この話しは正直語っても語らなくてもどうでもいいのだけれど
怪異に属してなおかつ、青春の話なのだから語ることにしよう。
僕は春休みに吸血鬼に行き会った。とても美しい鬼だった。
リニアモーターカーが開発される科学の時代に吸血鬼に行き会うなんて
とても間抜けな話しだと僕は思う、本当に間抜けだ。
だがここから僕の青春が始まったのは言うまでもない。
青春といっても、女の子と一緒に自転車に二人乗りして街を走り回ったり
バンドを組んで文化祭で歌うような類ではなく。
ただただ怪異に振り回される青春なのだけれど
僕はこれで満足している。
だって青春におかしな事はつきものなのだから。
そして僕は知る。僕の青春、いや僕達の青春は
偶然ではなく必然であったと。
すべては彼女の思い描いたとおりの青春だったのかもしれない。
なんであれ僕の味わった青春は僕達しか知らないのだから、
誰が物語りを創ろうが終わらせようが知っている僕達には関係
ないのだ。けれども話しておこう。始まった青春の話を、
終わった青春の話を。この物語は原点なのだから。
僕は生涯彼女を恨むだろう。だが彼女のおかげで僕は
僕だけの青春を歩んだ。だから感謝もしている。
彼女は涼宮ハルヒ。怪異パターン:神