特別編を読む前の注意事項その1・この特別編は「真剣で私に恋しなさい!!」のキャラクターが出演します。その2・この特別編を読む前に、まじ恋の体験版をするか、まじ恋のキャラクターの概要を掴む事をオススメします。その3・これは「まじ恋」本編が始まる約二年前の設定です。その4・作者も気を付けますが、軽度なネタバレはあるかもです。(NARUTOで言ったら、実は影分身を使って修行すると凄い成長が早い…ていう程度のもの)とりあえず、まじ恋に関しての超重要レベルのネタバレ、例えるならイタチとサスケが闘う前に『実はイタチはずっとサスケの事を守っていた。』を暴露する様なレベルのネタバレは、まず無いのでご安心下さい。あと、今回は一部激しくネタに走っています。それでは、以上の事を踏まえて特別編をお楽しみ下さい。========================================……“侍”…………国花と言われる桜の花や富士山と同じ様に日本を認識する上で使われる独特な語句…………侍の存在は、既に消えてしまっているけど…………嘗て彼等が抱いた武士道は、力と美の象徴として今も日本人の心に深く刻まれている…………そして、侍と同じ様に日本を認識する…もう一つの語句がある…………それは…………“忍”……七浜・とある和菓子店そこで、二人の男が向かい合ってお茶を啜っていた。イタチとミナトであるミナトは黒い薄地のシャツにジーパンイタチは今日は非番なので、白のYシャツの上に灰色のベストにスラックスと、普段着を着ている。「…ぷはー、うん美味い。やっぱり羊羹には緑茶だよね。」「その意見には賛同します。しかし、美味いですね…この芋羊羹。」「でしょ? 鉄一族御贔屓の老舗和菓子店の看板商品だからね。そんじゅそこらの物とは一味違うよ。」二人はそう言って、目の前の小切りにされた羊羹に楊枝を突き刺して口に運ぶ口当たりの良い、上品な香りと甘味が口に一杯に広がり、味を十分に堪能した後に飲み込む。うむ、美味い。突然のミナトの誘いに、イタチはまたミナトが暴走したものかと思ったが実際はそんな素振りを見せず、なにやら自分に話があるらしくてまずは自分と菓子を摘みながら茶をしよう、と言ってきたのである。まあ、今日は特に予定も無かったのでイタチはミナトについて行く事にしたのである。「…で、何ですか? 話と言うのは…?」「うん、実はイタチくんにお願いがあるんだ。」そう言って、ミナトは神妙な顔をしてイタチに向き合うその真面目な表情、どうやら真剣な願いらしい茶を一口啜って、イタチはミナトに向き合って突如、ミナトはイタチに頭を下げた「イタチくん! 突然の事で申し訳ないが、今度の土曜俺と一緒に川神まで来て!!!」君が主で忍が俺で・特別編『真剣で忍に挑みなさい!!』第一話「四天王」「…それで、何故俺にその川神市の川神院にまで来て欲しいのですか?」事情が今一つ分からず、イタチはミナトに尋ねる。そして、ミナトは顔を上げて「実はさ、この間…川神院から俺に通達が来てさ…」「通達? なんて?」「俺に、『武道四天王』の一人になれってさ。」ポツリと、ミナトは言う。武道四天王日本の武術の総本山と言われる川神院が認める、最強の武人の称号年齢が学生、若しくはそれに準ずるまでの若者という縛りはあるが…その称号を持つ人間は常に最高クラスの実力者である。そして、この称号を手にする方法は至って単純現四天王と闘い、勝てば良いそして現四天王に勝てば、その人間はその場で四天王の称号を手に入れ、四天王は負ければその座を即座に剥奪される。このシステムは「人生とは常に闘い」の言葉を掲げている、川神鉄心が決めた物である。「……ふむ、大体の事情は分かりましたが…なぜ、貴方がそれに選ばれたのでずか? 表立っての武術は辞めたと言っていた気がしますが…?」「…まず、選ばれた理由だけど…そもそもの事の発端は、四天王に空きが出ちゃったからなんだ。」「空き?」「……揚羽ちゃんが、四天王の座を返上したらしくてさ。」「揚羽? 九鬼揚羽の事ですか?」イタチがそう言うと、ミナトは頷く「それで、その揚羽ちゃんから俺の事が伝わったみたいで…だから俺がその新しい四天王候補の筆頭になったらしいんだよ。 