呑気に俺の部屋でパソコンいじってるこいつは俺の妹。
正確に言うと俺からパソコンを奪っていじくりまわしてるってところか。
短パンにTシャツだけの格好。案外そそられる気がするが考えないことにする。妹だ。
こいつはいつも寝るのが遅い。夏休みだからってだらけすぎだ。
兄「こら妹さん」
今日こそは早く寝かしつけようかと思って声をかける。
一応兄なんだ。しつけは大事だろう。
妹「なあにお兄ちゃーん」
俺に背を向けたまま適当な返事を返される。いつもこんな感じ。
兄「もう寝なさい。何時だと思ってるのだ。」
このセリフも夏休みに入ってから毎日のように言ってる。
回数にすると20回くらい。
妹「まだ12時じゃんかー!」
兄「もう12時でしょ」
正直12時くらいならまだ起きててもいい気がする。
いつもエロ画像漁ってる俺なんか2時3時に寝るのはあたりまえだし。
でも今日は違うんだ。もう夏休みも折り返し地点だし、学校始まってからきついだろうし。
そんな俺の気遣いを妹はちゃんとはわかってるのだろうか。
わかってないだろうな。
妹「あたしにぷよぷよで連続10回勝ったら寝てあげる」
さっきと同じように俺に背を向けたまま、声は自信ありげな声でそう伝える。
兄「それは無理や・・・」
妹の機嫌を損ねないようにつぶやくように言う。ツイートだ。
それにこいつにぷよぷよで勝つのは不可能に近い。パズルゲーム系統はめちゃくちゃ強いんだよな。
妹「じゃあもうちょっと夜更かしする」
俺の方に向き変えした妹。少しにやけた顔で、心なしか嬉しそうな声でそんなことを言っている。
兄「もう!妹は毎日毎日夜更かしばっかり・・・」
妹「毎日してないもん!昨日は早く寝たもん!」
妹は可愛い。正直すごい可愛い。
正面を向かれて可愛い顔しながらこんなこと言われたら許してやりそうになる。
いつもなら許してやるところだが今日は意地悪してやろう。
兄「じゃあお兄ちゃんは妹より早く寝るから。もう寝るから。」
そんなセリフを決め込んだ。もちろんそんなのは嘘だけど。
兄「さあさあ早く部屋からでていけえい!」
妹「んえー・・・」
俺の言葉をきいた妹の声はすごく残念そうに聞こえた。
うつむいた顔、足の指先は落ち着きなくもじもじしている。
妹「やだ!」
小さな子供が公園で遊んでいるときに親に帰ると言われて駄々をこねるように
妹は少し大きな声でそう言った。
兄「もう知らない。もう妹のことなんか知らない。グオー」
妹「寝るのはやっ!」
言うことを聞かない妹に対抗するように、少しムキになって俺は寝たふりをした。
寝るのが早いも何も、寝たふりだ。
妹「・・・」
兄「グオー。シュホー。」
黙って俺の顔を覗き込む妹。目はつぶってて顔は見えないけど
視線を感じる。なによりなんか肩から顔にかけてぬくもりを感じる
妹の甘い匂いも。
妹「起きろよハゲ・・・」
兄「グオー・・・」
不意にお腹あたりをツンツンとつつかれた。
ちっこい細い指が俺に触れてるのか、そんなことを思うとなんだか興奮した
兄「・・・ちゃんとお兄ちゃんのこと起こしてくれないと起きない」
我ながら訳のわからないことを言った気がした。興奮してるから仕方ない。
妹「なんだよ起きてんじゃんか!」