*これはバルドフォースとのクロスです。
リヴァイアサンを倒した俺は何故かいきなり、見たことも無い兵器に囲まれていた。何故だ?
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「ち、こいつら、新種のウィルスプログラムか!?」
俺は襲い掛かってきたそいつらを蹴散らす。性能はそこそこだが、動きは単調そのもの。バチェラの作ったものはおろか、1流企業の使っている市販品にも劣る。それにしてもここはまだ、リヴァイアサンの中なのか?それとも通常の仮想現実なのか?
「数は多いがこれ位楽勝だな。」
数はおよそ、数百。だが、俺の実力はこの程度の奴らが相手なら比喩抜きで一騎当千を成し得る。俺は次々と敵を蹴散らす。次第に冷静になり、それにつれていろいろなことが見えてくる。場所は屋外、巨大な基地倉庫の上か何かみたいだ。それに一機ピンク色の見慣れぬ人型機体が他に戦っていた。
「なんだ、あれは?シュミクラムではないみたいだな。筋はいいが、動きはてんで、素人だ。」
才能ある初心者といったところか。とりあえず、そいつを援護して事情を聞くことにする。俺はダブルマシンガンやロケットランチャーを使ってそいつの周りの敵を一掃する。さらに、ナイフやアームジャブを使い道を切り開く。
「おい、お前、この状況はいったいどうなってるんだ?」
そいつに話しかける。だが、反応はない。無視しているといった感じではない。どうも、何かを訴えかけようとしているのだが、そいつの声が聞こえないのだ。何かのトラブルか?そう思った時通信が入った。
「おい、お前は誰だ?所属と名前を述べろ!」
野太い男のこえ。
「所属?俺は今、フリーだが。名前は相馬透だ。それよりもこの状況は何なんだ?説明してくれ!リヴァイアンサンはどうなった!?」
「リヴァイアサン?何だ、それは。それにお前状況がわかってないのか?」
どうも、話がかみ合わない。
「とりあえず、ここにいる敵を一掃する。話はその後でじっくりすることにしよう。」
「わかりました。それではアキトを助けて敵を誘導して集めてください。この戦艦の主砲で一掃します。」
「ちょっと、待て、艦長!!まだ、この男が信用できるかどうか。」
さっきまでの男とは別の女性の声が割り込みをかけてくる。何かもめてる声も聞こえるが。それにしても戦艦?色々と疑問はあるが、とりあえず、俺は言われた事にしたがって見ることにする。もちろん、何らかの罠の可能性も検討して、対策は考えてだ。
「わかった。どちらに誘導すればいい?」
「はい、それでは、そちらの海の方に飛び込んでください。あ、それからアキトのことしっかりお願いしますね。」
「了解」
俺はアキトというのがこのピンク色の機体を操っている奴だと当たりをつけ、そいつをカバーしながら敵をひきつける。
「ついて来い!!」
俺はジェスチャーも交えアキト?を誘導し、海に飛び込む。そして、戦艦から、発射された主砲によって、敵の大半が壊滅した。
「こりゃ、すごい。まともにくらったら俺の機体でももたないな。」
そして、俺はその戦艦の中に収容された。そこで、唐突に俺の意識が途切れた。
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次に目を覚ました時、そこは医務室らしかった。
「あら、目を覚ましたの?」
白衣を着た女性が話しかけてくる。おそらく女医だろう。
「なあ、あんた、ここは現実なのか?それとも、仮想現実なのか?」
まだ、俺はダイブしたままなのだろうか?それとも?
「何、いってるの?現実に決まってるでしょ?夢でも見たの?ところで、あなた、名前は?」
どうやら、俺は現実に戻っているらしい。俺は素直に名前を名乗る。
「相馬透だ。」
「え?それって、あの青い機体を操っていた人じゃないの?」
「そうだが、それがどうかしたか?」
もしかして俺の年のせいだろうか。シュミクラム使いに年はあまり関係ないが。1流のパイロットと言うともっと上の年齢を想像する者もいる。この女もその口なのだろうか?
「だって、あなたずっと、ここで寝てたじゃない。どうやって操縦したって言うの!?」
寝てた?ここからダイブしていたという事か?だが、俺はそれが大きな間違いであったことを知った。
「いきなり、気を失ったあなたとあの機体が現れて、あの機体が収容されたと思ったらいきなり貴方が目を覚まして、あなた、一体何者なの?」
どうも話がかみ合わない。しかし、今の話からすると。
「なあ、あんた、その機体ってのは“この”世界にあるのか?」
「?ええ・・。」
「だったら、そこに連れてってくれ。」
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そして、俺は監視に付き添われながら、格納庫らしき場所に運ばれた。そして、そこには俺のシュミクラムがあった。そしてあのピンク色の機体も。戦いの損傷もそのまま。つまりはさっきの戦いが現実世界で行われたという事。仮想世界における戦闘ツールであるはずのシュミクラムが現実に存在するという事。
「どうなっているんだ。」
俺は呆然とする。その時、俺はふと思い、シュミクラムを動かすイメージをしてみた。すると、俺の意識が再び途切れ次の瞬間俺はシュミクラムになっていた。目の前には倒れている俺自身の体。俺は自分の体に戻る意識をしてみる。
「おい、お前、大丈夫か!?」
俺を監視し、ここまで連れてきた男の声。
「ああ、大丈夫だ。」
俺は元の肉体に戻っていた。今のでわかったことがある。理由はわからないが、シュミクラムが現実に存在し、俺は自分の精神を肉体とシュミクラムに自由に入れ替える事ができるということ。
そして、艦橋につれて来られた俺は更なる真実を知ることになる。ここが俺のいた世界とは違う異世界だということを。
(後書)
昔夜華に載せたものの再掲載です。は読みきりのつもりですが気が向いたら後、2、3話書いて見るかもしれません。