それで、その事で川神院から通達が来て……四天王に足る実力があるか見極めたいから、今度の土曜、川神院に来いって……は~あ、やっぱり口止めくらいしとくべきだったかな? マジふざけんなよ、あの腐れデコ女。」なぜか、軽く口調が変わるミナトイタチはマズイと思って、咄嗟に切り替えした「……要は、貴方はその招集に自分も着いて来いと? 理由は?」「不安だからに決まってるじゃない。四天王なんてなりたくもない称号を押し付けられて、折角の休日潰してアウェイに単身で乗り込むんだよ?行きたくないに決まってると思わない? 行くにしても一人じゃ絶対嫌だよ。」「アウェイ…敵地ですか? 随分な物言いですね。」イタチが尋ねると、ミナトは再び重い溜息を吐いて「俺さ、八年くらい前に鉄の親族に頼まれて、俺にもう一度武術をしてみないかって話に来た鉄心さんの面子を思いっきり潰しちゃったんだよ。武の世界では神様みたいに崇められてる人の面子を、たかだか十歳程度のガキが潰したんだよ?もう、ここまで言えば分かるでしょ? 色々とあーだこーだ言われた訳よ、鉄心さんは色々な人に慕われてたからね…。まあ元々説得に来た鉄心さんも乗り気じゃなかったから、そんなに大事にはならなかったけど、外野の声が色々有ったらしくさ…それでも、俺の意思を尊重してたジンじいちゃんや俺の父さんと母さんも色々と中傷されたらしいんだよ……ほんと、雑魚の癖に口だけは一丁前の連中ってマジむかつくよね。まあ五~六人裏で俺考案の大蛇丸ごっこに付き合わせてやったら大人しくなったけど。」「取りあえず落ち着いて下さい。草餅でもどうですか? 奢りますよ。」「本当? ラッキー! おばさん注文、草餅二つね!」ミナトがそう言うと、店員の女性は笑顔で了承した。とりあえず機嫌が治ったミナトは話を続ける。「…ま、つまりはそういう事。川神院の人達は基本良い人達だけど、あの人達は日々真面目に修行してる人達だからね…俺みたいな「気まぐれな才子」、しかも鉄心さんの面子を潰した俺には少なくとも良い感情は持っていないさ。」「ふむ……しかし今思ったのですが、その四天王とやらの座を辞退してしまえば宜しいのでは?」何となく、イタチは尋ねる。下手に話をごちゃごちゃにするよりも、こっちの方が後腐れなくてよっぽど簡単で建設的な解決方法に思えたからだ。しかし、ミナトはそれを否定する。「それは火に油だって。只でさえ俺が武術を辞めて、鉄心さんの説得を聞かなかった俺が間接的にとはいえ揚羽ちゃんを四天王の座から引き摺り下ろして、しかもその座を辞退?しかも俺、十年前に武術を辞めた身でありながら、ずっと真面目に修行してきた揚羽ちゃんより上回っている事になってるんだよ?そんな事したら、絶対また面倒くさい事になるって。こういうのは尾ひれが付いて広まるものだからね。イタチくんもある程度知ってると思うけど、ああいう中途半端に身分や権力、力を持っている人間って、勝手な物差しで上から目線で威張ってる奴等が多いんだよ…。」疲れた様にミナトは語って、イタチは数日前の久遠寺家のやり取りを思い出す。……そう言えば、揚羽と小十郎も…初めはかなり敵対的な雰囲気だったな……その事を思い出す多分、この人が言っている事は事実だろう。「いや、俺の事は自業自得だから別に良いけど…それで外野から俺の両親やジンじいちゃんが中傷されるのは我慢できないんだよね…まあ今度そういう事になったら、『変化の術』を使ってそいつ等を社会的に抹殺してやるけどね。」クククと、顔を歪ませて「忍術って、ステキー♪」とミナトは笑いながら呟く。「……なるほど。」イタチは重く頷く嘗ての自分なら「何を馬鹿な事を」と言って、一笑に付していただろうが………今のこの人なら、本当に殺りかねん……注文した草餅を食べながら、イタチは思った。「まあ要するになっても苦痛、ならなくても苦痛っていう面倒な事態なんだよ。」「さっきから話を聞いていると、貴方はその四天王とやらになりたくない様ですが…そんなに貴方はその座に付きたくないのですか?」「付きたくないね。さっきも言ったけど、俺には色々と居心地が悪いんだって。