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No.28479の一覧
[0] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 【完結】[一兵卒](2011/09/10 21:09)
[1] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep1[一兵卒](2011/06/21 23:58)
[2] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep2[一兵卒](2011/06/25 23:58)
[3] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep3[一兵卒](2011/07/02 23:33)
[4] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep4[一兵卒](2011/07/09 22:50)
[5] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep5[一兵卒](2011/07/15 23:56)
[6] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep6[一兵卒](2011/07/22 23:19)
[7] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep7[一兵卒](2011/07/29 23:11)
[8] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep8[一兵卒](2011/08/05 22:40)
[9] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep9[一兵卒](2011/08/12 23:19)
[10] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep10[一兵卒](2011/08/19 22:29)
[11] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep11[一兵卒](2011/08/27 01:33)
[12] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep12[一兵卒](2011/09/03 00:40)
[13] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 最終話[一兵卒](2011/09/10 21:05)
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[28479] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep8
Name: 一兵卒◆86bee364 ID:e2f64ede 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/08/05 22:40






Side 小泉孝


「はぁ、はぁ……麗、沙耶、コータ、加納さん……みんないるか!?」

 警視庁屋上…ヘリポート。

 一行、5人は、放送室にて地下にいるであろうカナンたちに<奴ら>の接近の危機を知らせた後、自分たちも逃げようと一階を目指したが、既に一階は都心部から集まった<奴ら>によって脱出不可能な状態にあり、こうしてただひたすらに、上にと上ってきたのだった。勿論、此処にきて脱出する方法はない。だが、この状況を撮影しているであろう報道ヘリ、もしくは、自衛隊のヘリが駆けつけてくれるかもしれない、そんな僅かな希望にすがりながら、孝たちはここまで逃げてきたのだった。

「なにか、扉を止めるためのバリケード的なものはないの!?」

 沙耶が、周りを見渡しながら、大声を上げる。

「沙耶さん、そんなものを捜している場合じゃないみたいですよ」

 コータは、握っているショットガンを扉から湧き出てきた<奴ら>の一団に放つ。その銃弾は、<奴ら>の手足、胴体を抉り、後ろにいた<奴ら>をまとめて破壊する。

「弾があまりない……」
「此処まで来るのに使ってしまったから……」

 加納と、孝は顔を見合せながら残った弾の数を眺める。

「そこでグズグズしている男二人!戦うのよ……こんなところでまだ死にたくないでしょ!?」

 沙耶は、残っている銃を握りながら、コータとともに扉から湧き出てくる<奴ら>に対して銃を放ち続ける。孝は、銃を手に取り、次々と出てくる<奴ら>に鉛玉を撃ちこんでいく。加納は、その間に携帯を手にして電話をかけた。なんとか応援を……このままでは、全滅だ。

「くそ!!もうこれが最後だ」

 麗に弾を渡すと、孝は苦々しそうに言葉を放つ。麗は、装填しながら、銃を握る。

「孝と死ねるなら……いい」
「麗……」
「ずっと一緒だったから……幼稚園のころからずーっと。だから、最後まで……ね?」

 麗は、孝のほうを見て笑顔で告げた。




学園黙示録×CANAAN

Episode8 攻める者×守る者



Side 大沢ひとみ



「「私たちが行きます」」



 その声に振り返るカナン、レヴィ、キャミィ。
 マリアとひとみはしっかりと手を握り合いながら、電話口に告げる。

「カナンに場所を教えてもらえれば、爆弾の解除とか、そんなのは大丈夫。誰にだってできる。それに、カナン?ひとみはこう見えても、渋谷での爆弾を止めたんだよ?」

 マリアはカナン達を見ながら優しく告げる。

「そんな危険なことをさせるわけにはいかない……。マリア、君たちは……」

 キャミィがマリアの肩を掴み、説得しようとする。マリアがこういった風に行動するのは、知っている。それが彼女の良いところであり、悪いところでもあるのだから。だからこそ、彼女のブレーキを自分が行わなくてはいけない。爆弾の場所はわかるかもしれない。だが、その先は……アルファルドが爆弾護衛のために部下を配置している可能性はある。

