何時ものやり取りをしている間に説明会場となっていた体育館からぞろぞろと人は抜け出しており、その中にはターゲットである社長もいた。 社長を追って、俺はアリスを伴いグラウンドへと繰り出す。 グラウンドでは今回の目玉企画の一つが模擬開店中で、それを目当てに大半のお客様が移動しているのか、なかなかの人混みでターゲットを探すだけでも苦労しそうだ。 といっても足で探すなんて無駄な真似なんぞしなくてもここはVR。社内チャットで座標位置を聞いた方が早い。『大磯さん。社長ってどこです?』 仮想コンソールを展開して、左手で手早く打ち込むとすぐに目の前にウィンドウが表示され返事が返ってくる。 『んと、ここだね。矢印表示と。なに。どしたの三崎君? ……あ、噂の奥さん一緒か。ひょっとしてあれ。社長に仲人を頼もうとか?』 会場案内役を引き受けている大磯さんが、からかい混じりの笑い声を上げながらも、俺の視覚にマップと矢印入りのナビゲート情報を送ってくれる。 うむ。こういった矢印とマップ表示を見ると気分はお使い……もといサブクエストな感じだ。 にしても、アリスの存在は某開発部の女傑のせいでプレイヤー時代から社内でも有名だったが、おれとの関係は一体どういう風に伝わっているのやら。『それは無いっすね。ゲーム内だけならともかく、リアルで一度も会った事の無い奴を相手と結婚する趣味は無いんで』 はてそういえば、アリスに相当ご熱心だったあの人が、アリスと直接顔を合わすこの機会を逃すはずは無いと思ったのだが、今の今まで接触してきていない事に俺はふと気づく。 佐伯さんらしくない行動に疑問を抱くが、忙しくてそれどころで無いのか、それともいつぞやのように隠し撮りでもしているのかと思いつつ、大磯さんに適当に相づちを返す。『いやいやそんな言い訳は通用しないってば。さっきなんかもあんな所でいきなりハイタッチ交わしたりしてたし仲良いじゃん』 見てたのかあんた。いやまぁあの状況であんな目立つ真似してりゃそりゃ目にも入るだろうが、スルーして欲しいと思うのは調子のいい願いだろうか。 大磯さんも女性の多分に漏れず、他人のこの手の話は大好物な御仁だ。 下手に動揺したり、意味深な答えを返しでもすれば、後でからかわれるのは目に見えているので触れずに用件だけを伝える。『こいつがうちの社長に挨拶したいって言うんで紹介にいこうかと思ってます。一応こんなでも会社の社長なんで。というわけで一応お客様のご案内。本日の業務の一環です』 俺のこの時間の仕事はお客様からのご質問やご案内の応対。勝手知ったるアリスと言えどお客様。一応問題は無いだろう。『あーちょっと今取り込み中だから後の方がいいかもよ……でも紹介って三崎君らしからぬありきたりな答え。なんか企んでる?』『企むって人聞きの悪い。ナビありです。様子を見つついきますよ』 自分の社内評価が何とも気になる発言は無視して、礼を言って大磯さんとのチャットを打ち切る。 取り込み中ね。状況を上手く利用できるようならいいんだが。「アリス。パーティ情報共有」「ほいと。ん、シンタあそこだよ。あの辺人混みすごいね。休憩所だっけ?」 俺が送ったパーティ申請を慣れた手つきで弾いたアリスは送られてきた位置情報を一瞥してから、きょろきょろと顔とウサ髪を動かして場所を特定しグランドの一角を指さした。 その指が指し示すのは休憩所として二棟展開してある東屋。その周りには人だかりが出来ている。 そういやうちの社長って酒飲みのくせに甘い物好きだったな。大福つまみにポン酒とあり得ない組合わせしてたし。「あぁ。なんか取り込み中らしい。んじゃアリス。