※CAUTION! このSSには、多分な「おふざけ・パロディ・ブラックジョーク」が含まれております。 嫌な予感のした人は、速やかに回れ右して撤退してください。 あと、時間軸的な解釈を投げ捨てたパラレルな設定となっております。 わりとナチュラルに新キャラも出てますがスルーしてください。お正月特別変「勝敗は、戦いが始まる前から決まっているとかいないとか」小鈴「うわ、阿求が正月に晴れ着着てる!? 明日は異変かな……」阿求「これはこれは、貸本屋『鈴奈庵』の店番である本居小鈴さんではありませんか。本日は何用で?」小鈴「じょ、冗談だって。だから他人行儀な態度は止めてくれない? 格好との相乗効果で凄い拒絶された気分になるわ」阿求「いきなりやってきて開口一番罵倒されれば、他人行儀な態度もとるわよ」小鈴「ゴメンゴメン。……いやでも、本当にどうしたの阿求? いつもはそういうの面倒臭がって着ないじゃないの」阿求「面倒だとは思ってませんよ。晴れ着を着ると色々な催しに駆り出されるから着たくないなぁ、と思っていただけです」小鈴「仮にも阿礼乙女の言っていい台詞じゃないわよね……」阿求「阿礼乙女だから言うのよ。まったくもう、いつ死んでもおかしくない身体なんだから時間くらい好きに使わせてもらいたいわね」小鈴「………………」阿求「冗談です☆」小鈴「いや、笑えないから。稗田自虐冗談はこれっぽっちも笑えないから」阿求「笑ったら稗田特殊部隊が粛清、とかの展開はないわよ?」小鈴「……居るの? 稗田特殊部隊」阿求「……いや、居ないわよ? 稗田家はただの物書き一族だからね?」小鈴「でもさ、幻想郷縁起を代々書いてきた一族だし……ひょっとして…………」阿求「ほんと無いから」阿求「(……まぁ、懇意にしてくれる妖怪の賢者はいるけど)」小鈴「ちぇ。……それで? そんな着たくない晴れ着を何で着てるのよ」阿求「まぁその…………………内緒よ? 大事なお客様が来るの」小鈴「えっ――それって」阿求「だからその人に、見せてあげたいの。――――私だって多少は女の子らしい面はあるんだぞうって所を!!」小鈴「色っぽい話題かと思ったら微妙に違った。何なの? どういう関係なの?」阿求「親友――いえ、友達? いやいや、ギリ親友だと願ってる間柄……」小鈴「あーうん、かなり親しい間柄ってのは分かった。……えと、男、だよね?」阿求「同性相手に女の子らしさを主張する趣味は無いわよ」小鈴「それは良かった。もし相手が女性だったら、阿求との今後の付き合いを考えなおす所だったわ」阿求「……と言うか、阿礼乙女が同性愛に目覚めるってひょっとしなくても一族断絶の危機よね」小鈴「確かに。なんていうか、わりと続いているのが奇跡的な家系よね。稗田家って」阿求「私もそう思うわ」小鈴「……っと、また話がズレたか。それでその、女の子らしさを見せたい相手って誰なの?」阿求「それは――」小鈴「――――っ!? じ、地震!? いえ、違う……何かが庭に落ちてきたの!?」阿求「……ああ」晶「ててて……どうして世の中には着地と言う概念があるんだろう。やっぱり人は飛ぶべきでは無い……」阿求「晶さんの頭には、手前で速度を緩めるって発想が無いんですか?」晶「いつもと違う服が悪い。身体の動きが制限されて飛ぶのも結構辛いんですよ」阿求「そういえば、晶さんいつもと服装が―――ががが」小鈴「……うわぁ」阿求「あっ、晶さんは私が嫌いなんですか!?」晶「え、何が!?」阿求「何でこのタイミングで晴れ着着てるんですか!! しかも凄い似合ってますし!!! ありえないほど豪華絢爛ですし!」晶「ど、どうもありがとう?」小鈴「男性……なんですよね? うわぁ、これは凹むわぁ……正直私も凹んだ」晶「誰!? いや、あの、これはですねぇ。