……それに、他に納得できない理由がある。それが有る限り、俺はそもそもあの四天王を認めるつもりすらない。」更に表情を引き締めて、真剣な雰囲気を持ってミナトは語る平時のミナトの時の人懐っこい表情とも暴走時の歪んだ表情とも異なる真剣なる表情そのミナトの顔は、イタチの記憶にあるあの四代目火影の顔であった。「…なるほど、随分な物言いですね。出来れば、その理由を教えてくれませんか?もしかしたら、この一件の解決の糸口になるかもしれません。」「……そうだね。確かに、君にはその理由を知る権利があるね……。」ゆっくりと、そして深く、ミナトは溜息を吐くそして、ミナトは目を瞑る。辺りの空気が、緊張感に収束されて、重いプレッシャーになる糸が張り詰める様な緊迫感その剣呑な空気に、イタチは思わずゴクリと息を呑む。もしかしたら、自分の一族や日向一族の確執の様な理由があるかもしれないのでは?と、イタチは思って真剣に聞く姿勢を作る。ミナトはゆっくりと目を開けるそして語る。「そもそも俺が認める四天王は『ゴルベーザ四天王』だけだ。」「…………………はあ?」その聞きなれない言葉に、イタチは思わず呆気に取られた。「……ご、ごるべーざ?」ゴルベーザ四天王……某有名大作RPGシリーズの四作品目に出てくる敵幹部、名前の通り主人公達の宿敵ゴルベーザが結成した四天王である。「…と、いう存在だよ。」「……まあ、粗方の概要は分かりましたが。」たどたどしく、イタチは語るが「いやね、超格好良いんだよ、マジで。、俺の携帯の着メロは『ゴルベーザのテーマ』だし、アラームは『四天王戦』だからね。勿論待ち受け画像はゴルベーザ、ちなみにメールの着ボイスはあの名言『さあ、回ふ……」「いえ、もう結構です。要は架空の存在な訳ですよね? それならそこまで拘る必要は無いのでは?」そうイタチが言うと、ミナトは一瞬、養豚所の豚を見る様な目でイタチを見た後「イタチくん、君に質問しよう」「…はい、何でしょう?」「君は見ず知らずの人間が勝手に『うちは一族』の名を語っていたら、どう思う?」「……なるほど。」その問いを聞いて、イタチはほんの一瞬の間を置いて答えた。少なくとも良い気分はしないだろうし、場合によってはその場で排除・抹殺の手段にでるだろう。要はそういう事だ。これは個人の価値観と感情の問題という訳だ確かに自分の物差しでは、計りにくい問題だ。「ま、要するに生理的に受け付けない訳だよ。それを抜きにしても自分にとっては居心地悪いし面倒くさいしハッキリ言って、俺にとっては嫌な事尽くめなんだよ。」「……確かに、それは考えますね。」どうやら、自分の考えを少し改める必要があるらしい。思ったよりも、この問題は根が深そうだ。さて、どうしようとイタチが考えた所で「…って言うか、いつも思ってるんだけど、あいつ等はどうして我が物顔で四天王語ってるん?なに、そんなに死にたいの?つーか、鉄心さんも鉄心さんだよ何「四天王」なんて勝手に作ってんの?しかも武道の四人だから武道四天王なんて安直だしドスが効いてない、大体全員が同じ様な実力で同じ様な武人キャラって何ソレ?少しはキャラを差別化しろよそもそも四天王には最弱で人格が腐ってて人として器の小さい残虐非道で主人公一派の踏み台になる噛ませ犬的存在が絶対不可欠なんだよ、そういうキャラが居て初めて武人キャラが引き立つんだよ、じゃなきゃ話が盛り上がらないだろうがプレイヤーが飽きるだろうが飽和してるってレベルじゃねーぞ。それに比べて「ゴルベーザ四天王」、土水風火の四属性から構成される精鋭だぞ?しかもこっちは皆キャラが立ってるんだぞ?死して尚恐ろしい土のスカさんがいるんだぞ?寂しがりやなカイさんがいるんだぞ?竜巻になれてガチで強いバリさんが居るんだぞ?そして四天王最強で相手と常に正々堂々勝負してくれる超紳士なルビさんが居るんだぞ?コッチはゴルベーザだぞ?横文字が入ってんだぞ?和洋折衷だぞ?どう考えてもこっちの方が適確だろうがさっさと改名しろよ、他に無いなんて言い訳すんなよ?巷では三闘神や四魔貴族、五聖刃に六神将、七武海や十本刀なんていうオサレなネーミングだってあるんだよ、舐めてんじゃねーぞコラ」「とりあえず落ち着いて下さい、普通に不気味です。」