日常の裏書その8「我ら付喪神三人娘!」 ※この番外編は、付喪神三人娘がただ駄弁るだけののんびりとした番外編です。 派手なバトルや驚愕の展開は一切無いので、期待せず見てください。 なお、東方キャラも晶君も基本は登場しません。 時間軸は輝針異変の後ですが、具体的にどれくらい後なのかは考えていないので気にせずスルーしてください。神剣「皆さん、主様の為に何かしましょう!!」三叉錠「……なぁ、天之尾羽張。出かける直前の大将の台詞覚えてるか?」神剣「無論です。主様のお言葉を自分が忘れるワケ無いでしょう」晶『超絶可愛くて一番頼りになる天之尾羽張は、本当に主思いの良い子だなぁ。僕の為に存分に尽くしていいよ!』神剣「こんな感じでした!」三叉錠「……オマエのフィルター凄いな。ふつーはこういう場合、多少なりとも台詞の原型が残るもんだろうに」鎧「…………ルスバン、マカサレタ」三叉錠「魔法の鎧は賢いなー。ついでに言うと、「保護観察中だから余計な事は何もすんな」とも言われたぞ。ハッキリと」神剣「バカなっ!?」三叉錠「多分オレら、大将の信頼度限りなく低くなってるぞ。輝針異変で大暴れしたし」神剣「あ、あばばばば、ばばば、ばぶぶば――死のう」三叉錠「魔法の鎧、止めろ」鎧「…………ドカン」神剣「ごふぁ!?」三叉錠「言葉の軽さに反して一撃重いよなぁ、オマエ」鎧「…………シンジャッタ?」神剣「死ねぬ……まだ、死ねぬ……主様の笑顔を見るまではっ!!」三叉錠「さっき死ぬって言ってなかったか?」神剣「記憶に無いです」鎧「………………ズルッコ?」三叉錠「オマエ、わりとセコいよな」神剣「ふふふ、それは主様の第一の剣である自分に対する褒め言葉デスカ?」鎧「……ドカンッ」神剣「おぶばっ!?」鎧「…………ますたー、セコクナイ!」三叉錠「オマエが怒るのかよ」神剣「いいえ、主様はセコいです! 世界が嫉妬するセコさです!!」三叉錠「……確認するけど、褒めてるんだよな?」神剣「無論ですとも。目的を果たすためにどんな手段も使用する、それが主様の美点! 美しさ!! 主様カッコイイ……」三叉錠「思った以上にマジだった!?」神剣「はぁ……自分も、主様の策略でボロクソになりたいです」三叉錠「オイ待て、その感想はだいぶヤバいぞ。そこまで行き着くとさすがにフォロー出来ないからな?」鎧「…………シンケン、ますたー、スキ?」神剣「は? いや? べ、べべべっ、別に好きじゃねーし!! 尊敬はしてるけど、好きってワケじゃねーし!!」三叉錠「オマエ、どういう方向性で行きたいの?」鎧「…………ますたー、スキ」三叉錠「うんうん、魔法の鎧は素直で良いなぁ。ちなみにオレも大将の事好きだぜ」神剣「いや、自分も嫌いって言う程じゃないって言うか――スイマセン! 自分、主様の事すっごい好きです!!」三叉錠「知ってた」鎧「…………バレバレ」神剣「そんなバカなっ!?」三叉錠「オマエほんと、どういう立ち位置で行きたいの? まずそこを決めようぜ」神剣「当然、主様の忠実な下僕としてお役に立ちたいと思っています」鎧「…………ホンネハ?」神剣「主様ぁぁぁああ! 愛してまぁぁあああす!! 主様ぁぁあああああ! 罵ってください!!」三叉錠「うん、ちょっと黙ってろ。後、なんでオマエ大将をドS方向に持って行こうとするの?」鎧「………デモ、ドウスル?」三叉錠「それはこの、どうしようも無いダメ剣の処遇に関する疑問か? オレ達のこれからに関する疑問か?」鎧「……リョーホウ」神剣「では、主様を称える歌を考えましょう!!」三叉錠「オマエそれ、百パー大将にドン引かれるぞ……」鎧「…………シンケン、チェンジ」神剣「えっ」三叉錠「そうだな……このままオマエと不毛な会話するくらいなら、ロッドの面倒臭い連呼を聞いてた方がマシだな」神剣「そんなぁ……そこまで言う事無いじゃないですか! 自分のどこがダメなんですか!!」三叉錠「大将狂いな所」鎧「…………スゴク、ウルサイ」神剣「にべもない!」三叉錠「別に永久に黙っていろとまでは言わねぇよ。ただちょっとの間、ロッドと交代して欲しいって言ってるんだ」鎧「……タブン、スグカワル」三叉錠「まぁ、あっちもあっちで別のウザさがあるからなぁ。妖怪かったるいだし」神剣「納得いきません! 何故です、何故――自分の主様愛に共感してもらえないのですか!!」三叉錠「真っ先に抗議する所がそこかよ」神剣「皆様とて、主様に対する愛情はあるでしょう! それなのに、どうして先程から否定的な意見ばかり出るのですか!!」