姉が望んで姉が用意した僕の意図に反する……」阿求「誰が望んだとか関係無いです!! 着てるだけでもう罪です! 反則です!! 女の敵です! 悪魔!!!」晶「酷い言われようだ。あの、とりあえず……あけましておめでとうございます?」阿求「あけましておめでとうございます!!」晶「その……晴れ着、似合ってますよ」阿求「嫌味ですか!!!」小鈴「今のは嫌味だね」晶「なんかスイマセン……それで、そちらの方は?」小鈴「あ、私は貸本屋『鈴奈庵』で店番やってます、本居小鈴といいます。えっとアキラさん?」晶「あ、はい。久遠晶と申します。よろしく」小鈴「――く、久遠晶!? まさか『知謀百出のアルルカン』!?」晶「何その、聞いただけで悪者と分かるレベルの二つ名」阿求「悲しい事に、晶さんの新しい二つ名です」晶「人間災害に狡知の道化師、そして次は知謀百出のアルルカン! 僕の二つ名にまともなヤツは無いのか!!」阿求「自業自得って知ってます?」晶「ですよねー。でも、たまには違う方向性の二つ名が欲しいです。『普通の魔法使い』みたいな」阿求「普通の人間災害……」晶「人間災害は普通では無い」阿求「じゃあ、普通の道化師?」晶「……なんだろう、字面から溢れ出るこの胡散臭さ。道化師は確定なんですか?」阿求「可哀想ですがハッキリ言っておきますね。ほぼ一言で晶さんの事を言い表せてるレベルで似合ってますよ、道化師」晶「とてもひどいとおもいました」小鈴「あ、阿求! 阿求! ちょっと来て!!」阿求「何よ?」小鈴「……な、なんで幻想郷屈指の危険人物がこの家に来るのよ。と言うか、何でそんな親しげなのよ?」阿求「さっき言ったじゃない、友達よ」小鈴「友達って……ど、どういう経緯で知り合ったの?」阿求「上白沢先生の紹介でちょっと、ね」小鈴「……どういう事?」阿求「貴女が思っているよりも、あの人は遥かに善人って事」小鈴「いや、善人って………………善人が人間災害とか呼ばれる?」阿求「それなら、証拠を見せてあげるわよ? ――晶さぁん! 小鈴が、貴方の事を幻想郷屈指の危険人物だって言ってましたよー!!」小鈴「わ、わーっ!?」晶「それを僕に聞かせてどうすんのさ!? 泣くよ!? そういう事は影でこっそり言ってなさい!!」阿求「影で言うのは良いんですか」晶「聞こえなければセーフの心!!!」小鈴「あ、あの……怒ってないんですか? そんな事言った私を」晶「小鈴ちゃんはさ、僕をイジめて楽しい?」小鈴「い、イジめ!? 滅相も無いです!」晶「僕だって本当は分かってるよ! どう考えても妥当な二つ名だって!! どうせ僕は黒幕キャラだよウワァァァン!?」小鈴「わぁ……それなりの年齢の人間が、晴れ着姿で駄々こねてる」阿求「なんていうか、実際に見ると思った以上に引くわね。イケメンは何をしてもイケメンって言葉を以前に聞いたけど……」小鈴「そもそも、この人ってイケメンの部類に入るの?」阿求「…………どう考えても可愛い系かしら」晶「ゴボッフハァ!?」小鈴「あ、倒れた」阿求「ヤバいわね。狡知の道化師に勝っちゃった……これはもう、明日から『狡知の阿礼乙女』を名乗るしか」小鈴「止めてよ。そんな怪しい二つ名持ってる友達とか嫌よ、私」晶「ぎごあっぁ!?」阿求「あ」小鈴「……これは…………トドメね」阿求「………………」小鈴「……………………」阿求「――うん、リベンジ成功!!」小鈴「えっ、これで見返した事にするの? 女の子としてはむしろ惨敗――」阿求「成功したの」小鈴「あ……うん…………阿求がそれで良いなら…………」晶「………………結局、僕は何のために呼ばれたんでせうか?」 とぅーびぃーこんてぃにゅーど