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No.29843の一覧
[0] Fate/Unlimited World―Re 【士郎×鐘(×綾子) 傾向:シリアス】 [夢幻白夜](2015/02/09 01:01)
[1] ep.00 / 全ての始まり  chapter.00 / Towards Zero[夢幻白夜](2014/12/01 21:08)
[2] ep.01 / それぞれの日常 chapter.01 / While the Light Lasts [夢幻白夜](2014/12/06 21:37)
[3] ep.02 / それぞれの日常-夜[夢幻白夜](2014/12/13 02:16)
[4] ep.03 / 春遠き如月[夢幻白夜](2014/12/24 21:17)
[5] ep.04 / 平穏なる夜[夢幻白夜](2014/12/25 08:18)
[6] ep.05 / 運命の日 chapter.02 / Destination Unknown[夢幻白夜](2014/12/27 04:38)
[7] ep.06 / ランサー[夢幻白夜](2014/12/31 22:37)
[8] Fate/Unlimited World―Re 第7話 二人の長い夜[夢幻白夜](2012/04/16 20:33)
[9] Fate/Unlimited World―Re 第8話 違う世界[夢幻白夜](2013/04/30 00:21)
[10] Fate/Unlimited World―Re 第9話 明けない夜[夢幻白夜](2012/04/16 20:37)
[11] Fate/Unlimited World―Re 第10話 静かな崩壊 Chapter3 Evil under the Sun[夢幻白夜](2012/04/14 16:12)
[12] Fate/Unlimited World―Re 第11話 発覚 [夢幻白夜](2012/04/16 20:39)
[13] Fate/Unlimited World―Re 第12話 侵される日常 [夢幻白夜](2012/04/16 20:41)
[14] Fate/Unlimited World―Re 第13話 騒乱への案内人 [夢幻白夜](2012/04/16 20:42)
[15] Fate/Unlimited World―Re 第14話 倒すべき敵、守るべき者[夢幻白夜](2013/04/30 00:22)
[16] Fate/Unlimited World―Re 第15話 攻略戦[夢幻白夜](2012/04/16 20:48)
[17] Fate/Unlimited World―Re 第16話 暮れ泥む冬の空[夢幻白夜](2012/04/16 20:52)
[18] Fate/Unlimited World―Re 第17話 何の為に戦うのか[夢幻白夜](2012/04/16 20:59)
[19] Fate/Unlimited World―Re 第18話 進展 [夢幻白夜](2012/04/16 22:55)
[20] Fate/Unlimited World―Re 第19話 加速し始めた日常 Chapter4 Fresh Blood Shrine[夢幻白夜](2012/08/11 22:12)
[21] Fate/Unlimited World―Re 第20話 陽だまりの一日[夢幻白夜](2012/08/11 22:13)
[22] Fate/Unlimited World―Re 第21話 行動準備[夢幻白夜](2012/08/11 22:13)
[23] Fate/Unlimited World―Re 第22話 柳洞寺へ[夢幻白夜](2012/08/11 22:14)
[24] Fate/Unlimited World―Re 第23話 衛宮士郎という存在[夢幻白夜](2012/08/11 22:14)
[25] Fate/Unlimited World―Re 第24話 変革へのシナリオ[夢幻白夜](2012/08/11 22:15)
[26] Fate/Unlimited World―Re 第25話 投影開始[夢幻白夜](2013/04/30 00:23)
[27] Fate/Unlimited World―Re 第26話 戦場という複雑な盤[夢幻白夜](2012/08/11 22:15)
[28] Fate/Unlimited World―Re 第27話 世界[夢幻白夜](2012/08/11 22:16)
[29] Fate/Unlimited World―Re 第28話 予測不能 Chapter5 Endless Night[夢幻白夜](2012/08/11 22:16)
[30] Fate/Unlimited World―Re 第29話 混沌とする戦場[夢幻白夜](2013/04/30 00:24)
[31] Fate/Unlimited World―Re 第30話 幻想はこの手に [夢幻白夜](2012/08/11 22:17)
[32] Fate/Unlimited World―Re 第31話 長い長い一日の勝利者[夢幻白夜](2012/08/11 22:20)
[33] Fate/Unlimited World―Re 第32話 過去は嘆き集う Chapter6 Nemesis[夢幻白夜](2012/09/20 20:34)
[34] Fate/Unlimited World―Re 第33話 招かれざる訪問者[夢幻白夜](2013/04/30 00:20)
