情報はときに、無敵の“力”となる――。2015年――。ネット上で密かに広まりつつある噂――。『集団失踪』『人間蒸発』『都市滅亡』『裏の世界』『地球沈没』全ては、噂として終わるはずだった。そう、はずだった――。内向的だが好奇心にあふれた少年、灯滾和人は実験をライフワークとするほどの、大の科学好き。そんな彼は、高校二年の夏、偶然チャットで知り合った人の言葉をヒントに“三次元バーコード”を発明する。しかしそれは、情報を格納するだけではない、隠された機能が存在していた――。 「未来、過去、現在――」 「選択の数だけ、世界は存在するんだ」 「情報が、この世界ではすべてなんだよ」 「俺は、諦めない――絶対に。」