「……頼める?マリア、ひとみ」
「おい!カナン、お前、自分がやろうとしていることがわかっているのか!!」

 走りながら、レヴィは、背後に迫る<奴ら>に銃を放ち、少しでも足を遅らせようとしていた。キャミィを見つめマリアは、笑みを浮かべた。

「ありがとう、キャミィ。でもね、私も、役に立ちたいんだ。それがどんな些細なことでもいい。だから、三人は、アルファルドの元に行って」
「……マリア」

 キャミィは、マリアの言葉にもうそれ以上何も言えなかった。彼女の自分を見る鋭い目に、彼女の強い意志を感じたからだ。

『話はまとまったようですね。どちらにしろ、みなさんを回収し、お台場により、羽田空港にとヘリで向かいます。脱出経路をメールします。合流は今から5分後です。では、よろしくお願いします』

 送られてくるメールを見るカナン。レヴィは、銃を放ちながら、

「カナン、道誘導は任せるぜ。私が後ろ、コスプレ女が真ん中だ。」
「……わかった。みんな、ついてきて!」

 カナンはそういうと、暗い地下鉄の線路の上を走りだす。彼女は、レヴィの前を通り過ぎ、レヴィの後ろにと向かっていった。突然、逆走を始めたカナンに、レヴィが振り返った。その表情は呆然としている。

「おい!?どこにいくんだ?」
「いや……脱出経路がこっちらしいんだ」
「そっちは地獄の一丁目だぞ!!」
「時間がない!急いで」
「無視か!!ちっくしょぉ!!こうなったら……」

 レヴィは服から取り出しだ、手榴弾をカナンの前にと投げる。カナンは、レヴィの投げられた目の前にと飛んできた手榴弾を、蹴り、前の方で揺れ動きながら近づいてくる<奴ら>の一団にと飛ばす。爆音とともに、<奴ら>を吹き飛ばす。

「音で、連中が集まってきたぞ!」

 キャミィの言葉通り、音により、こちらにと近づいてくる<奴ら> レヴィは後ろを守りながら、キャミィは掴みかかろうとする、<奴ら>の足を蹴り飛ばし、膝をついたところを首を蹴り、へし折る。カナンは、的確に前にいる<奴ら>の額に銃を撃ち込み、道を切り開いていく。やがて見えた非常口を見つけ、扉を開けて中にと入る。キャミィもまた、大沢姉妹とともに出入り口にと入る。

「レヴィ!急いで」

 レヴィは、一番最後に、こちらにと雪崩れ込もうとする<奴ら>の一人の口の中に手榴弾を咥えこませた。

「死人も腹が減るだろ?こいつの味は刺激的だぜ!」

 そういうと、咥えこませた<奴ら>の顔を蹴り、倒す。レヴィは、扉を閉め、そのままカナンたちとともに、目の前にある階段を昇る。それと同時に、爆音と地響きがした。一行は階段を上りながら、地上にと向かう。

「……ったく、無茶苦茶だな?相変わらずお前は」

 レヴィが、前を走っているカナンにと告げる。

「それはお互い様だよ、レヴィ」
「けっ……、それでこの階段を昇りきればゴールか?」

 やがて見えてくる、光。
 一同が光にと走り込んでいき、扉を開けた。

「ここって……」
「うん。地下鉄の駅だね……こんなところに繋がっているなんて」

 ひとみとマリアが話をする中、周りを警戒するカナン、レヴィ。やはりここにも<奴ら>がうようよしている。もはや東京は完全に<奴ら>の巣窟となっているようだった。

「穴の中はこりごりだ。さっさとでるぞ!」

 レヴィの言葉にうなずきながら、彼女たちは、地下鉄の外にと出る。外にと出た彼女たちの前……風と共に、まばゆい光を放つヘリが道路にと降り立つ。後ろのハッチが開き、そこから姿を現す眼鏡をかけたスーツを着た女……夏目は、風になびく髪の毛を抑えながら、カナンたちをみる。

「こちらです!急いで!!」

 全員が乗ったのを確認すると、ヘリは飛び上がる。レヴィはようやく無事な場所にと確認すると大きく息を吐く。こんな死者の街はごめんこうむりたい。キャミィは、夏目を見ると、情報を伝えようと話を始める。アルファルド率いる敵戦力の情報。軍人として、情報は命にかかわることだというのが分かっているからだ。そして、カナンは、緊張の糸が切れたのか、イスに座りぐったりとしているマリアを見る。そんなマリアが身を預けるように隣で意識を失うように目を閉じる。その隣にいるマリアの双子の妹であるひとみはカナンを見つめ、口を開ける。