[35] Fate/Unlimited World―Re 第34話 闇はなお深く[夢幻白夜](2013/04/30 00:18)
[36] Fate/Unlimited World―Re 第35話 過去から現在へ[夢幻白夜](2012/08/11 22:21)
[37] Fate/Unlimited World―Re 第36話 明日へと続く道[夢幻白夜](2012/08/11 22:22)
[38] Fate/Unlimited World―Re 第37話 幕開けは暗闇の中[夢幻白夜](2013/04/30 00:25)
[39] Fate/Unlimited World―Re 第38話 どこまでも普通でいられたなら[夢幻白夜](2012/08/11 22:24)
[40] Fate/Unlimited World―Re 第39話 絶望[夢幻白夜](2013/04/30 00:26)
[41] Fate/Unlimited World―Re 第40話 静寂から動乱へ[夢幻白夜](2012/08/11 22:25)
[42] Fate/Unlimited World―Re 第41話 理想の果て[夢幻白夜](2012/08/11 22:26)
[43] Fate/Unlimited World―Re 第42話 違う理想 Chapter7 Unlimited Blade Works[夢幻白夜](2012/08/11 22:26)
[44] Fate/Unlimited World―Re 第43話 たった一つの想い[夢幻白夜](2013/04/30 00:27)
[45] Fate/Unlimited World―Re 第44話 散りゆく者 Chapter8 Appointment with Death[夢幻白夜](2012/08/11 22:27)
[46] Fate/Unlimited World―Re 第45話 新たな領域へ[夢幻白夜](2012/08/11 22:28)
[47] Fate/Unlimited World―Re 第46話 楓、襲来[夢幻白夜](2012/09/20 20:39)
[48] Fate/Unlimited World―Re 第47話 宝具[夢幻白夜](2012/08/11 22:29)
[49] Fate/Unlimited World―Re 第48話 戦争[夢幻白夜](2012/08/11 22:29)
[50] Fate/Unlimited World―Re 第49話 崩壊する者達[夢幻白夜](2013/04/30 00:28)
[51] Fate/Unlimited World―Re 第50話 抵抗する者達[夢幻白夜](2013/04/30 00:28)
[52] Fate/Unlimited World―Re 第51話 ナイトメア[夢幻白夜](2012/08/11 22:30)
[53] Fate/Unlimited World―Re 第52話 戦いの果て[夢幻白夜](2012/08/11 22:31)
[54] Fate/Unlimited World―Re 第53話 英雄王・ギルガメッシュ[夢幻白夜](2012/08/11 22:31)
[55] Fate/Unlimited World―Re 第54話 無慈悲な日常[夢幻白夜](2012/08/13 13:19)
[57] Fate/Unlimited World―Re 第55話 人間に戻る日[夢幻白夜](2012/09/15 03:35)
[58] Fate/Unlimited World―Re 第56話 言峰 綺礼という存在 Chapter9 March Au Supplice [夢幻白夜](2012/10/31 21:29)
[59] Fate/Unlimited World―Re 第57話 誰が誰を守り守られるのか[夢幻白夜](2013/04/30 00:29)
[60] Fate/Unlimited World―Re 第58話 隣にいてくれる人[夢幻白夜](2013/01/16 21:01)
[61] Fate/Unlimited World―Re 第59話 幕[夢幻白夜](2013/03/22 03:12)
[62] Fate/Unlimited World―Re 第60話 妖冬[夢幻白夜](2013/04/30 00:34)
[63] Fate/Unlimited World―Re 第61話 雲を掴む[夢幻白夜](2013/07/21 04:26)
[64] Fate/Unlimited World―Re 第62話 忘れない[夢幻白夜](2013/11/05 20:55)
[65] Fate/Unlimited World―Re 第63話 目的地[夢幻白夜](2014/06/25 01:05)
[66] ep.64 / それぞれの意志[夢幻白夜](2015/01/04 15:48)
[67] ep.65 / 停滞する夜 Chapter.10 / Fate [夢幻白夜](2015/02/09 06:58)
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[29843] Fate/Unlimited World―Re 第14話 倒すべき敵、守るべき者
Name: 夢幻白夜◆d1278e81 ID:0cef6c3b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/04/30 00:22
第14話 倒すべき敵、守るべき者