……前言撤回、思ったよりも浅い…かもしれない……完全にスイッチが入ったミナトを見て、イタチはそう思った。「と、言う訳でイタチくん…俺、どうしたら良い?」「もういっその事、その武道四天王とやらの筆頭にでもなってゴルベーザ四天王なりオルゴール四天王なりに改名すれば良いのでは?」疲れた様にイタチは呟くもうこの事を難しく考えるのは、何やら馬鹿らしく思えたからだ。しかし、この数秒後イタチはこの言葉を言った事を心の底から後悔する「……良いね、ソレ。」ポツリと、ミナトは呟く「……は?」「うん、うん…確かに、どうしてこんな簡単な事に気付かなかったんだろう。うん、正に目から鱗だ。」イタチの言葉に納得したかの様に頷いて、ミナトは言う。あれ、この流れ不味くない? ひょっとして地雷踏んだ?等とイタチは考え「よーし、とりあえずやる事は決まったぞ。先ずは手始めに土曜に川神院に行って、他の四天王を軽く皆殺しにして…」「ちょっと待て。」ガシリとミナトの肩を掴んでイタチが言う。動揺のあまり思わずタメ口になってしまったが、まあご愛嬌というヤツだ。「どうしたルビカンテよ? そんなに怖い顔をして。」「やめて下さい、誰がルビカンテですか? とりあえず、落ち着いて下さい火影様。」「そんな称号は既に無い、俺の事は『ゴルベーザ』と呼びたまえ。」「お断りします。いい加減にしないと火遁で焼きますよ。」額に手を置きながら、イタチは呟く。どうしてこんな事になってしまったのだろう?更にミナトはドコからか紙とペンを持ち出して「うーむ、他のメンバーはどうしようかな? まあ水はどう考えてもあの人が適任だよね、強いし風格あるし……でもあの人、こっちに来てるか分からないからなー。まあ風は、思い付く限りあの娘しかいないかな? 何気に上忍だし…あ、ダメだ。あの娘は良く考えたらシカマルの嫁だ、っていうかあっちで元気にやってるわ。土はな~何人か思い当たるが、皆今一つだな……あ、そうだ! アイツが居るじゃん!……ダメだ、アイツよく考えたらあの婆ちゃんが生き返らせてたわ…うむ、少し困ったな。」「とりあえず止めて下さい。他の人を巻き込もうとするのも本当に止めてください。」「むう、まあ確かに土曜まであの四天王を潰せる四属性を揃えるのは厳しいな。 仕方ない、今回はルビカンテのみで我慢しよう。」「……既に俺が行く事は決定しているんですか?」疲れた様にイタチが言うと、ミナトは思い付いた様に手を打って「あ、そう言えばイタチくんは仕事とかあるっけ? それなら別に良いよ、今回の打開策も見つかったし、いざとなったら、俺一人で行くからさー。」あっけらかんと、そう言うミナトを見て(……この人が、一人で……)平常時のミナトなら、まあ問題はない。礼儀を弁えているし、物腰も柔らかい、特に問題はない。だが、もしあちらで「スイッチ」が入ったら……その光景を想像してイタチは戦慄を覚えた。(不味い……というか、危険だ。普通に気に入らない相手に螺旋丸とか使いかねん……)突っ込み所の塊の様な光景を思い浮かべて、イタチは頭を抱えたくなった。もう、正直に言って詰んでいたそして、何よりこの状況を作ったのは自分だもはや無関係とは言えない、それどころか決定的な一打を作った自分の言動を思い出してイタチは、再び重い溜息を吐いた。「火影様、やはり今の件ですが……」やはり、どう考えてもストッパーは必要だ。話をしながら、イタチはその結論に至った。●そして、時は流れて当日の土曜日久遠寺家・正門「や、イタチくんお待たせ。」「どうも、おはようございます。」ミナトは久遠寺家に赴いていた二人の待ち合わせ場所が、この場所だったからである。「いやー、でも何か悪いね。俺の私用で態々手間を取らせて。まあ、お礼にあっちで甘い物でも奢るからさ。」「気にしないで下さい、万が一に備えてですので。」「万が一? まあ良く分からないけど、イタチくんはその執事服で良いの?」ミナトがイタチに尋ねるイタチは普段着ではなく仕事着である執事服を着用していた。「ええ、川神院は歴史と格式のある場所と聞いていたので、失礼のない様にこちらの服で行く事にしました。