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No.28479の一覧
[0] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 【完結】[一兵卒](2011/09/10 21:09)
[1] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep1[一兵卒](2011/06/21 23:58)
[2] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep2[一兵卒](2011/06/25 23:58)
[3] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep3[一兵卒](2011/07/02 23:33)
[4] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep4[一兵卒](2011/07/09 22:50)
[5] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep5[一兵卒](2011/07/15 23:56)
[6] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep6[一兵卒](2011/07/22 23:19)
[7] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep7[一兵卒](2011/07/29 23:11)
[8] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep8[一兵卒](2011/08/05 22:40)
[9] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep9[一兵卒](2011/08/12 23:19)
[10] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep10[一兵卒](2011/08/19 22:29)
[11] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep11[一兵卒](2011/08/27 01:33)
[12] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep12[一兵卒](2011/09/03 00:40)
[13] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 最終話[一兵卒](2011/09/10 21:05)
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[28479] 学園黙示録×CANAAN 彷徨う剣士 ep11
Name: 一兵卒◆86bee364 ID:e2f64ede 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/08/27 01:33






Side アルファルド


 聞こえてくる足音。

 それが誰なのか、アルファルドはわかっていた。だから、アルファルドは、彼女を出迎えるべく、青いコートを身に包み、後ろを脱出用のジェット機の出入り口にして立っていた。その手にはしっかりと銃を握って……。

「やはり、お前か……レヴィ」
「なんだ?まるで私が来ることを待っていたような言い草だな」

 立ち止まったレヴィは、銃を構えたまま、アルファルドと対峙する。

「私は、お前が嫌いじゃない。その考え方といい……私も、シャムでなく、最初にお前のようなものと出会えていたのなら、きっと未来も変わっていたのだろうな」
「なんだ?全世界を敵に回すような女とは思えねぇな?それとも、ウイルスで頭でもやられちまったか?」

 アルファルドは、白い歯を見せるレヴィを見つめた。
 自分がすべてに苛立ち、世界を破壊する過程での暴力を、彼女はただの日常として、行っている。同じ暴力という行為を彼女は、生活の一部として行っている。自分もそんな簡単な理由で、暴力を用いることが出来るなら…。羨ましい話だ。だが、そんな暴力は何も生み出さない。ただの日常……世界を変えるためにこそ、暴力は必要だ。それも大きく、凄惨であればある程に……。

「……レヴィ、私と共に来い」
「はあ!?」

 アルファルドの言葉に、レヴィは思わず聞き返す。

「私が、お前を本当に生かせる場所にと連れて行こう。ただの港町での戦争ごっこじゃない。本当の戦争の場所を提供しよう。お前の腕が存分に生かせる場所。お前の一撃で、世界が変わるような場所にな」

 レヴィは目を細め、アルファルドを見る。

 静まる日の出前の空港のホール内で、レヴィは微笑んだ。




学園黙示録×CANAAN

Episode11 刻まれる時間×蜘蛛の糸




Side 大沢ひとみ


 刻一刻と、刻まれる赤い時計の数字。

 響く携帯……マリアは、携帯のメールを見る。
 そこに書かれているのは、高城沙耶からのものだ。マリアは、メールを開く。

『爆弾の解除を教える。写メを送って』

 マリアは黒い球体の前に置かれたパソコンを写真で撮り、それを沙耶に送信する。マリアとひとみは、刻まれる時計を見て、焦りを感じていた。マリアは、その感情が、危険なものであることがわかっていた。焦りは、やがて苛立ちにと変わり、その負の感情をこの兵器が感じ取れば、零距離での射撃で、木っ端微塵となる。だからこそ、マリアは、ひとみの手を握り、その感情を打ち消そうとする。

「ひとみ……」
「姉さん……」

 二人は互いを強く思いながら、しっかりと前にあるパソコンを見つめる。その時計の数字はどんどんとその数を減らしていく。写真を撮る音が聞こえた。マリアは、それを送信する。あまり周りを見ることはできない。周りが、どういった状況にあるのか、それは考えたくもない。すぐにメールが返ってくる。

