年は右手をかざすと、徐々に遠くなる巨人の中に、取り込まれ逝く彼を、為す術も無く、絶叫した。

「止めろ! 止めるんだ! 止めてくれ……」



 俺を奪うな!!!





 選ばれし者と選ばれてしまった者
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 世界とは泡。

 無に浮かぶ泡。

 無とは。

 始まりも無く、終わりも無く。

 高位の意思も及ばず、無く。

 時間も無く、距離も無く。

 唯一の理によって永遠に回り続ける閉じた系、永久機関。

 何かはそれを混沌と呼び、またある者は虚無と呼んだ。

 世界とはこれに浮かぶ泡。

 産まれ、弾けて、消える、泡である。

 無数にある世界。

 一つの世界に一人、完全なる者が居る。

 彼は力を自覚しない。

 だから力に溺れない。

 彼は一人の誰かを愛さない。

 だから誰もを等しく愛する。

 彼は目的を持たない。

 だから全ての者の為に立つ。

 全ての者に愛され、全ての者の守護者。

 それは超人であり、神であり、そして英雄である。

 世界は独立し交わる事は無い。

 だが世界は存在する生ゆえに矛盾を内包する。

 無限の条件が重なり、ごく稀に世界を渡る者が居る。

 ある時二つの世界は交わりある者が別の世界に現れた。

 渡ってきた者は汚れていた。

 深く、黒く、決して断つ事の出来ない糸に絡まれ汚れていた。

 偉大な力を持つ、その資格を持たない矛盾した者。

 歪んだ英雄。

 歪んだ英雄は災厄を招き寄せた。

 宙に浮かぶ過重力の渦の様に。

 二人は出会ってしまった。

 この世界の真なる英雄と、歪んだ英雄は出会ってしまった。

 真なる英雄は卵だった。

 出会うのが早すぎた。

 這いつくばる歪んだ英雄は真なる英雄の足を掴んだ。

 元来、力強く、気高く、無限の慈悲を持つ真なる英雄は、

 成長する、否、目覚める契機となるはずの試練を奪われた。

 徐々に汚れていった。

 汚れつつある真なる英雄。

 世界は歪み悲鳴を上げる。

 泡が歪に撓む。

 弾けんばかりに歪む。

 世界は、その歪みを否定した。


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一夏をこの様に解釈すれば、

朴念仁も、戦いに対する無頓着さも。

原作のラウラ戦の後、一夏がラウラに告げたセリフ、

「強くなんか無い。強くなりたいから強いのさ」

これは目的では無く手段のことを指していると思いますが、これも。

千冬が「一夏を見ていると強さとは云々」とかも。

その辺も上手く辻褄合うと思うのです。


それで一夏と真の有り様はこうしました。

イエイ、有り様、イエイ。

2012/12/08


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