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No.29266の一覧
[0] クララ一直線・セカンド (レギオス 再構成) 【完結】[武芸者](2013/07/10 16:04)
[1] プロローグ 始まり[武芸者](2012/11/01 08:50)
[2] 第1話 学園生活[武芸者](2011/08/11 09:04)
[3] 第2話 入学式[武芸者](2012/05/22 07:12)
[4] 外伝 とある夜[武芸者](2011/09/30 10:15)
[5] 第3話 第十八小隊[武芸者](2011/08/11 09:17)
[6] 第4話 眩しい日常[武芸者](2011/08/11 09:07)
[7] 第5話 第十八小隊の初陣[武芸者](2011/08/11 09:08)
[8] 第6話 汚染獣[武芸者](2011/08/11 09:16)
[9] 第7話 波乱の後に……[武芸者](2012/05/22 07:10)
[10] 第8話 セカンド[武芸者](2011/08/11 22:19)
[11] 第9話 都市警[武芸者](2011/09/30 13:50)
[12] 第10話 一蹴[武芸者](2011/09/30 13:26)
[13] 第11話 一時の平穏[武芸者](2011/11/06 21:28)
[14] 第12話 廃都[武芸者](2012/02/02 09:21)
[15] 第13話 ガハルド[武芸者](2012/05/23 20:58)
[16] 第14話 けじめ[武芸者](2012/06/12 06:49)
[17] 第十五話 目覚めぬ姫[武芸者](2012/11/01 08:21)
[18] 第十六話 病[武芸者](2013/01/19 00:22)
[19] 第十七話 狂気[武芸者](2013/02/17 08:02)
[20] 第十八話 天剣授受者と姫 (完結)[武芸者](2013/07/11 10:07)
[21] クララ一直線・サード!?[武芸者](2015/08/04 17:25)
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[29266] クララ一直線・サード!?
Name: 武芸者◆8a2ce1c4 ID:724dfd96 前を表示する
Date: 2015/08/04 17:25
「んっ……またか」

目が覚めると、レイフォンの隣ではクラリーベルが寝ていた。もうすっかり慣れてしまった光景だった。

「ん、むにゃ……」

とても幸せそうな顔で、規則正しい寝息を立てるクラリーベル。愛しい女性であり、肌を重ねるまでに至った仲だ。一昔前のレイフォンなら取り乱しただろうが、今のレイフォンが驚くことはない。
むしろ微笑ましいというか、嬉しいというか、かわいらしいというか、とにかく先ほどから、レイフォンの口元はにやけっぱなしだった。

「まったく、自分のベットもあるのに」

手を伸ばし、レイフォンはクラリーベルの頭に触れる。そして、髪を触りながら撫でた。
クラリーベルの特徴的な黒髪と、一筋の白髪。人目を引く髪であり、レイフォンも贔屓目なしに綺麗だと思っていた。その上手触りも良い。このように撫でているだけで、なぜだか幸せな気分になってくる。

「それにしても久しぶりだなぁ。クララが僕のベットに入ってくるのって、いつ以来だっけ?」

一時期は一緒に寝たりもしていたが、ある日を境にレイフォンとクラリーベルは別々に寝ることとなった。別に仲違いをしたわけではないのだが、事情によってクラリーベルがベットにもぐりこむことも少なくなったのである。
その事情というのが……

「いつまで寝ておる!」

「うわっ!?」

ティグリス・ノイエラン・ロンスマイア 。クラリーベルの祖父であり、レイフォンと同じく現役の天剣授受者。彼との同居が原因で、レイフォンとクラリーベルは今までのようにいちゃつけなくなっていた。

「レイフォン、貴様ァァ! またクララと!!」

「ちょ、ちょっと待ってください。僕は何もしていないですって。クララが勝手に……」

「やかましい! 既にクララに毒牙をかけた者が。いまさらなにを言っとるか!!」

早朝、レイフォンの寝室に乗り込むなり怒りのままに喚き散らすティグリス。彼にとってクラリーベルは可愛い孫娘であり、そんな孫娘に手を出して、子まで身ごもらせたレイフォンは憎むべき敵である。
目の敵とされ、時には殺意すら向けられるレイフォン。クラリーベルと一緒に寝るためにこれでは、いちいち身が持たない。

