ネギま!じゃなくて、ナギま!? プロローグ
あぁ、死んだ。見事に死んだ。なんと言うか、死ぬ時には走馬灯が見えるらしいけどオレからすればそんなのはどうでもいい。ただこのまま死ぬという事実が刻々と、コンマ以下の世界で進んでいるというだけだ。死因は轢死だろう。一度ぶつかって放物線を描き、飛んでいるところに迫り来るトラックを見てしまった。オレを跳ね飛ばした車は横道に逸れている。だからトラックが迫っているわけだが、なんとオレは冷静なのだろうか?確かにオレの性格はすごく冷静な性格だった。だが冷静というより覚めているというのが正しいだろう。だけどなにもこんな時まで冷静でなくてもいいと思うよ。それが最後のオレの思考。明日には悲劇的な事件として朝のニュースに流れるだろう。享年18歳。
あぁ、ベットの下のAVどうしよう。
白い。一面真っ白な空間だ。上も下も右も左も無い。オレは裸のまま浮遊している。どの方向に流れているのかすらも分からない。だけどふと、目に入って来たのは小さな点だった。ソレが段々と近づくにつれ扉だと分かった。大きな西洋風の石造りの扉だ。見とれていると背後から声をかけられた。老人だろうか?白く長いヒゲをたくわえた80歳はゆうに超えるお爺さんだ。もしかしてこの人は神様なのだろうか?そんな考えてが浮かんで来た。
「お主、何故此処におる?」
ヒゲを右手で梳きながら無表情で、だが視線はオレの目を捉えて問いかけて来た。優しさのあるなんとも言えない声質は何処か懐かしさのある声だ。
「何故と尋ねられてもオレは車に轢かれて、気が付いたらこの空間にいて、浮いていたら扉の前に着いただけですが。」
「……ほう。めずらしいこともあったもんじゃな。」
会話の内容から探れるものはなにも無いか。そして聞いても理解出来るかどうかも怪しそうだな。オレはこれからどうなるのか?まぁどうせ死んだと思うけど、これから「お前地獄な!」とか言われて強制労働を永遠にやらされるとかになったら本当に嫌だ。次のお爺さんの言葉がオレの人生を左右するだろう。(もう人生終わってるけどね)
「ふむ、お主の死に方は中々壮絶じゃのう。それに『輪廻の門』に自力で辿り着けるとはな……。ならばお主にもう一度"生"をやろう。」
これはもしかしてこの人は神様で、もう一度生きるチャンスをくれるってことなのか?
「そうじゃのー、何か希望はあるか?」
なんと優しいのだろうか。無心教だけどありがとう神様!だから遠慮はしませんよ。
「魔法がある世界に行きたいです。容姿は美丈夫。髪金髪で。魔法使い。魔力とかはちょい多めで。貴族の家に生まれたいですね。」
「注文が多いのう……。」
渋々といった感じでメモにサラサラと書き記している。神様もメモ使うんですね。
「ではこの門を通りないさい。そうすればお主は生まれ変わる。」
一歩踏み出せばオレは生まれ変わる。
期待に胸を踊らせてオレは門に足を踏み入れたのだった。
あとがき
永遠幼女です。処女作です。何かと至らぬ駄作かと思われる方がいらっしゃるとおもいますが、温かい目で見てやって下さい。