アンクが消えてから半年、俺はまた旅に出ている。
世界を無事に救った、これから先は何があっても後藤さんも伊達さんもいる。彼らの腕を掴む人たちがいる限りは平穏なはず
「アンク…」
たまたま立ち寄った街、前にも一度きたことがある
その街にはいつだって風が吹いていた。
そしてこの街にも―――
仮面ライダーがいる
風車のような塔、街には風が溢れていた。
「風都」
彼らはそう呼んでいた。この街を誰よりも愛し、命をかけてまで守り抜いた男たちは今はどうしているだろう。風の音に紛れ、バイクが走ってくる。そしてそのバイクに、彼は乗っていた。
「よう、久々だな。確か、火野…だったか?」
俺の名前を呼ぶ男、緑の半導体と黒半導体。仮面ライダーWだった。
「翔太郎、時間を潰している暇はないよ?ドーパントが逃げてしまう可能性がある」
先ほどとは違う声の主、まるで高校生くらいの幼さが残った声だ。
「あぁ、わかってるってフィリップ。でも、大丈夫だろ?いざとなればお前の検索があるんだ。旧友にあった気分になるのもハードボイルドだぜ。」
仮面ライダーはやれやれと首をふり、こちらに向く。
「ちょいと、街を守るために行かなきゃいけないんだが…半分力貸してくれるか?」
俺は少し考えてから笑顔で言った。
「半分じゃなくて全部貸しますよ!W」
「あぁ、頼むぜ?オーズ!」
断末魔と悲鳴が聞こえ、街の一角、とあるデパートの前に奴らはいた。4匹の怪物はそれぞれ違う容姿で人を襲っている。
「みつけたぜ?街を騒がせやがって」
「あぁ、翔太郎。彼らは、前にも戦ったことがあるはずだけど…」
仮面ライダーはドライバーからメモリを取り外すと、鋼色のメモリと赤色のメモリをドライバーに差し込んだ。
ヒート!!
メタル!!
ヒート!!メタル!!
彼の容姿が赤と鋼の姿に変わった。
「行くぜ?街の平和を揺るがす悪党め…おぉっと一緒に来てくれるか?」
シャフトを持ったまま、走ろうした姿を制止させて聞いてくる。俺は頷いた。あのあと、メダルはすべて真木博士と砕けた。だけど…鴻上会長は10枚目のメダルをすべて持っていた。タカとトラとバッタのメダルは再生出来たみたいだ。だから、今は変身出来る!俺はベルトを腰に装着して3枚のメダルを取り出す。
タカ!!
トラ!!
バッタ!!
タトバ!!タトバ!!タトバ!!
随分久しぶりな感覚だが、すぐなれる。
サイクロン!!
ジョーカー!!
サイクロン!!ジョーカー!!
「オーズ。必殺技は…あるよね?」
「うん、もちろん!」
スキャナーをベルトに滑らせた。
スキャニングチャージ!!
Wは黒いメモリを脇腹についてるスロットに差し込んだ。
ジョーカー!!マキシマムドライブ!!
Wとオーズは高く跳ぶ
「Wとオーズの同時キックだ、オースキャンエクストリームってのはどうだ?」
「名前は君に任せる、オーズ。君はいいかい?」
「オースキャンエクストリーム…うん!カッコいいよ」
4匹の怪人に向かってオースキャンエクストリームを放った。
「オースキャンエクストリーム!!」
怪人を一掃したWとオーズはそれぞれのポーズを決めて
「悪がどんなに強くても、最後は正義が勝つだぜ?」
「僕たちは仮面ライダーだからね。」
「いつだって…俺は正義に手を伸ばす!」
「「「それが仮面ライダーなんだ!!」」」
「さぁ、お前たちの罪を…数えろ!」