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No.27944の一覧
[0] ~眠れない金髪1~[通りすがりの白戦士](2011/05/23 15:35)
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[27944] ~眠れない金髪1~
Name: 通りすがりの白戦士◆e7ad38f3 ID:e6a9bad6
Date: 2011/05/23 15:35
本スレで投下したSSです
~眠れない金髪1~
今朝は綺麗な青空だったのに、今夜は段々と雨が酷くなっていく。
ビアンカはルドマンの別荘で運命の日――花嫁選び――を迎えようとした。
「これからはリュカとの冒険は出来ないし、1人で生きてかなきゃいけないのに…。」
ビアンカの思いはフローラに見抜かれてリュカに伝わった。
不本意ではあるが、十分だと感じてはいた。しかし、心のどこかで、残り火がスパークする機会を窺っているのも認めていた。
「だからこそ、明日はリュカにはフローラさんを選んでもらわないと…!」
窓からリュカが泊まっている宿屋の方を見る。
「キャッ!」
突如、雷が轟き、ビアンカは身をすくめた。
「いくつになっても苦手なのね…。」
ビアンカは再び窓から外の様子を眺めた。
稲光に照らされて走る女性と、ゆっくりとこっちへ向かう男性が見えた。
「リュカにフローラさん…?」
ビアンカが考えていると間もなく、リュカが彼女の寝室に上がった。
「こんな時間にごめんよ。2人だけで話がしたかったんだ。」
「まだ悩んでるの?」
ビアンカは驚かなかった。いや、むしろ彼女も迷っていたので、自分に言い聞かせる良い機会だとさえ思った。
リュカはビアンカから差し出されたタオルで全身を拭いた。
「いや。さっきフローラさんを見て、本当に大事な事が分かったよ。」
「やっぱり、フローラさんだったのね。こんな時間にどこへ…?」
リュカはフッと微笑み、天井を見上げた。
「多分…、アンディさんの家かな。」
「どうして?」
「彼女、泣きながらずっと僕に謝ってたんだ。」
「それで、あなたは止めなかったの?」
ビアンカは驚いた。
「止める?どうして?」
ビアンカの心配を余所にリュカは平然と答えた。
「だって、あの様子だと…、もしアンディさんと何かあったら…!」
ビアンカは着の身着のまま部屋を出ようとした。
しかし、リュカの腕に彼女の腕は掴まれた。
「止めなよ。」
「どうして!?あなた、フローラさんと結婚したいんでしょ!?
パパスおじ様の遺志を継いで勇者を見つけて世界を平和にしなきゃいけないんでしょ!?だったら」
リュカはビアンカが言い終わる間も無く、彼女の腕を掴んだままベッドに倒した。
「世界を平和にするなら、たった1つの小さな幸せを壊してもいいのか!?…僕には出来ない…!!」
ビアンカは呆然とした。
昔の頼り無げなリュカの面影は無く、強い意志の青年が存在していた。


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