「小説家になろう」で投稿している自作です。
ここにも投稿してみようと思い、投稿してみました。
「なろう」で次話投稿したらこっちにも投稿します!
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デパートは燃えていた。
原因は1階にあるラーメン屋のキッチンの出火。
火は徐々に中を侵していく。
そんな中、子供の人気のコーナー【玩具売り場】に一人の少年がフラフラとした足取りで歩いていた。
服は所々破けていて煤のような物が少年の顔や体の所々についている。
「た、助けて……」
息苦しく、体が痛んでいながらも少年は力を出して助けを求める。
しかし、周りは誰もいない。
崩れた棚、あちこちにパズルや戦隊ヒーローの人形が入った箱や商品は周りの火によって溶かされ焼かれていく。
周りは誰もおらず、火の燃え滾≪たぎ≫る音や物凄い大きい音が耳に入る。
呼吸を荒くしながら前へ進むが体力の限界か、足が縺≪もつ≫れて前のめりに倒れてしまった。
風邪をひいてないのに体が重く熱い。
腕を地面について起きようとしても起きれない。
少年は痛みと熱さに我慢できず涙を流し始め、自分の心に疑問をぶつける
――このまま死ぬのだろうか?
「嫌だ……死にたくないよぉ……」
叶わぬ現実を否定しながら少年は必死に震える腕を伸ばす。
真上の天井が砂埃を落としながら徐々に歪み始め、遂には轟音を立てて大きい瓦礫となって落ちてくる。
少年の命の灯が上から落ちてくる瓦礫によって潰されようとしていた。
「ひっ……」
落ちてくる瓦礫に気付いた少年は目を強く瞑った。
家族との思い出が走馬灯のように駆け巡り、最期を覚悟して瞑った。
「危ない!?」
何処からともなく女性の声、耳を劈きたくなる音を耳にした時、少年は固く瞑っていた目を開いた。
拳銃を両手で持って構えた女性が立っていたのだ。
女性は安堵の息を吐いて駆け寄って来る。
「君、大丈夫?」
薄れる意識の中で少年は助けに来た女性を見詰めた。
涙でぼんやりとした視界に入ったのは金の長髪、安心した少年は意識を静かに閉じていった。