様子見つつ仕掛けるぞ」 計画の骨子たる基本路線を語り終えたばかりの社長の周りには、他の企業の人らや、開発者が集まっているのが遠目にも判るが、和気藹々とした歓談という雰囲気では無く、なにやら殺伐とした空気を感じる。 何が起きてるのやら。 このような状況で乗り込んでアリスを紹介しつつ新規計画を披露するにはちと状況が悪い。挨拶もそこそこに流れに飲まれてしまう。 どうするかと思いつつも、とりあえずは見て判断だな。「りょーかい。あ、でもシンタその前に一つ良い?」 出鼻をくじかれた状況に気づいているんだろうが、気負った様子も無く軽く答えたアリスだが、その視線はミニマップの会場解説欄をじっと見ていた。 東屋で展開しているのはアリスの嗜好ドストライクな催し。やはり気を引かれたか。この甘党は。「食べたいんだろ。成功祝いはユッコさんご推薦な菓子と洒落込もうか」「うん。ありがと。じゃあちゃっちゃと終わらせようか。いつも通りヘイト管理は任せるね」 防御重視の俺がヘイトスキルでターゲットを集めて攻撃重視のアリスが強スキル連打。俺らのコンビ戦の基本形態だったが、ゲーム外でこの会話をすることになるとは。 要は会話の主導権をこちらに引き寄せろって事だろうがヘイト管理という言葉を使うアリスに呆れそうになる。 とことんゲーム脳だな。こいつは。「あいよ。んじゃ前に行くぞ。GMスキル発動位相透過。同行対象アリシティア・ディケライアと」 仮想コンソールを呼び出してポンポンとキーボードを叩きスキルを発動させる。ちと反則なチート技だがお客様をかき分けて前に出るのもまた失礼。 要は俺らからは周囲の姿は見えているが、周りの人間からは見えずいかなるスキルにも感知されない、ゲーム内での取り締まりを行う巡回用の基本スキルだ。 読んで字のごとく仮想体を位相透過状態へと移行させた俺らは二重、三重になっていた人混みをあっさりとすり抜け最前列へと飛び込む。 姿を隠している俺らに気づいた人間は誰もいないので、急な割り込みにも文句の声は上がらない。「あなた方の不用意な自主規制のおかげで、私を初めとした多くのVRMMOユーザーが住むべき世界を失った事をどうお考えですか」「あーそうですね。ただあの時点では原因までもさすがに。まぁ転ばぬ先の杖という感じで。いや結果大げさだったでしょうかねぇ。いやはは。なかなかに手厳しいご意見ですね」 前へと出た俺の耳に響いたのはどうにも険のある女性の声と、そんな敵愾心丸出しな相手にもいつも通りの軽い口調で返す社長の声だった。 女性の鈴の音のように響く声は不自然なほど透き通っている……ん。こいつひょっとして。 一瞬脳裏を掠めた疑念を片隅に追いやりつつその嫌悪感を隠そうともしない声の主へと、目をやり俺はつい言葉を失う。 細やかな装飾が施されたプレートアーマーに身を包んだ金髪美少女だった。 徹底的に手を入れた自作MODだと一目で判る不自然なほどに整った造形と狙いすぎた美少女顔には色違いの赤と銀色の双眼。 しかも止めとばかりに、その絹糸のような髪からは少し尖った狐風の耳がにょきりと顔を出していた。 ゲーム内ならおなじみなライカンスロープ。平たく言えば狐娘がそこにいた。 周りがスーツ姿な営業リーマンやら、むさい開発系の技術者ばかりの中では、悪い意味で異色な存在だ。 今回は企業向けの説明会ではあるが、特に服装や仮想体の仕様に制限は付けていない。この業界、変人、奇人が多いがいくら何でもこの手の集まりにここまで趣味丸出しな恰好で来るとは考えてもいなかったからだ。「なぁアリス………………アレお前の知り合いか? リーディアンの時のお前の仮想体に似てるんだが、あの動物耳とかの痛い装備が」 何ともTPOの読めていないそれを見て、ついつい横の相棒に疑問混じりの声で問いかける。 