『電話は可能?』
「精神的に強い起伏があると、おそらく兵器が作動する。それさえ気をつければ平気」

 メールを送信するとすぐに電話がかかってくる。マリアは、その電話を耳にと当てた。

『お疲れ。今は大丈夫?』

 沙耶は、落ちついた表情で、声をかける。あくまで動揺させないためだ。まずは、兵器を無力化しなくてはいけない。

『時間が少ないから、ばく……解除を優先するわね。装置としては……』

 沙耶の指示を元に、マリアがパソコンを弄る。

「……そ、それで?」
『次は……』

 マリアは息を乱しながら、パソコンを操作する。汗をかきながら、震える指。ひとみは、その様子を見て、マリアが動揺していることに気がついた。黒い目の前の球体。それに取り付けられた、巨大な機銃が動く。

「!?」

 ひとみは、咄嗟に、マリアの体を抱きしめ、地面に押し倒した。近くで、音が響いた。発射音?マリアは目の前で、ひとみをどかそうと必死にな表情でもがいている。ひとみも自分は撃たれることを覚悟していた。だが、痛みは襲ってはこない。振り返ったひとみの前、巨大な銃口は、自分たちとは別の方向を狙っていた。

「まさか!!」

 体を起こしたひとみは、壁に隠れているはずの、自分達を待っているはずの仲間達にと視線を移した。銃撃の嵐で、砕け散った扉の向こうにはっきりと映る廊下。巨大な建物を支える柱から流れ出る赤い血に、ひとみは絶句する。

『……作業を続けて』

 電話口から聞こえる声。
 ひとみはそれを耳に当て、聞いていた。その声は、先ほどと変わらない沙耶の声

「なにが……」
『なんでもないから!!なんでもないから……続けて。お願い』

 沙耶の声に、ひとみはマリアのほうを見る。マリアもまたひとみを見つめ、頷き、時を刻み続けるパソコンにと手を戻した。



Side キャミィ


 爆音と、煙が立ち上る中、床を転がるキャミィ。

 煙の中から、姿を現すジュリは、片目を輝かせながら、笑みを浮かべキャミィにと向かい歩いてくる。ジュリの戦闘力は、やはりかなりのものだ。キャミィは、立ち上がり、構える。ジュリは、腰に手を当てて、そんなキャミィを見下すような視線で、眺めている。

「本当に、お前は哀れだよ。私を追いかけ…追いついて、最終的には私に叩きつぶされる。また立ちあがり、追いかける。わからねぇかな?私とお前とでは、絶対的な力の差があるんだってなぁ?」

 ジュリは、やれやれと首を横に振りながら、余裕に満ちた表情でいた。

「哀れなのは、どちらだ……」
「ああ?」

 キャミィは、ジュリにと向かい、足を踏み出す。キャミィは、ひじ打ち、そして、得意の蹴りでジュリにと攻撃を仕掛ける。

「家族を殺され、その憎悪のまま、世界を破壊しつくそうとする……私には、お前がただの怒りをコントロール出来ない子供のように思える」

 キャミィの足を、ジュリは、片手で防ぐと、その足を掴み、ホール内の壁にと叩きつける。それも尚、足を掴んだまま、数回、壁にたたきつけ、宙にとキャミィを投げ捨てる。キャミィは、そのまま、地面にと落ちる。

「ガキ扱いとは、とことんバカにしてくれるなぁ?」

 吐き捨てるように告げるジュリの視界の中で、キャミィは、両手に力を込め、流れる血を感じながら身を起こす。

「くそったれな、社会のためのガス抜きをして!」

 立ち上がろうとしたキャミィの体を蹴りあげるジュリ。キャミィの体は転がり、痛みに思わず、唾を吐き捨てる。

「殺してもいい人間をブチ殺して何が悪いんだっ!?」

 ジュリは転がったキャミィの体を再度蹴り飛ばす。キャミィは、そのまま壁にたたきつけられ、崩れ落ちる。ジュリは、体に纏うピンク色の気を放ちながら、キャミィにと歩いていく。

「民衆を守る軍人が、民衆を殺す武器を、群がるようにほしがってやがるんだぜ?お前の言っているのは、ただの理想だ!この世界は、もうとっくに壊れてるんだからなっ?あはははははははは」

 ジュリは甲高い声で笑う。
 その笑い声は、ホール内で響き渡る。ジュリは、邪魔なイスや、植えられた木を、ピンク色の気を持った蹴りで吹き飛ばし、キャミィを捜す。

「親を殺され、目を失って、社会は私に手を差し伸ばすこともせず、巨大な組織だから、相手が悪いと言って見離した。そんな、ふざけた連中に何を託せるんだ?だったら、私がそんなふざけた世界をぶっ壊してやる!アルファルドは、私に新たな世界を見せてくれる……ひ、ひひひ……だからっ!てめぇーらみたいな偽善者に、邪魔なんかさせるわけぇーだろうがぁっ!!」