「……助けてくれてありがとうございました」
「お礼なんかいらない。私は、ただ自分が大切な人を守っただけだから」

 カナンは、ひとみの言葉に首を横に振り答えた。

「私は……貴女が嫌いです」
「知ってる……色でわかるから」

 カナンはひとみを見つめながら、その共感覚の目でひとみの色を知った。それは最初に出会ったときから知っていた

「姉さんは、貴女に惹かれている。追いかけて……だけど、貴女の前にあるのは危険なことばかり。こんな姉さんだから、貴女の隣に立ちたくて、無理をして、危険なことに巻き込まれて……」
「……マリアのことが好きなんだね」

 ひとみは、カナンの言葉に頷く。

「姉さんは……貴女に憧れてる。貴女が必要だから……」
「大丈夫……私は、負けない」

 カナンは静かに……だが、はっきりと答える。

「……私もマリアが必要だし、マリアは、ひとみのことが必要。そういった繋がりが、いっぱいあって、私達の関係は、人間はみんな繋がり合っていると思う。そういった糸を切って、失わせる奴らを私は許さない。そして、そんな奴らにこれ以上、糸を切らしはしない」
「……貴女がいない間は、私が姉さんを守る。私だって、いつまでも守られてばかりじゃイヤだから……」
「お願いするよ、ひとみ」

 二人は視線を絡ませ、笑みを浮かべる。カナンは、ひとみの色が、嫌いという一色だけではないということも知っていた。もしかしたら、ひとみは自分にとってもいい友人になれるかもしれない。カナンは、そんな未来の可能性も感じていた。

「!?」

 そんな矢先、カナンは、ある別の色を感じ取った。それは、この街に吹き荒れる死の色に対して、しっかりと生きている色……カナンは立ち上がり、操縦席にと向かった。




Side 小泉孝



「まずいです。これ以上は……」

 コータの声が響く。
 <奴ら>の死体を壁にしながら、孝たちは銃を撃ち続けていた。麗は、銃よりも銃剣である剣の部分を用いて、<奴ら>の頭を貫き、仕止めていく。こんなとき、冴子さんがいてくれれば。彼女の至近距離での剣術であれば、弾に頼るしかないこの状況でも、なんとかなったかもしれない。

「くそ……」

 思わず声を漏らす孝。

「孝?」

 麗は、孝の方にと振り返った。孝は、<奴ら>を睨みつけながら、吐き捨てるように告げる。

「こんなところで死んでたまるか!!死ねるか!!まだまだやりたいこと、山ほどあるんだ!!こんなところで……死んでたまるかっ!!」

 孝の咆哮の直後、背後から銃声が聞こえ、彼らの前、襲いかかろうとしている<奴ら>の頭が吹き飛び崩れ落ちる。振り返った彼らの前、そこには、二丁拳銃を握るレヴィ、そして、カナンの姿があった。

「ヘリポートに着陸させて……」

 カナンの指示の元、ヘリがヘリポートにと降り立つ。

「早く乗って!!」

 孝は、麗達を先にヘリに向かわせながら、銃を向け、加納、そしてコータとともに、襲い来る<奴ら>を撃ち抜いていく。そんな3人をカバーするレヴィとカナン。

「よく頑張ったなガキ共。ここからは大人の出番だぜ!」

 レヴィは、コータと孝に告げながら、二丁拳銃で<奴ら>を次々と撃ち抜いていく。そして、そのまま、レヴィは、カナンとともにヘリにと乗り込んだ。レヴィは、飛び立つヘリの中で、人差し指をヘリポートに群がる<奴ら>に向けて立てた。

「警視庁が……」

 加納は、群がる<奴ら>を眺めながら、その異常な光景に呆然とする。日本の首都を守る治安機構の最高峰が、まさに魑魅魍魎に覆われ、その機能を失っている。悪夢以外の何物でもなかった。飛び立ったヘリの中から見る東京もまさに、壊滅的な状況だ。死傷者が何千人、何万人に上るかもわからない……。拳を加納は強く握りしめた。

「刑事さん」

 加納に声をかけた孝、そしてコータ。

「まだ、俺たちは生きています。生きていれば、復興だって、なんだってできる。今は自分が出来ることをやりましょう」
「……ああ、まだ事件は終わってはいない。俺も俺が出来ることをするさ」

 そんな三人の背後では、警視庁で、蛇のテロリストに連れされらてしまっていた、ひとみが無事であったことを、麗と沙耶が笑みを浮かべ、喜んでいた。「よかった……」そう言う言葉が漏れる中、孝は振り返り、皆が笑顔になっていることに、安堵した。ただ、今、此処にいてほしい人は未だに見つかっていない。

