日常の裏書その2「先生を「お母さん」呼びは基本」 ※この番外編は、晶君が誰かとただ駄弁るだけののんびりとした番外編です。 派手なバトルや驚愕の展開は一切無いので、期待せず見てください。 ちなみに、キャラのチョイスは完全なランダムです。 時間軸は第二期限定ですが、具体的にどこに当たるかは考えていないので気にせずスルーしてください。フラン「えへへー、白蓮さんってフカフカだねー」白蓮「あらあら、フランちゃんは甘えん坊さんですね」晶「(どうしよう、すっごい居辛い)」フラン「良い匂いもするね! えっと、おばーちゃんみたいな匂いって言うのかな!!」晶「(というか、さっきからフランちゃんがナチュラルに白蓮さんをディスってるし。いや、本人的には褒めてるんだろうけど)」白蓮「ふふ、年だけはとっていますから。みたいじゃなくて、本当にお婆ちゃんなんですよ」晶「(そしてそれを平然と受け入れる白蓮さんマジ聖人。並の女性ならブチギレしててもおかしくないのになぁ)」晶「(ちなみに平安時代の人である彼女の推定年齢は八百歳以上、フランちゃんとの年齢差はたったの三百年である)」晶「(……うん、自分でも三世紀をたったと言うのはどうかと思った。でも妖怪的にはそんなモンだよね)」晶「(白蓮さんは人間的な感覚で言ってるんだろうけど、千歳超えも珍しく無い幻想郷で八百歳は普通に若い部類だと思う)」晶「(とは言え、妖怪を全て一括りにしてそういう判別をするのは正直どうなんだろうか)」晶「(天狗と花の妖怪とスキマ妖怪って、全部同一カテゴリに入れて良いのかな)」フラン「わーい、もふもふー」晶「(なお、そう言ってフランちゃんが顔を埋めているのは白蓮さんの胸部装甲である。大変居辛い)」白蓮「………………」晶「(それにしても白蓮さん、フランちゃんを抱きかかえる姿が凄い似合ってるよね。溢れ出る人妻臭)」白蓮「……久遠さん」晶「はひゃい!? なんでせうか!?」白蓮「どうぞ」晶「……はい?」白蓮「フランちゃんが羨ましかったのでしょう? 遠慮せず、貴方もどうぞ」フラン「お兄ちゃん、ずっとこっち見てたもんねー」晶「いや、それは単に他に見るものが無かっただけの話で、特に羨ましがっていたワケでは」白蓮「心寂しい時は誰にでも訪れます。だから恥ずかしがる必要はありませんよ」晶「照れてると判断されてる!? いやほんと、そういうの全然無いですよ? そういう事に関してはやたらと頼れる姉が居ますし」フラン「お兄ちゃんも一緒にフカフカしよ! すっごい気持ちいいよ!!」晶「……フランちゃん。それは、無垢な子供にしか許されない行為なんだよ」フラン「んー、お兄ちゃんならギリギリで大丈夫だと思う!」晶「ギリギリだからダメなんじゃないかなぁ」白蓮「私なら大丈夫ですよ。あまり痛くされると困りますけどね?」晶「え゛っ!?」白蓮「ふふ、だけど久遠さんはお優しいですね。己の力が私を傷つけるのではと不安がるだなんて」晶「―――あ、あー、そういう、ね」白蓮「こう見えても私、身体はとっても頑丈なんです!」晶「知ってます。そういう心配はしていません」白蓮「それでは――ああ、なるほど」晶「察して頂いたようで何よりです。でもその、全てを理解した様な慈愛に満ちた顔は止めてください。僕が死にます」白蓮「久遠さんも殿方なのですね。けれど大丈夫ですよ、私も気にしませんから」晶「まさかの全てを承知した上でのOK宣言!? 白蓮さん、それは自分を投げ売りしすぎでしょう!?」白蓮「色欲を満たす事が目的ならば諭しましょう。