 背中を壁によりかけながら、キャミィは座るように倒れていた。ジュリは、そんなキャミィを見つけると舌舐めずりをして、大きく足を上げる。その上げた右足はピンク色の気がまばゆい光を放っている。

「!?」

 軸足を払われる、ジュリは、思わずバランスを崩してしまう……その腹部を、強烈な刺激が襲い、ジュリは床を転がっていき、両足で踏ん張りながら、体勢を維持する。

「確かに……この世界は、もう壊れているのかもしれない。だが……」

 立ちあがったキャミィは、唾を吐き捨てながら、なんとか立ち上がる。汗と、血と、そんな恰好のいい姿ではないが。キャミィを待っているものたちがいる。カナン、レヴィ……マリア、ひとみ……。彼女たちに啖呵を切り、皆でまた会おうなどといったのは自分だ。その言ったものが、いないなどありえない。それに、彼女たちがいる限り……。

「この世界を、お前たちの手で幕を下ろすことは許さない」
「ぷっ……ひゃははははは、まだそんなふざけた言葉を言う元気があるなんてなぁ、私、無意識に手加減しちまったか、それとも恐怖で訳わからんなくなっちまったかぁ?」

 ジュリは、腰に手を当てて、大きく口を開けて笑いながら、キャミィを再度見返す。キャミィは、鋭い目つきで、ジュリを見つめる。

「それに、これ以上……私から何も奪わせない」

 キャミィは秘密結社シャドルーに洗脳されていた際、同じような境遇におかされた女戦士がいた。ジュリは、S.I.Nとして施設を強襲。彼女たちを奪った。キャミィは、ジュリと戦い……敗れ去り、キャミィの目の前で、救いたかった妹達を救うことが出来なかった。

「言いたいことはそれだけかよっ!」

 ジュリは、ピンク色の気を纏った足をキャミィにと勢いよく蹴りつける。だが、その足は空を切る。キャミィの姿が一瞬にして消えたようにジュリには思えた。次の瞬間、ジュリの体は、衝撃と共に、天井を見ていた。

「なっ!?」

 キャミィはしゃがみこみ、ジュリの軸足に対して体勢を低くした状態で、自らの体を地面と平行にさせ、体を回転させながら両足で、ジュリを蹴りつけた。バランスを失ったジュリの体を、キャミィは片手で、自分の体を支え天高く蹴りあげる。

「……キャノンスパイク」

 ジュリは、宙を舞いながら、反撃に転じようと、体勢を立て直そうとした。だが、そのジュリの頭を、キャミィは、両足で挟みこむ。そして、そのまま、今度は地面にと叩きつけられた。

「ぐはっ!!」

 思わず声が漏れるジュリ。
 キャミィは、ジュリを挟んでいた足を外して、バク転して、ジュリにと向き直る。ジュリは、そのキャミィの動きに、呆然とする。先ほどとは別人だ。無茶苦茶な動きをしてくる。ジュリは、立ち上がり、唾を吐き捨てた。

「なめんな……なめんなっ!!」

 ジュリは、苛立ち…目を輝かせながら、全身にピンク色の気を覆わせ、キャミィに向けて、気を放つ。それらは分散し、キャミィにと目掛け、放たれる。それらは、床に触れれば。床を削るほどの力を持っている。だが、キャミィは、そんなジュリの攻撃がまるでないものかのように、身を逸らし、側転し、腰を曲げ、かわしていく。

「な、なんなんだ……なんなんだよ、おめぇはっ!!」

 目の前にと迫るキャミィにと怒鳴り散らすジュリ。
 ジュリの目の前にと迫ったキャミィは、ジュリを蹴りあげる。ジュリは、両腕をクロスさせてキャミィの攻撃を防ごうとした。だが、キャミィの足は、クロスさせて攻撃を防ごうとした両腕を蹴りあげていた。防ごうとした腕を外されて、身を露わにしてしまうジュリ。目の前には、蹴りあげた足を、地面にと下ろしながら、もう片方の足が、自分の目の前にと迫る光景。