「冴子さんも無事でいるといい」

 漏れる言葉。

 それを耳にしたカナン、キャミィ、レヴィ、そして大沢マリア、ひとみ。彼女たちの表情が一瞬強張った。孝が冴子を捜しているということを彼女たちは知った。そして、その彼女は、今……テロリスト『蛇』の仲間として、アルファルドとともに動いている。

「大丈夫だよ、冴子さんは剣道部で、その実力は全国レベル。生きているさ」
「そうそう、孝は冴子さん冴子さん、うるさい!」

 コータと麗が、孝の肩を叩いて告げた。孝は、そんな二人の言葉に心を軽くする。



Side キャミィ



「……みんな、聞いてほしい」

 キャミィの言葉にその場にいる一同が視線を向けた。

「今回の事件。敵を打倒すべく挑んだ者、偶然に巻き込まれた者……経緯はどうあれ、私たちは、今この事件に巻き込まれ、そしてこの場所にいる」

 地下鉄占拠事件において、アルファルドを捕まえるべく、夏目からの依頼を受け、単身、アルファルドに挑んだカナン。
 アルファルド逮捕を受け、英国から彼女の身柄を受け取りに向かった際、警視庁を占拠され、カナンと加納を救った形になったキャミィ。
 夏目の依頼を受け、以前の事件で仕止め切れなかったアルファルドを自らの手で仕止めるためにこの国に再度訪れたレヴィ。
 渋谷ウイルス事件の解決の功労者であり、アルファルドを知る者として、今回の事件を止めようとした刑事、加納慎治。
 渋谷でのウイルスにより変貌した<奴ら>に巻き込まれた小泉孝、宮本麗、高城沙耶、平野コータ。
 アルファルドにと捕まり、カナンたちをおびき寄せるための人質となった大沢マリア、ひとみ。

「事件はまだ終わっていない。今、政府、および東京都民の緊急避難先となっているお台場には、ウーアウイルスの爆弾が設置されている。そして、それを仕掛けた犯人は、羽田から脱出を図ろうとしている」

テロ組織『蛇』の首領であり、今回の事件の首謀者であるアルファルド。
S.I.Nから『蛇』にと移り、世界の破滅を嘲笑うハン・ジュリ。

……アルファルドの闇に魅入られた毒島冴子。

「私たちは、アルファルドを捕まえに、羽田にと向かう。そして、大沢マリア、ひとみには、カナンから爆弾の設置された場所を教えてもらい、それを無力化してもらう。だが、アルファルドがどういった爆弾を設置したか分からない以上、彼女たちだけでは危険が伴う」
「……最後まで言わなくてもいいですよ、英国軍人さん」

 コータが、キャミィの重々しい言葉を遮り、言葉を告げる。

「ただ、貴女は命令してくれればいい。僕は、それについていくだけです」
「ちょっと、デブオタが何かっこつけてんのよ!?ここまできたんだから、私たちも行くわよ!」

 コータを小突き、沙耶が隣から腕を組んで声を上げる。

「……孝」
「ああ、俺たちの手で、この危機が救えるかもしれないっていうなら、やらせてくれ!」

 同じように麗と孝も声を上げる。
 そんな協力者達の声に、マリアとひとみも嬉しそうに、その4人を見る。

「俺は警官だ。事件解決まで、この子たちを守り、そして日本の治安を守る義務がある」

 加納もまた、少年少女達に負けず劣らず、声を出して、キャミィにと視線を向けた。そんなやり取りを見ながら、カナンは笑みを浮かべ、キャミィを見る。レヴィはため息交じりに……。

「まったく、暑苦しい連中だぜ……」
「そういうレヴィも嫌いじゃないでしょ?」
「うるせぇーよ。ほら、コスプレ女。どうするんだ?」

 レヴィの言葉に促されて、キャミィは大きく頷いた。ヘリの中、静まり返った一同の前で、キャミィは、全員の顔を見る。立場、環境それぞれ異なる者たち。だが、今、自分たちは同じ目的のために、ひとつになる。
 キャミィが腕を伸ばし、全員が円を組み、片腕を伸ばし、拳を握り、全員の拳を円の中心にと集めた。仲間……それが束の間のものであっても、悪いものではない。キャミィは、かつて、力強い仲間と共に戦い、シャドルーやS.I.Nを倒してきたときの記憶がよみがえる。


「みんな……生きて、そしてまた会おう!」


 キャミィは力強く、言い放った。












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