─────第一節 ソード&マジック─────

「っ───、セイバー!」

爆風により姿勢が崩れかけるが何とか持ちこたえる。
吹き込む風の向こうへ視線をやるが、肝心の彼女の姿が見えない。
爆炎が立ち上り確認がとれないのだ。

「そんな………まさか!」

攻撃が直撃して無事なわけがない。
すぐさまあの爆炎の中にいるであろうセイバーを助け出し、すぐさまこの場から離脱しようと動く。
だが───

「ぐっ………この!」

骨の兵士達が次から次へとやってくる。
攻撃を何とか食い止めるがセイバーの援護がなくなった手前、思う様に歩が進まない。
敵の数が少なければ即席の武器だろうと強引に突破できるだろうが数が多すぎた。

「おや───」

不意に聞こえてきた声。
この場にはセイバーと士郎しかいなかった、にもかかわらず声が聞こえてきたということは───

「ひょっとしてこれで片が付いてしまったのかしら? 今のはほんの挨拶代わりでしたのに………」

「お前が………!」

その声の主を視界内にとらえるが、周囲から襲いかかってくる骨の兵を相手にしなければならないため直視ができない。
だがそれでも僅かに見えるその姿。
ローブを身に纏うその姿はなるほど、昔話に出てきそうな魔女の姿にも見える。

「貴方がセイバーのマスターね。…………貧弱な魔力反応だこと。その程度でマスターとはね」

「…………なんだって?」

士郎には魔術回路はあった。衛宮切嗣から教わった魔術があった。
だがそれでも士郎は魔術師としては半人前程度の腕しかない。

強化魔術が自身の中で得意の分類に入るとしても、強化を扱える一流と呼ばれる魔術師はみな彼程度の強化は行える。
神代の魔術師であるキャスターから見れば、士郎はまさに『格下の魔術師』にしか映らないだろう。

「まったく………世は移り時が流れたとは言え、この時代の魔術師とはこの程度のものかしら? これではセイバーが気の毒ね」

「図に乗るな、キャスター」

流石の士郎も言われっぱなしは癪だったので何か言葉を返そうとした矢先、彼の意をくみ取ったかのように声が響く。
収まり始めた爆煙を吹き飛ばすかのようにセイバーがそこに現れた。

「この程度の魔術で私が倒せると思ったのか」

キャスターは確かに挨拶代りと言った。
だとしても攻撃は直撃していた筈だ。
なのに彼女は“全くの無傷”であるのだから少しその姿に驚く。

「セイバー、大丈夫なのか?」

「ええ、シロウ。ですが気を付けてください。彼女の魔術は古い時代のもののようだ。何が出てくるかわかりません」

現在二人の周囲には約十七体の骨の兵。
そしてその奥にフードを被った女性、キャスターがいる。

「これはこれは。私の魔術を受けて全くの無傷なんて、相当な“対魔力”をお持ちの様ね?」

対魔力。
文字通り魔術に対して行える抵抗能力のことである。

「それを判ってなお逃げない貴様の度胸は認めよう。だが勝ち目はないぞ、キャスター!」

「逃げる? ええ、いずればそうなるだろうけどそれは今じゃないわね。そして───」

手を翳す。
その先には先ほどに似た光源が。

「──────逃げ出すのは私じゃなくて貴女たちではなくて?」

僅かにキャスターの唇が動く。
たったそれだけで彼女の目の前から紫色の弾丸の嵐が放たれた。

「無駄だと言っているのが!」

パァン! と弾丸が振るわれた不可視の剣によってかき消される。
続く弾丸も同様に、問答無用に消されていく。

「ええ、貴女には効かないなんて今ので承知よ。ではセイバー。なぜ貴女は受けても無傷で済む攻撃を“わざわざ剣で打ち払っている”のかしら?」

「………!貴様は………」

ニヤリ、と口元が邪に歪む。
キャスターの視線の先。

「そこの坊やが貴女の弱点よ、セイバー」

同時に、今まで静観していた骨の兵士達が一斉に襲いかかってきた。
キャスターがいる前方から八体。左右から二体ずつ。士郎がいる後方からは五体が。

「この………!」

士郎目掛けて襲いかかってくるのは前方以外の敵、計九体。
それだけでも問題だが、それ以上に問題なのが突撃してきた骨の兵の後方に新たな骨の兵がいるということである。
キャスターは言葉通り“マスターである士郎を襲う”ことを実行している。

「シロウ!」

自分に近づいてくる敵を一蹴し、即座にマスターである士郎に近づく骨の兵を叩き潰す。
士郎も攻撃を受けまいと必死に戦ってはいるが数が違う。
圧倒的な性能差があれば質は量に勝る。セイバーと骨の兵がこれにあたる。
だが基本的に戦争は物量作戦である。
士郎と骨の兵のように特別大きな差がない場合、数で攻める骨の兵が勝つ。
絶え間ない攻撃を仕掛ければ相手をすぐに倒せずとも確実に弱めていける。

セイバーだけならばキャスターに突進して斬り伏せる事が可能かもしれないが、セイバーには士郎がいる。
セイバーが離れるという事は十体近い骨の兵を一人で相手にするということであり、それはたとえ完全な木刀を持っていても難しい。
否、武器など即席であろうが前もって準備した木刀だろうが関係なかった。
近接系の武器を主体としているからこそ難しい。
それこそセイバーのように圧倒的な力で斬り伏せるか、遠坂 凛のように中距離程度からの魔術攻撃ならば問題はなかっただろう。
だが残念ながら士郎はそんな力も魔術もない。