この女性(?)のこだわりまくっているであろう仮想体は、ロープレ派として名高かったアリスの仮想体に通じる物がある。 ひょっとしてどこぞの宇宙人じゃ無かろうかという疑念がよぎる。地球の常識が通用しないなら、このような場にこの恰好で来ても仕方ないと思うべきだろう。 アリス以外に地球のVRMMOに参加していた奴がいないとは断言できないし。「違うってば。シンタどういう目であたしの事見てるのよ。あんなあざといのあたしがやるわけ無いでしょ……もっと予想外の恰好で来てると思うけどあんな目立つアレは無いから」 俺の物言いが癪に障ったのか、アリスは頬をふくらませる。 こいつの場合は一件狙いに狙ったウサミミ付き仮想体でも、リアルな肉体とほぼ同じという反則存在だから、一緒にするなという事だろうか。 関係を問うた前半はきっぱりと否定。後半の物言いが気になるが、しかしこいつはこいつで宇宙の方で動いているだろうから、何かしらやっているんだろうと信頼してスルーする。 さてすると何者だ。こちらのお客様は。『大磯さん。状況教えてもらえます。相手のデータ込みで』『はいはいっと。えーとお客様は『クロガネ』様。うちじゃ無いけど他の国産VRMMOでの有名プレイヤーでカリスマゲーマーって人。ゲーム内やブログなんかでゲーム内で楽しんでもらう為の秩序形成とか初心者育成の手伝いとか訴えたりする反面で、PKPなんかを力尽くで排除するべきだとか、結構過激な発言+有言実行。対PKギルドを作ってシンパも多かった人だね』 俺の質問に一瞬の間もなくすらすらと大磯さんが答えを返す。さすが受付の達人。 しかしカリスマゲーマーね。なんだってそんなのがこの企業向け説明回にいるんやら。『VRMMO系ブロガーやVR雑誌コラムニストとしても活動してたみたいででその取材って名目で今回は参加。でもそれは建前で、どうもうちの事が気に食わなくて妨害に来たみたい。参加していたゲームは昨今の流れでサービス終了してて、VR業界全体がそんな風に衰退した遠因がうちの社長だって食ってかかってるところ』 『あの事件が大本でその他諸々、原因やら理由はありますけど、むしろ社長はそれ防ぐ方に廻ってたでしょうが。業界の足並み揃えた運営停止とか地味な根回しなんかをしてたんだし』 根拠の無い言いがかりに俺は唖然とする。話を聞いた感じではネットでは結構な影響力がある御仁のようだが、なにやらめんどくさそうな予感を感じる。『あーそれそれ。自主規制主導したでしょ。お客様曰くアレが原因だって。HSGOで起きた事故なのに、過剰反応したからVR反対派を活気づけるいい材料になって、業界全体も自分たちが悪いと認めたようなもの。だから規制がされたんだって』『え-と……要はHSGOだけの問題なんだから、他は問題なしと強気でいかなかったから規制が酷くなったと。そして自主休業を主導したうちが悪いと……なんすかその風桶理論は。うちの社長はどう反応してるんです?』 俺からすると筋が通っていないんだが、一方的にまくし立てているお客様の様子から見るにその理屈理論を心底信じているのが判る。 自分が正しい。他が間違っているってタイプか。うむ。予想通り面倒そうだ。 まぁ幸か不幸か、うちらの業界に限らず、サービス業ではお客様からの理不尽な言いが……もとい、ご意見を頂く事が多いんで、この手の輩にも慣れたもんだが、なるべく協力者を集めたい今回のような場でその雰囲気を壊すのは勘弁して欲しいところだ。 そんな願いも空しく、このお客様の可愛らしい外見に似合わないねちねちとした嫌みったらしい言葉は延々と続く。