うん、また新作なんだ。ミケサイテー。
しかも書く予定の物とどんどんずれて行く……。
一年で全登場人物が追い出されるはずだったのに! 題名に沿った完全ギャグのはずだったのに!
さようなら、書く予定のシーン達。こんにちわ新展開。
そして最後になるに従って急速に短く、駄目になっていきます……orz
いつものミケと思ってご覧ください。
長い年月が経って気が向いたら二章書く事もあるかもしれません。
「では、これより帰還祝賀会を始めたいと思います!」
秋葉原のカラオケボックスで、女の子が元気よく言った。
それに、パラパラと拍手がなる。そこにいるのは、随分と年や背格好の異なる者たちだった。彼らの様子がおかしいのは、それだけではない。
一人はどこにでもいるような、肩までのストレートの黒髪に制服の女の子。
顔は十人並で、名を櫻崎萌子という。
「ふ……随分掛かってしまった物だな。異世界に転生してはや二十年か……。私の世界ではたったの一年だったがな。お陰で、仕事探しから始めなくては。治療費を払うのが大変だ」
インテリっぽい白衣の男が告げる。大体、三十半ば位だろうか?
その腰まで届く長い髪は真っ白で、染めているにしては髪の根元から綺麗に真っ白で、その瞳は赤い。その顔立ちは酷く整っていた。名を、エルーシュ・ディガーという。
「……長い時間眠っていたからな。体が重い」
赤茶色の髪の毛に茶色い目の、暗い顔立ちのローブを着た二十代の青年が不機嫌そうに告げる。こちらは三十歳位である。カリュート、と言う。
「しかし、二十年生まれ育った体を錬金の材料にした時は、心が痛みましたね。元の世界の体があるから、もう一つの体は必要ないとはいえ……」
四十代程の金髪碧眼のフーデル・フォン・デルフィン。これも美しい壮年が言うと、それぞれ頷いた。
それから、四人は色々な話をして、持ちよった様々な物を見せあった。
一年眠り続けていたという事実は、四人の現実に重い影を落としていたが、彼らは精一杯笑っていた。
宴会が終わった後、四人が互いに手を伸ばす。その指には、一様に同じ指輪が光っていた。
「じゃあ、ね。また一年くらいして落ち着いたら、皆で遊びに行こうよ。それまでに私、いっぱいバイトしてお金貯めるから」
萌子が寂しそうな顔をして告げる。
「金儲けなら手伝おう。お前と私の世界は近いからな」
「あはは、いいよ、エルーシュ。大騒ぎになっちゃうから。でも、勉強は教えてね」
「約束しよう」
「とりあえず、今を精いっぱい生き伸びないといけませんね」
「……ふん」
フーデルの言葉に、カリュートが鼻を鳴らす。
そして、萌子以外の三人が消え去った。
かつて、四つの世界から、ある世界へ転生してしまった者達がいた。
彼らは、協力し合って帰還を果たした。
ここに、物語は一つの終わりを迎えた。
……そして、新たな物語が始まる。これは、トリップでトリップでトリップでトリップでトリップな、カルチャーブレイク物語なのである。