考えが甘かった、と認めざるを得なかった。
なぜ自分は武器となるものをもってこなかったのか、と。
だが仕方ない部分もあった。学校に木刀なんて間違いなくもっていけるわけがないし、学校の帰りは鐘を送り届けた。
その後に一旦戻って、と思ったが綾子が襲われかけた手前その場を離れる事を気にかけた。
即席の武器で痛い目を見ているのに学習してないな、 なんて心の中で自分を罵倒しながら骨の兵士を潰していく。

「フフフ、その竜牙兵は私が竜の牙より作り出したもの。一体ずつの力は弱いけどもいくらでも数は用意できるわよ」

さらに数は増える。二十体。二十五体。
加えて───

「さすがにこの数、そして魔術による攻撃からたった一人でマスターを守るとなると精一杯でしょう、セイバー?」

ヴン! という音と共に士郎とセイバーの頭上に魔術が展開される。

「シロウ!」

咄嗟に士郎を抱えてその場を跳び退く。
同時に落雷のようにその場に魔術攻撃が放たれていたのだった。


─────第二節 風王結界─────

跳び退いた先で崩れた姿勢を立て直し、視線を戻す。

「シロウ、無事ですか!?」

「あ、ああ。なんとか」

だが状況は変わっていない。
再び現れる竜牙兵。
こうなってくるとこの場から完全に撤退するか、キャスターを倒すかのどちらかしかない。

「キャスターを倒せばこの無限に湧いてくる敵もいなくなる。セイバー、何か手はあるか?」

近づいてくる敵を一体ずつ破壊していく士郎。

「あるにはあります」

ザン! という音を立てて真っ二つに竜牙兵を斬り伏せるセイバー。

「なら、それを使えば切り抜けられるか?」

「恐らくは」

その言葉と同時に不可視の剣に風が巻き起こる。
その風はみるみる強く、大きくなり、そしてついには暴風と例えても問題ないほどの風を放っていた。

「っ………く」

流石に近くでそのレベルの風が巻き起こったら立っているのがやっとの状況になる。
それは近くにいる竜牙兵も同じで、近づこうとする前に吹き飛ばされまいと踏みとどまるので精一杯の状態である。

「た……しかに、この風圧なら周囲の敵は一掃できそうだけど………!周囲の被害は大丈夫だよな?」

「さすがに全くの被害なし、とはいきませんがもう一つの宝具を使うよりは断然被害は小さく済みます。民家には影響は出ないでしょう」

ゴオォォ という風の音が耳に響く。
また聞きなれない単語が出てきたが今は問う時間ではない。

「よし………!セイバー」

「ええ………少し離れてください」

同時に身に纏っていた鎧が消える。
その姿は最初のドレス姿であった。

「へえ。すごい風ね? それにそのドレス姿も………」

「覚悟してもらおう、キャスター」

竜牙兵越しにキャスターを睨むセイバー。
士郎はセイバーが行うであろう攻撃の余波に巻き込まれないように、周囲を牽制しながら少しずつ離れる。

キャスターとセイバーが睨み合う。
距離にして約20メートル。間には十四体の竜牙兵。
ゴオォォ!! とさらに耳に響く音が大きくなる。
周囲を警戒しながらも、士郎の視線はセイバーに向く。
その直後。


 ─────轟!! と


まさしく疾風という言葉がふさわしいほどの速度でキャスターに突進する。
セイバーのスキル『魔力放出』。
手にした武器や四肢に魔力を高圧で蓄積し、任意のベクトル方向に放出することにより運動能力を格段に高めるという荒業。
鎧に使う魔力を『魔力放出』に使った場合、パワー・スピードともに60%の増加が見込める。
それは十分に一撃必殺を狙える破壊力と言える。
そんなセイバーを竜牙兵が止められるはずもなく、次々に粉々になっていく。
加えて────

風王結界インビジブル・エア─────解放」

ばん! という破裂音とともにセイバーが“さらに加速した”。
その際に垣間見えた黄金の剣が、士郎の目に焼き付く。
大気を圧縮し屈折させる幻惑の『風王結界インビジブル・エア』。
これには二次的な活用法があり、超高圧に凝縮されていた空気を烈風の一撃として敵に叩きつけるという一度限りの遠隔攻撃法がある。
これを『風王鉄槌ストライク・エア』と呼ぶ。

今セイバーが行ったのはそれのさらに応用法。
敢えて剣先が背後にくるほどに大きく振りかぶった構え、その意図は真後ろに大気の噴流を放ち、突撃の速度を大幅に加速させるものだ。
その速度は『魔力放出』と重なって超音速の域まで達していた。
こうなった彼女に触れた竜牙兵はその役割を果たすことなく、“ただ触れただけで”木端微塵に吹き飛ばされていた。

「…………!列閃エレ・ヘカテ!」

対するキャスターは再加速したセイバーに驚愕し咄嗟に魔術を放つ。
キャスターのスキル『高速神言』。
神代の言葉を用いて、呪文・魔術回路を使用せずに術を発動させることが可能なスキル。