ふむ。この感じやはりあれか。 『そりゃ見てのごとくいつも通り。ノラリクラリと交わしつつ矛先分散な感じで煙に巻いてるけど、普通なら丸め込まれるか、諦めるんだけど、今回はかなりしつこい人なんで話がループしたりして進まないね。絵に描いたようなクレーマーだって感心したくなったところ。なんか変化の一石でもあれば状況が動くかもね……っとはい? 三崎君にですね。判りました伝えます……三崎君。中村さんから。とりあえず応対変わってくれだって。社長自身はこの状況を楽しんでいるみたいだから長くなりそうなんで切り上げさせろって』 社長はお客様から直接頂く意見とか社内での討論とかを好む方だが、さすがに今日のスケジュールでは終わりまで討論という余裕はないので、中村さんからストップが掛かったようだ。『了解しました。じゃあ切りの良いところで食い込みます』 他の方への挨拶回りやら社長にはやって貰いたい事がいろいろあるのにここで一人のお客様に時間を取られるのは会社的に困るし、個人的にも問題有りだ。 改めて社長とお客様に視線をやると、まだまだ話は続いているようだ。 どうやらこのお客様はうちの社長から明確な謝罪を引き出したいようだが、他にも何か狙いがあるんだろうか。「もし自主規制するにしてもご自分達だけでなさればよかったのでは。あなた方の運営なされていたような過疎化していたゲームなら参加していたプレイヤーも少なかったご様子ですが、私共の世界『カーシャス』は接続アカウントは国内VMMO最大手。そのプレイヤーが一斉に路頭に…………」 当時の国内プレイヤー最大は”米国産”HSGOで大きく引き離されてはいたが、このクロガネさんとやらが上げたVRMMO『カーシャス』は二番目。”国内開発”としては最大登録者数を誇ったゲームだ。 カーシャスユーザーは自分たちのゲームが国産でもっともプレイヤーが多いって事に、矜持を持っているってのは聞いていたが、なるほどこういう感じか。 うちを弱小扱いされるのはちと気になるが、まぁ登録規模から考えれば桁が一つ違ったからそれは仕方な……「シンタ。解除」 いつ切り込もうかと珍妙な恰好のクレーマー様をほとほと呆れてみていた俺だったが、何とも恐ろしい怒りを押し殺した雰囲気を纏った短い声に視線を横に向ける。 そこにはウサ髪がジャキリと立っている臨戦モードで親の敵のような目でクロガネさんを睨む我が相棒の姿があった。「断る。お前絶対喧嘩吹っ掛ける気だろ。止めとけ止めとけ。収拾つかなくなるから」 怒った原因は容易に予想がつくし、この後のアリス行動も手に取るように判る。だから俺はにべもなく断る。 自分が招いた客であるアリスがお客様と他のお客様の前で大喧嘩。始末書所か減俸で済めばいいレベルの大事になりかねない。 「っ! シンタ! 悔しくないの!? 過疎ってる言ったんだよこの狐! カーシャスみたいな課金天国なゲームプレイヤー風情が!」 沸点が低い奴だ。ヒートアップしてかなり口が汚くなっている。ゲームを馬鹿にされて激怒するって、ホントにこれが銀河を支配した王族の末裔なんだろうか。俺は担がれてるんじゃ無いだろうかと思わずにはいられない。「まぁ面と向かって言われりゃいい気はしないが怒ってどうこうでも無いだろ。他社のゲームユーザーも大体は自分のやっているゲームが一番と思ってやっているんだからよ。第一アリスのさっきの発言も、こちらさんと同レベルじゃねぇか」 課金ゲー。いわゆるリアルマネーが強さに直結するゲームってのはいろいろ言われているし、個人的にはどうよと思いつつも、業界の人間としては仕方ないと思う部分もある。