三叉錠「度が過ぎてるからだよ」神剣「えっ?」三叉錠「うわぁ……コイツ、自分の異常さを一切合切自覚してねぇ」鎧「…………シンケン、ヘン」三叉錠「大将大好きなあの保護者連中だって、もうちょっとマシな愛情表現するぞ?」神剣「主様を不当に評価する彼女等と、自分を一緒にしないで欲しいです」鎧「…………フトウ?」三叉錠「あの人らは、わりと正確に大将の事を理解していると思うんだが。オマエの中で大将ってどういう評価になってんの?」神剣「世界を浄化するために現世へ舞い降りた穢れ無き天使だと思っています」三叉錠「…………ゴメン、聞き損ねたからもう一度頼む」神剣「世界に喜びと幸せをもたらす為、穢れた大地に降り立った唯一絶対の神です」三叉錠「スマン、なんかいつの間にか違うヤツの話になってたみたいだ。大将の評価を頼む」神剣「今の語りが主様の事で無くて何だと言うのですか」三叉錠「……オレ、ちょっとオマエの事舐めてたわ。そこまで重症だとは思ってなかった」鎧「…………ワカラナイ」神剣「自分の何が間違っていると言うのですか……」三叉錠「うん、その話はまた別の日にしようなー。とりあえずロッドに変わろうぜ」鎧「……チェンジ、チェンジ!」神剣「ぐむむ……仕方ありませんね。では――」鎧「…………カワッタ?」三叉錠「姿形はそのまんまだけど――そもそもコイツの人格切り替えって、服装と連動してるのかね」鎧「…………キガエテル、ダケッポイ」三叉錠「全く関係無いのかよ。分かりやすいようで分かりにくいなぁ」神剣「―――――ダメです。拒否されました」三叉錠「……面倒だから?」神剣「面倒だから」三叉錠「……二重人格を活用しまくってるなぁ、アイツ」鎧「…………ロッド、アンマハナサナイ」三叉錠「主人格、一応あっちなんだよな?」神剣「そうですよ。だから、人格切り替えの権利も彼女にあります」鎧「…………ゼンゼン、デテコナイ」三叉錠「だよなぁ。オレらも妖怪化して結構経ったけど、ロッドと話した事って三度あるか無いか――いや、無いな」鎧「…………チョット、サミシイ」神剣「ちなみに、自分も話しかけて無視された事が何度かあります。と言うかシカトされる割合の方が高いです」三叉錠「………………」鎧「………………」神剣「おや、何故このタイミングで沈黙? ここは普通、自分が同情される場面では?」三叉錠「オマエの場合、オマエの方に責任がある可能性が非常に高いからなぁ」鎧「…………ますたーノ、ハナシバカリ?」神剣「半々くらいですね!」三叉錠「……アウト?」鎧「…………セーフ」三叉錠「それは判定優しすぎないか? 無視されてる言動の半分が大将の話って事だから、実際はもっと振ってる可能性あるぞ?」鎧「…………シンケンニシテハ、スクナイ」三叉錠「なるほど」神剣「ふふん」三叉錠「何でオマエ、そんな誇らしげなんだよ。褒めてねーよ」神剣「えっ?」三叉錠「オマエほんと、大将絡めば何でも良いんだな……」神剣「えっ?」三叉錠「むしろ主様が絡まない話に価値あるんですか、みたいな顔すんなよ」鎧「…………ケッキョク、ロッドデナイ?」三叉錠「出ないだろうなぁ。……この引き篭もりっぷりは、さすがにちょっと問題じゃないか?」鎧「…………スゴイ、シンパイ」神剣「いえ、意外と出てきてますよ? 最近は一日一回以上顔を出していますし」三叉錠「えっ、そうなのか? オレら全然会ってねーぞ?」神剣「主様が呼べば必ず反応しますし、二人きりになった時はほぼ毎回出てきます。そのせいで自分、あんまり主様とお話――おうっふ!?」三叉錠「天之尾羽張?」ロッド「――いや、あたし」鎧「…………ロッド?」ロッド「面倒だけど出てきてあげたよ。なんか用?」三叉錠「いや、さほど特別な用は無いんだけど……急に出てきたな」ロッド「二人共しつこいからさ。無視する方がかったるいかと思って」三叉錠「……………………神剣のヤツに、追求されたくない事を言われたからだろ」ロッド「言われてない」鎧「………ロッドモ、ますたースキ?」ロッド「好きじゃない。…………嫌いでもないけど」三叉錠「オマエそれ、天之尾羽張とほぼ同じ答えだぞ。裏にあるものも含めて」ロッド「違う。好きじゃない。ほんと好きじゃないから」鎧「………ナカマ!」ロッド「仲間じゃない。好きじゃない」三叉錠「……ひょっとして、大将の事そこそこ好きなオレって異端なのか? 大将の道具は、大将大好きが正式仕様なのか?」ロッド「大好きじゃない」 続かない