口が早いキャスターの、音速クラスで突進してくるセイバーを視認してからの魔術発動。
呪文などがない分通常の魔術師よりもずっと早く魔術を発動させることが可能。
故に魔術は発動され、紫色のレーザーのような魔術がセイバーに襲いかかる。
相対速度を考えればセイバーにとってそのレーザーの様な魔術は音速以上の速度を誇る。
加えてセイバーは大きく振りかぶったまま。剣で弾くことはできない。

しかし、彼女には強力な対魔力がある。
現代の魔術師ではセイバーに傷一つ負わせることができないほどの対魔力。
Aクラス以下の魔術を無力化してしまう彼女に、キャスターが放ったAランクに届かない魔術は通用しなかった。
直撃したと思われた魔術は消え失せて、残ったのは無傷のセイバーのみだった。

そしてなおその速度は減衰することなく、キャスターをその剣の射程圏にとらえた。

キャスターはセイバーの能力をある程度理解していた。
それはバーサーカー、ランサーとの一戦を観察していたからである。
魔術に特化した彼女はセイバーが『魔力放出』のスキルがあると理解できた。
なのでセイバーが鎧を解除した意味をキャスターは容易に推測できた。

セイバーが身に纏った魔力密度を計算し、突進スピードを見積もる。
結果として問題はない、と判断下す。

だがそれは間違いだった。
彼女の不可視の剣が纏い始めた風は攻撃に使用するものだと思い込み、それを計算から除外していたのだ。
実際はその風すらも加速に利用し、キャスターの計算の上を行く速度でセイバーが突進してきた。

計算の上を行く結果を突き出された以上は、この結果は必然である。
振り下ろされる黄金の剣はキャスターの体を斬り裂いた。
だが────

「────!?」

斬り裂いた筈のセイバーの顔が驚愕の色で染まる。
斬った筈の手応えがまるでなかった。
斬り裂かれたキャスターはユラリと煙の様に消えていく。
つまりはあの超音速の攻撃の最中に攻撃と転移の魔術の詠唱を完了させていたのだ。

英霊。キャスターとて伊達に聖杯に召喚されたわけではない。セイバーが剣の達人だと言うならばキャスターは魔術の達人。
人間離れした魔術発動の速度を誇っていても不思議ではない。

「驚いたわね、セイバー。まさかあの速度で突っ込んでくるなんて………」

セイバーの背後に転移するようにキャスターが現れる。風王結界インビジブル・エアの解放による加速は一度きり。
ならば次の加速は無いと考え、セイバーがいるであろう先に視線を移す。
そこに───

───すでに黄金の剣を振りかぶったセイバーがいた

ザン! と、今度こそ確実にキャスターを斬り伏せた。
左肩から右脇腹にかけて真っ二つに両断されたキャスター。
普通ならばしゃべることすら叶わない。

しかし。
キャスターの口から洩れてきたのはクスクスという笑い声。

「ふふふ………見事。転移の瞬間を狙うとは………」

────その力、是非私のものに………

もはや聞き取れないほどの小さな声のあとに、キャスターは完全に消失した。
が、それはサーヴァントが消失した感覚のものではない。
キャスターがいた場所に輝きを失った宝石が一つだけあった。
つまりは。

「これは………傀儡か」

ギリ、と歯を食い縛る。

「小賢しい!」

地に落ちていた宝石を踏み砕き、すぐさま残った竜牙兵と応戦している士郎のもとへと駆けて行った。



「そう………」

同時刻、士郎とセイバーが戦っていた公園を望める場所に彼女がいた。

「まあこれでセイバーのマスターがはっきりとわかったわけだな、凛」

凛とアーチャーもまた士郎とセイバーと同じように新都から深山町に戻ってきていた。
戻ってきたときに感じた魔力。
それが戦闘によって発せられたものだとわかり、監視できる場所に位置取った。
覗いてみればそこにいたのはフードを被った女性に金髪の少女、そして知っている顔があった。

「たしかに………これで氷室さんがアーチャーの言う通り、ただ助けられただけという可能性がでてきたわけね」

「────む。他にまだ別の可能性があるのか?」

アーチャーとしては凛の勘違いを解けたと少し安堵していたのだが、当の本人は別の事も気にかけているようである。

「氷室さんが直接のマスターでないとしても『協力者』という可能性は残っているわ。前回の聖杯戦争でもそういう人はいたみたいだから」

前回の聖杯戦争のことを凛は詳しくは知らない。
だがある程度の記録は残っているし、以前の聖杯戦争に生き残った腐れ縁の知り合いもいるのでちょこちょこと内容は知っていた。

「………なるほど、確かにその可能性もあることにはあるか。しかし」

「ええ、仮に協力者だったとしても私たちが狙うのはマスターとサーヴァントだけ」

公園にいる二人を一瞥し、今度こそ本当に家へと戻る。
今回の収穫は最大級のモノだったと言えるだろう。
キャスターの姿を確認できた。セイバーのマスターを確認できた。
そして、セイバーの正体を看破することができた。