久遠寺家の執事服は機動力重視なので、中々動き易いですし。」「ふーん、ラフな格好で良いと思うけど…ま、それで良いか。」「所で、待ち合わせはここで良かったのですか? 普通に鉄道を使う物だと思っていましたが?」イタチが何気なく尋ねる。川神市は七浜の隣だというから、鉄道かバスのどちらかを使うものだとイタチは考えていたが…「ああ、大丈夫大丈夫。ここから『飛雷神の術』で川神市まで行くから。」「……すいません、今なんて言いました?」うむ、どうやら自分の耳は少しおかしくなったらしい。目の前の人物が忍としてあるまじき発言をした様に聞こえ、イタチは自分の耳を軽く掃除して「だから、ここから『飛雷神の術』で川神まで行くんだってば。交通費浮くし、何より時空間忍術だから一瞬で着くし。」「とりあえず、歯を食い縛って下さい。なに奥義レベルの忍術を足代わりにしてるんですか?」「ははは、何を言っているんだいイタチくん。こういう術は常日頃から使って慣らしておかないと、いざという時に使えないじゃないか?」微笑を浮べて、さりげなく正論を言うミナトを見て「……失礼ですが、他に日常的に使っている術はありますか?」「うーん、他には学校に遅刻しそうになったら『飛雷神の術』を使ったり、学食で出遅れた時は『瞬身の術』を使ったり…学校サボリたい時は『影分身』に登校させたり、スーパーのお一人様に付き一つまでの品物を『変化の術』使って購入したり…他にはバイトとか……あれ? どうしたのイタチくん、頭抱えて?」「……スイマセン。貴方の話を聞いていたら、本気で頭が痛くなってきたので…」サラリと突っ込み所が多すぎる発言を聞いて、イタチは頭痛を覚えた。イタチはこの世界での忍術の特異性を考慮して、今までその使用を極力隠していたのに目の前の元火影は、隠すどころかガンガン日常的に使っていたからだ。……案外、これが器の差というヤツかもしれんな……痛む頭を抱えて、イタチはそんな風に考えていた。「ああ、ひょっとして人に見られる心配とか考えてる? 大丈夫大丈夫、この前いい感じの廃ビルを見つけて、そこにマーキングをしといたから、まず外から見られる事は無いから安心していいよ。」「……そうですか。」なんとか痛みも引いてきて、イタチは答える。まあ、この人も何だかんだで最低限の事は考えて(?)行動しているらしいこれ以上、あまり難しく考えるのはよそうと思って話を続ける。「さて、じゃあサイフは持った? ハンカチとティッシュは?」「大丈夫です、忘れ物などありません。」「よーし、なら俺の肩に手を置いて。それじゃあレッツ・ゴー!!」イタチはミナトの肩に手を置いて、周囲に人の目が無いかを確認してミナトは印を組んで「飛雷神の術!!!」その瞬間、二人はその場から消えたしかし、二人は気付いていなかった今、この時この瞬間から波乱が始まっていた事に……「よし、到着。」「ここが、川神ですか?」自分達のいる場所を確認して、イタチが呟くさっきまでと場所は変わり、見知らぬ廃ビルの中にいた。「うん、そうだよ。それじゃあ早速……」しかし、不意にミナトの言葉は途切れるその表情はイタチに向けたまま固まり、小さな声で「あ、ヤバ」と呟いていて「???…どうしま…」そして、ミナトに視線をイタチも追い……言葉が途切れた。二人の、視線の先そこには赤いバンダナをかぶった青年が、驚愕の表情で自分達を見ていた。続く後書き ヤバイ、ミナトがどんどんカオスになっている……(汗) とりあえず、今回から「まじ恋」のクロスになりますが…いきなりネタに走らせて頂きました。あと、この作品のメインはあくまで「きみある」の世界なので「まじ恋」クロスの今回は特別編とさせて頂きました。自分としては、今回は数話程度の予定です。あと誤解された人もいるかもしれませんが、ミナトの過去の話で出てきたミナトの中傷をしていた人間は、基本川神院とはあまり関係ない人間です。川神院の人達は、基本皆良い人です。あと、ミナトが四天王入りしてイタチが四天王入りしなかった理由は次回書くつもりです。そして次回、あのファミリーがイタチ達と一騒動を起こします。