「す~……むにゃ」

当のクラリーベルは、レイフォンとティグリスが言い合っている最中も睡眠を継続していた。我関せずとばかりに、幸せそうな顔で睡眠を貪っている。

「今日という今日こそ貴様をォォ!!」

「いいでしょう。決着を付けましょうか! あなたを倒してクララを貰います!!」

「ん~、れいふぉんしゃま……えへへ」

結局クラリーベルの惰眠は、レイフォンが朝食を準備するまで続くのだった。


†††


「んー、やっぱりレイフォン様の作ってくださる朝ごはんはおいしいです。量もありますし、大満足です!」

「はは、お代わりはたくさんありますからね」

朝食の時間。この家で家事ができるのはレイフォンだけなため、キッチンに立つのももちろんレイフォンだ。
クラリーベルはレイフォンの料理に太鼓判を押し、満足そうに頬張る。女性とはいえ武芸者故に大食らいであり、質よりも量派ではあるものの、だからといっておいしい料理が嫌いなわけではない。

「ふん、味付けが濃い」

「なら食べなくていいですよ」

共に食卓を囲むティグリスは、先ほどからぶつぶつと文句を言っていた。これではまるで、どこゾノ小姑だ。ティグリスのこんな姿は、天剣授受者に憧れるグレンダンの民にはとても見せられないだろう。
どうにもこうにも大人気ない。レイフォンとクラリーベルの間に起こったことがショックだったかもしれないが、これはあまりにも情けない。デルボネ辺りが知ったら失笑を浮かべていたかもしれない。

「あ、そういえばレイフォン様、養殖湖に泳ぎに行くのは来週でしたよね?」

「え、ああ、はい。シャーニッド先輩が十八小隊のみんなで遊びに行こうって話しですよね」

クラリーベルが思い出したように言う。武芸大会初戦のマイアス戦が終わり、ティグリスが来てもう三ヶ月近くの月日が流れていた。
夏季が近くなり、長期休暇も予定され始まる暑い日々。こんな中訓練はやっていられないからと、シャーニッドは遊びに行くことを提案した。
もともと、第十八小隊の面々の訓練態度は決して良いものではない。隊長であるレイフォンが放任主義というか、隊員達に関して無関心なのだ。訓練をやるなら自分のやりたいように、好きにやれという形だ。
レイフォンとクラリーベルも個別に自主訓練はするものの、小隊の連携だとか、チームワークなんて気にしない。個人の能力に依存した小隊。だが圧倒的な強さを誇り、小隊の対抗試合では全勝優勝を掻っ攫っていた。
そんな小隊だからこそか、シャーニッドの誘いを断る者はいなかった。クラリーベルはノリノリで、クラリーベルが行くのならレイフォンも行く。ナルキは先輩の誘いを断りにくそうに、渋々と同意した。レオも似たような形だ。
ガトマンは断る理由もなく同意したが、フェリは微妙な表情で、ものすごく嫌そうな顔をしていた。もっともフェリの場合は遊びにいくのが嫌だというわけではなく、こういった集団行動が苦手なのだ。それとこれはうわさだが、彼女は泳げないらしい。
とはいえ、フェリは流されやすい性質をしており、なし崩しに参加させられる可能性もあるかもしれない。なんにせよ、第十八小隊の面々で養殖湖に行くのは来週のことだった。

「実は水着を買いに行こうと思ってまして。今までのは……あの、サイズが合わなくなっちゃったので」

「あ~……」

三ヶ月も経てば、クラリーベルにも変化が訪れていた。まだそこまで目立たないが、妊娠していることによってお腹が大きくなっていた。今まで着ていた服も着られなくなり、いろいろと困っている。服も問題だが、彼女が一番の問題としているのは満足に動けないことだ。
戦闘行為は一切禁止、激しい訓練も禁止。これは戦闘狂の毛があるクラリーベルからしたら発狂ものの待遇だった。母体に負荷をかけないための仕方がない処置とはいえ、これでは戦闘の感が鈍ってしまう。いまさらながらにちゃんと避妊をしておけばよかったと思うが、後の祭りである。
とはいえ、おろそうとは考えていない。レイフォンのことは好きだし、その間に子供ができたのも嬉しい。ただ存分に動けないことが不満なだけで、少し気が立っているのかもしれない。