「今日は帰って寝るわ。明日どうするかは明日決めましょう。アーチャー、また紅茶をお願いね」


─────第三節 その名は─────

「………これで終わりですね。」

セイバーが最後の竜牙兵を叩き潰し、戦闘は終了した。
周囲に敵となるような気配はなく、セイバーは鎧化を解いてもとの喪服姿に戻った。

「助かった、セイバー。恩にきる」

素直に士郎はセイバーに礼を言う、士郎だけではあの数の竜牙兵を対処することは不可能だった。
武器が武器なだけもあるが、そもそも数が違う。
そんな中で袋叩きにだけはならぬように立ち回った士郎もなかなかなものだった。

「いえ、マスターを守るのはサーヴァントの役目です。むしろ僅かでも離れてしまったことを許してほしい」

「何言ってるんだ。セイバーがキャスターを倒してくれたからこそ、こうやってこいつらを倒せたんだから」

キャスターがいなくなった後竜牙兵が増えることはなかった。
ならばあとは減るだけ。竜牙兵一体の力は高くない。
タイマンならば士郎でも勝てる程度なので多少の傷は負ってしまったがこの戦闘は二人の勝利で終わった。

「一つ質問いいか?」

「どうぞ」

「宝具ってなんだ?」



その後簡単な説明を受ける。
言ってみると宝具とはサーヴァントが持つ必殺技のようなもの。
戦いを決するような絶大な威力を持つものもあれば、派手さはかけるが戦いを有利にすすめる能力をもつものもあるという。
サーヴァントにはそれぞれ宝具を所有しており、一人に一つ、多いものであれば3~4つ所持しているという。

「無論、例外というものも存在しますが」

というセイバーの忠告もあったが。
で、セイバーが、というよりは黄金の剣が発生させていた風が宝具にあたるという。
正確に言うならば後者。戦いを有利にすすめる類のもの。うまく使えば勝敗を決する切り札にもなる。

しかし当然ながらリスクも存在する。
宝具を使うということは相手に自分が何者であるかを知らしめるのとほぼ同意。
つまりは宝具を使った以上は相手を殲滅する気で叩く必要がある。でなければ自分の素性を調べ上げられ、弱点を突かれかねないからだ。

セイバーはキャスターを倒すつもりで宝具『風王結界』を使用した。
その結果キャスターは倒せたが、それは傀儡であり実際としてセイバーの手の内を晒しただけとなってしまった。
『風王結界』は黄金の剣を隠すための鞘であり、正体を隠すために使用していたものだった。当然それを解放すれば黄金の剣が目に映る。
正体を自分だけ晒してしまったセイバーは一転して不利な状況に陥ってしまっていた。

が、絶望になるまで不利な状況になっているわけでもない。
知っているのは恐らくはキャスターのみ。
そしてキャスターは戦闘においてセイバーには敵わない。剣術はもちろん、ランクの低い魔術は無効化してしまうセイバーとは相性は最悪だろう。

つまりはキャスターが仕掛けてくるとすればセイバーの弱点をつく、という手をとるだろう。
ならばそれを逆に利用する。狙ってくるものがわかっているのであれば、誘い出して裏をかいて叩く。リスクもあるがうまくはまれば一撃で倒すことが可能。
これが次のキャスター襲撃時にセイバーが考えた方法だった。
無論、キャスターもそこのところは考えている筈だろうから100%安心はできなかったが。

「とにかく帰ろう、セイバー。流石に疲れた」

鐘をマンションに送り届けてからすでに6時間が経過していた。
流石の士郎もこの冬の夜の中にいたのだから疲労は少なからず溜まっていた。

玄関戸の鍵を開けて家の中に入る。
同時に家の中から風が吹いてきた。

「………なんで家の中から………ってそうか」

思い出す。そういえば結局家の修復をしていなかった。
主に天井からの穴とか床にあいた穴とか自分の血とか割れた窓ガラスとか土蔵の中とか………

「………今日の昼間は結局修復する時間なかったもんなあ」

起きた後にセイバーの説明を受けて昼食の用意してそのまま学校。
修復なんてする時間はなかった。
で、今現在はすでに日付が変わってしまっている。
今日は月曜日で学校がある。早く睡眠をとっておかないと学校に支障がでるだろう。