「!?」

 その蹴りは、ジュリの腹部を貫いた。ジュリは、そのまま床を転がり、壁にと叩きつけられる。

「て、てめぇ……うぶっ、げほげほっ……」

 思わず床に吐き出すジュリ。
 四つん這いになりながら、ジュリは、拳を握りしめる。こんなことがあっていいはずがない。自分は、今まで勝ち続けてきた。どんな立場でいても、春麗、ガイル、そして、このキャミィという女。どんな奴だって自分には敵わない。そうだったはずだ……それが、どうして、こんな何の能力ももたない女に……。

「うぜぇ、うぜぇ、うぜぇ!!てめぇ……ぶっ殺す!ぶち殺してやるっ!!」
「……」

 ジュリは、片目を輝かせ、周りの残骸を、竜巻のように絡め取り、宙にと巻きあげていく。キャミィは、それと対峙しながら、拳を握りしめる。ジュリは、全身をピンクの気に包みながら、狂気に満ちた表情を浮かべた。

「ひ、ひひ……ひひひ……しね、死ねっ!!みんな死ねっ!私の、私を邪魔するものは、みんなっ!!みんなあああああっ!!!!」

 光が包み込む中、巨大な光と爆発音が、周りを包み込んだ。
キャミィは、自分の身が宙を舞うのを感じながら、頭にあったのは、今も尚、戦っているであろう者たちのことだけ。そして、彼女たちなら……安心できる。そんな風に思ってしまう、昔では考えられない自分に、キャミィは笑ってしまった。


Side レヴィ


 振動と大きく響いた爆音を合図に、カナンは二挺拳銃を抜き、アルファルドに向け放っていた。アルファルドは、それを知っていたかのように、身を逸らしかわす。レヴィは、二挺拳銃を握りながら、アルファルドを睨みつける。

「舐めんなよ、蛇女」
「……ロシア人の女のようにうまくはいかないか」

 アルファルドは、銃を同じようにレヴィにと向けながら笑みを浮かべる。

「姐御のことか?」
「人間は皆、心のどこかに、理性というリミッターを持っている。それは人間が、社会という名を構築するために得たブレーキのようなものだ。ロアナプラで出会った戦争に取りつかれたロジア人女。家族を殺されながら、誰も彼女を救おうとしなかった、そんな行き場のない怒りをもったジュリ。そして内に眠る暴力を常に抑え込んでいた毒島冴子。皆、私が救ってやった」
「だとしたら、今すぐ、新興宗教の教祖をやることをお勧めするぜ。そっちのほうが、よっぽど、平和的だし、金も稼げる。お前の女を誑かす能力なら、きっと、凄い信奉者が集まるだろうな」

 一昔前の自分なら……飢えた獣だったころの自分なら、アルファルドに惹かれただろう。レヴィは、そんなことを呆然と考えていた。きっと、そうならなかったのは、アイツのせいだ。まったく……良かったのか悪かったのか。レヴィは、アルファルドを見据えながら、自分を笑った。夏目からの誘いを受け、この女を追いかけようとした時、ロックは、自分を止めた。それを振り切り、レヴィはこの地にと訪れた。もしかしたら、自分は、ロックがいない時の自分に無意識に戻りたかったのかもしれない。

だが、ダメだ。

 カナンや、キャミィなんかといると、どうしても、そんな仲間だなんていう言葉を思い出してしまうから。別にそれでもいい。今、目の前にいる蛇女を倒すことが出来るのなら、そんな『仲間』だなんていうものが力になるのなら、そんなものに身を預けるのも、悪くはない。

「……なぁ、アルファルド?」

 アルファルドにと問いかけるレヴィ。

「かつての私にあったもの。今は、なくなっちまって、わからなくなっちまったから……ききてぇんだが、今のお前の力の源っていうのはなんなんだ?」

 レヴィの問いかけに、アルファルドは、ゆっくりと目を閉じ、同じようにゆっくりと開けた。

「……あいつに言わせれば、孤独だな」
「なるほど……思い出せた」

 束の間の沈黙……。

「それじゃ、始めるとするか」
「ああ……」

 やっぱり、似てるな。
 レヴィは、アルファルドと対峙をし、歩きながらふと思った。過去の自分の強さ、そして今の自分の強さを比較できるチャンスだ。レヴィは、足を強く踏み出し、引き金を引いた。











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