何せうちらも商売。自分らの飯を食うための金が入らない事にゃ、夢も希望もありゃしないんだから。 ただでさえ昨今のVRゲーム開発・運営は高性能化に会わせて初期投資の費用やら維持費に金が掛かるので利益を出すのが難しい。 それこそスタートダッシュに失敗してプレイヤーが少なかったり、飽きられて過疎ったゲームがサービス停止になったのはよく聞いた話だ。「らしくない! シンタらしくない! あたしにリーディアンのおもしろさ教えてやるって言ったときの気持ち忘れてんじゃ無いの! このままに言いたい放題にしておく気なの!?」 俺が若干冷めた様子なのが心底むかついたらしく、なにやらアリスの怒りの矛先が俺に向いた。 そんな怒りを受けつつも俺は肩をすくめて仮想コンソールを呼び出す。「忘れた? 冗談じゃ無い。これでも社会人3年目だぞ。暴言程度で怒ってちゃGMなんぞ出来るかよ。成長したと言ってくれ。それにそのままにする気も無いっての。人の事ナンパ師やらたらしなんぞ言いやがってた癖に俺の得意技を忘れたのかお前?」「だって! ……ってシンタまさかこれ引き込む気なの!? すごい逆恨みしてて、敵愾心あるみたいだけど!」 激高しかけたアリスが一瞬固まってから、俺の得意技を思い出して再度驚きの声を上げる。 俺の得意技。それは味方を作る上手さ。協力プレイ前提なネットゲーマとしては基本にして最重要な手。ゲーム内で磨き上げた俺の勧誘スキルを久しぶりに見せてやろう。「ゲームじゃなくて世界って表現して、それを奪われた事の文句を言うためにゲームの仮想体で来るなんてことも出来る、空気のよめな……熱くなれる人種だ。お前と案外、話し合うんじゃねぇの? なら敵にするよか味方だろ。てな訳で切り込むぞ」 カリスマゲーマにしてブロガーでVR雑誌でもコラム持ちね。なるほどなるほど。こりゃ良い。カモがネギしょってきたとはこのような状況を言うんだろうか。 周囲にもギャラリーを集めてくれている良い宣伝塔発見。引き込む第1号はこちらの狐娘(仮)にしておくか。 何を思ってうちが規制の遠因だという逆恨みを抱いたのか、皆目見当もつかないが、そこらは交渉しつついってみるか。 上手い事、話を組合わせて、今日の目当てである本命の流れに持っていくステップに出来れば上出来ってな。「うー。シンタってホントに大変所ばかり選ぶんだから。しかも楽しそうだし。りょーかい。そっちに合わせるから……これで見た目にころっと転がされたとかだったら、怒るからね」 俺のターゲット選定に納得はいかない様子だが、不承不承ながらもアリスは承諾する。 見た目? いやいやそれは無いっての。たぶんこちらの御仁はアレだ。そう俺の勘が訴えている。 確信めいた物は抱きつつも、その直感が忘却したい記憶に繋がるので言葉に出さず俺はコンソールを叩く。 次の瞬間位相透過状態が解除され、俺とアリスは人だかりの最前列、対峙する二人のすぐ横に出現する。「お話中失礼します。社長。お客様の応対を変わるようにと中村さんから」「あぁ三崎君か、いやぁ悪いね。僕が至らないばかりになかなか厳しい意見を頂いていてね。お客様からの意見ってのはやはり勉強になるねぇ。ついつい聞き入ってしまってたよ」 あいも変わらない軽い口調と惚けたことを言う社長はどこまで本気なのやら。何ともらしい言葉に呆れつつ俺はお客様に身体を向けて深々とお辞儀する。「お客様。失礼いたします。ここから先は私三崎がお客様の応対を」「来たわねGM三崎……裏切り者が」 大仰なほど馬鹿丁寧な礼をする俺の言葉を遮って向けられたのは、お客様からの殺意にも似た冷たい視線と侮蔑の混じった意味不明な言葉だった。