「風呂入って寝るか」

今夜の鍛錬はもうできないかな、なんて思いながら風呂場へ向かい風呂を用意する。
湯が張るのにかかる時間は約15分。その間にできる限りの修復はしておくべきだろう。

「シロウ、私も手伝います」

そんな後ろ姿を見ていたセイバーが声をかけてきた。
流石に15分で全てが終わるとは思わなかっただけにこの申し出はありがたかった。

「お、助かる。………そうだな、それじゃ天井の穴をお願いできるか?」

金槌と板を手渡す。傍には脚立があった。

「わかりました」

セイバーはそれらを手に取って脚立に乗り、天井を修復し始めた。
士郎はそれを見て床に開いた穴を塞ぐために畳補修シートなるものを取り出す。
幸か不幸か腕を貫通して畳に突き刺さったため、畳自体の穴の深さはそうなかった。
穴も大穴ではないので補修シートで十分カバーできるものだった。

「………ま、ちょっとだけ不自然だけど問題ないだろ。セイバー、そっちはどうだ?」

「終わりました。流石に不自然さが残りますがこれでよろしいですか?」

「ああ。十分だよ、ありがとう、セイバー」

ということで家の中の残りは窓ガラスだけになったのだが………

「さすがにこれはガラスを張りなおす必要があるんだけど」

無論この衛宮邸に代えのガラスなんておいていない。
そしてそういう業者はこんな真夜中に仕事はしていない。
適当にシートを張りつけて風が入ってくるのを軽減しておく。

「………ってすっかり忘れてた」

セイバーがこれからこの家に泊まるのだから当然部屋とか用意しなくてはいけない。

「セイバー、部屋に案内するよ。流石にセイバーは布団よりベッドの方がいいだろ?」

見事なまでに外見からの想像で決定してしまっている士郎。
ベッドがある部屋は離れにしかない。ならばセイバーの部屋はあの離れで決定かな、なんて結論がでていたのだ。

「部屋………ですか?」

「ああ、案内するからついてきてくれ。本当なら家の全体を説明していくべきなんだろうけど、流石に夜も遅いからさ」

離れへと向かう。セイバーは後ろについてきている。
ついた先は離れの一室。エアコンにベッドに机にと、必需品は揃っていた。
そしてこの部屋の鍵を渡す。

「ここがセイバーの部屋な。もう何年も使ってないけど掃除はしてるから問題なく使えると思う。あ、寒かったらエアコン使ってくれ。使い方はここのボタンを押して温度設定すればいいから」

「はあ、わかりました。ですがシロウ、貴方の部屋はどこなのですか?」

「ん? 俺の部屋か?」

「はい、案内してもらいたいのですが」

「わかった。俺の部屋はこっちだ」

離れから一転してまた屋敷へと戻り、部屋へ到着する。

「ここが俺の部屋だ」

「………ここがですか? あまりにも物がないので、ここはただの寝室だと思っていたのですが」

バーサーカーに士郎がやられた夜。セイバーと鐘はこの部屋に士郎を寝かせた。ここに布団があったから寝室だと思ったのである。
しかし『寝室』であって活動する『自室』だとは思わなかった。

セイバーは城暮らし。寝室と活動する自室はわけられていた。今では考えにくい話ではあるが。
いやそれもあるだろうが、何よりこの部屋には物がない。
自室と言うのであれば多少なりとも物があってもおかしくはない。

「俺は基本的には寝に帰ってくるだけだから自室=寝室みたいな感じなんだよ。物がないのは当たり前だ」

「………そうですか。意外でした、シロウはもっと雑多な人となりかと思っていましたので」

まあ使いそうなものは全部土蔵に置いてあるんだけどな、なんて思いながら時計を見る。
風呂の準備をしてからすでに15分が経過していた。湯はすでに溜まっているだろう。

「風呂の準備できてるだろうからセイバー、先に入ってくれていいぞ。俺は後から入るから」

「いいのですか? シロウは疲れている。先に入り体を休める方が先決かと」

「それを言ったらセイバーもだろ。今夜はセイバーが一番頑張ったんだ。頑張った人を労うのは当然だろ。ほら、入ってこい。風呂上りにお茶………いや紅茶か? 用意しておくから」

「………わかりました。マスターがそういうのであれば従いましょう。では、先に失礼します」

「ああ。あ、それと着替えは浴衣用意してるから安心してくれ。喪服は脱いだら近くの籠に入れておいてくれ」

わかりました、と喪服姿のセイバーはマスターである士郎に一礼し風呂場へと向かった。
そんな後ろ姿を見送って、あまり入れた事のない紅茶を入れ始める準備をするのであった。


─────第四節 綾子の夜─────

「………やる気、出ないな」

自室で一人呟いてパソコンの電源を落とす。
こうなってくると後は寝るだけである。
弓道部や勉学で忙しい一方で、しかし趣味であるゲームは欠かさずにやっていた。
だが、今日だけは違った。何かやる気が出ない。

「………アイツはもう家に帰ってるかな」

このマンションの周囲を見回ると言っていた。止めようとも思ったが、止まるような奴ではないとわかってもいたので止めるようなことはしなかった。
心配をしていないというのは嘘になるが、しかし特別不安になるようなこともなかった。
自分はあのときは一人だったし自分で言うのもなんだが女性である。狙われやすいということはあるのだろう。
だが彼は男性だし、セイバーとかいう男性もいた。おそらくは大丈夫だろう。