ですが久遠さんは、色欲に呑まれる事を恐れています。ですから問題が無いのです」晶「はぇあ?」白蓮「実践してみれば分かります。ですから――さ、どうぞ」晶「結局そうなるんですか」白蓮「どうぞ」フラン「お兄ちゃん、おいでー」晶「そもそも、寂しいって所が誤解なんですが……分かりましたよ」フラン「いらっしゃーい」白蓮「さ、もっとしっかり抱きしめて良いのですよ」晶「正直もう、この時点でかなりキツい――んーでも」晶「(ソレ以上に落ち着くなぁ。空気というか匂いというかそんな所が)」晶「(うーむ、これは確かにおばーちゃんだ。僕にはおばーちゃんいないけど)」白蓮「ふふ、どうですか? 落ち着きますか?」晶「これは確かにフカフカですねー。眠たくなってきました」フラン「でしょー? 気持ち良いよねー」白蓮「異性との触れ合いが、必ずしも情欲を生むワケでは無いのですよ。……そもそも私に、女性的な魅力はありませんしね」晶「いえ、白蓮さんはかなり魅力的な方だと思いますよ? ソレ以上に溢れる母性がエロを相殺しているだけで」白蓮「うふふ、久遠さんったらお世辞がお上手ね」晶「(あ、コレ自覚ないパターンだ。無意識にこういう事言って、女性からたっぷり反感買うタイプだね)」魅魔〈少年もそうだけどなー〉晶「(女性的な意味で外見を褒められて、何をどう喜べって言うんですかマジで)」フラン「本当に気持ち良い。……えへへー、お母様ってこんな感じなのかなぁ」晶「お母様かー。――フランちゃんのお母様って、どんな人だったの?」フラン「覚えてないかなー。私、紅魔館の地下に居た以前の事って記憶に無いから」晶「さらっとヘヴィな事言うねぇ。んー、今度レミリアさんに聞いてみようか」フラン「そういうお兄ちゃんはどうなのー?」晶「忘れた。何しろ六歳の頃に亡くなってるからねー。写真で顔だけは知ってるけど、どんな人だったかはさっぱり」フラン「お揃いだね!」晶「そうだねー」白蓮「………………」晶「あー、なんか本格的に眠くなってきた。これはヤバいかも」フラン「ふみゅ……私も…………」白蓮「構いませんよ。いい天気ですし、ゆっくりお昼寝しましょうか」フラン「わー…………い……」晶「(吸血鬼が晴天の下お昼寝って、恐ろしいまでのシュールさだなぁ)」白蓮「よしよし」フラン「ふにゅぅ……」晶「あふぅ……このタイミングで頭ナデナデは…………ヤバい……」白蓮「ねーんねん、ころーりよー」晶「(あ、これは抵抗出来ない。もう寝るしか…………ぐぅ)」フラン「………………えへへ…………お姉しゃま……」晶「…………むにゃむにゃ……爺…………ちゃん…………」白蓮「……………………」白蓮「(きっと貴方達は、私の同情を筋違いだと言って笑うでしょうね)」白蓮「(幸福の価値は個人が己の裁量で計るもの。貴方達には、母に代わる人が居ただけの話なのだと思います)」白蓮「(……私も貴方達と同じような境遇でしたが、己を不幸だとは思いませんでしたしね)」白蓮「(けれど――これが意味の無い行為だとは思わない)」白蓮「(母を知らない彼女らに、少しでも母の温もりを与える事が出来れば良い。私はそう思うのです)」白蓮「ぼーやは良い子だー、ねんねーしーなー……」晶「いやー、すっかりお世話になってしまいました」フラン「ふわー、良く眠れたー」白蓮「ふふふ、またいつでも来てくださいね」フラン「ありがとう! お母様!!」晶「ははは。気が向いたらまた来ますよ、お母さん」フラン「……あれ?」晶「――おっ、おぐぅ」白蓮「あらあら……ふふっ」 続かない