「そんなわけでレイフォン様、今日はお買い物に付き合ってください。ついでにいくつか、普段着用の服も買いますから」

「そういうことでしたら、喜んでお付き合いしますよ」

その鬱憤を少しでも晴らすかのように、クラリーベルは買い物に行くことを提案した。むろん、水着にしろ、服にしろ、今のクラリーベルにとって必要なものだ。ならば、レイフォンが買い物についていくのもやぶさかではない。
むしろ、クラリーベル一人で買い物に活かせるのは何かと心配だし、お目付け役という意味もあるが、これはある意味デートでもある。
肌を重ね、愛し合ったもの同士、二人でのお出かけが嫌なわけなかった。

「ふむ、それではわしも一緒に行こうかの」

「……………」

二人でのお出かけは嫌なわけがなかった。だが、ティグリスのこの発言に、レイフォンはあからさまに嫌そうな顔をする。
まさにお邪魔虫とはこのことだった。デートに彼女の祖父同伴とか、嫌な顔の一つや二つしても許されるだろう。

「空気呼んでください、ティグリスさん。あと、ご自分の年を考えられるように。この暑い中外に出て、熱中症でぽっくり逝ったらどうするんですか?)

「ふん、わしはそこまでやわじゃないわ。それに、口ではそう言っておるが、お主に、わしを心配する気持ちなどさらさらないじゃろうに」

表面上は笑顔を浮かべているが、言葉でけん制しあう二人。
そんな二人を他所に、クラリーベルはとても華やかな笑みを浮かべて言った。

「おじいさまも来ていただけるんですか? それでしたら是非とも、一緒にお出かけしましょう」

「え?」

「いよっしゃああああああ!」

素っ頓狂な顔をするレイフォンと、あらん限りの喜びの声を上げるティグリス。
対照的な二人の反応に、クラリーベルはクスクスと微笑を浮かべていた。







「レイフォン様、おじいさま、次はこのお店ですよ。速く速く!」

「ぜぇ、ぜぇ……」

「ちょ、まってくださいクララ! ティグリスさんがさっきから死にかけてるんですけど!」

妊娠3ヶ月でも、元気に先頭を歩くクラリーベル。足早に次の店へと入っていたクラリーベルを追い、レイフォンとティグリスは両手いっぱいに荷物を持って歩いていた。

「今日はレイフォン様とおじいさまが来てくれて助かりました。おかげで気兼ねなく買い物ができます」

「いやいや、少しは気を使ってあげてください。ティグリスさん、そのうち倒れますよ!」

「……………」

クラリーベルはこれをデートではなく、純粋に買い物だと認識していた。そして荷物持ちは、レイフォン一人よりティグリスもいた方が効率がよいと判断したのだろう。
とはいえ、いくら年老いているとはいえ、熟練の武芸者であるティグリスがへばりそうなほどの買い物をするクラリーベルもクラリーベルだ。
荷物が単純に重いというのもあるかもしれない。だが、今は夏季が近い季節。気温も高い炎天下。荷物以上に、照りつける太陽がジリジリとティグリスの体力を奪っていく。
荷物のために両手がふさがっており、水分捕球すらままならない。

「も、も…駄目じゃ……」

「うわああ! ティグリスさんが倒れた!!」

不動の天剣、ティグリス。彼に膝を付かせたのは、孫娘の純粋で残酷な仕打ちと、夏の炎天下だった。
一旦買い物を中断し、クラリーベルとレイフォンは公園の木陰でティグリスを横にし、開放を施した。