「あたしの場合、そのセイバーさんとかいう人が気になるんだけどな」

無論襲いかかってきた奴が一体何者か、というのも気にはなるのだが、なまじ知り合いの知り合いという立場にいる彼が気になった。
というより気にならないわけがない。
喪服姿だった筈の人が女性のようなドレスに鎧を纏って襲いかかってきた人と対峙していたのだから。
で、次に見たら昼間に見た喪服姿に戻っていると言うマジック。

「うーん、やっぱり衛宮に聞いてみるしかないわけかな」

何かある、と思っている辺り彼女もなかなかの鋭い勘の持ち主かもしれない。

「寝るか………明日も早い」

電気を消してベッドに横になる。
目を閉じて眠る。

明日もまた変わらぬ一日が迎えられると思って。


─────第五節 鐘の夜─────

「こんな時間か………」

時刻はまもなく1時。学校の課題を終わらせていたらいつの間にかこんな時間になっていた。
普段ならもっと早く終わっている。
しかし今日は思いのほか時間がかかってしまっていた。
というのも、お風呂から上がって問題点の定義、およびその考えられる解決方法をノートに列挙していたからである。
物事を判りやすく理解するにはこうしてノートなどに列挙して眺めてみるという方法がある。

「列挙してみたはいいが、どれも私一人では解決できないものばかりだな………」

唯一あるといえばやっぱり衛宮邸に泊まるために親を説得するということくらい。
しかしそれもまた難しい問題であることには変わらない。

「これ以上は考えても仕方ない。明日に備えて眠るとするか………」

電気を消して真っ暗闇となった自室。ベッドに入り天井を見る。
もしかするともう目が覚める事はないかもしれない そんなことを考える。
死にたくはない。当たり前。だから死ぬかもしれないという恐怖は常にある。
だからこそ前を向いて進んでいく必要がある。

変わってしまった日常。
しかしそれでも、もとの日常を取り戻すことを決意する。
そうして目を閉じて眠りについた。


─────第六節 思惑─────

「高い対魔力アンチマジックがあるとは判ってはいたけれど、あそこまで高いものだったとはね」

柳洞寺の一室。キャスターは先ほどの戦いで得る事の出来た情報を整理していた。
聖杯が関わっていようがいまいがこれは“戦争”。
情報収集で敵を知り、対策を立て、有利な展開へ持っていく。

戦争の常識である。力がない者ならばなおさらこれは必要事項だろう。
バーサーカー、およびランサーの戦闘を観察していたことである程度の情報は得ていたが実際戦ってみて(といっても傀儡だが)貴重な情報を得ることができた。
高レベルの対魔力、魔力解放を使った加速に風を使った加速、そして黄金の剣。
いくら生きた時代が違うとはいえ、あの黄金の剣は有名だった。

「ふふ………さて、どうしてあげましょうかね?」

この戦いはキャスターの敗北で終わった。
だが勝負に負けただけであり、試合には圧勝したと言っても過言ではないだろう。
いくら最優と呼ばれようとも弱点を突かれればひとたまりもない筈。倒すことは今までよりも容易になったと言える。
だが、キャスターはセイバーを倒そうとは考えていない。いずれ切り捨てるとはいえあのセイバーは有効活用したいという思惑があった。
バーサーカー。
まず間違いなくあれが脅威になることは簡単に想像がつく。
キャスターはバーサーカーが苦手である。彼女の下にはアサシンがいるが、正直に言ってバーサーカー相手では心もとないだろう。
ならばセイバーを此方側に引き込んで対バーサーカー用として置いておくのはどうだろうか。

否、セイバーを取りこめた時点でこの聖杯戦争は勝ったも同然となるだろう。
7騎中の3騎が一陣営となっているのだ。しかもそこには最優の騎士セイバーと様々な魔術を行使できるキャスター。
アサシンは………まあおいておくとして。
セイバーが手に入ったあかつきにはこちらからバーサーカーを潰しにかかりにいこうかしら? などと思考を巡らせる。

つまりはキャスターの場合、脅威となりえるのは現在バーサーカーのみ。
セイバーをどうやって引き込むかを考えれば、勝利は掴める。
そしてセイバー捕縛方法の案として複数彼女の中に候補があがっていた。
そのどれもがその気になれば成功してしまいそうに思えてくる。

「けれど、あと少しだけ時期を見ようかしらね」

現在キャスターは魔力を街全体から補充している。完璧なる神殿を形成するためだ。
それもあとわずかで完成する。そうなれば遠慮なくセイバーに対してカードをきることができる。


さて、今宵の月は綺麗だろうか。


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