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No.28698の一覧
[0] リミットブレイク・オンライン(現実→MMO)[ミケ](2012/04/08 21:22)
[1] 2話[ミケ](2012/04/08 21:23)
[2] 3話[ミケ](2012/04/08 21:24)
[3] 4話[ミケ](2012/04/08 21:25)
[4] 5話[ミケ](2012/04/08 21:25)
[5] 6話[ミケ](2012/04/08 21:26)
[6] 7話[ミケ](2012/04/10 21:18)
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[28698] 6話
Name: ミケ◆8e2b4481 ID:9a8f54f5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/04/08 21:26
 私はクスノキにキャラクターチェンジすると、変装して冒険者ギルドへと向かっていた。
 望むのは、レベル1の幼気な少年少女たちである。
 仲間に出来れば、なおいい。
 
「フィナちゃん……本当にやるの?」

 強そうな少女に縋りつく、腰が引け気味の少女。

「あったりまえよ! 良い教師に成るヒント、それは訓練士に秘められているのに違いないわ」

 その意気や良し!
 どうやら、年頃のレベル一の少年少女達が授業の一環で職業登録に来たらしい。
 なんというグットタイミング。
 私は一気に縄を振り回し、少女ら含む十数人を捕獲すると同時に、ワープポータルに入る!

「え、え、ええ!?」

「うわあああ!」

「きゃああ!」

 悲鳴を上げ、騒然とする子供達。先生が凄い表情で攻撃してきたのを、蹴り一つで黙らせる。訓練士の技の一つ、殺さずである。
 そして、ワープポータルに引っ張り込んだ。
 闘技場の中央に行き、縛った子供達を置いてから闘技場を出る。
 同時に展開されるバリアと解放される子供達。

「貴方、何なのよ!」

「ファナちゃん、やばいよ! この人、怖い……!」

 騒然とする子供達。私は素早く、導きセットと回復アイテムを選択。
 カウントが始まるのを確認した。
 子供達は装備が変わったことに驚いた。
 これからが、本番だ。私は、あえて鬼となった。ここは、外道オンラインの世界だ。
 だから、きっと外道の方がうまくいく。短時間でいう事を聴かせるなら、これしか無い。
 
「えーと。これから君達には、職業を登録してもらいまーす。職業はー、訓練士でーす。パチパチパチパチー。死にたくなければとっととアイテム使え」

「えっえ!?」

「訓練士の心得……何が目的よ、あんた?」

「それを知る必要は無いんじゃないかな?」

 職業を選択してしまえば、自動で職業ポイントはその職業に振られる。
 アイテムを使わせさえすれば、訓練士が出来るというわけだ。

「く……仕方ないわ。皆、生き延びる事だけを考えるわよ!」

 ファナと呼ばれた少女が、訓練士のアイテムを使う。
 全員がアイテムを使う間、ファナは手早くアイテムを確認していた。
 頭のいい子だ。

「全員装備したね。じゃあ、行っきまーす!」

 カウントが終わるギリギリに、現れ出る狼の群れ。
 私は息をつく。もっと台詞回しを上手くしなければ、間に合わない。

「きゃああ!」

「なんで! 言う事聞いたじゃねーか!」

 悲鳴を上げながらも、なんとか応戦する子供。逃げ惑う子供。守ろうとする子供。

「ほらほら! 戦わない奴から殺しちゃうよ!」

「くっ外道!」

 必死で応戦する子供達。回復や補助呪文を掛けながら、慎重に全ての子供達に目を配る。
 やはり、ゲーム通りとは言えない。子供達の中には、怯えて逃げ惑うだけの子達もいる。

「そこで丸まってる子。ファナとか言う子が、庇ってるの、気づいてるかな? 君の為に、ファナは噛み付かれる。君の為に、ファナは死ぬ。男なら、立って戦え!」

「よく言ったわ、外道!」

 ファナが全力で結界を殴るが、それは何の意味もなさない。

「ファナちゃん、パリス様が!」

「ちっ覚えてなさいよ!」

 そう言って、必死で蹲る男の子を守る女の子。おーおー、モテるな少年。どっか偉い人の子なのかな。
 必死で罪悪感を抑える。私も必死なのだ。
 そして、悲劇が訪れる。
 ファナ達、頑張って戦っていた組みの装備がはじけ飛んだのだ。

「いやあああああ!」

「きゃあああ!」

「ああああ!」

「さーてどうする、負け犬諸君。君達が頑張らないと、皆死んじゃうみたいだよ? 君達がレベルを上げて装備を弾けさせたら、新たな装備をあげよう。生き残るに足る物をね」

「ひ……っ ぼ、僕は、僕は……」

「大丈夫だよ、パリス様。私が守る。だって、私が訓練士になりたいって言ったから……。だから、私が守らなきゃ! ああああああ!」

 素手で殴りかかるファナ。反撃されて悲鳴を上げるファナ。
 パリスは、涙を流しながら、震えながら、それでも剣を持って、へっぴり腰で狼へと斬りかかった!

「血が! 血が!」

 悲鳴を上げながらも、ボロボロのファナを見て、ぐっと唇を噛み締めるパリス君。

「パリス様……あああああ!」

 リミットブレイクだ!
 私はすかさずアイテムを使う。
 すると、ファナの中央から光が弾け出て、リミットブレイクをした。
 しばらく戦わせて、ようやく全ての子達の装備が弾け飛ぶ。
 ふむ、折よく魔物も少なくなったな。
私はレベル制限20の中でも一層良い装備一式を惜しげもなく投げ与えた。
 訓練士の装備である。
 
「さて、ここからが本番だ! すぐに着替えてくれたまえ! 心配せずとも、全員50レベルになったら解放しよう」

「くっその言葉忘れんじゃないわよ!」

 彼らは手早く装備をした。
 訓練士は多彩な武器を装備できる。ぶっちゃけ全種。何が言いたいのかというと、早い者勝ちだ。
 意外にも彼らは争わず、パリス様とやらに一番使いやすい武器を渡した。
 一段高いレベルの魔物に、彼らは息を呑む。

「絶対に生きて帰るわよ! みんなぁ!」

「おう!」

「ファナちゃんは、私が守る!」

 お、リミットブレイクまた来た。
 私は慎重に魔物の出具合を調節し、結果三日ほど拉致った。
 私も疲れたが、彼らは三日三晩、寝ずに戦った事になる。
 まあ、交代で寝るなんて余裕与えなかったしね。
 最後の魔物を倒した時、私は祝の品をプレゼントした。
 もう一段上の装備と、アイテムである。
 約束を破ってまた一段階強い魔物を呼ぶつもりかと、信じられない面持ちで、けれど諦めずに、装備を替えて、アイテムを取った時だった。

「ゲームクリアー」

 私はパチパチと拍手をする。
 すると、ザッパーンと波が巻き上がり、頭の中にファナ、パリス、シータ…(略)……は、わしが育てた! という言葉が流れた。
 あ、これは異世界でも出るのね。
 三日三晩、リミットブレイクも何度かあり、レベル1を最低レベル50、最高レベル70にした甲斐あって、莫大な経験値が入った。
 つーか、カンストだね、これ……。
 転生しないなんて事はあり得ない。クスノキも神化かぁ。
 転生システムはどう変わっているかな。
 でも、凄く疲れたや。今は帰って寝よう……。


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