† † †



「ひゃっほおおおお!!」

「うわああ!!」

養殖湖の浜辺を全力で走り、湖に飛び込むシャーニッド。その小脇にはレオが抱えられ、悲鳴を上げながらシャーニッドとともに激しい水柱を上げた。

「あ、これおいしいですね」

「クララ、泳ぐ前にそんなに食べるのか?」

「はい」

新しい水着を着たクラリーベルだが、まずは食い気。出店の焼きそばを頬張り、幸せそうな表情を浮かべていた。

「クララ、カキ氷とフランクフルトも買ってきましたよ!」

「わー、ありがとうございます、レイフォン様!」

そしてレイフォンが、さらに甘やかすかのように食べ物を買ってくる。
その様子に、ナルキは呆れたような視線を向けていた。

「なあ、せっかく養殖湖に来たんだ」

「そうですね」

そして移植の組合せ。ガトマンとフェリ。

「水着も着ているだろ。なのに何故泳がず、本を読んでいるんだ?」

「続きが気になってましたので。それに、人の多い場所は苦手です」

ガトマンに対し、返事は返すものの、フェリは本から一切視線を逸らさず、ページだけをめくっていた。

「……ひょっとしてだが、泳げないのか?」

「……人は水に浮きません」

だがこの言葉に、フェリのページをめくる手が止まった。どうやら図星らしい。

「……………」

「……………」

だが、それがどうしたというように、無言になる二人。
どうやらこの組み合わせは、あまり相性が良くないようだった。



「しっかし……クララのおじいさんは、ずいぶん元気なんだな」

「そうですか?」

ナルキの問いかけに、クラリーベルはかわいらしく小首を傾げてみせる。
だが、ナルキの言うことはもっともだろうという後継が目の前には広がっていた。
サングラスをかけ、手にはサーフボードを持ったティグリス。波が出るように施された養殖湖の沖合いで、文字通り波に乗っていた。
この間、熱中症で倒れたとは思えないほどに元気よく、年甲斐もなくはしゃいでいる。

「そうですよ。まったく、うちの義父さんより年上なんですから、少しは落ち着きを持てばいいのに」

クラリーベルの隣でアイスをかじり、そんなことを言うレイフォン。

「レイフォン様、そのアイスおいしそうですね」

そんなレイフォンの手元のアイスをじっと見て、クラリーベルは羨ましそうに言った。

「さっき、あれだけ食べてたじゃないですか」

「一口だけ、一口だけでいいですから!」

「まったく……一口だけですよ」

「わーい!」

レイフォンの許可を得て、アイスに大口を開けてかぶりつくクラリーベル。その一口で、アイスの半分以上を食いちぎった。

「ちょ、どれだけ食べてるんですか!」

「い、いひゃい、頭がいひゃい……」

「自業自得でしょう」

アイスを頬張ったことにより、頭痛を覚えるクラリーベル。レイフォンは呆れたように、残りのアイスをかじった。

「あたしもちょっと、泳いでくるかな」

ナチェラルにいちゃつく二人を他所に、ナルキも養殖湖で泳ぐことにした。
今日の気温は、この二人と同じくらい熱くなりそうだった。



























……生存報告という意味での更新です。
皆さん、本当にお久しぶりですね。感想への返信の余裕もありませんが、お許しください。
とりあえず私、武芸者はまだ生きています。ただ、ジョブチェンジの都合やらなんやらで、まったく更新できませんでしたが。
この状態は、まだ暫く続きそうです。レギオスは好きな作品なので、フォンフォン一直線を、いつかちゃんと完結させたいですね。
クララ一直線シリーズは自分の中では既に終わった作品なのですが、続編を望む声があって驚きました。まあ、それゆえに今回の生存報告でしたが。

そういえば今の時期、ゲートのアニメやってますね。こちらで連載してた、大先輩の方の作品だとか。まさに凄い、素晴らしいと賞賛の言葉しか出てきません。
けど、ラノベ読むのは自分、遅い方ですし、アニメも忙しくて観れてないですし、一応漫画版は最新7巻まで読みましたが。
ロゥリィが可愛すぎて辛いです。あと、主人公の声があの人なので、高笑い浮かべて龍に殴りかかる姿を想像したり。
まぁ、自分のかってな妄想ですけどね。


それではみなさん、またいつかお会いしましょう。今年中にはもう一回くらい、何かしら更新してみようかなと思います。
それでは、失礼します。


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